映画【藁の楯】タイトルの意味をネタバレ考察|儚い心という防具で守るのは何なのか?

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大沢たかお主演映画
【藁の楯】

同名小説の原作が映画化された本作ですが、
著者の木内一裕氏はあの『ビーバップハイスクール』の作者なんだそうです。

タイトル【藁の楯】とはどんな意味があるのか?
気になりますよね!

そこで本記事では

・意味深なタイトルの意味
・タイトルの意味が回収される結末

に着目して解説・推察しています。

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【藁の楯】あらすじ

わずか7歳の少女が無残な姿で発見される。
DNA鑑定の結果容疑者として浮上したのは清丸国秀という男性。

清丸は潜伏生活を送る中、
少女の祖父で1000億あまりと言われる資産を持つ経済界の大物、
蜷川隆興は新聞各紙に清丸の写真とその者を殺した謝礼金として
10億円の支払いを約束する
という内容の広告を出す。

さらに自ら動画撮影をしてこの依頼を念押ししたのだ。

これにより匿ってくれているはずの仲間にも命を狙われた清丸は
血だらけで福岡南警察署へと出頭する。

出頭した清丸を東京へ移送するために、警視庁は
銘苅、白岩、奥村、神箸、関谷の5名をSPとして同行させる・・・。

キャスト
大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、永山絢斗、伊武雅刀、
本田博太郎、山崎努、藤原竜也
 他

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以下、ネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年6月時点のものです
最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

タイトルの意味とは

製作サイドからはタイトルの意味が明確に発表されていません。

筆者的には『藁の楯』というタイトルにはダブルミーニングなのではないか
と思うのです。

〖藁の楯〗を持って戦いの場へ出向いても、すぐに壊れてしまったり
崩れてしまったりして到底身を護ることなど不可能なように、
意味のないものを表してる。

劇中では誰が攻撃してくるかわからず、
同じ楯であるはずの警察内部にまで敵が潜んでいる。

国民の多くを敵にまわすような警備対象者を
守ることは困難
だということ。

とか、

守る楯を人間に例えて、そこには感情が存在し、
苦悩や葛藤もある。
だからいつでも楯は藁のようになり得るという危うさ。

銘苅は妻の命を奪った犯人に憎しみを抱きながらも、
自分の使命は奪うことではなく守ることなのだ
という強い信念で何とか自分を抑えていました。

しかし度重なる犠牲、清丸を守る白岩をも軽く手にかける
救いようのない罪人に対し、
心の奥の本当の感情の波が押し寄せます。

清丸のSPにあたった5人の中で、最も清丸を抹殺したい
という感情を持っていたのは他でもない銘苅だった
のです。

そんな複数の意味合いが考えられる
のではないでしょうか。

物語のテーマとは

若く短期だけれど正義感が強く犯人を憎む刑事として
描かれた神箸

清丸のことをクズだと揶揄しながらも
任務には真面目に取り組む姿勢をみせます。

そんな彼は清丸を守るため、銃撃されてしまいます。

母を1人残していくことが無念で、
〖命を犠牲にしてまで守る価値があるのか?〗
と銘苅に問いを投げかけ、息を引き取ります。

筆者的には本作で最も印象深いシーンでした。
全うに生きている命を無駄にしてまで
このクズ中のクズを守る意味はどこにあるのか?

その答えこそが本作のメインテーマなのではないかと思います。

正義の代償

銘苅とは対照的な立場で描かれるのは
福岡県警の関谷ではないでしょうか。

関谷と銘苅は移送途中の駅のホームで
子どもを人質にとる男性に遭遇します。

関谷はその犯人の男性を説得する上で『家族』というキーワードを
持ち出すのですが、その言葉は逆に犯人を刺激してしまいます。

そうしてその犯人が子どもを切りつけようとし時、
関谷の銃が犯人を捕らえました。

それは咄嗟の判断でした。
目的は人質になっている少女を救いたかった。
関谷なりの正義と言うこともできるでしょう。

誰がどう見ても悪は犯人の男の方

それでも銘苅が命令で清丸を守るように、
命令が出てない以上、その行動は、行き過ぎた感情
がもたらした罪
となってしまい、関谷は正義の代償を受ける
こととなってしまうのです。

