【ネタバレ考察】『プラットフォーム2』の結末とは?前作の謎と施設の目的

洋画
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2019年に公開された衝撃作【プラットフォーム】の続編である
『プラットフォーム2』
がNetflixにて配信開始されました。

前作と同様に謎が深まる本作の結末の意味について
前作を踏まえて深堀考察しています。

一個人の解釈としてお気軽にご覧ください。

この記事のポイント
『プラットフォーム2』の結末をネタバレ解説
前作『プラットフォーム』との繋がりは?
映画考察:センターの目的とは?

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『プラットフォーム2』あらすじ

舞台は謎に満ちた縦型構造の施設。

芸術家のぺレンプアンは自主的にこの施設の住人となった。
目を覚ますと、同居人としてそこに居たのはザミアティンという大柄の男性
で彼もまた住人になったばかりだった。

そしてそこは24層だということがわかる。

23層のロベス・ピエールは2人にこの施設で皆が平等を得る
ためのルールを説明する。

そしてそのルールを作った、かつて最下層で自身の身を削って人を助けながら
生き延びた救世主(ダギン・バビ)の存在があること、
バビが率いるロイヤリストについて語った。

自分が申告した食事だけを食べるというルールを守れば全員に食事は行きわたり、
守らなければ、制裁が与えられるという。

しかし、最初の食事で早くも、ザミアティンのピザが
上層階の者によって食べられていた。

平等という理想は果たされるのか?
ぺレンプアンの運命は・・・?

キャスト
ミレナ・スミット、ホヴィック・カイケリアン、ナタリア・テナ、オスカル・ハエナダ、
ゾリオン・エギレオール、アントニア・サン・ファン、イヴァン・マッサゲ
 他

以下、本作および、前作の結末のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年10月時点のものです。
最新の配信情報は各サイトにてご確認くださいませ。

「プラットフォーム2」の結末をネタバレ解説

皆が平等に食事を摂るために、規律を重視するロイヤリストたちは、
自身が申告した食べ物以外は口にしないように警告します。

ルールを破った者たちは『バーバリアン』と呼ばれ、
制裁を受け命を奪われた者もでていました。

そして食べる者が制裁を受けたために、余ってしまう食事もでてきます。

ロイヤリストは余った食事は処分することを指示しますが、
ザミアティンはこっそり食べていました。

しかしそのことは露呈し、ロイヤリストたちは犯人捜しを始めます。

下層階に落ちて、飢えと恐怖に耐えかねた
ザミアティンは自らに火を点け命を絶ってしまいました。

ザミアティンが不在になりぺレンプアンの同居人は新たに
ザハバトという女性になりました。

ルールを破った者に制裁を加えるのはその上階にあたる者が担う
決まりでしたが、ぺレンプアンは憤りのあまり、ルールを破って
自ら制裁に参加
してしまいます。

共に参加したザハバトはかつて、勝手に他者に食事を与えた罰を受け、
片腕を奪われていたのです。

さらにザハバトの同居人はバビに反撃をしたため、
下層階の生贄にされてしまったのだと語ります。

そしてザハバトは脱出する方法があるのだと教えてくれました。

そんな2人の元にバビたちロイヤリストがやって来て、
ルールに従わずに勝手に制裁を加えた件を責め立てます。

そして制裁の的となったぺレンプアンの片腕を奪い、
2度目のルール破りであるザハバトはかつての彼女の同居人と
同じように生贄になってしまいました。

ロイヤリストとの決別

制裁を受けて意識を失ったペレンプアンが目覚めると
新たな同居人が目の前に居ました。

彼はトリマガシと言い、ここの住人になったばかりでした。

ロイヤリストは平等という理想を叶えてくれるのではなく、
それを餌にして暴力で支配をしている
ことを痛感したペレンプアンは
トリマガシを誘い、彼らに立ち向かうことを決意します。

ロイヤリストと、ペレンプアンを筆頭にしたバーバリアンの対決は
壮絶な争いとなり、結果的に生き残ったのはペレンプアンとトリマガシ、
そして重症を負ったダギン・バビ
でした。

