【ネタバレ解説】『湿地』衝撃のラスト/犯人の動機と刑事の行動の意味とは?

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『このミステリーがすごい!』に選出された
アイスランド発の北欧ミステリー映画
『湿地』

ひとつの事件の謎が紐解かれる時
暗い沼に隠された過去、そして衝撃の真実が浮かび上がります。

そして物語は衝撃のラストを迎えるのです。

本記事では、そんな本作の衝撃のラストまでを解説するとともに、
犯人の動機や事件を追う刑事の行動の意味などの推察を綴っています。

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『湿地』あらすじ

アイスランドの遺伝子研究所で働くオルン
まだ幼い娘のコーラを先天性の病で亡くした。

一方アイスランドの湿地に建つアパートの一室で
一人の男性の遺体が発見される。
男性の名前はホルベルクといい、撲殺の跡が残っていた。

この事件をうけてエーレンデュル刑事は捜査を開始した。

被害者の家で見つけた一枚の写真に写る
十字架とメッセージの謎を追ったエーレンデュルは
とある墓地にたどり着く。

そこに眠るのは当時はまだ少女だったウイドルという娘の亡骸だった。

ウイドルの出生をたどると30年前に起きたホルベルグが関与したある事件に
辿りつくのだった・・・。

キャスト
イングヴァール・E・シーグルソン、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン、
オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル、オーラフィア・フロン・ヨンスドッティル、
テオドール・ユーリウソン、ソルステイン・グンナルソン
 他

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年7月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

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衝撃のラストまでを解説

本作冒頭では幼い娘を失くしたオルン
自宅で殺害されたホルベルグが発見される
という2つの出来事が起こります。

そしてオルンの娘コーラには遺伝性の脳疾患があり、
ホルベルグにも脳に腫瘍があったことが判明します。

ホルベルグ事件の犯人と動機

ホルベルグ殺害の犯人の正体はオルンでした。

オルンの娘のコーラは遺伝病を患っていたために、
わずか5歳という短い生涯を終えてしまいました。

しかしオルンの家系にはコーラと同じ遺伝病を持つ者がいませんでした。

そのことから自身のルーツに疑念を抱いたオルンは、
コーラの病気について職場の研究所で秘密裏に同じ遺伝病を持する
人物の調査
を開始します。

そこから判明したのは、
自分が両親の息子ではなく母親とホルベルグの間に
生まれた
のだということでした。

母親を問い詰めるとホルベルグに強姦されたのだと言うのです。

激高したオルンはホルベルグの元へ行きます。
遺伝病の保因者であるホルベルグは
間接的にコーラを死に追いやったといえ、オルンにとって
ホルベルグは悲しみと怒りをぶつける標的でした。

