『イカゲーム3』ネタバレ感想・考察/ギフンの結末とフロントマンの真意

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世界中で人気を博したNetflixドラマ『イカゲーム』

その集大成ともいえる『イカゲーム3』
『俺たちは馬じゃない』と主張し開催者サイドに反撃を試みる
主人公ソン・ギフンの運命は如何に?

以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年7月7日時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

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人を信じるギフンの結末とは?

前回のイカゲームの覇者として大金の賞金を手にしながら
イカゲームを終わらせるために再びゲームの参加者となったギフン

しかし最終的にイカゲーム自体をぶち壊すことは出来ませんでした。
そんなギフンの結末にはどんな意味が込められていたのでしょうか。

弱者を排除する最終ゲーム

最後のゲームは天空イカゲーム
四角、三角、丸の各舞台から一人以上脱落させれば
最終の舞台で生き残った者全員に賞金が与えられるという。

つまりは最低3人を脱落させれば残りの参加者には
賞金が手に入るというものでした。

ジュ二に赤ちゃんと託されたギフンとサノスの薬を服用し
副作用が見られる状態のミンスの3人が標的とされます。

赤ちゃんのように主張できない者、弱い者を標的とした
差別を多数決という民主主義という言葉を盾に
正当化した不条理なゲーム展開でした。

しかし問題なのはギフンが赤ちゃんを抱えていることでした。
2人を一緒に落とせば、もう一人犠牲者が必要になるからです。

そこでひとまずミンスが最初の犠牲者となりました。

いつでも好きな時に捨てられる者

ギフンと赤ちゃんを引き離す作戦を実行するジョンデ達でしたが
土壇場でミョンギが彼らを裏切り、ギフンの味方となります。

意味がわからず疑念を抱くギフンに、ミョンギは自分が赤ちゃんの
父親
だと告白するのです。

ギフンとミョンギという強敵を前にジョンデたちは自分たちの仲間だった39番
殴る蹴るの暴行を加え、弁当(いつでも捨てられる犠牲者)として差し出したのです。

ギフンは公平にくじ引きで犠牲者を決めることを譲らず、
赤ちゃんは除外すると主張しました。

しかしその提案を受け入れたくないジョンデたちとの乱闘が
始まり、暴行を加えられ『弁当』とされた39番、ミョンギとギフンと赤ちゃん以外
脱落
してしまいます。

ところが自身が『弁当』となることを拒否した39番は
自ら落ちてしまったのでした。

赤ちゃんか自分か

ギフンと赤ちゃん、そしてミョンギのうち一人が脱落しなければならない
最終ステージが始まろうとしていました。

ミョンギは赤ちゃんを渡し、ギフンは三角のステージに残れ
脅します。

ギフンはひとまず赤ちゃんを渡し、ぎりぎりのところで
最終ステージへと飛びこみました。

涙ながらに赤ちゃんを落とそうとするミョンギとギフンの乱闘になり、
2人はステージの外へ投げ出されてしまう。

かろうじてステージの鉄部分を掴んでいたギフンと
ギフンの上着の袖を掴むミョンギでしたが
袖が破け、ミョンギは転落してしまいました。

俺たちは馬じゃない

ミョンギは脱落しましたが、ゲーム開始のボタンが押されて
いなかったため犠牲者としてカウントはされませんでした。

よって、ギフンか赤ちゃんのどちらかが脱落しなければ
2人とも失格となって命が奪われるのです。

ギフンはゲーム開始のボタンを押し、
赤ちゃんを抱きしめました。

ゲームを楽しむVIPの『早く終わらせてくれ』という
無情な発言がギフンに届くことはありません。

しかしギフンはその向こうの非情な者たちに向けて言います。

俺たちは馬じゃない、人間だ。
人間は・・・

言い終えたギフンは赤ちゃんをステージに置き
自らが転落していきました。

優勝者は222番を背負った名もなき赤ちゃんでした。

優勝者222番

フロントマンの弟で刑事のジュノがゲームの開催地にたどり着いた時には
自爆装置が作動していました。

ジュノは兄の姿を目にし、呼びかけますが、
フロントマンは優勝者の赤ちゃんを抱きあげると
何も言わずに脱出していきました。

半年後、ロサンゼルスに住む、ギフンの娘・ガヨンの元を
フロントマンが尋ねます。

ギフンがガヨンに残した物だとして手渡した
箱の中には456番のジャージと賞金が入金されたキャッシュカード
が入っていました。

ギフンが残した物をガヨンに届けたフロントマンは
帰り際、路地裏でめんこ対決をしている2人に遭遇します。

めんこ対決を仕切っている女性はフロントマンと目が合い
視線で挨拶を交わしました。

その光景を目の当たりにしたフロントマンは塞ぎがちに
立ち去りました。

一方、ジュノが帰宅すると赤ちゃんがそこに居ました。
カードには優勝者・222番と示されていました。

フロントマンは優勝賞金と赤ちゃんを弟に託したのでした。

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フロントマンの真意とは?

