Webライターとして活動していた謎多き作家・雨穴さんが2020年に
ユーチューブチャンネルに公開した動画ミステリー『変な家』。
その動画が話題を呼び、人気を博した結果
書籍版『変な家』が刊行されました。
この原作となる書籍版を原案として
間宮祥太朗と佐藤二朗というタッグで実写化した映画
『変な家』。
その衝撃的な結末をネタバレ解説しています。
そして劇中に残された謎について、慶太の正体と
ラストの意味に着目して、妄想的な推察を綴っています。
よろしければ御覧になっていってくださいませ。
『変な家』あらすじ
【ありがとうございます✨】
— 「映画版 変な家」公式 (@hennaie_movie) March 26, 2024
映画『変な家』が…
映画.comアクセスランキング
2週連続で第1位にランクイン👏
(たくさん覗いてくださりありがとうございます🫣)#映画変な家 大ヒット公開中! pic.twitter.com/NWOR64Elm9
オカルト系youtuberの雨男こと雨宮は派手なネタも不足しており
なかなか視聴数を稼げないでいた。
そんな折、マネージャーの柳岡が自身が引っ越そうと思っている物件
について相談を持ち掛けてくる。
その物件の間取りは柳岡の妻が購入するのに躊躇する箇所が
存在するというのだ。
建物の中央に作られた2階の子供部屋には窓が無くトイレが備えつけらえ、
1階では何のために作られたのかわからない謎のスペースも存在した。
雨宮はミステリー愛好家の設計士、栗原の元にこの不可解な間取り
の物件の資料を持って相談に行く。
栗原は変な間取りについて、不穏な仮説をたてるのだった。
そんな時、柳岡からこの物件の購入を断念したと連絡が入る。
その理由は変な間取りの物件の近くで事件が起こったからだと言う。
雨宮はこの変な間取りについて動画を作成し公開した。
すると雨宮の元に、宮江柚希という人物が、
その物件に心当たりがあると接触してきた・・・。
キャスト
間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈、長田成哉、DJ松永、
瀧本美織、根岸季衣、高嶋政伸、石坂浩二 他
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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年6月時点の情報です。
最新の状況は各サイトにてご確認くださいませ。
『変な家』衝撃の結末をネタバレ解説
ユーチューブのために調べ出した変な間取りの家には恐ろしい思惑がありました。
家の近隣で事件が勃発し、雨宮はその真相を究明するため
片淵一族の闇に巻き込まれていくことになりました。
2つの『変な家』
雨宮のマネージャーが購入を迷っていた
世田谷区にある変な家。
そして雨宮にその物件に心当たりがあると接触してきた
柚希は、さいたま市にも同様の変な家があると言うのです。
2つの変な家に共通するのは、
人目から隠されるように作られ、トイレが併設された子ども部屋と
その部屋から繋がる隠し通路があることでした。
隠し通路の先には浴室があったり、
謎の空間が存在したりと不可解な共通する間取りだったのです。
それはまるで殺人をするための家のようだと栗原は言います。
片淵一族の闇
夫が犠牲になった事件を解き明かしたいという嘘で近づいて来た柚希でしたが
実際は、2つの変な家の住人である綾乃の妹でした。
柚希はある日突然、綾乃が居なくなって以来、音信普通でしたが、
半年前に突然連絡があり、綾乃は夫の慶太と生まれたばかりの息子の浩人
を連れていました。
しかし車のクラクションに怯えた様子の綾乃は、柚希に
謎のメモを手渡し、足早に立ち去って行くのでした。
そのメモには2つの住所が明記されており、それこそが
2つの変な家の所在地だったのです。
柚希は姉を探すためにホームレス支援のボランティアをしていた母親、
喜江の元を訪れます。
喜江は多くを語らず、亡くなった父親の宗彦の手帳を見せると、
そこには精神を病んだことが想像できるものが描かれていました。
宗彦は事故で亡くなったことになっていますが、
喜江は片淵の本家に狂わされたのだと言います。
だからこそ柚希には片淵の本家には近づかないように忠告します。
しかし、柚希は姉は本家に居るのかもしれないという直感を頼りに
雨宮と共に本家へと乗り込むのでした。
片淵の本家は過去に複数の事業を展開して財を成したのだと言います。
そんな片淵本家の家も奇妙な間取りをしていました。
雨宮たちはその変な間取りの奥に存在する隠し通路と地下牢のような部屋に
辿りつきます。
そこに幽閉されていたのは綾乃と慶太が育てていた
桃弥だったのです。
この片淵の村では先祖にまつわる呪いを鎮めるための「左手供養」という儀式が
行われていました。
桃弥はその儀式を行う子どもとされ、
それを良しとしない綾乃と慶太は洗脳されながらも
桃弥を守ろうとしていました。
儀式の日、雨宮は生贄にされそうになりますが、何とか儀式を壊し、
浩人も救出されます。
村人たちから綾乃たちを逃がすために慶太は取り残されてしまいました。
雨宮一行は迎えに来た喜江の車に乗り込み走り去りました。
窓からは本家が燃えている様子が見えました。
その焼け跡からは片淵の当主と妻、他にも沢山の人の亡骸が発見されたのだと
ニュースが流れました。
不穏なままの結末
片淵の村から脱出してきた綾乃と桃弥、そして浩人は
喜江の元で暮らすこととなりました。
そんなある日、ホームレスの支援所で
綾乃はもうすぐ儀式の日だと不安がっていました。
そんな綾乃に喜江は、お母さんが何とかする
と言い、ホームレスの群れを眺めていました。
その様子を目撃してしまう柚希でした。
一方で、洋菓子を持って雨宮の元を訪れた栗原でしたが、
何やら不穏な音に築きます。
栗原に部屋の間取図を見せるように言われ取り出してみると
リビングと洋室の間に謎の空間があることに気づきました。
2人は音のする方を調べてみる掛けてあった布の奥の壁には
びっしりカビが侵食しており、そこには蛆虫が湧き出ていました・・・。
2人は壁に耳を澄ませてみると、
中からは引っ掻き音やキーという音が・・・。
慶太の正体とラストの意味を妄想考察
映画のラストは実に後味の悪いものでしたね。
しかし見終わってみるとまだ解決していない謎が複数存在しています。
そんな謎についてポンコツ筆者が、妄想設計士の栗原さんを見習い
深読み、妄想的で自由な考察を展開してみました。
慶太の正体と消息不明の謎
綾乃や子どもたちを逃がすために森垣清次に応戦しつつ
村に一人残った慶太。
綾乃たちと共に逃げることも、
本家の焼け跡から亡骸が見つかることもありませんでした。
消息不明というのはどういうことなのでしょうか?
