Netflix映画『iHostage』ネタバレ解説・考察/犯人の動機と衝撃の結末

洋画
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実際にアムステルダムのアップルストアで起きた事件を
犯人、人質となった者、そして彼らを救うべく動く警察の各視点から描いた
Netflix映画『iHostage』

犯人の動機は何だったのか?衝撃の結末を
解説しています。

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『iHostage』あらすじ

ブルガリアから仕事のためオランダを訪れていたイリアンはAirPodsを紛失してしまい
新たな物を求めてアムステルダムにあるアップルストアを訪ねた。

多くの顧客でにぎわう店内に突然、迷彩服に身を包み、銃で武装した男性が
顧客や店員たちに向かって、『動くな、伏せろ』と繰り返した。

しかし多くの顧客は逃げ惑う。

イリアンは入手したAirPodsをポケットに入れると、
その場に伏せた。

犯人の男性はイリアンを人質として拘束した。

警察との通話から犯人の名前はアマールだと判明する。

一方で、店員のミンガスは自身が担当していた顧客と
エレベーターで逃げようとしていた親子を連れて
カードキーがないと入れない備品庫に身を潜めた。

アマールは警察の交渉役のリンに2億ユーロを暗号通貨で用意するよう要求した。

キャスト
スフィアン・ムスリー、アドミール・セホヴィッチ、ルス・ハーフェコート、
マルセル・ヘンセマ、エマヌエル・オヘネ・ボアフォ、ルイ・タルプ 
 他

以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

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犯人と人質と救う者たちの結末

本作は実際に起きたアップルストア立てこもり事件を元に
犯人と人質、そして警察関係者という各視点に着目した演出が
なされています。

それぞれの結末に着目しました。

iHostage

ただ一人アマールの人質として囚われてしまったのは
ブルガリアから仕事で訪れていたイリアンでした。

妻の『マイホーム』という夢を叶えるために出稼ぎに来た彼は
AirPodsを紛失してしまい余計な出費にショックを受けます。

イリアンにとっても金銭的なことや家というものが切実であることが伺え、
店内に居た客の中で最もアマールの気持ちに近づける存在だったのかも
しれません。

しかしながらアマールとイリアンの決定的な違いは
彼を待っている人の存在があり、帰る場所があることです。

だからその場所で人生を終わらせることは回避したいという
強い意志がありました。

その違いは大きく、それは犯人と人質という正反対の立場を創り、
生きるための勇気を与えてくれたのでした。

見えない人質

アップル店員のミンガスは機転をきかせ、接客中だった顧客と
逃げようとしていた母娘を備品部屋にかくまいました。

そこは店員以外は開けられない場所でした。
しかしそれでも、犯人に見つかっていないという現状は、
見つかってしまう恐怖がつきまとうのです。

見つからないように息をひそめ、見えない犯人に怯え、
少ない情報に掻き立てられる悲惨な想像・・・。

もしかしたら、外に特殊部隊を拝めるイリアンとは別の
想像を絶する恐怖がその空間には立ち込めていたのかもしれません。

事件が解決し、ミンガスは電話のやり取りをしていた警官に思わずハグしてしまいます。
そして家路につくために乗せられた車両の中でそれまで客を守ることに徹した彼の瞳に
やっと涙が溢れ、心からの安堵と、抑えていた恐怖とが入り混じって襲ってきたのでした。

アマールの動機は不明のまま

イリアンを追いかけていたアマールは警察の特殊部隊の車両に
轢かれ地面に横たわったまま物語は幕を閉じました。

よって彼の動機や目的などは不明のままでした。
これは事実も同じのようです。

あくまでストーリーからの推察ですが、
アマールは孤独に疲れたのかもしれません。

帰る場所もなく、自身を気にかけてくれる人すら皆無の世界で
生きていく力を失ってしまったのではないでしょうか。

人質にとったイリアンを兄弟と呼び、
交渉人のリンを相棒と呼ぶ、その裏には自分に目を向けてくれる
誰かを欲していた真意
が垣間見れる気がします。

ラストで自分から逃げ出すイリアンを追いかけたのは
一人で死にたくなかったからなのかもしれません。

罪は憎むべきですが、誰も傷つけることなく
生きた証を最悪のカタチで残すこととなったアマールを
助けることはできなかったのか?
そんな後味に影を残す最後でした。

救う者たちの正義

立てこもり事件が発生して、チェスを楽しんでいた場所から
呼び出される者、家族と引き離された者、
そして犯人をも救うために言葉を武装する者たちがいました。

司令官のケースはアマールが銃だけではなく身体に爆弾を巻き付けている
状況を危惧し、爆破を回避しようと試みます。

そんな最中、アマールが気づいていない約40人もの人たちが
店舗の2階に潜んでいるという情報をインフルエンサーがSNSで拡散するのです。

しかも投稿の削除を求める警察に拒否を示すインフルエンサーに対し、
怒り心頭のケースは電話口で暴言を吐きまくり、脅しともとれちゃうような
捨て台詞を浴びせます。

そこまで冷静な人物に見えたケースの人の命を重んじるという正義が
示唆される場面でした。

一方、交渉役としてアマールを投降させることを目的とする
リンは、アマールの気持ちに寄り添い情報を聞き出します。

しかしやっと打ち解けてきたところでアマールからの
男性指名によりその役目を返上することになってしまいました。

その結果、リンが思う使命を果たすことは出来ず、
自身に心を許し始めたアマールの死に表情が曇る姿は印象的です。

ケースは40人もの人質の救出に成功したのは
リンがアマールの気をそらせたからだと評価しますが
彼女自身の表情に明るさが戻ることはありませんでした。

交渉役として人質を救い、犯人も正しい道へ導くことを
使命としていたのでしょう。

そんなアマールのイリアン追撃を阻止するべく
また爆発物への配慮から車両で轢いた特殊部隊のウィストン
この事件を幕引きしたと言えるでしょう。

きっかけはイリアンの逃げ出す勇気でしたが、
再びイリアンが人質になるのとならないのとでは雲泥の差が
生じていたことでしょう。

ウイストンは上官や同僚から良く動いたと評価されますが、
彼自身の興味は、早く家族の元へ帰りたいということでした。

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『iHostage』感想

2022年2月22日に起きたという実際の事件の概要を
おおよそそのまま描いた本作。

犯人と人質と警察という各視点で描かれた物語は
それぞれの心情が刺さります。

結局、謎に包まれたままのアマールの動機。
視聴者はその動機や思いを想像するしかありません。

なぜアップルストアだったのか?
そこに謎を解くカギがあるように思います。

日本で初めてオープンしたアップルストアの所在地は銀座。
かつてハワイのワイキキにもありました。

一等地に建つアップルのイメージは高級感とか明るい印象です。
そこに足を運べる裕福で余裕のある日々を送っている人たちをターゲットとし、
同時にそれらは憧れても手に入れられないと絶望視していたのかもしれません。

劇中でアマールはイリアンを救えるのはリン(警察)次第だというようなことを
口にしていました。

イリアンに自身を重ね、ブルガリアから出稼ぎに来た彼を社会は救うのか
そんな掛けにでたのではないでしょうか。

このまま時が経過していけば、
類似の事件はきっともっと多く起こりうるのかもしれないという
恐怖を植え付けられる怖い一作でした。

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