『花束みたいな恋をした』ネタバレ感想・結末の考察/別れの理由と涙の意味

邦画
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『東京ラブストーリー』『怪物』などの脚本を手掛けた坂本裕二氏の映画
『花束みたいな恋をした』

主演は菅田将暉有村架純というキラキララブストーリーなのかと
思いきや一筋縄でないかない恋愛物語なのです。

本作の結末をハッピーエンドとするかバッドエンドとするか
自身の恋に重ね合わせて様々な気持ちがあふれ出してしまったのではないでしょうか。

本記事ではそんなただの恋愛物語として消化できない本作を、
別れの理由と涙の意味に着目して推察しています。

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『花束みたいな恋をした』あらすじ

ある夜、京王線の明大駅前で終電を乗り過ごしてしまった
山音麦八谷絹、そして社会人らしき男性と女性。

顔を見合わせた4人はひとまず深夜でも開いているお店へと入った。
しかしその店には偶然アニメーションの神様が居合わせ
興奮する麦と心の中で密かに驚きをみせる絹だった。

そんな彼らに対し、神様の存在を知らない社会人の男女は
意気投合し、二人でタクシーに乗り消えて行った。

麦と絹もその場で解散してお互い帰路に向かおうとしていたが
神様の存在を自分も認知していたことをどうしても伝えたかった絹は
麦を追いかけ引き留めたことから居酒屋へ場所を移して会話を広げた。

そうすると、2人は神様のことだけではなく、
好きな作家や音楽、映画などが酷似していた。

さらに、天竺鼠のお笑いライブチケットを買っていたのに
2人とも行かなかったという不思議な共通点は
もはや運命的であると感じた。

そんな2人が恋に落ち、恋人同士になるのに
時間はかからなかった。

駅から徒歩30分を要するものの
ベランダから多摩川が見えるマンションで2人は同棲を始める。

就職活動をしていた絹だったが、圧迫面接に心が折れ、
夢を追いかけることを決意する。

そんな2人は大学を卒業し、絹はアイスクリーム店でのバイトをしながら
夢を追いかけ、麦は得意のイラストで食べていきたいと願っていた。

拾った黒猫との3人の生活が始まった。

駅からのコーヒーを片手に帰宅の途につく
麦と絹を幸せな時間が包んでいた。

絹の両親や麦の父親が苦言を呈してくるまでは・・・。

キャスト
菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、韓英恵、古川琴音、
中崎敏、小久保寿人、押井守、戸田恵子、岩松了、小林薫
 他

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年3月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

『花束みたいな恋をした』麦と絹の結末

2人で夢を追いかけながら過ごす楽しい生活は
麦の父親がフリーター生活に苦言を呈し、
仕送りを止めたところから少しずつ風向きが変わって行きました。

イラストだけでは生活できないと悟った麦は
絹との生活を守るため、就職することを決意します。

2人のために賛同した絹は簿記の資格を取得し、麦より早く就職が決まります。
その後、麦も物流会社の営業マンとして就職を決めました。

麦の就職先は5時が定時ということもあり、
イラストを描く時間が確保できると喜んでいた2人でしたが・・・。

最悪なプロポーズ

ところが実際は違っていました。

麦の職場では『大変なのは最初の数年だけだから』という常套句で
定時に帰宅できることはなく、残業ばかりで、休日まで仕事に勤しむ日々でした。

そんな中、麦と楽しんでいた映画や舞台などをキャンセルすることが多くなった麦

そんな麦に対しても『仕事だから』と理解を示していた絹でしたが、
積もり積もった寂しさは表情や言動からあふれ出てしまっていました。

他でもない絹とずっと一緒に居るために好きでもない仕事に懸命になり
疲れ果てて趣味を楽しむ時間さえ持てなくなった麦は
そんな絹に苛立ち、2人は口論になってしまいます。

さらに絹は麦に相談をすることもなく、簿記の資格を取って就職した仕事を
あっさりとやめ、麦曰く遊びの延長のような仕事に転職すると言うのです。

理解に苦しむ麦は、好きなことをしたいという絹に、
喧嘩中にも関わらず、
『じゃあ結婚して、好きなことをすればいい』
と言い放ちました。

それは絹が思い描いていたのとは程遠いプロポーズでした。

絶望の夜

最悪のプロポーズは撤回され、その後も麦は仕事に忙しく
2人のすれ違いは続きました。

そんな最中、麦の先輩が風呂場での事故で亡くなってしまいます。

そろって葬儀に出席した2人でしたが、
その夜、先輩の喪失に耐えきれず眠れない麦
麦ほどの悲しみが持てない絹は大きくすれ違い、
翌朝、話しかけようとした絹を麦がスルーしたことで
お互いが、この関係をどうでもよくなったと感じ、
恋愛の終わりへと加速していったようでした。

