映画『正体』あらすじと結末、真犯人をネタバレ解説/亀梨和也版ドラマとの違いは?

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横浜流星主演の映画『正体』

染井為人氏のベストセラー小説を映画化されたものですが、
本作より前には、亀梨和也主演でドラマ化がされ話題となりました。

そこで本作のあらすじ、真犯人を含む結末の解説とともに、
ドラマ版との違いについても触れていきたいと思います。

この記事のポイント
真犯人の正体と結末
亀梨和也版『正体』との違いは?
タイトル『正体』の意味

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『正体』あらすじ

日本中を震撼させた一家3人を殺害した事件。
その犯人は当時18歳の鏑木慶一だった。

現行犯逮捕された鏑木は極刑の判決を言い渡された。

ある夜、自ら口の中を傷つけ吐血を装った鏑木は
救急車で搬送される途中で車内から脱走を図る。

これを受けて鏑木の犯罪を立証した刑事の又貫を筆頭に
警察が鏑木の確保に動き出す。

しかし一向に鏑木の行方はわからなかった。

鏑木は変装し、偽名を使い、ある工事現場の従業員として潜伏していたのだった。

そこで働く者たちは過酷な労働環境を強いられていた。
鏑木は髭をはやし、ボサボサの長髪に、帽子を被って顔を隠しながら
『ベンゾー』と呼ばれ、勤務していた。

そんなある日、借金返済のため工事現場で働く和也が労働中、大けがを負ってしまう。
この事故を機に和也との距離が縮まったかのように見えたが・・・。

果たして鏑木が懸命に逃走する理由とは何なのか?

キャスト
横浜流星、吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、前田公輝、遠藤雄弥、森田甘路、
西田尚美、山中崇、駿河太郎、田中哲司、原日出子、松重豊、山田孝之 
 他

★原作『正体』は映画版とは少し違う結末に驚愕します。👇

ドラマ版とは違う結末の小説〖正体〗もコミックシーモアで必読です!



以下、結末及びドラマ版のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年2月時点の情報です。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

真犯人の正体と結末

工事現場で労働中に骨折をした和也でしたが、治療費用について
上司は一向に支払う様子はありませんでした。

そればかりか和也を罵倒し突き飛ばします。
泣き寝入りした和也に代わって、鏑木は自身も殴られながらも治療費を
受け取ることに成功
しました。

それを機に交流を持つ二人でしたが、ある日、鏑木脱走のニュースを見た
和也は、特徴である黒子などからベンゾーこそが鏑木であることに勘付き、
鏑木に掛けられた懸賞金目当てに通報してしまったのです。

恋心との出会い

又貫が工事現場に来た時には鏑木の姿はなく、彼はメディアトレンダーズというメディアで
那須と名前を変え、フリーライターとしてお金を稼ぎながらも
ネットカフェで寝泊まりしていました。

メディアトレンダーズで那須の担当者になった沙耶香
偶然、ネットカフェに入る那須を目撃してしまい、
家が見つかるまで居候させてくれることになります。

しかしほどなくして警察の追っ手は迫り、
『信じてる』という紗耶香に鏑木は
『ありがとう』と残してベランダから飛び降りていきました。

逃走の目的

再び逃走する前にメディアトレンダーズと専属契約を結んだ鏑木は
そこで自身の事件についての情報を集めていました。

そして再び追われる身となった鏑木は長野県にある
デイケア施設の『アオバ』『桜井』とう偽名で勤務することになります。

そこには事件の目撃者であり、唯一の生存者である
井尾由子
がひっそりと隠れるように暮らしていました。

事件のあった日、鏑木は下校中にたまたま事件現場からの悲鳴を聞き、
家の中に入りました。

そこには恐怖のあまり茫然とする由子が座り込む姿と
振り返り笑う本当の犯人の姿がありました。

鏑木は被害者が背中に刺さった斧を抜いて欲しい
促したため、それを実行し、返り血を浴びたところを突入してきた警察に
現行犯逮捕されたのでした。

そして警察が来る直前に逃走した犯人の姿はなく、
心身喪失状態の由子は警察に促されるまま、鏑木を犯人だと
証言した
のでした。

その証言を撤回し、鏑木の冤罪を晴らせる唯一の存在である、
由子に当日の真実を思い出してもらうことこそ逃走の目的でした。

刑務所を抜け出し、アオバにたどり着き、レコーダーを片手に
由子から真実を聞き出すべく涙ながらに訴える鏑木でした。

その光景は舞によってSNS配信されていましたが
由子は『あなたは私のせいで・・・』と謝るものの
決定的な証言を聞き出すことは出来ないまま、
又貫たち警察が突入してきます。

又貫の部下によって銃撃を浴びた鏑木は
再び拘置所に収監されました。

そんな鏑木の元を逃走中に出会った人たちが面会に訪れます。
彼らは鏑木の無罪を晴らすため、署名を集め彼を救う会を結成
していたのです。

その最中、鏑木の元に又貫も面会に訪れたのでした。
なぜ逃走したのか?と問う又貫に鏑木は

『この世界を信じたかった』

のだと言いました。

鏑木の再審は行われ、いよいよ結審の時、
その傍聴席には和也や紗耶香、施設の同僚、舞や四方田、そして又貫の姿
もありました。

鏑木に読み挙げられた主文・・・

それを聞いた面々は喜びと涙の拍手で鏑木の再生を祝うのでした。

真犯人は誰?