バビは殺してくれと哀願しますが、ペレンプアンはザハバトと同じ目に
合わせると言い返しました。

脱出する方法

ザハバトは月に一度の階層の入れ替わりが行われる際に
脱出のチャンスがあると教えてくれました。

絵画を見つけることができれば
毒性のある絵の具で仮死状態となり催眠ガスを回避できるというのです。

ペレンプアンは教えられた通り仮死状態に陥ります。
次に目覚めるとそこは無重力状態で、ガスマスクを着けたスタッフにより
他の亡骸と一緒に運ばれている最中でした。

サハバトは上に引き上げられ脱出できると話していましたが、
実際には下層へと運ばれていました。

すると333階層まできたところで少年が寝かされているのを
目撃します。

その少年を助けに向かったペレンプアンでしたが
無重力の中を上手く動けずに身体をぶつけ気を失います。

『あなたの旅は終わりだ』が意味すること

ぺレンプアンが再び目覚めると、彼女の元に
大勢の人々が集まって来ました。

そしてペレンプアンに告げるのです。

あなたの旅は終わった

のだと。

それを聞いた彼女は、プラットフォームに少年だけを乗せ上層部へ送ると、
最下層の住人に加わるのでした。

ペレンプアンは自主的に施設の住人になったことが示唆されています。
そしてその背景には、芸術家であるペレンプアンの
『猛犬の像』という作品を展示する際に安全策を怠ってしまったことがあります。

そのせいで展覧会に訪れたペレンプアンの恋人の息子が
『猛犬の像』にぶつかったことで命を落としていた
のです。

奇しくもその作品で有名になった彼女の精神は
後悔や懺悔の感情に囚われ、時間を必要としたため入居したのでした。

そんなペレンプアンの旅の目的は贖罪だったのではないでしょうか。

彼女は1人の少年の命を間接的に奪ってしまったのかもしれません。

しかし自分の命をもって333階層に寝かされた少年を救うことで
その目的が果たされたのです。

それがペレンプアンの『旅は終わった』ということなのでしょう。

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前作『プラットフォーム』との繋がりは?

ペレンプアンが同居人、ザハバトを失った後の新たな相棒は
トリマガシでした。

このトリマガシといえば前作の主人公ゴレンの同居人でした。

そしてその階層は72。

前作『プラットフォーム』でトリマガシがゴレンに
初めての階層は『72』だと言っていましたね。

そのことからも本作が前作よりも以前の出来事であることが判明します。

また、ラストで、ペレンプアンのように、子どもと共に降りて来る人たち
の回想シーンが映し出され、
その中にゴレンが登場し、やはり子どもだけを送って最下層に降りたゴレンは
なんとペレンプアンと再会しハグし合ったのです。

ゴレンとの関係は?

このことから、ペレンプアンの恋人というのはゴレンであった
と推察できます。

この施設は囚人や希望者が入居できるようですが、
ペレンプアンが希望した理由はゴレンの息子の事故を嘆いてのことでした。

ではゴレンは何の目的でやって来たのでしょうか。

『認定証をとるため』だと言って『ドン・キホーテ』の書物を持ち込んだ
ゴレンですが、本心は別のところにあったのではないでしょうか。

恋人が関わっている息子の事故に向き合うことができずに、
そしてその罪の意識から消えた恋人ペレンプアンを救いたい


という複雑な感情を持って施設に入ったのだと思います。

その道中の悲惨さに、食事が平等に行きわたるような制度と
料理人たちへのメッセージ
を送ることに目覚めたゴレンは
最下層へ向かいます。

そしてゴレンもペレンプアンと同様に、
最下層で見つけた子どもを助け、旅は終わったと告げられるのです。

そこにはペレンプアンとの再会がありました。

ミハルは運営側の人間だった

前作の前日譚である本作で、
前回子どもを探すために施設に入ったと語った『ミハル』
運営側の人間として、1人の子どもを連れ出し、
333階へ送る
という役目を担っていたことが判明しました。

ミハルはなぜその後、施設に入ったのでしょうか。

前作で〖子どもを探している〗

と語っていたミハルですが、実の子どもという意味では
なく、自分が送り出した子どもという意味なのかもしれないと思いました。

本作では上を目指す大勢の子どもの中から、
頂点に居る少年を連れ出し手をとり去っていきました。

そして連れて行かれる少年を見守る、前作のゴレンが助ける少女?
の姿もその子供たちの集団の中にあったのです。

しかしもうこの少年は333階層には居ないため、
実際には『息子』を見つけることはできませんでした。

ミハルが施設に入った理由は、イモギリのように、真実を知らされていなかった
のではないでしょうか。

ミハルが手を取り連れて行った子どもたちは、
ミハル自身の手で333階に眠らされたわけではありません。

ミハルは子どもたちはあの施設での役割を終えて、
里親が見つかるなどして外の世界に送りだされたのだと
信じていた
のかもしれません。

そして少年の耳元でミハルは『ここから出られるよ』
というような希望に溢れた内容を耳打ちしたのではないでしょうか。

ところが送り出していた子どもたちは、
実は施設の実験の犠牲になっていた・・・。

そう知った時のミハルは大きな罪の意識と共に、
せめて1人でもいい、助けださなければという使命感
に苛まれ
自ら入居したのではないでしょうか。

映画考察:センターの目的とは?

