ネタバレ考察【女神の継承】衝撃のラスト、バヤンは本当にいる?信仰の行方と抗えぬ運命とは?

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【哭声/コクソン】祈祷師・イルグァンに焦点をあてた続編的な作品として
製作された【女神の継承】

構想段階でイルグァンというより
祈祷師そのものに着目した作品となったのだそうです。

祈祷師の存在意義、信仰の意味といったテーマで切り込む本作。
現祈祷師のニム、祈祷師になることを拒否したノイ、
そして次期の祈祷師候補のミン
という3人の後継者の女性の視点から
逃れられない運命の謎を紐解いていきたいと思います。

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〖女神の継承〗あらすじ

タイ東北部イサーン地方の小さな村に住む祈祷師ニム
ドキュメンタリーを撮影するべくクルーはニムに密着を始めた。

ニムの一家は代々祈祷師の一族であった。
本来はニムの姉ノイが後継者として選抜されたのだが、
ノイが望まなかったためニムが後継者となった。

ある時、ノイの夫が亡くなったのを境に、
ニムの姪のミンに異変が起き始める。

奇行や暴言を繰り返し、体調不良に苦しんでいた。
ノイは娘が次期の巫女として選ばれたための
異変ではないかと思い祈祷師であるニムを頼る。

ニムも姪を救うため、儀式を執り行うことを決めるが
ミンにとりついているのは、ニムの想像を超えた巨悪な
存在であった・・・。

キャスト
ナリルヤ・グルモンコルペチ、サワニー・ウトーンマ、
シラニ・ヤンキッティカン、ヤサカ・チャイソーン
 他

〖女神の継承〗を視聴するには

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意くださいませ。

本記事の情報は2024年3月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

ニムの祈りの力

地元の女神(精霊)の巫女として村人たちを救ってきたニム。

ノイが引き継ぐことを拒否し、改宗したため、
ニムが巫女となったのです。

ニムの巫女としての力量はノイには劣っていました。
しかしながら信じること、そして努力で
その責務を全うしていました。

〖この車は赤い〗というおまじないが示すこと

ニムの車の色は黒でした。
しかし黒は縁起の悪い色とされているのです。

そのためニムは自分の黒い車に
〖この車は赤い〗
と記したステッカーを貼り付けていました。

こうすることで悪霊は赤い車だと
騙されるというのです。

しかし自身の車にステッカーを貼る行動の裏には、
村人たちを救う巫女であるニムが
そんなおまじないを信じているという皮肉
が隠されています。

そして、おまじないを実行する心理とは。

それは自分の力量を信じられないという
ニムの巫女としての自信のなさが垣間見られるからに他なりません。

また『表面上取り繕うことで騙すことができる』というのは
ミンの代わりにノイを儀式に参加させという伏線にもなっています。

ニムの最後

ニムはインタビューで自分が巫女になった理由を
〖わからない〗
と表現しながら、どこか誇らしげに語っている
ようにも感じとれました。

しかし、とりつかれたミンの暴露によって
ノイが後継者になるのを回避するために故意に
禁忌を行ったり、ニムに向けさせるために色々仕組んだこと
が明らかになりました。

ノイは自分が巫女にならないために手を尽くしただけではなく
自分の妹にその責務を押し付けたのです。

つまりバヤンは2番手としてニムを選んだわけでは
ありませんでした。

ニムに入るしか道がなかったため
仕方なくということができます。

傷ついたニムに追い打ちをかけるように
信仰の象徴である像が
何者かによって破壊されていました。

そしてとうとうノイは核心をついてしまいます。

『バヤンって本当にいるの?会ったことある?

