【ネタバレ考察】映画『X エックス』ミア・ゴスが1人2役を演じる3つの理由に迫る

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記憶に残るホラー映画は数あれど、
こんなにもおぞましく物悲しい衝撃なホラーは
あったでしょうか。

そんなただのホラーではない
【X エックス】

エンドロールを注視していると
主演のミア・ゴスは1人2役を演じていたことが
判明します。

初めから全3部作が計画されていた本作。
この2役には理由があるのでしょう。

本記事ではミア・ゴスの1人2役に着目をして
解説、考察、感想を綴っています。

関連動画
・ネタバレ考察『Pearlパール』悲嘆と狂気が入り混じるエンドロールの謎

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〖X エックス〗あらすじ

1979年のテキサス州。

スターとなって有名になる、一攫千金を狙うなどの野望を持った
3組のカップルは『農場の娘たち』という映画撮影のためにとある農場を借りた。

女優を夢見るマキシーンは自身のマネージャーでありプロデューサーを名乗る
彼氏のウェインと共に撮影に挑む。

他にはブロンドの女優ボビー・リンと帰還兵であり男優のジャクソン
そして監督を志望しており本作でカメラマンを務める大学生のRJ
その彼女で音声を担当するロレインが同行した。

農場に到着すると屋内から出てきた老人のオーナーであるハワード
いきなり銃を突きつけてくるが、納屋を間借りする件を思い出すと、
案内してくれた。

そうして無事に、しかしハワード夫妻には秘密裏に撮影は
開始された。

撮影の合間に屋外で時間を潰していたマキシーンは
母屋で手を振るハワードの妻パールと目が合うのだった・・・。

キャスト
ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、マーティン・ヘンダーソン、
ブリタニー・スノウ、スコット・メスカディ、
オーウェン・キャンベル、スティーヴン・ユーレ 

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以下、『X エックス』及び『Pearl パール』のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年7月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

ミア・ゴスの1人2役には理由がある⁈

本作のエンドロールを見るまでは全く気付くことが
できなかった事柄がありました。

それはヒロインのマキシーンを演じたミア・ゴスは
1人で2役
をこなしていたということ。

しかも、も一人の役名はパール
つまりシリアルキラーおばぁちゃんなのでした。

何故わざわざシリアルキラーとヒロインという対比する存在を
1人の女優に演じさせたのでしょうか。

①純真無垢はやがて残酷へと変貌する共通点

ひとつは、シリアルキラーのパールと
マキシーンは表裏一体
だったからなのだと推察します。

本作の前日譚である【Pearlパール】を視聴すると
若き頃のパールもマキシーンと同様に
自分は特別な存在であり、スターとなって有名になること
を夢見ていたことがわかります。

自分らしくない人生は受け入れないマキシーンと
満たされない人生から抜け出したいパール

2人には自分の欲望や願望、夢に従って生きること
を全うしたいという共通の野望がありました。

それはまるで写し鏡のように・・・。

しかし2人の間に徹底的に立ちふさがるのは
時代という隔たり

マキシーンはまさに今、その一歩を踏み出そうとしている。
若く、美しく、自由に・・・。

一方でパールはその若さを出征した夫の帰りを待つ日々
そして閉鎖的な農場生活の中で駆使しました。

もしも同じ時代に生きた者同士ならパールもまたマキシーンのような
生き方が叶ったに違いないのです。

その差が残酷なパールと無垢なマキシーンという
2人のキャラに差をつけてしまったのです。

それでもラストでマキシーンは

お前は特別でも純真無垢でもない

と罵倒され、パールを轢き殺すという一線を越えてしまいます。

マキシーンのその無垢な姿は
残虐なシリアルキラーそのものへと変貌を遂げる
そんな末路を示唆したのでしょうか。

ところでタイトル『X エックス』の意味の1つは
〖XFACTOR〗なのでしょう。

この『XFACTOR』と聞くと、あの〖ワンダイレクション〗などを
輩出したオーデション番組を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

