ネタバレ考察【ブラック・フォン】何故グラバーは不気味な仮面を被るのか?

洋画
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映画【ブラック・フォン】は、スティーヴン・キングのご子息であり小説家の
ジョー・ヒル『黒電話』を映画化したものです。

イーサン・ホークがクレジットされているけれど
何役で出ているの?

少年ばかりがさらわれるのは何故だろう?

といった気になる点に着目しながら
ネタバレありで推察と感想を綴っています。

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【ブラック・フォン】あらすじ

1978年、コロラド州の郊外の町に住む少年フィニーは、
父親と妹と3人で暮らしている。

父親は子供たちに暴力を振るうことも多々あり、
親子関係は良好ではなかった。

気弱なフィニーは学校でもいじめられっ子であったが
そんな兄を妹のグウェンが庇うなど、
同じ境遇で育つ兄妹は支え合い、その絆は深かった。

フィニーの住む町では少年の誘拐事件が多発していた。
そしてその犯人はグラバーと呼ばれていた。

ある日1人で下校していたフィニーは
黒風船を持って仮面を被ったマジシャンに出会い、
手品を見るか?』と誘われ、興味をもって近づいてしまうが・・・。

キャスト
メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ、イーサン・ホーク、
ジェレミー・デイヴィス、ジェームズ・ランソン 

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以下、作品の結末までのネタバレを含みます
未視聴の方はご視聴後のご訪問をお待ちしております。

本記事の情報は2024年5月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

イーサン・ホークが演じる仮面の誘拐犯

イーサン・ホークの無駄使い?とも評された彼の役どころは
子どもばかりを狙う連続誘拐犯グラバーなのです。

そしてグラバーは劇中の殆どで仮面を被っているというのが
無駄使いとされる理由です。

そんな風にイーサン・ホークに仮面を被らせるに至った
グラバーという犯人像に迫ります。

不気味な仮面を被る心理

自分の素顔をさらさないのは
強い者を演じているからと言えます。
自分は食われる側ではなく食う側である(なりたい)という主張なのでしょう。

女性で言うところのメイクとか、
勝負〇〇のように、自分を奮い立たせるためのアイテム
グラバーにとっての仮面なのです。

そして仮面の種類は一つではありませんでした。
もしかしたらグラバー自身は喜怒哀楽を自分の顔では
表せないほどの、何らかの原因を抱えているのかもしれません。

弱すぎる本当の自分を強くみせるため
手段が仮面だったのではないでしょうか。

少年ばかりを標的にする理由

子どもばかりを狙うのは、グラバーの弱さの表れです。
と同時に自分の強さを誇示したい願望です。

少年ばかりを狙うのは、少年に自分を重ね
弱さを見出していると思われます。

かつてはグラバー自身も支配され、『ゲーム』という名のもとで
虐待を受けた過去があるのではないでしょうか。

グラバーが子どもたちに課すルールは
かつてグラバー自身が課せられたルールなのだと考えられます。

幼少期に受ける心の傷は大人が思うよりも深刻で
その先の未来さえ左右してしまう可能性もあります。

幼少期に傷を負い、辛い過去から抜け出せずにいることで
自己肯定感が低い人間になってしまうという現象は
珍しいことではないようです。

身体だけが成長したグラバーの心は実は辛い幼少期のまま。
それなのに悪しきゲームだけは受け継いでしまったのです。

自分よりも弱い少年たちを相手に
虐待と殺戮を繰り返す。

その行為はグラバーにとって、自分が服従させる側にたった証であり
力を誇示できる、グラバーが自信が持てる方法だったのです。

フィニーとグラバーの明暗

フィニーとグラバーは被害者と加害者という関係性にありながら、
実は似ている点があるのではないかと推察しています。

フィニーの父親は妻を失くしてからというものお酒におぼれる
ばかりか子どもたちへの圧力をかけることや虐待を度々行っていました。

グラバーもフィニーも子どもでありながら暴力が身近に存在する
環境下で、その小さな心は圧迫され続けていたのではないでしょうか。

グラバーもまた身近に暴力が存在する環境下で育ち
屈しつづけて弱さに甘んじるしかありませんでした。
しかし
その結果、虐待を受け続け支配されていたあの頃の傷から
流れる血はまだとまっていないのです。

そんなグラバーの自己防衛本能が働き
グラバーに仮面を被らせ、自分のようなルールを破る子を
虐待することで自我を保っていると言えるのではないでしょうか。

グラバーは凶悪犯であり、許されない罪ではありますが
その奥にある悪の根源は暴力がもたらす負の連鎖なのかもしれません。

幼少期という心や脳にとって大切な時期にうける傷は
その後の人生をも暗闇に落としてしまうのです。

大人の力に耐え忍んだ結果、犯罪者と化してしまったグラバー
立ち向かい打破したことで自分の弱さを打ち破ったフィニーという
構図は一見、明暗が分かれたように思えます。

しかしながら、グラバーとフィニーが暴力という方法で
自分を救った
という事実は同じであるということもできると思います。

フィニーには生きて脱出できるかどうかの瀬戸際だったことも
ありますが、さらわれた少年たちの復讐願望を叶えた結果になった
とも言えます。

グラバーが少年たちに悪事を行う心理をフィニーも理解できてしまった
のかどうか・・・

グラバーとは異なる明るい要素があるとすれば
フィニーには辛い体験を分かち合いお互いを思い合う
妹が傍にいる
ということでしょう。

まとめと感想

ホラー映画でありながら、怖いだけではなく、
すでに被害にあってしまった少年たちの助けや
ロビンとの友情、妹との絆は心を打たれるストーリーでした。

グラバーは自分にはない強さ、
否定され続けることに屈しない者に憧れていたのだと思います。

フィニーからホームランを奪ったブルースや不良少年だったグリフィン、
そして喧嘩が強い親友のロビン

彼らのような秀でた少年を狙ったのは
彼らに自分を支配していた存在の面影を見たからなのかもしれません。

そんな中で、ひときわ弱者であるフィニーの中に
自分の面影を見た
から彼を特別な存在として扱っていたのでしょう。

グラバーの犯行動機の正解や人物像は明かされないまま幕を閉じました。
ロビンがどのようにしてグラバーに敗北したのかも明確にはなりませんでした。

そんなブラック・フォンには続編となる『ブラック・フォン2』
公開予定となっています。

イーサン・ホーク他、フィニーやグウェンなどの子役たちも
再び集結するとのことです。

本作で明かされなかったエピソードや謎が
開示されるのでしょうか?

オリジナルストーリーとなる続編も
楽しみな一作ですね。

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