とニムに問いました。

ニムは自分は選ばれたわけではない。
うえに、
兼ねてから抱いていた不安、
バヤンは存在さえしないのかもしれない・・・
という女神の存在そのものへの
疑念が確信に変わってしまう材料はそろっていました。

ニムにとって信じることは力だったのです。
逆にいえば信じなければ力を発揮することは
不可能なのです。

信仰心を失ったニムは巫女としては無力になりました。

そして
取材クルーのカメラの前でも
〖バヤンが本当にいるのかどうかわからない〗
という致命的な言葉を放ってしまったニムは
その撮影後、間もなく
寝ている間にその命を絶やしてしまいました。

ニムの最後は悪霊によるものか?バヤンの絶望の表れなのか?
それとも自ら命を絶ったのか?・・・。

筆者的にはニムが苦しんだ様子がないことから、
ニムからバヤンの存在(守り)が消え、
自然にその命を終えたのかなと思いました。

数々の超常現象から村人を救っていたニムは
祈祷師としての力量は実際は低く、
村人を救う裏ではその代償も大きかったのではないかと
思うのです。

それでもバヤンによってニムの身体は守られていた
のではないでしょうか。

ミンの継承の時期が早いように感じるのも
実はそれがニムのためだったからという理由も
あったのかもしれません。

信仰を手放したニムには精霊の保護は
受けられず、限界を迎えていたニムの身体も
終わりを告げたのではないかと思いました。

それと同時にニムの部屋にはウジ虫が大量発生していました。

タイ語でウジ虫を表す言葉は『ノーン』ですが、
この言葉には『裏切り者』という意味もあるようです。

ニムがバヤンへの信仰を断ち切ったことが
裏切り行為とみなされたのか。

それともニム自体がミンを見捨てる結果になり
裏切り行為に等しいということなのか。

ミンの一族と抗えぬ運命

一族の女性たちが代々受け継いできた巫女の責務から
逃れるために改宗や禁忌を犯したノイ。

そうして後継者の責務を逃れたノイは
ヤサンティア家に嫁ぐのです。

ところがヤサンティアの先祖はかつて大量の命を奪った一族であり
犠牲者はヤサンティアの子孫に復讐を願って息絶えたとされているのです。

後継者となる機会を自ら手放し、忌まわしき一族に嫁いだノイは
自分の娘の運命に暗い影を落としてしまったと言えるでしょう。

ミンに起こる異変の正体

後継者として選ばれたノイの娘・ミンは実は
3人の女性の中で最も優れた後継者候補だったといえます。

父親が亡くなった際、突然変貌してしまったミン。
男性が何も言葉を放っていないのに、
ミンを馬鹿にしたと言ってつっかかったり、
老婆との間で無言で会話している様子など・・・

