『悪い夏』ネタバレ考察・結末の解説/佐々木が帰った家には誰がいる?

邦画
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染井為人氏の同名小説を北村匠海主演で映画化
された『悪い夏』

北村匠海が扮する気弱で真面目な主人公・佐々木が
闇落ちしていく
姿を描いたサスペンスです。

登場人物が全員クズとワルの本作、
その結末はどうなるのか?

解説と考察、感想などを綴っています。

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『悪い夏』あらすじ

佐々木守は市役所の生活福祉課で勤務している。
暑い日差しが照る中、生活保護受給者の山田の元を
訪れていた。

山田は仮病を使っているようだったが
受給を撃ちきれない佐々木は先輩の宮田から
優しすぎると責められてしまう。

そんなある日、宮田から佐々木の先輩にあたる高野が、
生活需給者の女性を受給の打ち切りを匂わせて肉体関係を強要している
という疑惑を打ち明けられる。

匿名の情報源は酔った高野が自慢している声を聞いたと言う。

そこで宮田は佐々木を連れて高野の犠牲者と思われる
シングルマザーの林野愛美の自宅を訪れた。

あまり気乗りしなかった同行だったが
佐々木は愛美の娘・美空に色鉛筆をプレゼントする約束を交わす・・・。

キャスト
北村匠、河合優実、伊藤万理華、毎熊克哉、箭内夢菜、
竹原ピストル、木南晴夏、窪田正孝
 他


以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年7月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

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『悪い夏』結末はどうなる?