ズバリ慶太は過去に左手供養を担った子どもだった。
という解釈はできないでしょうか?
もしもその事実があった場合、恐ろしい儀式に向き合っていくことも
綾乃の婿としてすんなり受け入れられたことも合点がいきます。
綾乃は腕に複数の注射の跡があり、
洗脳されていたことが虚ろな表情からもわかりやすく描かれています。
しかし慶太の方はというと、本家で会った柚希に
『はじめまして』と挨拶を交わすタイミングも綾乃を庇うように
絶妙に交わされ、表情も受け答えも明確だった点に違和感を覚えました。
そして何より、森垣清次と対戦していたはずの慶太ですが、
その後、清次は無傷で雨宮を追って来ています。
では慶太は清次に倒されたのか?
だとすれば亡骸は見つかるはずなんです。
清次は片淵家の財産を狙っていました。
そのために、当主や跡継ぎの者は邪魔な存在だったのです。
ともすれば、綾乃や柚希も跡継ぎ候補として狙われる可能性があります。
慶太は清次の思惑に気づき、あたかも清次と自分の思惑が一致している風を
装い、協力者を演じたのではないかと推察しています。
清次を騙した慶太は自身の真の目的を果たすために
片淵家の焼け跡から見つかった亡骸の多くは
慶太が手を下した可能性も浮上するのではないでしょうか。
多くの命を奪ってしまった慶太は逃走中の身なのでしょう。
慶太が綾乃の元に帰る日が来るのか?
罪の重さに耐えかねて自首をするのか?
はたまた自らの命に手を掛けるのか?
さらなる謎は深まります。
ラストの意味とは?
無事に片淵一族からも悪しき風習からも脱却したはずの
綾乃でしたが、
次の左手供養が迫っている
と不安の表情をのぞかせていました。
しかもそれを聞いた喜江は
大丈夫。私が何とかする
と言ってホームレスたちの方へ視線を向けるのです。
そうです。
片淵の本家に送られてきた2つめの左手は
喜江がホームレスの誰かを手に掛けたということでした。
そして雨宮の部屋に押し入り、仮面をかぶって
脅したのも喜江だったのです。
このことから喜江は本家と一線を画しながら
いまだ風習の強迫観念にとらわれ続けていると言えるでしょう。
片淵家の呪縛はまだ終わっていないことを示唆する恐ろしいラストでした。
一方で雨宮の部屋にも変な間取りが存在し、
カビに覆われ、蛆虫がはびこるその壁の向こうに
不吉な音を聞き取り物語は幕を閉じました。
製作サイドによれば、この演出はホラー映画あるあるの
クリフハンガー的な演出だとのことでした。
それゆえ、深い意味は想定されていないのですが、
あえて、この件も深読み、妄想考察するならば
あの壁の向こうには喜江が手に掛けたホームレスが
眠っていたりしないでしょうか?
もし、あの壁の向こうを喜江が使用することが可能だったとすれば、
雨宮の部屋に侵入することも容易だったのかもしれません。
『変な家』感想
筆者は雨穴さんの動画しか視聴したことがない身ですが、
色々と妄想が膨らむ謎多き映画でしたね。
綾乃と柚希の父親・宗彦の真相も気になる謎の一つです。
喜江の言葉からすれば単なる事故ではないのだと推測できます。
そもそも宗彦と喜江があの儀式への参加を免れたのは
何故なのか?
男児を設けていないからなのでしょうか?
だとしても、あの恐ろしい儀式に賛同できなかった父親は、
次期当主という自分の立場、そしてその跡取りは綾乃に渡される
という悪しき未来に耐えきれずに自ら命を絶ったのでしょうか?
それとも片淵の財産を狙う清次に殺されたのか?
明かされることはありませんでしたが
何か潜んでいることは確定なのでしょう。
一つ気になったのは東京の変な家の近所の女性が
柚希のことを綾乃の妹だと知っていたことです。
綾乃とは外で再会していた場面はありましたが、
東京の家に招かれて部屋に入ったことはない・・・はず。
もしかするとあの近所の女性は片淵と何等かの関係があるのか
それとも柚希を監視していた?喜江の関係者なのか?
不可解な謎でした。