GENERATIONSが主演を務め話題になったホラー映画『ミンナのウタ』
のDNAを引き継ぎ、続編的な要素を持って装い新たに帰ってきたホラー映画。
そのタイトルは『あのコはだぁれ』。
本作が映画初主演となる渋谷凪咲が主人公君島ほのかを演じています。
不穏なメロディを口ずさむ「あのコ」に出会って
ラストまで生還できたのは誰か?
またほのかの悲鳴の裏に隠された真相に迫ります。
『あのコはだぁれ』あらすじ
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— 映画『あのコはだぁれ?』公式 (@anokodare_movie) January 21, 2025
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産休に入った教師の代理として君島ほのかは
夏休みの補習事業を担当することになる。
教室に入って資料を配るほのかだったが、
一人分足りないと生徒が言った。
そこには三浦瞳をはじめ、5人の生徒が補習を受ける
予定だったが、もう一人女子生徒が参加していたのだ。
補習中、窓から外の景色を見たほのかは人影を目撃し、
思わず外へ飛び出すが誰もおらず、
見上げると屋上には補習に参加していたはずの小日向まりの
姿があった・・・。
キャスト
渋谷凪咲、早瀬憩、山時聡真、荒木飛羽、今森茉耶、蒼井旬、穂柴朋子、
今井あずさ、松尾諭、マキタスポーツ、中務裕太、染谷将太 他
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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年10月時点のものです。
最新の配信状況などの情報は各サイトにてご確認くださいませ。
『あのコはだぁれ』結末を解説
臨時教師の君島ほのかには七尾悠馬という恋人がいました。
しかし『会わせたい人がいる』と誘われた待ち合わせ場所で
ほのかは走って来た悠馬が車に轢かれる現場を目撃することになります。
その場に居合わせたのがこの後に補習授業にも参加していた生徒の
三浦瞳でした。
撥ねられた悠馬の身体は自販機の下にもぐりこみました。
そこから悠馬を救出するのに瞳も尽力したのでした。
しかしほのかは悠馬を救出する最中に自販機の下に潜む
何者かから手を掴まれ驚愕します。
その後、悠馬は命を取り留めたものの、昏睡状態のままでした。
そんな中、補習授業に参加していた見慣れない女子生徒の出現により、
事件の幕が上がっていきます。
再び始まるメロディ
突如、ほのかの補習授業に現れたもう一人の高校生は
32年前にこの学校の生徒だった
高谷さなでした。
教室で一人、メロディを口ずさむさなを
後方に座る小日向まりが罵倒します。
すると、まりはほのかと瞳が見上げる屋上におり、
「私の声を聞いて」と叫びながら飛び降りたのでした。
屋上で起きたこの事件を受けて、校長の川松良江は32年前の事件について、
高谷さなについて、ほのかや瞳に語り始めました。
32年前、瞳やタケルの母親そして糸井茂美と言い争いになったさなでしたが、
その時突風が彼女らを襲い、さなに寄り添ってくれていた茂美が吹き飛ばされ
落ちそうになってしまいました。
屋上の端で何とか耐える茂美の腕を掴んで救出を試みるさなでしたが、
次の瞬間、不適な笑みを浮かべ、「あなたの声を聞かせて」と言うと
掴んでいた腕を離したため、茂美は落下してしまったのです。
それ以来、ショックで登校できなくなった瞳とタケルの母親。
しかしさなだけは何食わぬ顔で登校していたことから
良からぬ噂がたち、机に落書きをされるなど
嫌がらせの対象となったのです。
そんなさなは、文集に自分の歌を届けたい。そのために皆の音を集めて自身の世界に
引き込みたいと記していたのです。
まりの事件を受けて、子どもを迎えに来た瞳とタケルの母親は
32年前、その現場に居て共に救出をしていたものの
その当時の詳細を思い出すことができないでいました。
それでも、さなとあの屋上には何かあると不振がるのでした。
悠馬の真実
川松の元教え子で探偵を営む権田は先の「ミンナのウタ」事件で
