あらすじ・ネタバレ考察【ディストラクションベイビーズ】|暴力の理由とラストの意味とは?

工場 破壊 邦画
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〖喧嘩〗〖暴力〗といった内容をテーマにした映画

【ディストラクション・ベイビーズ】

主演の柳楽優弥のあまりに少ない台詞に困惑し、
殴る蹴るばかりの描写に恐怖を覚えるかもしれません。

恐ろしい暴力描写の連続ですが
その裏に何があるのか?を考えさせられる本作。


ラストまで見終えた後、何を思ったでしょうか。

この記事では

・タイトルの意味と登場人物が振るう暴力について
・ラストシーンの意味するもの

に着目して考察しています。

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【ディストラクション・ベイビーズ】あらすじ紹介

舞台は愛媛県の松山市。
幼い頃に母は去り、父も亡くした芦原泰良と将太の兄弟は
漁船修理工の社長・近藤の元で育つ。

ある時から、暴力沙汰を起こすようになった泰良は
近藤や周りに愛想をつかされ、工場で弟の将太と共に寝泊まりするようになる。

ある日の学校帰りの将太は数人に囲まれる兄に遭遇する。
泰良の助けに入ろうと、かけよった将太と近藤だったが、
泰良は逃げた喧嘩相手を追い、そのままその日から姿を消してしまう。

泰良が失踪したことを誰も気に留めなかったが将太だけは兄を探し続けていた。

友人たちとの時間でも兄を探すことしか考えられない将太は
段々友達との間にも溝が出来始めた。

一方姿を消した泰良は、それから、適当に強そうな相手を見つけては
喧嘩を吹っ掛ける毎日を送っていた。

一度、泰良に絡んだ高校生グループの一人、北原裕也は
強そうな数人相手にもひるむことなく喧嘩をふっかける泰良に惹かれ
行動を共にし、一緒に騒ぎを起こすようになる。

その様子は拡散されTVでも取り上げられるようになり
2人はとうとう指名手配される・・・。

キャスト
柳楽優弥(芦原泰良)、菅田将暉(北原裕也)、小松菜奈(那奈)、
村上虹郎(芦原将太)、北村匠海(健児)、
池松壮亮(三浦慎吾)、でんでん(近藤和雄)他

以下、作品のネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意くださいませ。

映画【ディストラクション・ベイビーズ】は以下のサービスで視聴可能です。

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本記事の情報は2023年8月時点のものです。
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タイトルの意味と暴力の連鎖

