『トッケビ』とは
韓国では有名な、想像上の産物で日本でいうところの鬼のような存在なんだそう。
(人に悪さをしたりはしない)
そんな『トッケビ』を主人公にした本作は
不滅の命を終わらせたいという思い、
懸命に生きたいという願い、
そしてあまりにも残酷なめぐり合わせ
そんな運命に翻弄される者たちの物語。
昔と現代、韓国とカナダなどを行き来したり
登場人物も複雑なので途中離脱する人も多い本作だけに、
『面白くない』とか『離脱した』などの声も聞かれますね。
しかし本作は
前半と後半でガラリと雰囲気が変わり
ストーリーが進むにつれて怒涛の伏線回収と驚愕の展開から
目が放せなくなること間違いなしです。
本記事では、【トッケビ】の
・『トッケビ』が面白い3つの理由
・運命の結末
に着目してみました。
【トッケビ】あらすじ紹介
平日あさ一挙に☀️
— ホームドラマチャンネル“呟き人”【公式】 (@Home_Drama_Ch) January 24, 2022
「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」(全16話)
⏰2/8(火)スタート
毎週(月)~(金)前7:00~
不滅の命を持つ“トッケビ”×孤独な女子高生との恋を描く、ファンタジーロマンス♥️https://t.co/1ro2AXHPun#コン・ユ #キム・ゴウン #イ・ドンウク #ユ・インナ #ユク・ソンジェ (BTOB) pic.twitter.com/UNLOLEl8Xg
高麗時代、無敵の武将だったキム・シンは身に覚えのない反逆罪
で命を落とし、
不滅の命という罪を背負いトッケビとなった。
それから900年もの間、多くの別れに打ちのめされながら孤独に彷徨っている。
そんな痛みと孤独を終わらせたいトッケビは
自身の命を終わらせるため、胸に刺さった剣を抜くことが出来る
唯一の存在『トッケビの花嫁』を探し続けていた。
女子高生ウンタクもまた母親を失くし、叔母の一家に引き取られたものの、
ウンタクの母の財産目当てである叔母の家族からは
厄介扱いで意地悪をされる孤独な毎日を送っていた。
ある時、ふとした偶然からトッケビの召喚をしてしまったウンタクは
目の前の『おじさん』こそが『トッケビ』であると見破ると
自分こそが『トッケビの花嫁』だと言い張った。
一方トッケビであるキム・シンの家では
高麗時代からのシンの家臣であるユ一族の子孫、ドクファが
勝手に死神と賃貸契約を結んでしまったため
トッケビと死神の共同生活が始まった・・・。
キャスト
コン・ユ(トッケビ/キム・シン)、キム・ゴウン(チ・ウンタク)、
イ・ドンウク(死神)、ユ・インナ(サニー)、ユク・ソンジェ(ユ・ドクファ)他
【トッケビ】が面白い3つの理由
多くの人に指示をされる『トッケビ』の面白さはどこにあるのでしょうか。
以下にまとめました。
①コン・ユの魅力が作り上げた『トッケビ』像
本作の脚本を手掛けたキム・ウンスク氏からの出演オファーを5年にわたり
断り続けた後、やっと脚本家の念願かなって『トッケビ』となった
ベテラン俳優コン・ユ。
きっと
諦めなくてよかった
と制作に携わった誰もが思った『トッケビ像』をつくりあげました。
トッケビになった武将キム・シンは、
高麗の時代には無敵の存在で、民の指示も厚い強い男性でした。
しかし現代のトッケビは、
戦いばかりの毎日の中で恋をする暇などなかった
キム・シンの初恋が描かれており、
無敵のキム・シンが女子高校生に振り回される様子や
意図せず同居することになってしまった気の合わない死神との
ちっちゃいことが原因のいざこざなど、人間味あふれる描写と
それを演じるコン・ユ自身からあふれ出す暖かさ、柔らかさが
時に最強のキム・シンが同時に背負っている寂しさや優しさ、弱さなどを
うまく表現されており
魅力的な『トッケビ像』が完成しました。