あの頃の2人の姿

イベント会社で楽しく働く絹と、多忙な麦は
もう会話すら交わすことはなくなっていました。

そんな辛ささえにじむようになった生活の最中、
2人は友人の結婚式に参列します。

麦が未体験だと言う観覧車にも乗った2人は
出会った当初、麦のガスタンクと絹のミイラという趣味にお互いが
『実は引いていた』と談笑します。

そんな会話で盛り上がる中、
久しぶりに楽しいと感じることができた今日だからこそ、
別れを告げようと決意する麦と絹でした。

2人は式の帰り道、思い出のファミレスへ立ち寄ります。

いつもの席で立ち止まってしまう麦でしたが
通されたのは違う席でした。

別れを切り出す絹でしたが、麦は楽しかった一日を振り返り、
恋愛感情がなくても夫婦としてならやっていける
と絹と結婚し家族になることを提案します。

そんな時、ふとあの思い出の席に視線をむけると
かつての麦と絹のように、
同じ趣味に喜びを分かち合いながら恋を育むもうとしている
キラキラした2人の若者の姿
がありました。

まるでかつての麦と絹のようだと感じてしまった2人の頬を
涙がつたいます。

耐えきれず店を飛び出した絹を麦が追いかけ、
優しく包み込みました。

恋じゃなくなった2人

結局、別々の道を歩むことを決めた2人でしたが
そう簡単に新居は見つからず、
恋人という関係を解消してからも数か月同居が続きました。

『実は浮気してた?』
と問う絹に、麦は『してないけど』と返し、麦はそんなことを聞く絹に対し
『え‽!』という表情と絹の方はしていたのか?という疑念が浮かびあがります。

そんな麦に、笑ってごまかす絹でした。
奇しくも別れてからの数か月は、ここ最近ではなかった2人の明るい表情が
蘇りました。

一人に一個ずつ

時が経ち、新たな恋人とカフェを訪れた麦は
店内で一つのイヤホンを片耳ずつつけて音楽を楽しむカップルを見て
『あれはだめだ』
と意義を唱えようと立ち上がりますが、同じように立ち上がった絹を見つけます。

2人は視線を交わし、バツが悪そうに席に戻りました。

やがて2組のカップルは食事を済ませ別々の方向に歩き始めます。

言葉を交わすことはなかった2人ですが
それぞれ今のパートナーに寄り添いながら振り向くことはなく、
お互いに後ろ手に手を振りあう麦と絹でした。

行きつけだった高齢夫婦が営む思いでのパン屋を懐かしむ絹と、
グーグルマップにあの頃の麦と絹を見つけ二度目の奇跡に
高揚する麦
でした。

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別れの理由と涙の意味

社会に出るということはお風呂に入ること
だと豪語していた絹の母。

入る前は面倒に思っても入ってしまえば心地のいいものだと言っていましたね。

それでもかたくなに夢を追っていた麦と絹でしたが、
麦は父親からの仕送りを経たれ、生活して行くという現実に向き合った末
2人の生活は一変することになります。

社会に入って、生き甲斐や責任という使命感で未来を築こうとした麦と、
社会に馴染めず、自分の好きを追及し今を大切にしたかった絹
の間には少しずつ距離が開いていくのは必然でした。

多忙な仕事で絹との趣味の時間の共有を蔑ろにしてしまった麦と、
2人で居ても孤独感が生まれてしまう絹は
未来と今という見据えている世界が違ったのです。

先輩の訃報

麦が慕っていた先輩であるカメラマンの青木の訃報は
麦と絹の恋愛の終止符を打つ決定打となりました。

青木は麦にかつて
『社会性や協調性は才能の敵』だとアドバイスします。

物流会社で営業マンとして順応できてしまった麦に
イラストレーターとして才能で食べて生きたかった
という気持ちが、どの程度本物であったかは不明です。

しかしながら社会の波にのまれず、自身の才能で生きる
青木が麦のあこがれの姿であったことは間違いないのでしょう。


ところが実際は、青木は自身の才能で十分な稼ぎが得られず、彼女である菜那
水商売をさせていたのでした。

そればかりか菜那に暴力を振るっていたのです。
その事実が露呈した時、
青木を擁護する男性陣と菜那に同情し青木に敵意を向ける
絹たち女性陣が対照的でした。

そんな青木は浴室での事故で亡くなったのでした。

麦はその訃報に張り裂けそうに心に打撃を受けました。
それは、もしかしたら自分の姿だったかもしれない
という思いや、社会にのまれてしまった憧れへの無念など
悔しさや後悔や悲しみが交差したからに他ならないのでしょう。


しかし菜那と親しくなっていた絹は青木の暴力や酔うと他の女性を口説く性質を
良く思っていませんでした。

そんな青木の喪失を麦のように悲しむことも、麦に寄り添うことも
出来ず
に、その夜2人は心も身体も別々に過ごすことになりました。

このことが麦には耐えがたく、絹を思う糸が断ち切られた一夜となりました。

一方で絹の方はその夜の後悔や本当の気持ちを明かそうと
麦に会話を求めますが、時は既に遅く麦はこの申し出を取り合うことなく
スルーしてしまうのです。

そのすれ違いはお互いがお互いを
『もう、どうでもいい』
と切り捨てる結果となったのでした。

おわりのはじまり

別れの理由はお互いがその関係をどうでも良くなったことでした。

2人の恋愛が終わりはじめたのは麦にとっては絹との安定や未来を見つめ
責任ある大人として懸命に日々を生きているのに、絹の
不満げで稚拙な思考にうんざりしてしまった
というところが要因になっているのでしょう。