本作のタイトルはカタカナで

〖ディストラクション・ベイビーズ〗

ではその意味は?
というとどうやら

〖Destruction/ディストラクション(破壊・破滅など)〗

〖Distraction/ディストラクション(娯楽・乱心など)〗

の、同じ発音で異なる意味をもつダブルミーニングのようです。

また『Baby』にも

〖赤ちゃん〗など、まだ小さい子を表す意味ですが
〖責任、仕事〗と言った意味合いで使われる言葉でもあるようです。

ではそのタイトルの意味のように
娯楽として破壊活動を楽しんだ者たちが負った責任とは何だったのか。

北原裕也の欲望を満たす暴力

友人たちと面白半分で泰良に絡んだ裕也

友人たちが泰良にボコボコにされようとも、助けに入ることすら
出来ませんでした。

そんな弱さを見透かされたように泰良にも相手にされない裕也。

現実の世界ではやや臆病者な裕也でしたが
ネットの中では楽勝な偽人生を送っていました。

ネットの中の、ゲームの中のような楽勝な自分を
現実でも味わいたい裕也の自己顕示欲。

それは
まるでゲームの中の、攻撃力が高いキャラのような泰良
を目の当たりにして火がついてしまうのです。

ゲームの最強キャラを手に入れたマスター裕也は
自分は女性や弱そうな男性にだけ暴力をふるい、
その欲望を満たしていきました。

しかしながら、泰良は自分のコマにはなりませんでした。


自分の思うがままに動かない泰良への怒りを
弱そうな那奈にぶつけます。

しかしながら、弱いはずの那奈は裕也より強かったのです。

自分より強い者に手を出した裕也の末路は悲惨なものとなってしまいました。

那奈に連鎖する狂気

偶然、裕也たちが奪い取った車に乗車していて巻き込まれた形の
キャバ嬢・那奈

この性格の悪い女性は、格別珍しい存在ではありませんでした。

ストレスや何らかの不満?から万引きを繰り返す。
気になる人に相手にされない嫉妬心から同僚をいびる。

自分自身の中にある問題を回避するために
間違ってはいるが、まだ引き返せる方法で発散していた那奈。

そんな那奈は事件に巻き込まれ、
泰良と裕也と行動を共にしたことで、その暴力性は連鎖し
自身の中の狂気な部分がむき出しになってしまいます。

酷い仕打ちをされた裕也には復讐をするように暴力で
仕返しを行い、歯止めが聞かずに裕也を手にかけてしまいました。

結局、2人も殺してしまった那奈は、
事情聴取で平然と嘘をつき、自分の所業を泰良と裕也の仕業にでっちあげ、
自分は悲劇のヒロインとして同情や人気の的になるのです。

しかしその代償は大きい・・・。

芦原泰良の暴力の理由

泰良と将太は早くに両親を失くした2人きりの家族です。

それ以外に彼らの生い立ちに関することや心情など
バックボーンは一切描かれてはいませんが
2人きりでの工場暮らし。

刺激とは無縁の毎日。

そんな時、泰良が目にした喧嘩祭り

本気の魂と魂のぶつかり合いのような力比べに魅了されたのかもしれません。

そんな泰良にとっての暴力、喧嘩は自身の祭りであり

そこに、憎しみや怒りは存在しない。

ただ楽しいから向かっていくという娯楽でした。

同時に

力比べを楽しむことで、痛みや悔しさ、勝利の喜びを肌で感じ
生きているという証を得る手段だったのではないでしょうか。

だからこそ、祭りでもそうであるように
女性、子供、喧嘩慣れしていないような男性、などには
手を出しません。

それが泰良なりのルールでした。

しかし、欲望や復讐心などが込められた暴力と行動を共にした結果
行き過ぎた泰良の娯楽はやがてその心を乱し、
不純な暴力性が連鎖してしまい自身の破滅へと変貌していくことになります。

ラストシーンの意味するもの

ラストシーンの泰良と将太の場面はとても意味深なものでした。
これは何を暗示していたのでしょうか。

一つの答えを出してみました。

泰良の更なる覚醒

祭りの夜、見回りの警官が見たのは
倒れている男性と、その傍らにたたずむ泰良でした。

泰良は警官に向かっていき、一発の銃声と共に
倒れたのは警官の方でした。

そして捕まることなく去って行く泰良・・・。

ラストで泰良は坊主姿になっていました。
まるで迷いが吹っ切れ、今までの自分と決別したかのような風貌。

破壊王に俺はなる!!

とでも言いたげな
その目つきは鋭く、冒頭とは別人のようでした。

何より今までと違うのは泰良の暴力の種類でした。

今までの泰良が振るっていたのはただ自身の娯楽のために
強そうな相手に向かっていく力自慢でした。

ところが秩序の象徴ともいえる警官を相手に暴力行為にでたことで
泰良は一線を越えてしまいました。

人を殺めることはしなかった泰良でしたが
裕也と那奈と行動したことで泰良にもまた影響があったのではないでしょうか。

暴力の先にあるもの。
その魔力に取り入れられてしまったかのように
人間性を失った表情を見せる泰良。

彼の暴力はもう力比べでも楽しみでもなく
破壊行為であり、自滅への道を突き進んでいくだけ。

そんな結末を暗示させるラストでした。

将太の狂気が目覚める

たった一人の家族だった兄を探し続けた将太。

その思いもむなしく、兄は犯罪者として追われる身になってしまい
将太自身も、元友人たちからの嫌がらせを受け、
警察からの事情聴取を受ける日々が待っていました。

そんな元友人に暴力で応戦した将太

ラストシーンでは、秋祭りの〖喧嘩神輿〗を眺めている
意味深な将太。

喧嘩神輿を前にして、まるで兄を見つけたかのような、

そして兄が抱いた暴力の楽しさを理解したかのような将太の表情

このまま迫害のような日々が続けば、
泰良のように狂気が目覚めてしまいそうな将太を
暗示しているのでしょうか。

感想と推察など

最初は未熟な者の
気晴らしであり、娯楽であった泰良の暴力。

裕也にとっても幼い自己顕示欲がさせた愚行にすぎなかった。

那奈は運悪く巻き込まれただけ。

しかし行き過ぎてしまった暴力によって、
一線を越えてしまった3人。

結末は、泰良は罪人として逃亡
裕也は殺されてしまう

那奈は被害者として、一見事なきを得たように幕を閉じたが
実際は泰良が逮捕されるか検証によって
辻褄の合わないことが露呈するかもしれない。

3人は揃って暴力の責任を取らされることになったのだろう
と思う。

本作がなかなかの問題作とされるのは
主人公の台詞があまりにも少なく、殴る蹴るの場面ばかり

だからなのでしょう。

人を殴るからにはそれなりの理由が欲しいと視聴者は感じるのかもしれません。

本来、暴力とは怖いものなはずだから。

しかしながら娯楽としての暴力も存在していて。

格闘技やボクシング、プロレスや野球の乱闘シーンも楽しみな人は
多いのではないでしょうか。

しかしこれらの暴力は大事が起きないように抑制され
選ばれたアスリートたちの力比べだから楽しめるのでしょう。

恐怖の対象であるのと裏腹に魅了される暴力。

暴力とは、この物語のように
何かのきっかけで連鎖してしまったり
ゲームの中の出来事のように罪悪感を持たなかったり

ということがあり得る危険物であり、取り扱い注意なものだということ。

そして暴力による破壊行動、暴走の先にあるのは
必ず破滅であり、楽しいことではない。

そんなことを感じた一作です。

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