竹内涼真主演のゾンビ大作『君と世界が終わる日に』。
2021年に日本テレビでseason1が放送開始され、
その後、日本テレビやHuluにて
season2~4や特別編が放送、配信されました。
劇場版『君と世界が終わる日に FINAL』は本作の主人公である
間宮響の物語の完結編にあたります。
(season5は本作と同じ時系列の佳奈恵を中心とした物語)
ゾンビの巣窟と化した世界で、愛する人を守るために生きた
間宮響の苦難の先に訪れるのはやはり残酷な宿命なのでしょうか?
完結となる劇場版のあらすじや結末、感想などを綴っています。
『君と世界が終わる日にFINAL』あらすじ
/#竹内涼真 主演
— 君と世界が終わる日に【公式】 (@kimiseka_ntv) September 3, 2023
『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』
🎬2024年1月26日(金)公開決定‼️
\
🧟ティザービジュアル解禁🧟
「すべてが、終わる—」
愛娘・ミライを取り戻す覚悟と決意を感じる響の表情、灰と化し散りゆく身体…🔥https://t.co/t6q2ZNObdx#劇場版きみセカ#君と世界が終わる日に… pic.twitter.com/4dkc695CBH
自動車整備工の間宮響は高校時代からの恋人である
小笠原来美にプロポーズをしようとしていた。
そこへ車がエンストし、立尾往生していた
大和と葵に出くわすのだった。
整備工である響は大和の車を修理してあげようと試みるが、
葵の前であることや元々負けん気が強い大和は
響に反発し、二人は一触即発となる。
それぞれを来美と葵が止め、事なきをえて
大和たちは無事に走り去る。
時が経て、大和は葵を自身が工事を担うビルに呼び出し、
告白しようと心に決めていた。
しかしその時、一人の男性がビルから落下する。
大和と葵が地上へ降りてみると、
倒れていたその男性は突然起き上がり、周りの人に噛みつき襲い始めた。
噛まれた人はさらに周りの人に襲いかかり、
化け物のようなその存在はみるみる増えていったのだった。
その光景を目の当たりにした大和と葵は手を取り合い
逃げていたが、混乱する人込みの波にのまれはぐれてしまった。
その化け物はゴーレムと呼ばれ
噛まれたものはゴーレムウィルスに感染し、人間ではなくなる。
響もまたその混乱の中、来美と離れ離れになってしまうが、
来美が生きていると信じ、新たな仲間と共に彼女を探す旅に出る。
しかしやっと再会出来た来美との間にも試練が待ち受けていた。
実は来美はゴーレムウィルスに対して抗体を持っており、
それに目をつけた首藤に実験体にされていたのだった。
特殊体質だった来美も少しずつゴーレム化がすすんでしまったのだ。
響にできるのは自らの手で愛する来美を殺めることだった。
そして最愛を失った響に残されたのは、来美との間にできた
ミライという娘の存在だった。
しかし首藤の息子であるシンジによりミライも奪われてしまう。
来美を失った絶望の最中で、最後の希望であるミライを取り戻す
ため、それだけを考え、響は手段を選ばない男に変貌してしまうのだった。
一方で限られた人のみしか入ることを許されない
人類最後の希望の都市とされるユートピアが存在するのだという。
その研究タワーではゴーレムの感染から人々を守るべく、
ワクチンの開発が行われているのだとか。
ミライを救うべく響は佳奈恵とは別々の道を歩み、
ワクチン開発が行われているタワーへと向かう。
ゴーレム騒ぎの中で葵と離れ離れになってしまった大和もまた
最愛の人の生存を信じ、彼女が居ると思われるユートピアの
タワーへと向かうのだった。
キャスト
竹内涼真、高橋文哉、堀田真由、板垣季光人、窪塚愛流、
吉柳咲良、須賀健太、黒羽麻璃央、吉田鋼太郎、菅田将暉、中条あやみ 他
以下、結末のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年2月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。
間宮響の最後の闘い
ユートピアのタワーに入れるのは富裕層や医療関係者や研究者たちでした。
その他の生き残った人たちは入り口が封鎖されたタワー内に入ることが出来ず、
地下で食料や薬もなく貧困で苦しい生活を強いられていました。
看護師だった葵はタワーにいると予想した大和は
侵入を試みる過程で地下を取り締まる加地に捉えられてしまいます。
しかしその時、同様に捕らえられた男性が、もうすぐ
爆弾を乗せた車がタワーに突っ込む手はずになっており、
その隙をついてタワー内に侵入できると言います。
大和が見覚えがある気がするが思い出せないその男性こそ響でした。
響の言葉を聞いた加地は地下の仲間のためにワクチンを入手しようと
タワーへの侵入を決意します。
同様に、タワー内に兄がいる、天城ジンや同じくワクチンを手に入れたい者も
同行し、大和もまた葵を救うため後を追います。
タワー内の研究所では長官である西条の指示のもと、
シンジがミライを被検体にしてワクチンを開発していました。
そしてそのミライの健康管理を担っていたのが葵でした。
一人の命か大勢の命か
一人の命より大勢の命の方が重いと豪語する西条は
被験者の命を軽んじていました。
響たちがたどり着いた研究室には、
そんな軽んじられた被験者たちの無残な姿がありました。
その中の一人に半分ゴーレム化した天城の兄もいたのです。
天城の兄はミライやその他の命をすり減らして実験を繰り返す