コン・ユが『トッケビ』だから面白いのだと言っても
過言ではないのではないでしょうか。
②2つのラブストーリーと友情
自分が『トッケビの花嫁』だと断言し、積極的にアプローチを
してくる女子高生ウンタクのことを
始めは真に受けなかったトッケビですが
何故だかほっとけないウンタクを助けるうち、心が通い始めます。
トッケビにとって花嫁は
トッケビの願いである、永遠の命を終わらせてくれる存在。
それなのに、そんな花嫁に恋をしてしまったトッケビは
生に執着し始めるのです。
果たしてトッケビの運命は2人を轢きさいてしまうのでしょうか。
トッケビとウンタクのカップルに引けを取らず
切ない恋を繰り広げるのが
死神とサニー(ウンタクのバイト先の社長)のカップルです。
まず死神はある条件があって任命されるようですが
前世での記憶は一切残っていないのです。
死神はサニーに一目ぼれをしてしまいますが
記憶もないのでまともな自己紹介も出来ず、連絡も取り合えない。
また、この2人の間にも何らかの因果が隠されています。
そんな2人の恋は成就するのでしょうか。
紐解いていくと
生と死という重いテーマが隠れている本作ですが
そんな重い空気感を払拭してくれるのは
トッケビと死神のコミカルないざこざでした。
このコミカルないざこざですが
コン・ユとイ・ドンウクによるアドリブ合戦だったそう。
息ピッタリですね‼
この場面があるだけで重いテーマにふける視聴者の心も和みます。
この2人が同じ家で共に生活をするようになったのは
偶然なのか?
要注目です。
③散りばめられた伏線と感動のラストエピソード
あの日渡された翡翠のリング、
花言葉に込められた想い、
突如現れる赤い服の女性と老婆、
紙で交わした約束事、
『代表』と呼ばれる人、
などなど、物語の最終局面で
思わず『なるほど~』
とうなってしまう伏線の数々が散りばめられています。
最初から気を抜かずに、出て来るアイテムや意味ありげな人や言葉
などに注目して観ていると楽しめます。
そしてラストエピソードでは
それぞれが大切な人に向けて言葉だったり手紙だったり
メッセージを送っています。
その言葉に込められた15話までの想いの集大成が
どーっと押し寄せてきて感動を与えてくれるでしょう。
数々の伏線とそれらを鮮やかに回収していく構成。
生と死という重いテーマでありながら
登場人物の台詞の中に託された、作り手が伝えたかったこと。
それらは視聴者の心に確かに届いて鮮やかに刻まれ
勇気や支えになるのではないでしょうか。
ABEMAプレミアムでも『トッケビ』『トッケビ召喚スペシャル』が視聴できます!
以下、作品のネタばれが含まれます。
未視聴の方はご注意くださいませ。
本記事の情報は2023年8月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。
運命の結末とは
全ての記憶が戻った時、
それぞれの運命は動き出します。
その結末に待っているのはどんな未来なのか。
キム・シンとチ・ウンタクの結末
死神を除く全ての人の記憶から消えてしまったトッケビ。
トッケビの花嫁ウンタクの記憶からもトッケビは消え、
それまで見えていたものも見えなくなってしまいました。
それから9年間の時を経てウンタクは
2人の思い出の地、カナダでトッケビの記憶を取り戻します。
トッケビはウンタクにプロポーズをし、
2人は夫妻になりました。
やっと掴んだ幸せの絶頂・・・。
そして目覚める完璧な朝。
愛する夫の腕で目覚め、1分1秒遅れることなく順調すぎた仕事。
まるでその場所へ1分1秒とも遅れることなくウンタクを導いたかのようだった・・・。
ウンタクはその完璧なある日、
事故の被害にあうはずだった幼稚園児たちを救うため
自ら犠牲になった。
死神にも予測できない死だった。
それは完全にウンタク自身の選択によるものだったから・・・。