そんな風に、未知の、特別な才能を連想させる言葉。

マキシーンは自分は特別だと自負し、
パールもまたハワードにとって〖特別であること〗
を求めます。

②パールとマキシーンには血の繋がりがある⁈

一方で1人2役の理由の2つ目には、
『X』というのが染色体という意味も持つことにあるのではないでしょうか。

性を決定づける染色体にはXとYがありますが、
女性を表すものがXXになります。

そしてこのXXですが、

〖Maxine〗に〖XX〗を足すと3部作の最終章3作目のタイトル
〖Maxxxine〗になりますね。

このタイトル内に、二人には血の繋がりが存在するという
秘密が隠されているのだとしたら
2人ともミア・ゴスが演じているという理由にも
合点がいきます。

しかしながら〖Pearlパール〗の時代から60年という年月が
経った本作ですので、親子ではないのでしょう。

パールは若き頃に、妊娠をしたがその後その子を失った
とされています。

どういう経緯だったのかどの時点の話なのかは
明確に明かされませんでしたが、
実はこの時の子供は生存しているのではないでしょうか。

パールの狂気に気づいてしまった母親ルースは
パールの子供の幸せを考えてこそ秘密裏に
子供を他人に託した
とか。

そうしてパールとは無関係の地で育てられたその子もまた
子供を生み、その子供こそがマキシーンだという可能性も
あるかもしれません。

ハワードとパールの家のTVから流れる
キリスト教伝道師の演説という意味ありげな演出。

その理由がラストで明かされます。

それは伝道師の娘が
悪魔の様な若者に唆されて出て行ったのだと話し、
娘の写真を公開するのです。

その写真に写る娘こそがマキシーンだったのです。

しかしながらこの写真のマキシーンが本作のヒロインのマキシーンと
必ずしも同一人物であるとは限らないのではないか?
と妄想しています。

だとすればマキシーンのは母親という説が
考えられます。

というのも自由奔放なマキシーンと
TVの中の演説の映像があまりにもそぐわない気がするのです。

これに関しては気がするというだけで恐縮なのですが。
その理由は時代が違うからなのではないかと
思いました。

③パールとマキシーンが同一人物である

この説を推すのに、もっとも信ぴょう性のある場面は
パールがマキシーンを殺せなかったこと。

ハワードが持っていた銃でマキシーンを撃とうとするも
その反動で吹っ飛んだパールは骨折してしまうのです。

あの吹っ飛び方は不自然で何かの力の干渉があったようにも
見えました。

パールからマキシーンに干渉することは出来ないと
とることもできます。

しかしここへきて2作目『Pearlパール』のエンドロールのあの笑顔
関係しているとしたら・・・という妄想にかられてしまいます。

あの時、人間のパールと邪悪な魂のせめぎ合いがあったとして、
それに打ち勝ったのは悪魔のような魂。

そしてマキシーンがパールを殺めた結果、
パールの魂はマキシーンへと移ったのだとすれば、
ラストの
〖2人だけの秘密よ〗
という言葉は、マキシーンが皮肉ったのではなく、
パールがマキシーンに乗り映って言った言葉・・・
だとするのはトンでも推察すぎるでしょうか⁈

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パールが罪を重ねる理由とは

パールは何故撮影班の若者たちを次々に
消し去ろうとするのでしょうか。

彼らの撮影を目の当たりにしたパールは、
その自由で奔放なさまに触発された結果、
再び、満たされない毎日からの脱却をはかろうとしたの
かもしれません。

マキシーンのように、妖艶に見える派手な化粧を施し、
ハワードの元へ詰め寄ります。

しかしながら、心臓の弱いハワードには
パールの気持ちを受け入れることはできませんでした。

すると、若者グループの1人で大学生のRJに抱き着き
恋人を見つめるように接して欲しいと迫るのです。

〖おばあちゃん〗であるパールに迫られたRJは
ひるむと同時に、パールが徘徊してしまっていると
思い込みハワードを探してあげるという発言をします。

これらの自分への〖老い〗を連想させる行動や言動
そして態度はパールを傷つけ、恥ずかしめを受けただけではなく、
パールにとって満たされたい願いそのものを否定したのと同じなのです。

そんなパールを抑圧するもの、特別な自分を無視するもの、
老いという現実であり恐怖を突きつけるものは
パールにとって障害でしかなく、
これまでもそうしたように排除するしかないのです。

何故ハワードは共犯になるのか?

『Pearlパール』での狂気を目にしても逃げ出さなかったハワード。
あれから約60年の月日が経っても
パールの元を離れることはありませんでした。

それどころか、パールの犯行を手伝うハワードの
心理はどこにあるのでしょうか。

ハワードはパールの望みを叶えること、
それだけのために、生き、共に罪を重ねると言っても
過言ではないでしょう。

マキシーンへの執着

一方でそんな愛情を注がれながらも
パールが満たされないのは何故なのでしょうか。

そしてなぜマキシーンを呼び寄せ、
彼女に執着するのでしょうか。

今もなお農場という閉鎖的な空間で過ごすパールにとって
かつて見た夢はもう二度と叶わない希望である以上、
満たされることは難しいのかもしれません。

本当に欲しかった母親からの愛情も
母を失ったパールの手には届かないのです。

しかしそんな時マキシーンは現れました。

自分の分身のような存在であり、
唯一の理解者であると認識して
そんな彼女に母親的な愛情を欲して
マキシーンに執着したのかもしれません。

自分の分身のようでありながら、
自由な愛を満喫し、自分に正直に生きられる
その姿に憧れや嫉妬が入り混じった
複雑な気持ちが芽生えたのではないでしょうか。

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〖X エックス〗感想

自分に心からの愛情を注いでくれる、共に闇に堕ちてもくれる
そんな夫を持ちながらも、満たされず
癒えることはなかったパールの孤独感や疎外感

パールが嬉しそうに言った
〖2人の秘密よ〗
という言葉は、『X エックス』ではマキシーンに、
〖Pearlパール〗ではミッツィーに放たれました。

どちらも秘密の共有に拒否反応を示したことで
パールの思いは一方通行のまま
届くことはありませんでした。

パールが人間性を失う要因になった母親からの抑圧。
しかしその裏でパールが最も欲していたのは
実は母親からの愛情だったのではないか?
とも思うのです。

だから秘密を共有する対象は自分に許しを与えてくれ、
自分の心の闇を理解してくれる(と勘違いしている)
女性だったのかもしれません。

いくつになっても心は少女のままだった・・・
それなのに、年老いて段々特別ではなくなる自分。

周りの目が口がそう語っている。
そのことへの反発と恐怖心
ということでしょうか。

世のご主人の皆さま。
いくつになろうとも、奥様をほめちぎってあげてくださいませ。

つくづく〖老いる〗のが不安になる、
どんなホラーよりも恐怖の一作かもしれません。

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