絹にとっては、圧迫面接に押しつぶされたあの時の麦の
『好きなことをすればいい』
という気持ちを頼りに今を楽しい一色で染める生活を
願っていたのに、一緒の時間は激減し、
やがて絹の好きなものや2人の思い出の映画さえ
忘れてしまったかのようにおざなりにされたことで
『好き』な気持ちまでも否定されたように感じたことでした。

過去の幻影が突き付けた真実

共通の友人の結婚式に参列した麦と絹は
お互いに別れを決意していました。

初めて本音をぶつけあった2人は
麦のガスタンクと絹のミイラという趣味を
お互いに引いていた、と暴露しました。

しかしいざ別れ話をしようと立ち寄った思い出のファミレスで
麦は楽しい時間が惜しくなるのです。

『恋愛感情がなくなっても夫婦としてやっていける』
と言って結婚の提案を持ち掛けます。

絹もまたそんな未来を描けないことはないと同調しそうになった時、
かつての麦と絹の席に座ったカップルが目に飛び込んできました。

それは紛れもなく出会ったころの麦と絹の姿でした。
運命的にすら感じた同じ趣味、好きなもの、
いくらでも語り合うことが出来たあのころ。

相手を思い相手を知りたい感情でときめいていた2人でした。

そんな幻影を見ていたら涙があふれ出して苦しくなり
店を飛び出した絹。

絹を追いかけ涙で包みこむ麦。

泣いている理由

こんなに楽しい時間を共に過ごせても
同じ光景を見て涙を流したとしても
そこに立ちはだかる距離が縮むことはなかったのです。

絹が流すのは、消えゆく恋愛に悲しむ涙
たった今、結婚するとかしないとか関係なく
恋をしている2人でいたい

そんな理想が叶わないことを実感した涙でした。

一方で麦の方は、自分が既に絹への恋愛感情を手放し
あのカップルが完全に過去になったことを実感した涙だった
のではないでしょうか。

そんな自分の絹への懺悔と後悔

そして家族や安定を期待している自分と
彼女に恋した麦という過去を追い求めている絹との未来が実現しないことを
悟った涙でした。

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『花束みたいな恋をした』感想と考察

別れのその日を『最後くらいは』と言う麦と
『最後だからこそ』と語った絹。

この語尾に隠された恋愛への温度差が悲しい場面でした。

至極穏やかな別れを遂げた2人に
別れる必要があったのか?という疑問さえ浮かんでしまいますが、
既に恋愛感情というときめきを失った2人だからこそ
穏やかさを取り戻せたのかもしれない切ない終わりでした。

本作のラストでお互い後ろ手に手を振る麦と絹。
彼らはその後復縁するのではないか?
と期待が生まれる結末でした。

しかし個人的には復縁はないのでは?と予想しています。

ラストで彼らはお互いに相手に手を振ったのではなく、
自身がこの恋に完全にバイバイしたという描写に見えたからです。

別れの時の麦による『恋愛感情がなくても・・・』発言、
そして麦にも恋愛感情があったころの2人の幻影を見て
絹は傷ついたのです。

それはもう麦と絹の間には恋愛感情はないことを
実感したくはなかった涙だったと思うのです。

絹にとって終わりを認めないまま、終わった恋でした。

そして麦もまた結婚の提案をしていたのですから、
悲しい終わりになったことには違いなく、そんな気持ちが
再会時にもまだ、絹がかつて送ったイヤホンを使用していたことに表れている気がしました。

そんな2人が、一つのイヤホンを片耳ずつつける
恋愛し始めのかつての自分たちの姿を見て意義を唱えます。

それは恋が終わった2人の変化を示唆しているとも言えるのではないでしょうか。

そして突如、麦と絹は再会に気づき、
お互いのパートナーをそっちのけであの頃の恋に思いをはせてしまいます。

一つのイヤホンを2人で分けあう、あの頃の2人を否定した麦と絹は
そうして初めて2人にとってお互いにあの恋が綺麗な過去になったのでしょう。

ところでオダギリジョーさん扮する加持はどんな役割を果たしたのでしょうか。

絹が酔って迫った相手であり、何も話していないのに、絹の好きなラーメンに誘う
加持に実は心はときめき恋をしていたのではないでしょうか。

麦と恋愛を進行形にしたかった絹の方が実は心は別の誰かになびいていて
絹との恋愛を諦めた麦の方がむしろ一途に締めくくったのが皮肉でしたね。

麦と絹の恋愛は5年を待たずに終止符が打たれてしまいましたが、
もしも恋愛が花束のようだったとしても
その先にはもっとがっしりした確かな思いが
誕生するのだという期待を持たずにはいられない切ない一作です。

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