Huluオリジナル『十角館の殺人』ネタバレ感想/衝撃の一行と結末の瓶

ドラマ
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Huluで2024年の年間視聴率ランキングオリジナル部門第1位に輝いた
『十角館の殺人』(全5話)を視聴してみました。

ミステリー作家・綾辻行人氏の『館シリーズ』第一弾の同名小説
が原作になっています。

【映像化不可能】とまで言われていた所以は
ある一行にありました。

実写化の挑戦で実体験する衝撃の一行と結末にあらわれる瓶の行方について
ネタバレ解説、感想を綴っています。

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Huluオリジナル『十角館の殺人』あらすじ

1986年3月、K大学のミステリー研究会に所属する
7人の学生が角島へ合宿に訪れた。

遡ること半年前、角島というその孤島では
『青屋敷』が焼け落ち、中から建築家の中村青司を含む4人の亡骸が発見されるという
痛ましい事件が起きていた。

7人は謎の事件が起きたその場所に唯一残っている中村が設計した十角形の建物
『十角館』で1週間、外の世界から離れて執筆合宿を計画していたのだ。

一方、かつてミステリー研究会に所属していた学生の江南孝明の元には
『青屋敷』事件で亡くなった中村青司から1通の手紙が届いた。

その内容はミステリー研究会に所属していた中村千織の事故死について
責任を追及するものだった。

江南はミステリー研修会のかつての仲間に連絡を取り、
彼らが合宿へ行っていること、彼らの元にも同様の手紙が届いていることを知る。

一人で中村青司の弟である紅次郎の元を訪ねた江南は
紅次郎の後輩である島田潔と出会い、共に真相を探るべく
ミステリー研究会に属してるが合宿に参加していなかった
守須恭一の元を訪れると、彼の元にも同様の手紙が届いていた・・・。

キャスト
奥智哉、青木崇高、望月歩、小林大斗、長濱ねる、今井悠貴、米倉れいあ、
鈴木康介、瑠己也、菊池和澄、濱田マリ、草刈民代、角田晃広、前川泰之、
河井青葉、池田鉄洋、仲村トオル
 他

『十角館の殺人』をHuluで視聴する!

以下、ネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年、4月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

映像化不可能と言われた衝撃の一行

原作小説が『実写は不可能』と言われていたのは
『あの一行』を再現することが困難だからでした。

Huluオリジナルドラマはそんな困難をどう乗り越えたのでしょうか。

2つの物語が繋がる瞬間

物語は角島へ合宿に向かった7人のミステリー研究会(以下ミス研)のメンバー
が外部との連絡が途絶えた孤島で事件に巻き込まれて行く
島パート。

そして合宿に行っていないメンバー守須とかつてミス研に属していた江南
紅次郎の後輩の島田の3人が真相を追究していく本土パート
に分かれて展開が進んでいきます。

島では、3日目にオルツィが殺され左手が消失するという事件が起きてから、
カーアガサが毒殺され、ルルウが撲殺、
その後、ポーも毒殺されてしまいます。

残されたエラリィヴァンは犯人は屋敷のどこかに潜んでいると考え
探索していると地下室で一人の亡骸を発見しました。

一方、本土パートにおいては江南と島田、そして守須の推理によって
徐々に謎が紐解かれていくのです。

推理が進んで行く中、江南が島に向かったメンバーの身を危惧していたように、
十角館が焼失し、島に向かったメンバーは
全員、亡くなったという訃報が飛び込んできたのです。