再びゲームに戻って来たギフンに興味を持ったフロントマンは
自身も参加者としてゲームに潜りこみました。

なぜ自らギフンに近づき、ギフンを特別視したのでしょうか。

人間とは

ギフンがゲームに戻って来たのは、このゲームを終わらせるためでした。
そんなギフンにフロントマンはかつての自分を見たのかもしれません。

フロントマンはかつて警察官としての人生を送っていました。
いわゆる正義の側に立っている存在だったのです。

そんな時、フロントマンの妻に妊娠と同時に病気も発覚してしまいます。
そこでフロントマンは妻を助けるためにゲーム参加者となった
過去があったのです。

ゲームが展開していく中で、彼は人のエゴや闇を垣間見たのでしょう。
目先の欲に溺れた者の他人への非情な選択を。

フロントマンは最終ゲーム直前の絶体絶命なギフンにナイフを手渡しました

そのナイフを使い他の参加者を殺してしまえば
ギフンと赤ちゃんが2人で外へ出られるというのです。

しかしギフンはジョンデの首元にナイフを突きつけるも
かつての仲間の幻に激励されその手を止めたのです。

ギフンが『人間であること』を捨てなかった瞬間でした。

実はフロントマンもかつて当時のイルナムから
取引をもちかけられ、ナイフを渡されたのです。

フロントマンはギフンのようにその手を止めることは出来ず、
参加者を全員手に掛けて優勝の座を得ました

自らも正義を捨て欲に溺れた非情な選択をしたのです。

闇落ちしてまで賞金を手にいれたフロントマンでしたが
時は既に遅く、妻を助けることはできませんでした。

正義を担っていたフロントマンが正義を手放し
他人を犠牲にしてまで自身の目的を叶えようとしましたが
その先に待っていたのは絶望しかありませんでした。

そんな自身の結末に他の参加者を卑怯な方法で蹴落とした罪悪感
なかったはずはないのでしょう。

しかし彼だけではなく他の参加者も偽りの民主主義の下、
フロントマンを排除しようとしたのかもしれません。

どちらにせよ人間は実に利己的であって、自身の欲のためならば
他人を蹴落とすことは造作もない
のだ。

人間の邪悪さと救いのない感情がフロントマンを支配し、
そうすることで他人を犠牲にしても何も救われなかった彼自身の心を
守っていたのではないでしょうか。

そんな彼の前に現れたのは信念と正義を掲げ
人の善意を信じ抜くからこそ再びゲームに舞い戻ったギフンでした。

綺麗ごとを並べるギフンでさえ、
自身の命の危機が訪れればその誘いに乗るに違いない、
それが人間だからだ。

と思うフロントマンはギフンがかつての自分のように他の参加者たちを
次々と手に掛ける姿が見たかったのです。

人としての選択

正義の旗を振りかざすギフンは残酷なゲームの主催側に対する反乱を
企てるも失敗に終わって多くの犠牲を出してしまいました。

同時に敗因の一因となった弾倉の回収をしなかった
カン・デホを憎みゲームの中で絞殺してしまうのです。

しかしカン・デホを手に掛けてしまったギフンは
彼が悪いんじゃない、悪いのは自分だ・・・と
自責の念にかられ自ら命を絶とうとしました。

ピンクガードに救われたギフンは、
ジュニを守るために息子を手に掛けてしまったクムジャ
悪いことが起こった時に他人のせいにするのではなく
自分を責める人は善人なのだと諭されます。

そしてジュニと彼女の赤ちゃんを託し、
自責の念にかられたクムジャは自ら命を絶ってしまいました。

守るものができたギフンは再び立ち上がります。

絶対絶命の最終ゲームを何とか乗り切って行ったギフンでしたが
最終的には赤ちゃんを見捨てるのか、自分が転落するのか
二択を迫られることになります。

VIPたちは当然自身の命を優先し、赤ちゃんを脱落させるのだろう
と予想します。

フロントマンもまたギフンが自分を選ぶことを期待していたのでしょう。

しかしギフン迷うことなく自己犠牲を選択したのです。
それはギフンは馬ではなく人間だからだと言い残しました。

フロントマンが渡したナイフをギフンが使用しなかった時から
少しずつ見え隠れしていた希望は確実のものとなりました。

残されたフロントマンが出来ることはギフンが命をかけて守った
希望を絶やさないこと

仮面を被らずギフンの娘に会いにいった
彼は善の姿をしたファン・イノという一人の人間に戻ったのかもしれません。

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『イカゲーム3』を考察する

イカゲーム3最終回ではいくつかの謎が
明確にされず終了したといえるでしょう。

そんな謎について推察しています。

ギフンの末路は?