他の母子殺害事件で逮捕された足利清人

ニュースや警察は足利を鏑木事件の模倣犯とするも、
この足利こそが真犯人でした。

模倣犯と呼ばれほくそ笑んでいましたが、
徐々に供述に矛盾が生じたり、余罪をほのめかすなど
ほつれが出てくることとなりました。

亀梨和也版『正体』との違いは?

2022年に本作より先に配信されたWOWWOWドラマ
『正体』との違いはどんなところでしょうか?

結論から言えば、
再審が行われて無罪になるという結末は同じなのです。

登場人物の設定が違う

ドラマ版では痴漢の冤罪に苦悩する弁護士の渡辺淳二(上川隆也)は、
キーパーソンであり、鏑木との出会いは重要な場面でありました。

しかし映画ではこの弁護士の役どころは
紗耶香の父親となっており、鏑木の無実を証明するのに尽力はするものの
鏑木自身との接点はありません

また、鏑木は両親がおらず、施設で育っていますが、
その園長、野口正恵は鏑木のこれまでの人となりを見ており、
彼女だけが最初から鏑木の無実を信じる人物として登場しています。

逃亡劇に重きを置いた映画版

2時間という限られた枠の映画版では、
逃亡中に出会った人たちの背景よりも
逃亡劇そのものに重きを置いている演出が多いように思いました。

序盤の救急車からの逃亡劇、潜伏先での緊張感やサスペンス要素
視覚的な楽しみを増大させています。

さらには、鏑木の居場所がバレた舞の投稿や、
クライマックスで由子の証言をライブ配信するという
SNSの登場もドラマ版のみで楽しめるシーンです。

スクリーンの大きな画面で視聴するのに適した
派手な逃亡描写アクション、そして
横浜流星の華麗な5変化が楽しめる作品だと言えるでしょう。

人間ドラマに重きを置いたドラマ版

一方で、ドラマ版の方は、鏑木が逃亡中の先々で出会った人たちにも
スポットをあてています。

工場で出会った和也が警察の聴取で発する

あいつは本当に人を殺したんですか。
遠藤は、鏑木はいいやつだった。

というセリフが人間ドラマに重点を置いた作品であるからこそ
重い説得力を増しています。

同じ冤罪を掛けられた苦悩を知る弁護士の渡辺との出会い
渡辺の心情を丁寧に描いているからこそ大きい場面だったと感じます。

そして紗耶香は鏑木と出会う前に、報われない恋に終わりを告げている背景
もまた、人を信じたい鏑木自身と同じ苦しみを共有できる存在として
描かれたのではないでしょうか。

そのように、ドラマ版ではより、鏑木の人柄を垣間見れる
場面があり、鏑木と接点のあった周りの人物の、苦悩や心情を
反映することで鏑木自身の苦悩を際立たせています

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タイトル『正体』の意味

本作は『冤罪』をテーマにした作品です。

しかし元をたどれば、おおざっぱな意味では、
その不幸は人の正体を見抜くことの難しさ
にあるのではないでしょうか。

冤罪という重く過酷な苦悩に限らず、
日常での争いや偏見、正義をかざす側、向けられる側の
全ての人は、その相手の正体を本当に正しく見据えているのでしょうか。

『言ったもの勝ち』という言葉があるように、
先に塗られてしまったイメージの色を覆すことは容易ではない気がします。

そのほかにもたった一度の失敗から、その人の人となりが決められ、
二度と真っ新に戻ることが出来ないのであれば
その人の未来は明るいものとは言い難いと思うのです。

自分の見たいものを見る、信じる
それは人の常かもしれませんが、同時に誰かを
闇に突き落とす可能性をはらむ恐怖
でもある。
そんなメッセージも含むのがタイトル『正体』の意味なのではないかと解釈しました。

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『正体』感想

筆者は先に亀梨和也版『正体』を視聴していました。

なので内容は知っているし、亀梨の演技や作品が良かったからなぁ
・・・なんて油断して視聴した本作。
(横浜流星ファンの方、大変失礼致しました)


その結果は、同じ作品でありながら、
似て非なるものという見方もでき、映画ならではの
エンターテインメント性に優れた作品なのではないかと思いました。

人間ドラマを探求し、登場人物の心情に触れ、
どっぷり苦悩を体感するならドラマ版。

逃走劇自体や犯人の正体、誰が味方なのか?
といったアクションやドキドキ感、派手な演出を楽しむなた
映画版といった感じなのかなと思います。

ドラマ版は亀梨和也はもちろんのこと、同じ冤罪に苦しむ上川隆也や
通報してしまい後悔の念と信じる気持ちを持する
市川隼人の絞り出す演技が良かったです。

映画版も横浜流星のイケメン5変化は見ごたえありますし、
山田孝之も最高でした。

刑事として組織の利益と正義の間で揺れ動きながらも、
最終的には正しいことが信じてもらえる世界を、
諦めなかったその葛藤が伝わってきました。

そして実は結末が多少異なるのが小説版なのです。

本来は小説を最初に読んでから
ドラマ→映画の順番で視聴するのがおすすめな一作です。

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