ネタバレ考察【インターステラー】マン博士の行動と真意を徹底解説|愛と5次元の真実とは?

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クリストファーノーラン監督がこだわり抜いた一作といえば
2014年に公開された【インターステラー】
を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

数々の伏線が散りばめられ、聞きなれない言語が飛び交い、
SF映画の大作でありながらそこに隠されたテーマは『愛』
だという本作。

中でもマット・デイモン扮するマン博士の存在は
大きいものでした。

マン博士は良い人?悪い人?

マン博士の台詞は意味深でしたね⁈

というようにクリストファー・ノーラン監督が
マン博士を通して伝えたかったことは何なのか?
深読み考察しています。

この記事では

・NASAの計画の全貌
・マン博士の本当の狙いとは?
・愛と5次元の繋がりとは?

に着目して推察しています。

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【インターステラー】あらすじ

日常的に起こる砂埃と食糧難や疫病による絶滅の危機が迫っている近未来の地球。
NASAは居住可能な惑星を探して調査隊を送り込んでいた。

元パイロットで宇宙エンジニアのクーパーは現在は農夫をしていた。
クーパーにはトムマーフ(マーフィー)という2人の子どもがおり、
義父と暮らしていた。

マーフは自分の部屋の本棚から本が勝手に落ちる現象を幽霊の行いとして
クーパーに話す。

クーパーはこれを何かのメッセージだと解釈し、解読にあたると
ある位置情報に辿り着く。

クーパーとマーフはそのメッセージが示す場所へと出向いた。
するとその場所は知られてはいけない基地だったため2人は拘束されてしまう・・・。

キャスト
マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、デヴィット・ジャーシー、
ウェス・ベントリー、マット・デイモン、
ビル・アーウィン、ジョシュ・シュチュワート 他

【インターステラー】を視聴するには

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以下、作品のネタバレが含まれます。
未視聴の方はご視聴後に見てくださいませ( ´艸`)

本記事の情報は2024年4月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認ください。

NASAの人類救済計画の全貌とは

滅亡の危機が迫っている人類と地球を救うための
NASAの計画とは何だったのでしょうか。
簡単におさらいします。

土星の近くで発見された〖彼ら〗によって作られたワームホール
通り抜けることで人類を新天地へ移動させるという人類救済計画が始動していました。

まずは移住の可能性が見込める12の惑星に一人ずつ調査員を
送りこみます。

すると、3つの星から『移住の可能性あり』という通信が
返ってきたのです。

そこで移住の可能性を秘めた星を探すという使命を
〖彼らに選ばれた〗クーパーに託すのでした。

NASA(ブラント博士)が隠していたこと

ポイント〖NASAが建てた人類の救済計画には2つのプランがあった〗
プランA:地球の全ての人類全員を移住させる計画
プランB:人類ではなく受精卵を運ぶことで、地球人という存在を残す計画

