ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、イム・シワン・・・
といった韓国スターが勢ぞろいのパニック映画『非常宣言』
劇中に登場する日本政府の対応が物議を醸しだすなど
話題の多い本作の結末はどうなるのか?
怪しい男を演じたイム・シワンにより導かれる衝撃と
副操縦士の運命に迫ります。
『非常宣言』あらすじ
\#ソン・ガンホ × #イ・ビョンホン 豪華タッグ/
— J:COM (@jcom_info) April 3, 2023
◤ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄◥
🎬『#非常宣言』
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パク・ジェヒョクは娘と共にハワイ行きのスカイコリア501便に
搭乗するべく空港に居た。
そんな彼を見つけて、すれ違いざまに意味ありげな視線を向けるパイロット。
一方でスーツ姿の若い男性がチェックイン手続きをするため
グランドスタッフに尋ねた。
一番搭乗者数の多い便はどこ行きなのか?
・・・と。
しかし、そいった質問には答えられないと笑顔を見せる
スタッフに、「作り笑いしてんじゃねぇ」
と罵声を浴びせて立ち去ったのだった。
ジェヒョクの娘・スミンは間違えて男子トイレに入ってしまい、
そこで自らの脇に何かを埋め込むスーツの男性を目撃してしまう。
スーツの男性はスミンの姿を捕らえようと近づいてくるが、
そこへ娘を探しに来たジェヒョクがやって来てスミンを連れて行った。
しかしスーツの男性は諦めずジェヒョク親子に付きまとうようになる。
そうして男性はジェヒョク親子と同じ便に乗車することを決めた。
その頃、警察署では妻とのハワイ旅行をドタキャンして残った
ク・イノ刑事はウィルステロの犯行予告動画を配信したと思われる
人物の自宅で捜査をしていた。
キャスト
ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イム・シワン、キム・ナムギル、
キム・ソジン、パク・ヘジュン、チョン・ドヨン 他
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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年11月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。
『非常宣言』結末はどうなる?
自分の不審な行動を目撃されたと知ったスーツの男性は
ジェヒョク親子と同じハワイ行きのスカイコリア501便に搭乗しました。
娘や自分に執拗に絡んできた男が同じ便に搭乗していることに
気づいたジェヒョクに不安がよぎります。
スーツの男性は機内のトイレに入室すると脇に埋め込んだウィルスをまき散らし
外に出ました。
入れ違いにトイレに入ろうとするスミンの様子を興味深く見守るスーツの男性
でしたが、後から来た乗客がスミンを押しのけてトイレに入室しました。
スミンは空港のトイレでのことや、機内の様子をジェヒョクに打ち明けます。
その内容が不穏なものであったため、ジェヒョクはスーツの男を告発しました。
一方、地上ではイノ刑事がウィルステロの捜査を進める最中、
そのターゲットになったのはイノ刑事の妻が乗った
スカイコリア501便だということが判明します。
謎多き犯行
イノたちはスカイコリア航空501便をソウルに引き帰らせるために
尽力しました。
しかし当の機内では、先ほどスミンを押しのけトイレに入った乗客が謎の死を遂げます。
ジェヒョクは犯行予告動画の主とスーツの男が同一人物であると察知し、
乗務員に告発します。
乗務員とジェヒョクに詰め寄られたスーツの男性は
名刺を取り出し、自分はアメリカ人の博士でリュ・ジンソクだと名乗りました。
副操縦士のヒョンスとジェヒョクに問い詰められたジンソクのシャツがはだけて
脇の傷跡が露呈してしまい逃走したジンソクは取り押さえられ監禁されることになりました。
しかし既にまき散らされたウィルスは機内を侵食していき、
一人、また一人と犠牲になる乗客や乗務員らが後をたちませんでした。
地上では、航空テロ対策本部が設置されウィルスをばらまいたジンソクの要求を探りますが、
彼はただ自身と共に『機内の全員が死ねばいい』と笑みを見せます。
そしてその言葉通り、ジンソク自身も咳と血を吐き、その行方を見守ることもなく
息絶えて行きました。
乗客を隔てる壁
あろうことか操縦士の2人にも感染が及び、機長が亡くなってしまいます。
機長の身体は操縦桿の上に倒れこみ機体は急降下に至りました。
急いでコックピットに戻ったヒョンスとジェヒョクにより
機体は安定を取り戻しました。
乗客たちは感染している者や医者と未感染の者を隔てるため
機内の後方と前方へそれぞれ誘導されました。
しかしその際、アトピー持ちのスミンの腕に出た水泡を巡って
ジェヒョクとスミンは感染者の待つ後方へ移動するよう追いやられて