死神の元に遅れて届いた死亡者名簿には
〖29歳・チ・ウンタク〗の文字。
ウンタクは母親のお腹に居た頃、母子共に死んだはずだった。
その時偶然居合わせたトッケビが
〖今日は誰かの不幸を見たくない〗
という理由で母子の命を助けたのだった。
しかし死神にとってそれは任務が未遂行の状態で、
以降ウンタクは〖処理漏れ〗として
9がつく歳に襲われるピンチをどうにか切り抜けてきた。
しかし、自ら下した人間にしかできない選択によって
29歳のウンタクの人生はその幕を閉じたのだった。
最後に死神の部屋でトッケビと別れを告げるウンタク。
人は4回の人生を生きることが出来るというが
ウンタクの人生は今世が1度目だった。
それを知るとトッケビに
『また必ず会いに来るから待っていて欲しい』
と告げます。
来世でもトッケビを見つけ出すために、死神が差し出した今世での記憶を消去する
忘却のお茶を飲まずに、記憶を持って扉へと向かいました。
何十年か絶ったある日、トッケビはカナダへと旅立ちます。
ユ一族が眠る丘の上で本を読んでいると
タンポポの真っ白な綿毛が舞い上がり、それを手に持つ女子高生が
キム・シンに向かって言いました。
『私が誰だかわかるよね。』
死神とサニーの結末
前世で自分の命を絶った罪ゆえに死神となった男。
死神の任務の中で命の重さを
痛いほど味わったその男の正体はワンヨでした。
ワンヨは民がキム・シンに心酔することに嫉妬を覚え、
そんな弱さに付け込んだ権力を狙うパク・チュンホンにそそのかされ
キム・シンと、キム・シンの妹であり王妃、そしてキムに仕える一族事
亡き者にした張本人でした。
そんなワンヨの妻でありキム・シンの妹の生まれ変かわりこそサニーでした。
サニーはワンヨを許すことは出来ませんでした。
そんなワンヨにサニーが与えられる罰は
〖二度と会わないこと〗
愛しさを封じ込めて別れを選んだサニーは
ウンタクのラジオ番組にワンヨに向けた
メッセージを送って去って行こうとしました。
最後に2人の思い出の場所に洗われたサニー
そしてラジオ番組を聞いたワンヨもそこへ現れます。
2人は最後に顔をみて、ハグをして涙ながらに別れを告げました。
それから2人が会うことも便りが届くこともありませんでした。
ウンタクの死から30年後、
ワンヨにも長い罰から解放される日がやってきました。
最後の任務、ワンヨが最後に見送る人、それはサニーでした。
死神の部屋を訪れるサニー。
そこへワンヨの計らいでキム・シンも来ていました。
これが3回目の人生だったサニーと
何回目の人生を終えたのか不明なワンヨ。
この先どうなるのかはわからない2人だったが
キム・シンに別れを告げると、手を繋ぎ穏やかな笑顔で
扉へ向かった。
キム・シンは2人がまた来世で出会い、その際には幸せにあること
を願って風灯をとばして弔った。
それから何年か絶ったある日、
キム・シンはワンヨとサニーの生まれ変わりの姿を見つけた。
そんな2人は
撮影で、女優と監修する刑事として出会い
今世ではたった一つの名前を名乗り無事に恋人同士になった・・・。
まとめ
韓国では
『トッケビ・シンドローム』
が生まれるほどの人気を誇った
胸キュン⁉wwラブファンタジー。
本国のみならずその台詞やテーマから
多くの人の心に残る作品になったと感じています。
その面白さの魅力は
ベテラン人気俳優〖コン・ユ〗が作り上げたトッケビ像
にあり、
すんなりいかない切ない2組のラブストーリー
と
十分に苦しみながら育んだ友情
にあり、
数々のアイテムや人物などで散りばめられた
伏線の鮮やかな回収
にあるのではないでしょうか。
それぞれの結末は、簡単にハッピーエンドとはならず
一度は視聴者をどん底へ突き落としますが
諦めなかった4人はそれぞれハッピーエンドを迎えた
と言えるのではないかと思います。
若くても大人でも何度でも
楽しめる・・・そんな一作です‼