プランBにおいては地球人の殆どは助からず、運び込まれた受精卵によって
人口培養の後代理出産させることによって地球人を再び増やしていくという
内容になっています。

2つのプランがある・・・そう聞いていたクーパーでしたが
実際にはNASAが実行しようとしていた計画は人類が助からないプランBのみでした。

ブラックホール内のデータを得ることなど不可能に近く、
最初からプランAなど存在していないも同然だったのです。

そしてクーパーやアメリアには秘密裏に行われていたのは
家族や恋人を守れない計画に賛同する人などいない
考えていたためでした。

クーパーやアメリアは知らされていなかった本当の計画を
マン博士は知っていたのです。

最初に12の惑星に送った調査員たちは
家族や恋人など守りたい存在がいないような人たち
を選出したといいます。

クーパーの決断

調査に向かったクーパーたちが最初に降り立ったのは
水や有機物があることが判明しており、3つの星の中で最も近い
ミラー博士の星でした。

しかしそこは実際は大波が押し寄せる厳しい環境下におかれ、
博士も見つからないばかりか、
襲ってきた波によりドイルを失ってしまいます。

再び飛行する調整をするのに時間を要してしまい、
ロミリーの元へ帰還したのは実に23年後のことでした。

燃料の残りもわずかであり、マン博士の星かエドマンズ飛行士の星のどちらか
一方にしか行くことは出来ませんでした。

アメリアは通信の途絶えているエドマンズの星を推しました。
しかしエドマンズとアメリアは恋人同士であることから
クーパーは私情がはさまれていることを懸念します。

そうしてクーパーたちは最高の科学者でこの任務のリーダーという
責務を負うマン博士の星へと向かうことを決めます。

マン博士裏切りの理由を徹底考察

マン博士と合流したクーパー一行でしたが、
実はマン博士は嘘をついていました。

マン博士が辿り着いた星に移住の可能性はなかったのです。
本来は、可能性がない星に辿り着いた者は
そのまま見捨てられるという過酷な運命のはずでした。

しかしマン博士は移住の可能性がない星にいながら
嘘の報告をすることでクーパーたちを呼び寄せました。

マン博士のもくろみとは何だったのでしょうか。

クーパーとマンでは異なる土台

クーパーが子供たちと離れ離れになってもパイロットとして
旅立つ決意をしたのは、それが子供たちの未来を助けることに
繋がると信じていたからです。

旅立ち前に義父に言われた【宇宙へ行く正しい土台(動機)】
それはクーパーにとっては〖家族のため〗でした。

一方で家族が居ないマン博士の土台は、
〖人のために生きること〗人が人でいるための。

心から守りたい身近な存在というよりは
身近にはいない目に見えない誰かが対象

その土台を掲げて辿り着いたのは可能性のない星。
ここで自分の人生は人類のために終わりを告げる。

人類のために覚悟は出来ているはずでした。
しかし一刻一刻とその時が迫る中で、思ってしまったのです。
〖生きたい〗
と。

生存本能こそ人類救済のカギになる

マン博士は人類のために自己を犠牲にするべく地球を旅立ちましたが、
迫る孤独な最後を目前にして誘惑に負けたのです。

マン博士の自己愛によって目覚めた生存本能だったのかもしれまん。

大切な存在の傍に居られなくなる、死という恐怖を感じられるからこそ、
大切な人の世界が終わることを想像できるからこそ
生存本能は生まれるのだということです。

マン博士は悪なのか?

クーパーは、NASAの計画がはじめからプランBを実行するのが目的だと知り、
家族のもとへ帰る決心をします。

それを阻止するためマン博士はクーパーを連れ出しましたが、
マン博士が嘘の信号を送っていたこと、人類の移住先には
ならないことを露呈して、まずはクーパーを抹殺しようとするのです。

クーパーに嘘つきの卑怯者だとなじられてマン博士は答えます。

私は卑怯者じゃない。君はまだ試されていない。この私のように。

それは実際に人生の終わりを目前にしてうまれた生存本能に従った行動でした。

アメリアが話していた、
〖ライオンがガゼルをかみ殺すのは悪なのか?〗
という問いの答えのように。

人間にも生き残りたいという生存本能がさせる脅威はある。

クーパーも同じように試されたら、
自分や家族の危険にさらされたとき、
家族を守るために、卑怯者にならずにいられるのか?

そう言っているかのようでした。

マン博士は人としてもこの任務を任された科学者としても
恐ろしいことを犯したかもしれません。

しかしながら、マン博士の行動は人間の本質的な感情や欲求の部分を
ついているのだと同時に思いました。

マン博士の本当の狙いとは?

クーパーたちを騙し、裏切り、船を乗っ取って
マン博士は何処に行こうとしていたのでしょうか。

自分がクーパーにしたことを悪びれるでもなく、アメリアに、
『クーパーに何を言われたのか知らないが・・・』
と。言い放つマン博士。

〖何とか生き残りたい。孤独は嫌だ。
というマン博士の生存本能と恐怖心は、
ただ自分が生き残るために地球へ帰るという目的を果たすべく、

任務を遂行するという虚言をはかせ、マン博士という人間を、
嘘を知っている者を排除するというライオンに変えたのかもしれません。

マン博士は人類のための自己犠牲を決意して地球を旅立ちましたが、
最終的にはそれを実行することはできませんでした。

一方で家族の未来を守るために帰れるかわからない旅に
やってきたクーパーと接して、家族や大切な人への献身こそが
愛情を生み、それはまた強い生存本能を覚醒するのだと感じたのです。

だからこそ今の自分ではだめだと考えたマン博士は、
見知らぬ人類のためという動機では打ち勝つことはできない。
と考え、天才科学者である自分こそ、
家族という存在をつくって、大切なものを得ることで
人類を救うインスピレーションを得ようとした。

そのためにはまず生き残らなければならない
という一心だったのではないでしょうか。

5次元の要素は愛?

