アーミー・ハーマー主演映画『ALONE』はもうご覧になったでしょうか。
ミッションに失敗したアメリカ兵・マイクが
敵地で絶体絶命のピンチに陥る物語。
一歩踏み出す恐怖かそこに留まる恐怖か?
過酷な状況下で追い詰められた兵士は目の前の絶望的な現実に加えて
幻覚と過去が見え始めます。
あのベルベル人の男性は本物なのかな??
マイクの見ているものは何が現実で何が幻想だったのか?
推察してみました。
この記事では
★52時間後の結末とは?
★現実と幻想を考察
★ラストシーンの意味
に着目して綴っています。
一つの推察として温かく見てもらえたら幸いです(*^-^*)
【ALONE】あらすじ
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— PARCO Movie/パルコ映画配給 (@parcomovie) April 4, 2020
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『#ALONE / #アローン』#アーミー・ハマー 主演!
広大な砂漠で地雷を踏んでしまった一人の兵士。
救助が来るまで52時間、動いたら死ぬ😱
辛い、辛すぎる
プライムで配信中📺https://t.co/8YcBdxOIhJ pic.twitter.com/IfIUkVeXDf
マイク・スティーブンスは米海兵隊の腕利きのスナイパーである。
そんな彼は自身の事情から結婚に踏み切れない恋人を残し、
相棒のトミーと共に北アフリカでの組織のリーダーの狙撃という任務に就いていた。
いざ、標的を定めるマイクであったが、中から出てきたのは花嫁。
標的の男は花嫁の父親として結婚式に参加していた。
そんな晴れの日に花嫁の前で狙撃することなど出来ない
と頑なに拒むマイク。
任務は失敗に終わり、逆に追跡されてしまうことに。
何とか逃げきり、救援部隊が待つ近くの村へと徒歩で向かう2人の目の前に
危険地帯の看板が飛ばされてくる。
その一帯が地雷原であることを危惧したマイクとは裏腹に
陽気に足を進めるトミーだったが、嫌な予感は的中する。
トミーは地雷を踏み爆風が吹き荒れる。
同時にマイクもまた踏んでしまったことを確認する。
負傷したトミーの前に、一歩も動くことが出来なくなったマイク。
2人の運命はどうなるのか・・・?
キャスト
アーミー・ハマー(マイク)、アナベル・ウォーリス(ジェニー)、
トム・カレン(トミー)、クリント・ディアー(原住民の男性)他
以下、作品のネタバレを含みます。
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52時間後、結末はどうなる?
地雷を踏んでしまったマイクとトミー。
負傷したトミーを助けようと一歩踏み出そうとする
マイクを阻止するため、自ら命を絶ったトミー。
それから救助がくるまでの52時間+17時間という絶望の時。
踏み出す恐怖か?踏み出さない恐怖か?
を自問自答して、孤独の中、絶望と過去と幻とたたかったマイク。
絶体絶命のピンチを生き延びたマイクの元に
救助隊が迫るが、自分の位置を知らせる発煙筒は手の届かない場所へ
飛ばされていました。
この救援隊を逃したらもうあとはない。
そんなマイクにトミーが、原住民の男性が、母親が言います。
『前に進め』
・・・と。
意を決してマイクはシューマン作戦を繰り出しました。
するとマイクの足が離れても何も起きず、確かに足元に合ったそれを掘り出してみると
それは地雷ではなく原住民の娘が埋めたブリキ缶でした・・・。
無事に帰還したマイクを出迎えたのは恋人のジェニーでした。
もう迷いはないマイクは片膝をついて最愛の人にプロポーズを捧げるのでした。
Fin
現実と幻覚を考察
52時間+遅延の17時間の間。
数々の現実と幻覚がマイクに襲いかかりました。
そんなマイクの前に現れる1人の男性。
彼は一体、現実が幻覚か?