しまいました。
感染をしていない乗客たちは疑心暗鬼になり保身のため
差別的な言動や行動を繰り返すなど機内は騒然となります。
一方で乗客が機内の様子を動画配信してしまったことにより、
テロが起こったことは国民にも知れ渡ります。
これを受けて国土交通省のキム大臣はアメリカでの着陸に向けて
対策チームを送っていると発表しますが、
アメリカ政府は原因や解決法が解明するまで着陸を許可しないことを
決定し仁川空港へ引き返すように通達しました。
ばら撒かれたウィルスの正体
イノはジンソクが在籍していた製薬会社・ブリコム社で危険な実験用のウィルスに感染した
研究員のうち2人が命を落とし、1人だけが何とか命を繋いだことを突き止めます。
生き残れた研究員に話を聞くと、
ジンソクは微生物学者の母親から抑圧される日々を送っており、
ストレスのはけ口として動物を殺していたのだと言います。
さらに、その件を報告した研究員たちへの逆恨みからジンソクは
3人をウィルス感染に追い込んだのだと言います。
製薬会社はこの事件をジンソクの過失として片付け、
彼を解雇するにとどめ隠蔽しました。
しかし同僚のソンフンはジンソクの被害にあった研究員たちの
無念を晴らすために復職したいという嘘に感銘を受け、
この危険なウィルスを渡してしまったのでした。
事の真相について報告を受けたキム大臣は
製薬会社へ赴き、情状酌量と引き換えに抗ウイルス剤とワクチンの提供を求めました。
ジェヒョクの過去
機長を失った今、スカイコリア501便の操縦は
ヒョンスとジェヒョクが担っていました。
ジェヒョクは元パイロットとしてヒョンスとも旧知の中だったのです。
しかし2人は悲しい過去も共有していました。
ジェヒョクがパイロットとして従事していた頃、
飛行機事故が起こります。
その時、被害を最小限にとどめるべくジェヒョクが選択した
行動により、乗客全員無事に飛行機を降りることに成功しましたが、
2名の乗務員が犠牲となってしまったのです。
そしてそのうちの1名はヒョンスの妻だったのです。
この一件からヒョンスはジェヒョクを恨み、
ジェヒョクもまた操縦不能になってしまいました。
『非情宣言』発動
501便はやむなく韓国へ引き返すことを余儀なくされますが、
操縦士のヒョンスとジェヒョクの状態も思わしくなく、
燃料も持ちそうにありませんでした。
そこで2人の操縦士は成田空港への着陸を要請するべく
『非常宣言』を発動させました。
『非常宣言』が布告された航空機は最も高い優先権が与えられ、
いかなる命令も排除されるため、着陸を拒否することは
できないはずでした。
加えて韓国政府は抗ウイルス剤とワクチンを確保したので
協力をして欲しいと要請しました。
しかし日本政府は自国民を守るため着陸を拒みます。
それでも機体も操縦士も限界に達したためヒョンスは
強引に着陸を試みますが、日本の航空自衛隊は警告の威嚇射撃を発動し
これに対応しました。
ヒョンスは倒れ、代わって操縦を担うジェヒョクは、再びやむななく着陸を諦め
韓国へ向けて引き返すことを決めます。
ところが韓国国内においても抗ウイルス剤やワクチンの効果に対する
懸念や国民の反対デモなどにより着陸を拒む事態となっていました。
大切な人へ
これを見ていたイノは自身にウィルスを投与した後、
抗ウイルス剤やワクチンの被検体になると言うのです。
皆が止める中強行に及んだイノ。
しかし機内ではほぼ全員に感染が見られる事態になっており、
乗客たちは『着陸しない』決断を選択しました。
ジェヒョクは現操縦士として乗客の選択を国民に発信し、
乗客全員が大切な人への別れを告げました。
そうして通信を閉ざした直後、心肺停止状態のイノのが復活したのです。
それは抗ウイルス剤が機能したことの証明でした。
これを受けて501便に交信を試みるもなかなかメッセージが
届くことはありませんでした。
しかし乗客の家族らの懸命な呼びかけによって抗ウイルス剤が有効であることを
知った501便は着陸へ向けて舵を切りました。
ジェヒョクが訓練で着陸した経験があるソンム飛行場を指定され
いざ着陸態勢に入るも電源は消え、レーダーも見失ってしまいます。
しかしジェヒョクは方向転換を繰り返しながら
何とか着陸に成功しました。
後日、501便の乗客全員が治療の末、日常を取り戻したようです。
たった一人、自己判断で誤った量のウィルスを投与してしまったイノだけは
命を取り留めたものの、自力で呼吸することも困難な状態のままでした。
キム大臣は責任をとって辞職し一人海を眺めていました。
ジェヒョクも無事に日常を取り戻し、あの日の乗客たちが集まる
パーティ会場に姿を見せていました。
イノの元へ感謝に訪れたジェヒョクでしたが、
会話をすることは出来ないイノもどこか晴れやかな表情に見えたひと時でした。
イム・シワンが招く衝撃のラスト
本作でスカイコリア501便にウィルスをばらまき、
乗客や地上の国民、さらには諸外国にまで震撼をもたらした
バイオテロの犯人・リュ・ジンソクをイム・シワンが演じました。
ジンソクの背景は描かれない
ジンソクがテロを起こした動機は何なのか?