あれらはミンには本当に起きたことなのだと思います。

つまり男性は心の中でミンを馬鹿にしていたし、
老婆はミンを助けようとしていたのかもしれません。

本来は聞こえないはずの心の声を聞くことができる
のは、悪霊の存在がそうさせているのか、
それとは異なる現象なのか。

いずれにしてもそれらはミンが能力者として有能である
ことを示唆しているのではないでしょうか。

ミンは一体何にとりつかれて、
結末はどうなってしまったのでしょうか。

ミンは自ら悪霊を招いた⁈

ミンは村を出ていくことを望んでいました。

仕事先も村の近くではなく時間をかけて
遠く離れた都会へ出勤していたのです。

そんなミンは母親以上に巫女の後継者となることを
望んではいませんでした。

インタビューでも精霊が降臨した物まねを披露し、
自演することは簡単だと笑いとばしていました。

このことでわかるのは
ニムの救いバヤンを信じていないということです。

どうしてもニムの後を継ぎたくないミンは
その手段として、バヤンに対抗できる存在
自らに招き入れる
という選択をしてしまったのです。

自らの選択の結果、ミンにはヤサンティアに恨みを持つ霊
の他に動物など多数の悪霊が団結して憑りついてしまったのです。

ラストの考察

ニムが不在の儀式、ノイに降臨した存在。
悪霊が支配するミン・・・。

最悪の条件が出そろったラストの展開は
どうなってしまうのでしょうか。

結末をネタバレ

ノイはニムと協力するはずだった祈祷師のサンティによる
儀式を決行します。

悪霊をノイに憑依させてから壺の中に閉じ込めることには
成功しました。

しかし隔離していたミンをマニの妻が騙されて解放して
しまったためにサンティは命を落とし、儀式は失敗に終わります。

その時ノイに何者かが降臨したのです。

その時ノイの前にミンが現れました。

母娘の決戦はノイの力量と降臨した存在の力が携わって
ミンに憑りつく悪霊を追い払うことに
成功したようでした。

最後は母親としてミンに謝罪や説得の言葉を
投げかけます。

しかしながらミンはノイの言葉には応じることはありませんでした。

ミンによってカメラマンは襲われ、
ノイもまたミンの手によって火を放たれてしまったのです。

持ち主不在のカメラが最後に打ちしだしたのは
ヤサンティアと書かれ複数の釘が刺さった人形でした。

ノイに降臨した存在とは

サンティを失うも、自らにバヤンが降臨したとして
儀式を続けたノイ。

果たしてノイには本当にバヤンが降臨したのでしょうか。

筆者はノイに降臨したのはバヤンではなかった
推察しました。

最初の継承者選抜を拒否し、改宗や息子のこと、仕事内容など
後継者としては数々の禁忌を犯したノイ。

心を入れ替え許しを請いに来たはずの時でさえ、
バヤンの存在に疑問を呈するような問いをなげかけていました。

信じない者を救うことは難しいのです。

そんなノイにバヤンは降臨しなかったと思います。

それではノイに降臨したのは何だったのか?
その答えはやはりノイに憑依したのも悪霊だったのではないでしょうか。

ヤサンティアの悪霊か、ノイの仕事柄、動物の悪霊だったのか・・・。

本当にバヤンはいたのか?

この物語においては本当にバヤンは存在したのだと
認識しています。

ニムが信じ、村人が信じた女神の存在。
それは確かに傷ついた心や医学では解明できない病から
村人たちを守っていたといえるのだと思います。

継承者たちもまた女神によって守られていた
のではないでしょうか。

しかしながらバヤンはこの土地に根付いた救いの精霊。
そして村人たちや巫女の信仰の力によって
守る力も発揮されるのです。

人や生物などの怨念から生まれた悪霊の集合体という
強大な力を相手取るには
より確かな信仰が不可欠だったわけです。

もし、ニムの信じる心が揺るぎのないもので、
もう1人の祈祷師サンティとの協力関係をもって対峙していたら
このような大惨事にはならなかったのではないかと思います。

それでもミンがバヤンを受け入れず、信じる心も
皆無なことから、その気持ちを変えられなければ
ミンの運命は変わらなかったといえるのかもしれません。

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その他の謎と感想

人の信仰とは一体何なのか?

何かを信じぬくというのは
疑うことよりも遥かに困難であると言えます。

ですが信じることができれば
日々の平穏や安心を得ることができるのでしょう。

もしも信じることが奪われたとしたら
人はどれほどの困難を乗り越えられるのでしょうか。

人は弱い生き物ですから
信じること
頼ること
時として言い訳にすること
が必要だから祈祷師やその代わりになるよりしろは
存在するのかもしれませんね。

女神の巫女の継承者とされるミンの運命は
ノイがヤサンティアに嫁いだ時点で
最初から決まっていたのだとサンティは言いました。

しかしそこに明るい未来を
垣間見る手立てはあったのかもしれません。

巫女と祈祷師の共鳴は
ミンの運命を変えることが出来る唯一の手段だったのでは
ないでしょうか。

しかし悪の力に屈してしまった信じる力
ニムは信仰を失い結束はたたれてしまうのです。

ニムが恐れたミンの中に居た巨大な悪。
その悪もまたニムの祈りの力を恐れていたといえます。

ニム自身がそのことに気付いていたら、
結末は少し違ったのでしょう。


最後は壮絶なバッドエンドでした。

ヤサンティアを絶滅させたいという
犠牲者たちの霊の願いは叶うところとなりました。

ミンから抜けたと思われた悪霊は実は
まだミンの中に存在したのでしょうか。

それとも悪霊と手を組んでしまったミンは
人間の心を取り戻すことは出来ず
悪の存在と化してしまったのかもしれません。

バヤンの巫女の継承者は居なくなり
その村の未来は暗黒に満ちたものに
なってしまうのでしょう・・・。

【女神の継承】のスピンオフが進行中で、
そのタイトルはずばりミンを匂わせる
〖The Mink〗
なのだそうです。

待ち受けるのは更なる恐怖なのでしょうか⁈

こちらも怖いにきまっているのに
見ないわけにはいかないのでしょう(笑)

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