シンジをとめようとしたため、自身がゴーレムウィルスを投与されて
しまったのでした。
面影もないその姿で生きているのが辛い天城の兄は
ジンに『殺してほしい』と哀願します。
しかし泣き崩れ手を下すことが出来ないジンの代わりに
天城兄を刺したのは響でした。
天城兄は響に『ありがとう』と告げると
静かに崩れ落ちていきました。
一方、葵は実験のためならばミライの命がどうなってもかまわない
シンジの思惑を知り、ミライを連れ出し逃走しました。
裏切りと欲望と思いと真実
響の侵入を察知し、その脅威をとりはらいたい西条は
『響を殺し奇跡の子を取り戻した者にワクチンを与える』とアナウンスを流します。
それを聞いて裏切った加地は響に銃を向け、
ジンが響の身代わりになって命を落としてしまいました。
地下のメンバーは西条の思惑、加地の裏切りにより、
分裂してしまいます。
響のことを思い出した大和は響と共に行動し、
来美はゴーレムウィルスに感染し、自らの手で殺めたこと、
ミライは自分と来美の娘であることを打ち明けられるのです。
共闘することになった響と大和は、
ゴーレムに襲われていた葵を助け、大和は再会を喜びました。
その後ろにはミライの姿があり、
響は駆け寄りますが、父の顔を知らないミライは響に怯え、
葵の元に逃げてしまいました。
葵とミライ、響と大和に分かれてタワーを脱出しようとしましたが、
途中でミライも葵も捉えられてしまいます。
葵を盾にとられ一度は響の命を奪いに来た大和でしたが、
響の機転により、葵の救出に成功します。
西条とシンジが待つ研究室に向かった響と大和でしたが、
シンジが『ミライには元々抗体なんてなかった』
のだと暴露します。
すると、激高した西条はシンジを撃った後、その銃口をミライに向けました。
ミライを抱きかかえ庇う響は、その背中に何発もの銃弾を浴びてしまいます。
タワーは崩れ去る前に逃げ切ろうと、立ち去る西条。
さらにシンジが起き上がり、ミライを刺そうと刃を振りかざしたところで、
意識のなかった響が起き上がりミライの盾になり刺されてしまいますが、
シンジを倒すことに成功します。
しかし響のその表情はゴーレムのそれを彷彿とさせるものでした。
残酷な宿命
響は娘を救出し、ミライの未来を守るために、
自らの体にゴーレムウィルスを投与したのでした。
ミライを救出するとき、自身の命が絶えようとも、
ゴーレム化していれば、活動が止まらないからです。
娘と共に生還したい願いがありながら、
娘だけには生きて欲しいという、その可能性に掛けたのです。
響の思惑通り、何発もの銃弾を浴びながら、
それでもなおミライの盾として娘を守り抜いた響は
負傷した大和にミライを託し、一人、タワーに残ると、
葵が録画したミライのビデオを見るのでした。
20年後の再会
それから20年の時が経ち、ミライと葵と大和は
あのタワーを訪れていました。
そのタワーに詳しいという男性に案内を頼みながら。
しかしその男性こそ、脱出したヘリが墜落してもなお
一人生還した西条だったのです。
ミライは自身の正体を明かした後、西条に銃口を向けると
改心した芝居をうった西条がその銃を奪い取りますが、
西条は大和によって射殺されました。
ミライは響の仇をとったのでした。
そして響と別れた研究室へ向かうと、
落ちていたビデオテープに響の娘への最初で最後の
メッセージが録画されていました。
『生まれてくれてありがとう・・・』
という愛情にあふれたメッセージに涙を流すミライでした。
その後、ミライたちは響の元へ向かいます。
そこには鉄棒に刺さってゴーレムのまま生きている響の姿がありました。
ミライが放つ銃弾は響をゴーレムから解放しました。
その瞬間、ゴーレムの頬を涙が伝うのでした。
『君と世界が終わる日に FINAL』感想
長きに渡る間宮響の闘いの集大成にふさわしい物語でした。
ファーストシーズンを初めて視聴した時は、
アメリカのコミックを実写化して大人気になった海外ゾンビドラマ
の『アレ』に似てると話題になっていましたよね‽!
もれなく筆者も同感してしまったことを
お詫びして訂正いたしますwww
ゾンビの物語にハッピーエンドは期待できなくても、
ここまで壮絶な最後というのは
大切な人のためにすべてをかけられる間宮響ならではだと思います。
最終的にゴーレム化した響はそれでも、
自ら鉄棒に自身を突き刺して、余計な殺戮を防止したのでしょうね。
そして最後の最後でゴーレム響が流す涙は、
果たして偶然のたまものなのか?はたまた響の心が
奥の方にまだ少しだけ残っていたのでしょうか?
個人的には後者だと思うんです。
ミライを守り、大和に託した。
そこで来美の思いも達成し、悔いはなかったのかもしれません。
それでも、一人の親という心境からすれば、
成長する姿を見たかった思いは強いのでしょうし、
娘の未来に心配がなかったはずもないのでしょう。
本作の結末時点で、
人はゴーレムウィルスに打ち勝つことはできませんでしたが、
人が誰かを大切に思う強い気持ちはウィルスにも
奪えなかったのかもしれませんね。
それにしてもひっそりと出演を果たした
菅田将暉が扮する天城の兄が圧巻でした。
顔半分で、ゴーレム化したあの姿で、ほんの少しのセリフと出演で
その場の空気をかっさらっていきました。
華があるっていうのはこういうことかと
脱帽しました。
そんなところにも見ごたえのある一作です。
間宮響の物語は完結しましたが、
Huluで配信中のseason5では響と別れて行動している佳奈恵が
もう一方のタワーへとの乗り込んでいます。
こちらも必見ですね!