高谷さなの一件に絡んでおり、その当時見つけ今は隠していたテープレコーダー
を川松やほのか、そして瞳とタケルに聞かせるのでした。
そこに記録されていたのは、人が最後の恐怖を叫ぶ音。
そしてその最後にはあろうことか、自分自身の音を記録していたのです。
その手伝いを何も知らない両親にさせることで自身を殺させていました。
ところがこのテープには権田さえも知らない続きがあったのです。
それもそのはず、ついこの前、事故にあった悠馬の一件など
2024年現在のものまで記録が更新されていたのです。
そしてその内容から、ほのかは悠馬がさなの弟であることに
気づきます。
ほのかを襲う衝撃のラスト
さなの両親は我が子を殺したとされていましたが、
本当は両親を騙し、自らの首を締めさせ自身の魂の声を記録する
手伝いをさせていたのです。
さなの両親に会ったほのかはさなの弟・としおが
悠馬であるという確信をつきつけられることになります。
さなの父は娘の事件で精神的に壊れてしまった母親の詩織には
子育ては出来ないと判断して弟を擁護施設に預け、
名前も七尾悠馬と変えたのでした。
ほのかはもう一度悠馬の事故現場へ戻り
自動販売機の下を探りました。
するとそこから、ほのかと悠馬の2人の名前が刻印された
婚約指輪を見つけたのです。
ほのかはさなの脅威を止めるために、さな自身と対峙することを決意し、
再びさなの自宅を訪れます。
恐る恐る家の中に入ると小さい頃の悠馬がさなの部屋へ入るのを目撃し、
引き留めるものの、幼い悠馬はさなの部屋へ吸い込まれて行きました。
ほのかはさなに
「あなたはもう死んでいる。悠馬は渡さない」
と言い放ちました。
すると「ならあんたが代わりになれば」
というさなの声が聞こえてきました。
しかしコードを首に巻き付けられまさに今魂の音を取られようと
しているのは瞳でした。
テープに録音するため声を出すさなより大きな声で
ほのかが叫びます。
「2024年7月27日。君島ほのか」
次の瞬間瞳を抱きしめるように覆いかぶさったほのかは
さなの部屋の扉ごと学校の屋上に飛ばされていました。
瞳は首に巻き付いたコードをほどくと、屋上から落ちそうになっている
ほのかを発見し腕を掴み引き上げようとします。
しかしほのかには茂美が重なり、瞳にはさなが取りつき
ほのかの腕を離そうとするのです。
そこへ駆け付けたのは悠馬と瞳の母親でした。
恋人を救うために病床の悠馬は生霊となってやってきます。
そして瞳の母親もまた、茂美を救えなかった雪辱を果たすため、
娘を守るために力を尽くしました。
さらに詩織がやって来て瞳にとりついたさなをはがすように
引き連れて去って行きました。
皆の力添えで無事に屋上に上がることができたほのか。
その頃、施設では詩織が息を引き取ります。
同じころに目覚めた悠馬を抱きしめるほのかでした。
詩織は悠馬を守るためにさなを連れ去ったのでしょう。
ほのかと瞳は「まりと茂美ちゃんへ」捧げられた献花を見つめています。
そこへ退院した悠馬がやって来て祈りを捧げました。
瞳に「いつもありがとう」とお礼を告げた悠馬は
婚約指輪を取り出し、寂しげに眺めた後、その場から去って行きました。
隣に居たほのかは自身の指から消えていく婚約指輪を見て
嫌な予感がよぎります。
再度、献花を見下ろすと、そこには「ほのか先生・・・」と
記されたものが。
ほのかは自身がもうこの世の存在ではないことを悟って
悲鳴をあげたのでした・・・。
そして学校のピアノにうっすら映る女子高生の影がありました。
『あのコはだぁれ』ラスト生還したのは誰か?
結論から言うと、劇中でさなによって消されたとおぼしき
人物たちがエンドロールにて生還を示唆されていました。
生還したのは誰か
校長の川松良江と教師の中村育英の他、
生徒では三浦瞳、前川タケル、島田蓮人、阿部大樹、
そしてほのかの恋人である七尾悠馬もまた意識を取り戻し
自身で歩くまでに回復した姿を見せています。
一方で君島ほのかと小日向まりだけは
ラストにおいても戻って来れず、命を落としたことが示唆されています。
何故、校長らと生徒たち、そして悠馬は生還出来て、
ほのかとまりは命を落としてしまったのか?