実の父親でありながら憎むべき仇を目の前にしたオルンは、
ホルベルグに、子どもを作ることなど考えずに孤独でいればよかった
罵倒します。

しかしこの発言に怒りを覚えたホルベルグは、
自分の子どもは娘であり、
オルンの母親とは同意のもとだった。
お前の母親はふしだらな女だと侮辱しました。

これに反応したオルンがその辺にあった陶器の灰皿を掴むと
ホルベルグの頭めがけて振り下ろしたのでした。

オルンには義妹がいた

一方オルンは研究所での調査から自分には腹違いの妹がいること
が判明します。

妹の名前はウイドル

ウイドルはホルベルグの家でエーレンデュル刑事が見つけた
十字架の写真を辿って判明した墓地に眠る少女でした。

ウイドルはわずか4歳で特殊な遺伝性の病気「神経線維腫症」によって
命を落としていました。

そしてウイドルを失くして間もなく母親のコルブルン
自ら命を絶ってしまったのです。

エーリンはコルブルンがホルベルク・エットリデ・グレータルの3人に
暴行されて妊娠したのだと言います。

そしてその際コルブルンが被害を相談した刑事のルーナル
それを断念させるような酷い対応をしたと明かします。

泣き寝入りしたコルブルンはウイドルを出産したのでした。

その話を聞いたエーレンデュルが元刑事のルーナルの元を訪ねると
『あれは暴行ではなかった』とコルブルンの告訴を阻止したことを認めました。

悪党をしきる黒幕の正体

ルーナルはホルベルグ、エットリデ、グレータル
3人の罪を隠蔽したのです。

そしてその見返りとして3人はルーナルの言いなり
となり泥仕事を請け負っていたのです。

悪党を牛耳る黒幕の正体は元刑事のルーナルでした。

ホルベルグは殺害され、エットリデは服役中でしたが
残るグレータルの行方だけがわかりませんでした。

しかしグレータルはホルベルグの家の床下から発見されます。

増長したグレータルを
ホルベルグとエットリデが殺害したのです。

オルンの母親の告白

グレータルの亡骸と共に写真のネガも発見されました。

そこに映るのはオルンの母親でしたが
その画像からは暴行を受けた様子はありませんでした

エーレンデュルが問い詰めると
オルンの母親は一年の半分以上を船で過ごす夫をもち
寂しさからホルベルグとの不貞行為に陥ってしまったのだと告白しました。

本当は暴行ではなかったのです。
そして息子は夫との子どもだと確信していたのでした。

しかしコーラを遺伝性の病気で失ったことで
初めてその父親のオルンがホルベルグとの間に出来た子どもだと
察知したのです。

衝撃のラスト

オルンがエーリンの家付近に現れたと連絡を受けた
エーレンデュルは車を飛ばします。

エーレンデュルがエーリン宅に到着すると
オルンは自身が持ち出したウイドルの亡骸を
元に戻そうとしていました。

エーレンデュルはウイデルの脳をオルンに返却します。

するとエーレンデュルの方向に銃を向けていたオルンは
自身の出生に異を唱えるように自らに銃口を向けて命を絶ちました。

コーラもウイドルも遺伝性の脳の病気で短い生涯を
閉じました。

しかしこの病気の保因者であってもまれに発症しないケースもあるのだといいます。
それがホルベルグであり、オルンでした。

ホルベルグに放った、「保因者は孤独であるべき」だというオルンの言葉は
同時に自らにもぶつけたのかもしれません。

最愛の娘を奪った自分自身にも復讐をしたのです。

エーレンデュルの行動の意味

オルンが自らを撃った後、警察車両のサイレンが鳴り響く中、
ウイデルが眠る穴で息絶えているオルン。

その時エーレンデュエルがとった行動は
その穴を埋めるという行為でした。

これは警察からオルンを隠す行為であるとともに、
「遺伝病の保因者は孤独でいるべき」だと言ったオルンを
義妹と一緒に眠らせてあげたと言えるのではないでしょうか。

ただ刑事としてはこの行為は不正解なのです。

帰宅したエーレンデュエルは娘に
何が正しいことなのか、わからなくなってしまった
と語っています。

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『湿地』まとめと感想

アイスランドの湿地で起きた殺人事件の被害者は
複数の女性に暴行を繰り返しながら悪徳刑事に守られ、
罪をつぐなわないまま平穏に生きていたホルベルグ。

そしてホルベルグを殺めたのは生物的な実の息子オルンでした。

ホルベルグは遺伝性の疾患の保因者であり、
彼の被害者が出産した子どもにも遺伝が見られました。

オルンの娘のコーラもその被害者と言え、
わずか5歳で生涯を終えたのです。

その深い悲しみは遺伝病の保因者でありながら無責任に
子どもを作りまくるホルベルグへの憎しみとなったのでした。

最終的にはオルン自身も保因者であるため
自らも命を絶つという悲しい結末になりました。

エーレンデュエルの娘は薬中毒者でありながら
妊娠してしまいます。

しかしその父親は誰なのかわからず
エーレンデュエルはそれが娘のことを話題に出すエットリデなのかもしれない
という最悪の妄想もしたのではないでしょうか。

ともすればコルブルンと娘が重なり
この事件には感情移入してしまったのかもしれません。

『何が正しいことなのかわからない』
と語ったエーレンデュエルはラストでオルンの側にたったと言えるでしょう。
オルンたち保因者を『偏差』と差別する側ではなく。

そんなエーレンデュエルは娘の妊娠に前向きになるような
気がしています。

アイスランドに行ってみたくなる一作です。

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