考察必至!Netflix『セイレーンの誘惑』衝撃ラストの核心に迫る

海外ドラマ
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ギリシャ神話の「セイレーン」をモデルに、
姉妹の愛憎劇や階級風刺などがブラックユーモア満載に描かれた
Netflixドラマ『セイレーンの誘惑』(全5話)

「ハンニバル」ジュリアン・ムーア「NYガールズダイアリー」
メーガン・フェイヒーらが競演しています。

考察必至な衝撃の結末を迎える本作の、
ラストの核心に迫ります!

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『セイレーンの誘惑』あらすじ

デヴォンはアルコール依存の悩みを抱えながら
認知症が酷くなっていく父親を一人で世話していた。

しかし介護疲れに陥ったデヴォンは限界を感じ妹のシモーヌ
助けて欲しい時の姉妹の合言葉である
『セイレーン』のメッセージを送るもののシモーヌは贈り物を届けるだけで
直接話せることはなかった。

そこでデヴォンはシモーヌが働いている島に突然押しかけた。

シモーヌの勤務する屋敷をつきとめたデヴォンは
猛禽類の保護活動家で社交界の名士ミカエラの秘書として
働く妹と再会した。

髪の色や鼻の整形に加え年の離れた恋人がいるなど、
すっかり変わってしまったシモーヌ。

さらにシモーヌとミカエラの親密すぎる関係をデヴォンは心配する。

ミカエラのカルト的な支配にシモーヌが洗脳されている
と考えたデヴォンは妹を正気にさせて、この島から連れ戻そうと
企てるのだが・・・。

キャスト
ジュリアン・ムーア、メイガン・フェイヒー、ミリー・オールコック、
グレンハワートン、フェリックス・ソリス、ケヴィン・ベーコン
 他

以下、結末までのネタバレを含みます
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年7月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

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衝撃なラストの核心に迫る!

ギリシャ神話で知られる『セイレーン』という海の怪物。
それは船乗りたちを美しい歌声で魅了し、破滅させることから
悪い者として扱われてきました。

本作のラストでは惑わす側のセイレーンと思われていた
ミカエラが全てを失ってしまいます

そしてミカエラの座には、シモーヌが君臨するのです。

ちょうど、物語の冒頭で海を眺めながら崖にたたずむ
ミカエラがラストではシモーヌになっている
その構図のようでした。

絶対女王のミカエラは何故その座を明け渡すことになったのでしょうか?