ギフンは最終ゲームで自ら脱落し、
命を落としたというのが定説なのでしょう。

しかし島の爆破で映し出された
ギフンの目の中の炎が意味深すぎました。

目の中に炎が映ったことで、まだ命がある人の目
であるという説も捨てきれません。

そんな希望は残るものの監督は
ギフンの自己犠牲こそが重要だった
という趣旨の発言をされています。

ということはやはりギフンは命を落とした
いえるのではないでしょうか。

しかしながら、ギフンは最後に韓国イカゲームの崩壊の炎
目にしたと言えるのかもしれません。

そして最後にギフンと対面したフロントマンは
ギフンの自己犠牲の行動、人間としての尊厳を見つめ
その意志を引き継ぐことを覚悟したのではないでしょうか。

ともすればギフンの命は奪われたものの
ギフンの信念はフロントマンの中で生き続けると言える
のかもしれません。

ギフンの最後の言葉『人間は・・・』の続き

ギフンが自己犠牲の選択によって落ちて行く前に叫んだ
俺たちは馬じゃない人間だ。人間は・・・』の続きは何なのでしょうか。

希望を見出せる

というのが一つの回答なのでしょう。

しかしあえてその続きをギフンに言わせなかったのは
視聴者それぞれの答えを考えてみてね
というメッセージなのかもしれません。

ギフンは出会って間もないジュニとの約束を守り、
残された赤ちゃんの未来を守るために自ら犠牲になりました。

人に寄り添い、未来に希望を託したのです。
そんな風に誰かを支えたり、誰かを守るために
自身を投げ出せる

人間はそんな誇りと良心そして尊厳を持った
存在なのだと感じました。

ギフンの賞金を盗んだのは誰?

ギフンがお金を保管していたホテルにあった
謎の影の正体は誰だったのでしょうか?

ギフンが生きていないということであれば
ガヨンにお金を届けに行ったフロントマンの仕業
ということになるのでしょう。

続編はある?

制作サイドはソン・ギフンの物語りは
『イカゲーム3』を持って完結したと語っています。

よって『イカゲーム4』は現在のところ
制作予定はないと言えるでしょう。

しかしながら作中挟まれたフロントマンのゲーム参加者時代の
回想シーンが意味深であり、
フロントマンの過去の物語は描かれる可能性がありそうです。

そしてアメリカ版『イカゲーム』の制作も予定されています。

カメオ出演の大女優

ロサンゼルスのガヨンの元を訪ねたフロントマンが
路地裏でめんこ勝負をしかけているスカウトマンを目撃します。

彼女を演じるのはケイト・ブランシェットなのです。
言わずと知れた大女優をカメオ出演させた理由とは何なのでしょうか。

イカゲームのアメリカ版の撮影が2025年末頃から開始される
との情報があります。

ケイトはその作品に出演が予定されているのではないか
と推察しています。

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『イカゲーム3』感想

残酷で謎めいた『イカゲーム』は
とめどないゾクゾク感と恐怖や刺激だけではなく
痛烈な社会への批判やソン・ギフンの物語・・・と
魅了される要素が満載でした。

しかしそんな物語も完結となりました。

ゲームを壊すために命の危険を顧みず再び参加者となった
ギフンでしたが、自己犠牲の精神をもって
未来の希望を背負った赤ちゃんを守り抜くという結末でした。

しかしながら結局のところ、イカゲームはアメリカを始め
おそらく世界のあらゆる国で行われていることが示唆されていました。

ギフンという一人の犠牲では変化を得るのは
難しいという現実が突き付けられた瞬間でした。

しかしながらフロントマンに関して言えば、
赤ちゃんを見殺しにせず、ギフンの娘の元へ足を運ぶなど
最後に良心の顔をのぞかせてくれたことは救いでした。

そんなフロントマンの回想シーンなどから彼が
過去にゲーム参加者であったことや勝利のために
裏取引をしたことなどが示唆されていました。

私利私欲にまみれた人の醜さに囲まれ、
やがて自身も闇に染まり、
その行く末に待ち受けたものは絶望だった。

だとしたらファン・イノがフロントマンとなったのは
人間の悪意やゲームへの復讐という名目もあったのかもしれません。

イカゲーム3はゲームの裏で人の善を信じるギフンと人の悪を信じるイノとの
精神ゲームが展開されていました。

カン・デホを殺めてしまうという信念に背く罪を背負った
ギフンは最後には自らの犠牲を持って希望を繋ぎました。

相反する信念を持つ2人のゲームは
他者のために自身を犠牲にできる精神を持ち、
馬ではなく誇り高き人間としてその命を全うした
ギフンの勝利であるといえるでしょう。

人間は希望を見出せる。良心も持っているし尊厳もあるのだ
ということを身をもって示したギフンの遺志は
イノに引き継がれることになるのではないでしょうか。

ともすればイノはフロントマンを引退するのか?
それともフロントマンを担いながら動くのか?

イノのスピンオフが待ち遠しくなるシーズンでした。

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