『藁の楯』たちの葛藤

守っている人間がどんな人物かではなく、
命令を受けているからそれを全うする。

それを合言葉に感情を殺して任務にあたっていた
銘苅と白岩。

何とかして清丸を仕留めたいに蜷川は清丸が銘苅と白岩を
人質に取っている
という嘘の情報を協力者に流させていました。

一方で白岩の隙をついて逃走している最中、
再び幼い子どもに襲い掛かるように見つめる様子を
目撃した白岩は清丸に銃を向けます。

嘘の情報が流れる今の状況下で清丸を撃っても
罪に問われることはないだろう。

その気持ちがSPとしてのプライドを揺るがせます。

被害者と同じような年代の子どもを持つ白岩には
蜷川の傷みが理解できるのです。

それでも銘苅に『10億を手にすることになる』
とたしなめられプライドを取り戻す白岩。

清丸はその白岩を殴り射殺するのです。

その犯行理由は
〖おばさん臭いから〗

神箸だけではなく、白岩までもが、子どもを残し、
無念の最後をとげることになりました。

それでも白岩を愚弄する清丸の性根の悪さに
とうとう銘苅のこらえていた感情もあふれ出してしまいます。

何度も殴りかかり、銃口を清丸の口の中に押し込む銘苅。

これらの葛藤は必然でした。
この任務には最初から、
妻を飲酒運転で二度目の罪に問われる犯人に殺されたとも言える銘苅、
そして幼い子どもを持つ白岩が故意に抜擢されていたのです。

2人が藁の楯になるように。

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タイトルの意味が回収されるラスト

清丸を無事に送り届けた銘苅でしたが、
そこには自らで孫の仇を取りにきた蜷川の姿がありました。

蜷川の襲撃は銘苅によって阻止されますが、
清丸が蜷川の刀を取り、襲いかかりました。

その刃を自らの身で受け止めた銘苅

〖すっげぇ〗と目を輝かせる清丸。

しかし命を、身を呈して救われた蜷川は
仇をとることを断念し、10億円の依頼も引き下げます。

銘苅の思いが通じた瞬間でした。

一方で
裁判で極刑になった清丸は裁判長に
『何か言いたいことは?』

と聞かれると
『後悔・・・しています・・・

どうせ死ぬならもっとやっておけばよかったって。』

と漏らすのです。

被害者遺族に謝罪の念どころか、襲いかかろうとし、
守ってくれるものまでも愚弄し、
反省することもなくその命の幕を閉じていくであろう清丸という人物。

もしも、この裁判を
神箸の親族が目にしたら、白岩の息子が聞いたら・・・
どんな思いをするでしょうか。

できることならばこの手で・・・

と考えてしまうかもしれない。

それでも、銘苅や白岩、そして神箸のしたことには、
落とした命には意味があったと言えるのでしょうか。

銘苅は最後の最後まで楯として任務を遂行し
蜷川の身代わりになって刺されたことは
蜷川に復讐を断念させると言う結果を生みました。

〖藁〗のような〖楯〗は銘苅の信念。

ラストで銘苅は清丸を殺されたら、
白岩や神箸の命が無駄になってしまう
と言いました。

銘苅だけではすぐに折れてしまったかもしれません。
しかし束になった〖藁の楯〗が
報復の連鎖を止めていくのではないでしょうか。

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【藁の楯】感想

白岩自身が守ってあげていた清丸から
意味のない理由でいとも簡単に命を奪われる場面
は衝撃的でした。

それは清丸の身勝手さと更生とは無縁の人間性を
映し出していると同時に、
それでも守らなければいけない意味についての葛藤や苦悩が
見ているこちら側にも痛く伝わってきました。

10億という金額を目の前にして、
人の命を奪おうと躍起になる人たち。

しかしその対象がクズではなかったとしても
同じように狙って行く者はどのくらいいたのだろうか
と気になります。

そんな中で、余貴美子さんが扮するタクシーの運転手は、

清丸を襲撃する人たちは家族にお金を残したかったのだ
と、その事情に同情しながらも、
〖お金があればなんでもいいの?〗

という問いが刺さりました。

お金があれば色んな楽しみがあるし、人生も変わるのかもしれません。

しかしそれがどんなお金かというのは大切で、
お金がある人の命だけが貴重になってしまっては
絶対にダメなんですよね。

幸せとは何か、正義とは何か、家族とは何か、
そんなことを考えさせられた一作です。

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