筆者的にはクライマックスのクーパーがブラックホールに
落ちたくだりとか、何故助かることができたのか?とか
その辺りの謎はぼんやりと受け止めることしかできませんでした。

しかしながら、5次元という人間には理解不能な
次元のひとつの要素にはがあって、
家族愛は重力をも超えてしまうほどの
大きな力があるのだと、
そんな明るくて希望のあふれるメッセージが隠されているのかな
と思いました。

人類の未来を描く『インターステラー』

結局5次元の存在である〖彼ら〗とは、
マーフが救った未来の人類だったと示唆されています。

ブラックホール内でクーパーはマーフに
〖STAY〗というメッセージを送り、
クーパーが宇宙へ行かず、マーフたちと共に過ごす過去
しようとしました。

しかしながらその状況は過去を変える為ではありませんでした。

むしろ彼らの未来を創るための状況だったのです。
彼らに選ばれたクーパーは宇宙へ行きますが、
実は選ばれていたのはクーパーではなく彼ら未来を創るマーフ

未来の彼らとその世界が消えないように
マーフを選び、計画を起こさせ、クーパーを導いたと
いうことができるでしょう。

ラストのエドマンズの星

ブラックホールに落ちたクーパーは救われ、自分より高齢のマーフと
再会することができました。

マーフは
〖親が子どもを見送ってはいけない〗
と言って、クーパーを、1人エドマンズの星へ着陸した
アメリアの元へ行かせます。

TARSと共にエドマンズの星へ向かうクーパー。

一方でアメリアが着陸した星ではエドマンズの姿はありませんでした。

しかしアメリアは失意と共にそこに広がる景色を見るのです。
ヘルメットをはずしても酸素ができること。
視線の先にはベースキャンプが・・・。

この星こそ、人類にとっての可能性が存在する場所だったのです。

【インターステラー】まとめと感想

人類愛を土台に掲げて地球を後にした天才科学者マン博士と
目に見える範囲の愛情を掲げて旅立ったクーパーが
対照的に描かれていました。

人類のために犠牲になる覚悟を決めたマン博士は
自らの終わりに直面してその決意が揺らぐのです。

そうして試された結果、生まれたのは〖もう二度とごめんだ〗という感情。

結局、見知らぬ人(類)への献身では
自分を犠牲にすることなどできなかったと言えます。

そして家族や大切な人が居ないマン博士でさえ、
理性を失い耐えきることはできない・・・
本当の孤独とはそういうものなのでしょう。

人は自分を孤独だと思っていても、実際には誰とも接触しない人など
ほぼ存在しませんからね。


一方で
必ず帰ってくることを約束するクーパー。

プランAが存在しないと判明すると即座に家族の居る地球へ帰る
というようにクーパーは家族のための選択を繰り返します。

それでももう地球へ帰ることが叶わないと察すると、
今度は信頼のおける仲間(アメリア)のために犠牲になること
を決めます。

そして恐らくその時点でクーパー自身が信じていなかったであろう
希望の星こそがアメリアが向かったエドモンズの星だったという
愛の伏線回収劇になるのです。

まさに愛だけは次元も空間も時間さえも超えることができる、
偉大で科学的な力なのかも⁈と印象付けられるラストでした。

ところでアメリアが到着した時に、すでにエドマンズがその命を終えていた理由は、
彼がコールドスリープをせずに、
ベースキャンプなどを設立し、お膳立てを優先していたからに他ならない
のではないかと思いました。

そして自分を犠牲にしてまでその行動をとった背景には人類のためでもありますが
もっと言えばここにも
アメリアへの愛情があったからなのではないでしょうか。

人類同志で助け合ったり、他人に優しくありたいと思う心は素晴らしい。
しかしながらそういう感情が持てるのは、
結局は家族や恋人、友人といった近しい狭い範囲への
確固たる愛情があってこそなのかもしれません。


ガルガンチュアの中へと落ちていったクーパーは
選ばれていたのは自分ではなくマーフだったと悟ります。

これはすなわち、未来の人類が全ての結果がうまくいくように
導いていたともいえるのかもしれません。

そしてそれに必要不可欠だったのは愛のちから
それさえあれば、人類の未来が真っ暗闇になることはない。

本作のテーマはSFでありながら〖愛〗だというのが
納得の一作です。

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