それは本作でのさなの目的の違いにあるのかもしれません。
ほのかの悲鳴の裏に隠された真相
ラストでほのかが悲鳴をあげた理由は、
気づいてしまった残酷な真実にありました。
ほのかは無事に生還し、さなを止めることが出来、生徒も救え、
さらに悠馬まで目覚めてくれたという光景に、
脅威の終わりを見て安堵していたのです。
しかし、当の悠馬が現れたことでその世界は一変するのです。
ほのかが目撃したのは、脅威ではなく、まさかの自身の人生の終わり
だったからです。
さなが選択した人
さなは文集で記したように、自身の歌を広め、みんなの声を集めて
自身の世界に取り込むことが目的でした。
そのために様々な魂の音を集めてはいましたが、
彼らの命を奪いたかったわけではありませんでした。
よって校長を始め生還できた生徒たちは
さなによるコレクションの対象になったにすぎないのではないでしょうか。
実はさなが本気で命を取りに行ったのは弟の悠馬である
と言えるでしょう。
さなによって昏睡状態に陥った悠馬が危険な状態だと判断した
施設長が実の父親に連絡を取っていました。
あのままでは悠馬もまた助からなかったのかもしれません。
しかし詩織が自身の命をもってさなを連れて行ったため、
悠馬は命を落とさずに済んだのではないでしょうか。
同様に、瞳を助けるために自身の名を叫んだほのかにより、
瞳も生還することができました。
ただこれに関しては、筆者は最初から瞳の命を取るつもりはなく、
あくまでほのかをその気にさせる囮であったと思っています。
つまりは、今回のさなの目的は弟の悠馬を物理的に自身の世界に
引き入れること。
もしくは弟を奪おうとする邪魔な存在であったほのかを
弟から引き離すことだったと推察しています。
早々に屋上から落下してしまった小日向まりに関しては
イレギュラーであり、さなにちょっかいを出していなければ
運命は変わっていたと思われます。
悠馬が会わせたかった人
だとすれば、当然、悠馬がほのかに会わせたかったのはさな
であるという展開になるのではないでしょうか。
さなと悠馬はどこかのタイミングで接触していたのだと思います。
その不思議な現象を受け入れ、さなを姉として認識してくれた悠馬を
大切に思っていたさな。
ところが悠馬にはさなよりも、もっと大事な人ができてしまったのです。
そして姉に会って欲しいと嬉しそうに言ってきます・・・。
それはさなにとっては耐え難い事実でした。
ほのかから悠馬を奪うために、弟をあるいは自身の世界へ
引き入れることを画策していたものの、
ほのかが消えてくれるなら、その方はさなにとっても都合が良かった
のかもしれません。
そしてほのかがさなに叫んだ
「あなたはもう死んでいる」
という言葉を、今度はさなの方からまじまじと
見せつけるという鬱展開の結末になりました。
あの屋上には何かある
「あの屋上には何かあるよね」
と言っていた瞳とタケルの母親の予想通り、
筆者もまた命を奪われる者だけがあの屋上に招待されている
のだと思いました。
茂美(3人のうち誰でも良かった可能性も)、そしてまり、
最後にほのかといった具合に、命を落とした者は皆、屋上に招かれているのです。
あの屋上には何かがあり、さなもまたあの屋上では、より強固な力を発揮できるという
ことなのかもしれません。
『あのコはだぁれ』感想(『ミンナのウタ』少しネタバレあり)
『ミンナのウタ』の不気味さも記憶に新しいところですが、
本作の中でも再びさなの両親がさく裂していました。
そして本作のラストでは、ほのかが、みんなの力で
無事に生還できたことが示唆されていましたが、
目を覚ました悠馬に抱き着くほのかに無反応だったり、
その後、ほのかが誰とも会話をしていない様子に視聴者も
嫌な予感がよぎったことでしょう。
その予感は的中し、容赦のないバッドエンドを迎えることになりました。
屋上でのほのかの救出作戦自体が幻影だったのか?
詩織や悠馬の生霊は現れたものの、さなを連れていったかに見えた詩織の方が
息絶えるという敗北に終わったのか?
解釈が分かれるところでしょう。
思えば、悠馬が詩織のお腹の中に居た時から、
悠馬を懸けて詩織とさなの奪い合いは勃発していたのかも
知れません。
前作での目的は権田の言うように、
夢や希望に根ざしているから厄介だったのでしょう。
しかし前作ラストで人に受け入れてもらうことを覚えたさなは
本作では瞳と出会い、弟と交流する中で人との絆を
心地よく感じたのかもしれません。
自身の鼻歌を、「きもっ」と拒否するまりは
その最も正反対にいる人物でした。
今回は自身を拒絶する者、自身が拒絶する者がターゲットになって
しまったように思いました。
あぁ、続編なのに、今回はGENERATIONSは出てこないのかぁ
と思っていた矢先のカメオ出演。
「取り込まれますよ」
って突然、冷静な声で・・・怖かったですね(笑)。