宮田と共に愛美の元を訪ねた佐々木
娘の美空と仲良くなります。

しかし愛美は友人の莉華の愛人で暴力団員の金本龍也
高野のことを相談していました。

すると金本は高野を窓口にして、ホームレスなどの生活保護受給を通させて、
受給金を巻き上げる計画を思いつきます。

しかし愛美の元に宮田と佐々木が訪れたことで
金本は高野がクビになることを危惧し計画はなくなったのです。

天使との出会い

佐々木は美空と話した際に、桃色の色鉛筆を
プレゼントする約束をしてしまいます。

真面目な佐々木は色鉛筆を購入し再度、愛美の自宅を
訪問し、プレゼントを届けるのでした。

しかしその場には金本とつるむ山田が居たのです。
隠れてやり取りを見ていた山田は
佐々木を高野の代役として利用する計画を金本抜きで、
目論みました。

金欲しさに愛美も計画にのりますが、
佐々木は美空に優しいのはもちろんのこと、
愛美の誕生日を祝ったりしてくれました。

愛美は誕生日を祝われたことなどなく、
佐々木の暖かさに徐々に惹かれていくのでした。

闇に堕ちて行く佐々木

佐々木に居なくなって欲しくない愛美は山田が仕掛けた
カメラを利用することはありませんでした。

そんな時、愛美は無視していた莉華に捕まり、
山田と愛美だけで実行していた計画
金本の知るところとなってしまいました。

金本は佐々木に好意を持ってしまった愛美に、
美空に危害を加えることをに匂わせ、
佐々木をハメることを強要します。

その後、佐々木が愛美の元を訪ねると、
そこには金本、山田、莉華も揃って出迎えました。

佐々木と愛美の情事の動画を会社に流すと
脅された佐々木は愛美の裏切りに愕然としました。

金本の指示に従うしかない佐々木は
斡旋された申請者を淡々と通していきました。

そんな時、古川佳澄が息子を連れて佐々木の元に
生活保護の申請にやってきました。

佳澄は夫を事故で失くし、それ以来一人で息子と暮らしていますが、
電気さえ止められてしまうような、困窮した生活を送っていました。

スーパーで買い物をしていた際、偶然バッグに品物が入って
しまったことを境に、万引きを繰り返すようになってしまいます。

しかしある日、万引きがバレて店員に引き留められてしまうのです。
その現場を同僚に目撃された佳澄は働き始めた工場の仕事も
解雇
されてしまいました。

これまでは生活補助が税金でまかなわれていることに
ひけめを感じ申請を躊躇していたと言います。

しかしとうとう水さえも公園からくんでくるしかない
ところまで困窮した佳澄は佐々木の元を訪れたのでした。

ところが佐々木は金本の一件や愛美に裏切られた傷で
心の余裕を失くしており、
佳澄を罵倒しつくし、申請も却下したのです。

行き場のない母と息子

高野は佐々木と公にしない取引をして自ら退職していました。
それでも宮田は高野の居場所を探し、佐々木にも協力を仰ぎました。

そんな時、佐々木の元へ警察が訪れます
以前、佐々木が担当した佳澄が自殺未遂をしたと言うのです。

写真を見て佳澄のことを少し思い出した佐々木は
子どもがいたはず、子どもはどうしたのか?と問います。

すると警察は佳澄が息子を置いていけず無理心中したのだと
答えました。

宮田の正体

ショックを受けて帰宅した佐々木は包丁を手にし、
自ら命を絶つと言います。

しかし自分だけ命を絶つのは違う、だから愛美も道連れにする
と言うのです。

監視で愛美の家に滞在していた山田が引き留めますが
愛美は佐々木の望を承諾しました。

そこへ金本と莉華がやって来て、もみ合いになり、
包丁を佐々木から奪った愛美が莉華を刺してしまいます。

その後、警察官の恰好をした高野がやって来て、
妻も子供も仕事も奪ったお前らを全員始末すると言います。

そこへ宮田もやって来て、高野に詰め寄りました。

実は宮田は高野の不倫相手だったのです。
何度も別れると言っては宮田との関係を続けていたようです。

闇の終わり

ごちゃごちゃの騒動の渦中で自身の母性に目覚めた愛美は
美空を連れてその場を逃げ出します。

しかし追って来た金本に捕まってしまいます。

美空を庇う愛美と母を庇って小さな手で金本を掴む美空でした。
そこへ佐々木も追いついて金本に対峙しますが、
足を刺されてしまいます。

絶体絶命の佐々木にとどめを刺そうとする金本でしたが
背後から石を振り下ろした愛美によって気を失ってしまいました。

生活保護受給詐欺の容疑で捕まったのは
金本と高野
でした。

山田は逃走中のようです。

一方で佐々木は生活保護課を退職し、
清掃業務を担っていました。

仕事が終わり自宅のアパートの扉を開けると
『ただいま』と言って入って行きました。

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『悪い夏』ラストを考察

金本に足を刺された佐々木はラストで
足を引きずるように歩く姿が映されました。

生活保護課の仕事は自ら辞めたのでしょう。

金本の悪事に引き込まれ、
困っているという自覚のない者の申請を
簡単に通した裏で、本当に受給が必要だった人の
申請を却下してしまった・・・

という自責の念がぬぐわれることはなかったのでしょう。

佐々木は誰が待つ家に帰ったのか?

佐々木は自宅アパートに帰宅すると
中で彼を待つであろう人物
『ただいま』と声をかけました。

しかしながら中の人物の声が聞こえないため
その部屋で佐々木を待つ人物が誰だったのか
明確にされませんでした。

一度は佐々木を裏切ったものの、
佐々木との心中を受け入れ、
金本を殴って佐々木を助けた愛美を
佐々木がもう一度受け入れたという説
ぴったりくるのかもしれません。

しかし筆者的には佐々木は自分が追い詰めた
佳澄親子を受け入れ一緒に暮らしている
のではないか?
と推察しています(笑)

玄関先に干してあった子どもの傘の色が黄色でした。
しかし美空はピンク系を好んでいる様子が描かれ、
黄色の傘がしっくりこなかったこと。

そして佳澄の件を聞いたことを境に生きることを
放棄しようとした佐々木は、
この一件が落ち着いた後、佳澄親子のお見舞いに訪れたのでは
ないかと想像しています。

役所に佳澄の息子が置いて行った知恵の輪?
親子と佐々木が再会する伏線になっているのかな?
と思いました。

みなさんはどう思いましたか?

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『悪い夏』感想

窪田正孝さんと言えば筆者の中では『HIGH&LOW』
スモーキー役が印象的でクールな格好いいのです。

しかしこの金本は全力で拒否したいと思わせる、
窪田さんの演技力が光っていました。

そんな窪田さんを筆頭に俳優陣が素晴らしかったと感じました。

物語は生活保護にまつわる闇や人の弱さなどが描かれ、
どいつもこいつも悪いんですが、
この制度自体、本当に難しく、改正や見極め方を
見直すというのも必要なんでしょうね。

誰もがどんな出会いがあって、どんな道を選択するのか
という未来はわからないわけで、他人事ではなく、
闇落ちも困窮もあり得ないということはあり得ないのかもしれません。

重いテーマでありながらクライマックスのごちゃごちゃ感が
その重さを払拭してくれるので、
思ったより後味が悪くありませんでした。

しかし後味が悪くない理由には闇落ちした佐々木のラストで、かすかな希望が
垣間見れたというのも一つの要因なのでしょう。

佐々木家の外に干してある子ども用の傘によって、
その先に孤独ではない彼の未来が見えるのですが、
そのお相手は、佐々木が傷つけた佳澄であってほしい
という願いを込めて推察してみました(笑)

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