何故、飛行機だったのか?
そんな動機や理由は一切描かれませんでした。
ただ、機内の全員を殺したい
という言葉だけが唯一の手がかりでした。
そんなジンソクの生い立ちは劇中、少しだけ
触れられていました。
微生物学者として有能だったジンソクの母親は
息子に対して厳格な教育を施したそうです。
その教育の中に恐らく人としての教えはありませんでした。
あくまで優秀な科学者になることの教育を目的としており、
そこに母親としての愛情や親子関係の構築、楽しいことなど
皆無だったのでしょう。
そんな母親に支配され抑制されたジンソクの心は
次第にストレスに苛まれて行きます。
押しつぶされそうな心を守るために働いた自己防衛反応は、
彼自身が人の情を知らない故に、より弱いものへの虐待
という歪んだ方法で発散されることになったのでしょう。
言われる通りに生きて来たジンソクでしたが、
その母親が病死してしまったのです。
支配から解放されたはずのジンソクでしたが、
その一方でどうやって生きればいいのか?を見失ってしまったのです。
丁度、操縦士を失った際のスカイコリア501便のように、
ジンソクの人生もまた自身を含めた道しるべを失い、急降下してしまったのでしょう。
母を失ってもなおその支配から逃れられなかったジンソクは
母の元へ行こうとしたのではないでしょうか。
しかしそれさえも一人で行うことが出来ずに、
できるだけ多くの道連れを望んだのです。
空という逃げ場のない場所で、自身と同じように苦しみもがきながら
息絶えていく多くの者を見たかったのです。
操縦士を失って急降下した501便はジェヒョクが支えになり持ちこたえました。
ジンソクにもジェヒョクのような存在があったなら
あるいはテロは未然に防げたのかもしれません。
非人道的な犯行VS人の思い
人間としての心を持てなかったと思われるジンソクの犯行が
導いたのは絶体絶命なスカイコリア501便。
諸外国からの着陸拒否を経て自国へたどり着いたものの、
自国民でさえも正体不明という恐ろしさの前に屈してしまうのです。
もしかしたらこれこそジンソクの目論見だったのかもしれません。
501便の乗客と乗務員たちは、そんな恐怖からの拒否反応を理解し、
自分たちは着陸しない決断を下します。
501便に乗っていた妻を救うために自己犠牲も厭わず、自身の身体で
ワクチンの効果を立証するイノ刑事。
乗客たちも自国民であることに変わりはなく、尽力する人たち。
どの行動も他人を思いやるという温かい心情によって打ち出され、
そんな人間が持っている尊さこそが、
バイオテロの脅威に打ち勝つというラストを迎えることになりました。
『非常宣言』副操縦士の運命は?
もう一つ、明確に描かれず、視聴者が気になったことと言えば、
副操縦士・ヒョンスはどうなったのか?
問題ではないでしょうか。
副操縦士は序盤で感染したことが示唆され
ラストではもう自分は操縦不能であると口にしていました。
ヒョンスは生きていない
結論から言うと個人的にはヒョンスは生きていないのではないかと思いました。
ヒョンスはジェヒョクとの過去にわだかまりを持っていましたが、
ヒョンスが気を失う(息を引き取る)寸前に2人が和解したと言う点が
大きいのかなと思います。
ヒョンスが話さなくなって以降、
ジェヒョクが彼を気遣う様子がないのも、ジェヒョクは
ヒョンスが旅立ったことを察知したからなのではないか
と推察しました。
辞職したチョンドヨン扮するキム大臣が海を眺めながら
少し微笑んだように見えるあの描写も
乗客を守り抜き散って行ったヒョンスらへの弔いの表情に
見えなくもない・・・と思います(笑)
さらにラストのパーティーで、ヒョンスよりも多量のウィルスを投与して
しまったと思われるイノ刑事が登場するのに対し、
ヒョンスの姿が映らないことももしもヒョンスが生きているのならば
不自然な気がしたからです。
できることならば生きていて、ラストのパーティで和解したジェヒョクとの会話や
スミンと戯れる様子など見たかったなという思いはありますが・・・。
どうでしょうか。
『非常宣言』感想
何と言っても豪華キャスト陣が見ごたえ抜群の本作。
猟奇的な犯人を演じたイム・シワンが出番が少なめながら
存在感が大きく、超絶に爪痕を残しながら不気味に去って行ったのが
印象的でした。
シワンが演じたジンソクの生い立ちも実は強烈に不幸なのだったのだろう
と示唆されつつも、あえてそこを描かないことにも
メッセージ性を感じました。
そして人間の心を持つことを教えてもらえなかったジンソクの
犯行は、人の思いやる気持ちによってかき消されたというラスト。
どんな時にも、何が起こってもそうあれることが
可能である・・・それが人という生き物なんでしょうね。
そのことを忘れずに生きて行こうと思いたくなる一作です。