推察します。
ベルベル人の父娘
原住民であるベルベル人の父と娘がマイクに
水を運び、助言を与えていました。
彼らは本物か幻覚か?
娘はブリキ缶を埋めている時に爆風で亡くなった
と父親が証言しているので娘は幻覚であるのは確定です。
そしてそこに見ず知らずの少女の幻覚が現れたのは
まさにマイクが踏んでいるものこそが
その少女の埋めたブリキ缶であるという伏線になっていました。
では父親は?
父親の方は本物であり幻覚であると思います。
現れた本人は本物の原住民なのでしょう。
けれども言葉は実は英語ではなかったのではないでしょうか。
〖訳のわからない言葉を喋るもの〗という由来があるベルベル(人)。
しかしその由来は他国の人が呼ぶもの。
彼らは自分たちのことを〖自由人〗を意味するAmazigh(アマジグ)
と称している誇り高き人種です。
自分たちの文化や言語をとても大切にしているはず。
そして実はマイクにもベルベル語で話しをしていたのではないでしょうか。
しかし過酷な状況下で究極の精神状態だったマイクはその言葉を理解しました。
自分が受け止めたい言葉で、聞きたい言葉で、怖い言葉で・・・。
現実はALONE
もしもそうなってくると見方は少し変化していきます。
ベルベル人の男性のマイクが〖一歩踏み出すこと〗を強く願い
激励していたかのような2人の場面も、
実は言葉は通じていなかったとしたら・・・
〖地雷は勘違いかもしれないから一歩踏み出してみろ〗
というのは実はマイクの心理。
実際に限界が近づくマイクが気を失いかけた時、
ベルベル人の男性はマイクが地雷から足を離さないように
自分の足に体重をかけてマイクの足を維持しています。
もしも、マイクが地雷を踏んでいないことを認知し、
本気で一歩を踏み出せと助言しているのならば
この行動は少し矛盾していると思うのです。
だとしたら彼は結局何を言っていても良かったわけです。
マイクはたった一人で自問自答し、苦悩し、恐怖とたたかい
自分の選択で前に踏み出したことになるからです。
誰かの助けではなく、自らの選択で足を離すことにこそ
意味があったのでしょう。
ラストシーンの意味
マイクの迷いは、任務にまで支障をきたしてしまいました。
しかし、無事に帰還したマイクは、
出迎えた恋人・ジェニーの前に片膝をつきプロポーズをする
というハッピーエンドで物語の幕は閉じます。
マイクが最初に片膝をついたのは父親の前でした。
それは父親に服従するポーズ。
屈辱を意味していました。
そして地雷を踏んでしまったマイクもまた片膝をつきました。
その恐怖にひれ伏した瞬間でした。
最後に帰還したマイクは再びジェニーの前であのポーズをします。
しかしそれは、服従でも屈辱でも恐怖でもなく
信頼と深い愛情のしるし。
自分の過去とトラウマと迷いを払拭し、
確実に一歩を踏み出したことを意味しています。
【ALONE】を見て
自らのトラウマに囚われ身動きができない状況と
地雷を踏んで一歩も前に踏み出せない状況が重なり
過去という試練と砂漠での不幸や狼や銃弾によって負った
傷に向き合うことで自らの本性があぶりだされました。
たった一歩前に踏み出すということは
こんなにも難しいことなのだと痛感しました。
マイクが身動きをとれなくなってからの運命は
誰でもないマイク自身に託されていました。
ただ生きるために、もう一度ジェニーに会うために
一歩を踏み出したマイクは
未来を掴んだといえるでしょう。
そしてそのおかげで永遠を誓える相手を見出すこともできました。
ピンチに陥ってる最中に
素敵な未来を信じて全力で一歩を踏み出すことは
勇気のいることです。
もしもその一歩を踏み出さなければいけない時がきたら
52時間、それ以上を使ってもいい。
なんとか踏み出したい・・・そう思える一作です。