警察の見解は、事件の犯人はエラリィで、
彼以外のメンバーを殺害したのち、自身は灯油をかぶり焼身自殺したということでした。

あの一行を放つ犯人の正体

島に合宿へ行った6人のメンバーが生存して本土に帰ってくることは
ありませんでした。

江南は遅すぎた解明に気を落としていましたが、
視聴者はここでふと疑問に思うのです。

『6人全員?』
『7人じゃなかったっけ』
『ヴァンはどこへ行った?』

そんな疑問が押し寄せる中、島田が守須にニックネームを問いかけます。

すると風に吹かれて髪をなびかせる守須が呟くのでした。

ヴァン・ダインです

映像化が不可能と言われた理由

原作小説では読者が
江南(コナン)の友人の守須のあだ名を『モーリス・ルブラン』だと
思い込んでしまうトリックを利用しました。

しかし守須が放ったこの一行で、
初めて?守須=ヴァンであることが判明するのです。

そしてその事実は守須は島と本土の両方に存在し、
島に行った全員を殺害した真犯人だったというどんでん返しを目の当たりにし
衝撃に包まれるのでした。

ところがこれは小説という顔の見えないものでこそ味わえる衝撃なのだと
捕らえられ、映像で表現するのは不可能であると考えられました。

角島合宿事件の全貌

角島にミス研メンバーを誘い込み、彼らを全員殺害した犯人は
ヴァン・ダインこと守須恭一
だったのです。

かつて守須はミス研に入部してきた中村千織と交際していました。
しかしこの交際は守須の希望によって周囲には秘密にしてきたのです。

そんな中、ミス研の飲み会が開かれ、守須自身は帰宅し、千織にも帰宅を促しますが、
千織は逆に守須を引き留めました。
その言動から2人の仲を怪しむ部員の声に、守須は強い否定の言葉を発してしまいます。

結局帰宅することを選択した守須と、その場でもっと守須と一緒に居たかった千織は
扉が閉められる隙間から交わす視線が最後となってしまいます。

三次会飲みに参加した千織は急性アルコール中毒から心臓発作を誘発し
そのまま息絶えてしまったのです。
千織には元々心臓の病があり、お酒はそれに悪影響を及ぼすことを認識していたはずでした。

病院に駆け付けた守須はメンバーの発言を聞いて
彼らが千織を助けることよりも、
そこで起きた事件に興味をそそられた
のではないかという疑念に
飲み込まれたのです。

そんな守須は角島に千織を見殺しにした(と思っている)メンバーを
おびき寄せ、復讐を果たしたのでした。

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結末の意味と瓶の行方

ヴァンこと守須は恋人だった千織の復讐をすると決めたものの
その罪の所在はどうしたらいいのか苦悩し、
自身の罪を綴った紙を入れた瓶を海に投げ込み
その審判を神に託したのでした。

ヴァンの完全犯罪は警察も見抜くことは出来ませんでした。
事件はエラリィの犯行という結末で幕を閉じたかに思われました。

そんな最中、江南は守須の元を訪れ、自らの推理を明かします。
エラリィは千織の恋人だったのではないか・・・と。

生前の千織と話した江南は、千織の秘密の恋人の存在と、
その恋人からプレゼントされたリングのことを思い出したのです。

千織は2人の関係を公にしたく、リングも堂々と身につけたがっていた
と語ったのでした。

その話を聞いて、千織を殺したのは自分だと涙ぐむ守須に、
島田はもう一つの解釈がある・・・と言いました。

島田にはすべてが解けたのだと察知した守須は
もうやめましょうと遮ってその場を後にします。

ところが海辺を歩く守須の足元に流れ着いたのは
彼自身が流した罪が入った瓶だったのです。

その瓶を手に取り『審判』が下ったことを受け止めた守須は
近くで遊んでいた子どもに、その瓶を島田に渡すように頼むのでした。

そんな場面で幕を閉じる本作ですが、
あの後、その瓶を受け取り、中身を見て驚く江南と、
わかっていた島田、そして守須はそのまま自首しに向かうのかもしれません。

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Huluオリジナル『十角館の殺人』感想

筆者は原作未読でドラマの方を先に鑑賞しました。

そしてミス研メンバーを演じた俳優さんを熟知していなかったことが
幸いしまして、見事に守須=ヴァンだという真実を
あの一言が放たれるまで見抜けませんでした。

よってその一言が放たれる4話の結末は鳥肌物でしたね。

実写化不可能の対策として、ヴァンを演じた小林さんが
島にいる時と本土にいる時とで髪型を変えたり眼鏡やマスクを着用したり
しなかったりという工夫で見事にあの一行を成功させたと
言えるのではないでしょうか。

また筆者的には中村青司を演じた仲村トオルさんが
ミス研メンバーとの認知度の対比になり
『トオルが怪しすぎる』という思い込みにかられてしまったのも
筆者の敗因wwwになったと思われます。

十角館をおじさんが買い取り、皆より先に到着して風邪を
こじらせているヴァン自体は怪しく映っていたことも否めませんが、
ヴァンが犯人ではと疑った後もヴァン=守須には驚いた方が
多かったのではないかと思います。

Huluではこの『館シリーズ』の第二弾の製作が決まっているのだそうで、
どの『館』がくるのか?楽しみですね!

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