謎の施設、垂直自己管理センター(VSC)という刑務所のような場所。

そこには罪を犯した人もいれば、自主的に入居を希望することも
できるのです。

その目的とは何なのでしょうか。

垂直自己管理センターの目的

罪を犯した人や何らかの罪の意識を持っている人が希望する場所
であり、そこは人が『倫理観』を取り戻すための更生施設なのでしょう。

その穴の中は、まるで資本主義の行く末に
取り返しがつかなくなった格差社会のようになっています。

一部の上層階の者のみが手つかずの料理にありつけ、
それでもいつ下に降りることになるかを不安視するあまり、
他人のことなど気遣う余裕もなくなっています。

そして下に居る者の精神は荒んでいき、
争う者、奪おうとする者、自ら命を絶つ者など
絶望的な世界がそこには広がっています。

そんな穴の中で皆が平等であることを理想とするならば
そのために格差社会の中に居る人間はどのように考え動けばいいのか

そんなところを観察、実験しているのかもしれません。

気になるのは、元運営側のイモギリはそこには200階
までしかないと知らされていたことです。

施設の中に入る余地のある運営スタッフさえも実験の材料として
みられているのでしょうか。

333階層の子どもの運命は

333階層の子供たちはどうなるのでしょうか。

まずは『333』という数字ですが宗教的にもスピリチュアル的にも
重要な意味のあるものです。

また1階層に2人だったことを考慮して
その数を倍にすると『獣』『悪魔』の数字とされています。

落下していく人をむさぼる存在との関係はあるのでしょうか。

『333』から連想されるのはそこに居るのは父と子と聖霊だということ。

自分の欲だけに囚われず、『333』に辿り着いたものだけが
子どもの存在を知り得ます。


上から遥か下の階層に降りて来るという行動こそが
子どもを助ける第一歩になります。

その先に、調和と変化の希望があるのです。

子どもだけをプラットフォームに乗せ、伝言としました。

力を持たず無垢な存在を認識してもなお、
自分の欲を優先できるのか。

つきつけられた人間の本質が問われるのです。

『333』を倍数にすると、途端に怖いイメージになることからも、
もしかしたらその穴の中自体が元々、上層階でさえも、『獣』ばかりの
魂の下層世界
であり、成長と調和と倫理を取り戻した者だけが
そこから抜け出し、争いや苦悩のない場所へと導かれるのかもしれません。

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『プラットフォーム2』感想

『プラットフォーム2』は前作の〖その後の物語〗だという思い込み
で見ていたので、トリマガシが出てきた時は発狂しました(笑)

しかもまだ初々しいではないですか。
その後、ゴレンに『人を殺めたことがある』とドヤ顔で露呈したのは、
本作の〖ロイヤルVSバーバリアンの決戦〗のことでしょうか?

さて本作の方では最後の最後で、ペレンプアンとゴレンがハグしあっていて、
2人が恋人だったという驚きと
ペレンプアンのメッセージは届かなかったということで、
2人も生きてはいないという結末なのかなと解釈しました。

ゴレンは持ちこんだ小説の主人公のように、理想主義者で
ぞれは叶うと信じていたのでしょう。

しかしその思考を持ってこそ自身のことだけを考えるのではなく、
上層階に居るのにも関わらず下へ降りて行けるのですね。

それにしても本作が見せる構図は恐ろしい。
2度3度と見直すのは気が進まない・・・。

それは現在進行形の社会に通ずるものがあるからです。
全くのフィクションなのだと言い切れない残酷な世界。

自分は下層の人間であると思っていても、まだそんな自分さえ
助けられる人は存在するのかもしれない。

多数の人間が結託をすれば皆が平等に幸せを感じられる社会は
可能なのか?

可能だったとしたなら今、こんな状況に陥ってはいないのでしょう。
それでも諦めたらそこから先の世界は見ることさえできない。

そんなことを考えさせられる一作です。

そもそも半年耐えれば貰える〖認定証〗とは何なのか?
子どもたちはどこから連れて来るのか?
同じような施設が複数あるのは何故か?

いまだその施設の全貌は謎のまま。
続編が期待されます。

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