窮地の女王

夫で億万長者のピーターとその前妻はミカエラが原因となるかたちで
離婚しています。

それゆえ、ピーターの子どもたちからミカエラは好意的には
思われていませんでした。

そうまでして結婚に至ったピーターとミカエラでしたが
現在は夫婦の関係はどこか冷え切っているようでした。

ピーターは孫に会いに行くのにも嘘をついてしまいます。
しかしそんな嘘はミカエラに見抜かれ、浮気を疑われるのです。

夫の不貞を疑うミカエラの元に一枚の写真が目に入ります。

それはピーターとシモーヌの不貞を疑わざるを得ないものでした。

ニューヨークを任されると思っていたシモーヌは
ミカエラから急に解雇され愕然とします。

懸命に言い分を並べますが受け入れてはもらえませんでした。

孤独は2人を結びつける

そもそもミカエラは何故シモーヌを秘書に従え仕事の域を超えて
親密になったのでしょうか。

それは表向きにはヘイヘイの一言で皆を従えている
様子のミカエラもその真相は孤独だったからに他ならないのでしょう。

一方でシモーヌは育児放棄や虐待という悲惨な子ども時代を送り、
親の愛情に飢えていた彼女は危険ではない場所を求めていた
他なりません。

誰にも手を差し伸べられなかったシモーヌもまた孤独でした。

母親の愛情を失っている2人が共鳴に至るのに時間はかからなかったのでしょう。

そして、ひな鳥のままのようなシモーヌをミカエラは他人事とは
思えなかったのではないでしょうか。

子どもを産めないミカエラの母性はシモーヌに向いたのかもしれません。

ピーターありきの地位

しかし可愛がっていたシモーヌに対しても
自身の立場が脅かされると察すれば手をうたない
訳にはいきませんでした。

ミカエラの確固たるように見える地位は
所詮はピーターに与えられているものだったのです。

ミカエラはピーターなくしては飛ぶことができない鳥のようでした。

猛禽類の保護活動に勤しみ愛情を注いだのも
自ら獲物を捕らえる己自身のその強さに魅了されたのかも
しれませんね。

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セイレーンが育てた怪物

一方でシモーヌの幼少時代は複雑なものでした。
母はうつ病でシモーヌを道連れに心中しようとしたことも。

そんな母を失くした後、父はアル中になり育児放棄
デヴォンも家を出て行ってしまったのです。

孤独で愛情を注がれず、守ってもらえない環境の中で、
自分の存在価値を見失い、安心を欲したのでしょう。

この家の子ではない誰かになりたいと願ったのかもしれません。

ミカエラと出会ったシモーヌは見た目を変え、
自分を大切に必要としてくれる存在を目の前にして
違う自分、新たな人生を歩めるチャンスだと思ったのでしょう。

最終的にミカエラに解雇されたシモーヌの選択は
ピーターに取り入るか、デヴォンと共に、
憎い父の元に帰る
のかの二択でした。

シモーヌは新たな人生を選んだのです。
それが例え自身の心を踏みにじることだったとしても。

ミカエラがシモーヌを突き放したことで
自信よりも巨大な怪物を生んでしまったのかもしれません。

シモーヌとの決別とミカエラとの和解

ミカエラとシモーヌの関係は断絶されてしまいましたが
デヴォンとの姉妹の関係は修復に向かっているようでした。

洗脳されているシモーヌを自宅に連れ帰ろうと懸命になる
デヴォンでしたが、最終的にはシモーヌの決断を尊重しました。

しかしミカエラからピーターを奪って幸せを得るという
選択そのものに賛同したわけではありません

だとすればそれが姉妹の別れになるのかもしれません。
それでもシモーヌの心の内を理解したデヴォンは
連れ帰ることが出来なかったのではないでしょうか。

姉であっても変えられないことはある、
そして父親を見捨てることもできない、
そう決断したデヴォンは自身の幸せと引き換えに
島を出発
しました。

帰りのフェリーでミカエラを見つけたデヴォンは
彼女に話かけました。

『彼に怪物と言われるまでの13年、私はうまくやった』
と告白するミカエラにデヴォンは
『あなたは怪物なんかじゃない』と言いました。

シモーヌを必要としていたミカエラとデヴォンは互いに疑念を抱いてきました。

そんな誤解や疑いから始まった関係でしたが、
デヴォンの一言はミカエラの心を救ったのでした。

地位を奪われ、夫が去ると何者でもなくなってしまった
一人の女性、ミカエラはそれでも後悔や未練を感じさせませんでした。

自身の力で生きて行く未来に挑むことは
容易ではないのかもしれません。

しかしミカエラには自分の力で生きることに
成功する未来が待っているような気がしました。

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『セイレーンの誘惑』感想

ミカエラを演じたジュリアン・ムーアはまさに
セイレーンのように時に怖く、時に魅惑的でしたね。

そんなミカエラをピーターは怪物だと称し、
家から追い出して、自分は新たにパートナーを迎えるという
下衆の極みでした。

果たして惑わされ、破滅に追い込まれたのは
どちらなのか?

自身の安定と貧困からの脱却のために、
愛情を持っていないピーターの妻という地位を
築いたシモーヌも、いずれはミカエラと同じ道を辿るのでしょう。

富と権力でミカエラもシモーヌも魅了した後、
不幸のどん底に突き落とすピーターこそが怪物のように見えてしまいます。

しかしながらそんな怪物に群がることでしか
自己を肯定できない、自分自身から逃避するシモーヌが悲しく映ります。

ミカエラが言った
「母親を亡くした人は見ればわかる」
という言葉は、自身もまた孤独や自信が持てないこと、
そして愛情の意味さえわからない
そんな葛藤や苦しみを抱えて、隠して生きて来たことを
表しているように感じました。

シモーヌを見ていて、その苦しみを感じ取ったからこそ、
ピーターを奪われ、追い出されても
シモーヌを憎む気持ちにはなれなかったのでしょう。

その苦しみや葛藤の過去があればこそ、その選択をしてしまったのだから。

そしてミカエラ自身が前妻にしてしまった罪に、
シモーヌが妻の座についたことで気づいてしまったのかもしれません。

そんな結末には賛否が分かれるところかと思いますが、
ミカエラもデヴォンもシモーヌでさえも
誰も幸せそうではない結末が衝撃でした。

この世界はなんて不平等なんだと、
落ち込む一作です(笑)

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