【ギバーテイカー】菊池風磨が演じる貴志ルオトを徹底解剖!奪う者の本当の目的とは?

ドラマ
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中谷美紀さん主演ドラマ
【ギバーテイカー】

中谷さんと言えば、『ケイゾク』のイメージも強いので
久々の刑事という役どころでした。

しかしながら本作のテーマは非常に重いもので、
娘を奪われ絶望感が払拭できない刑事を中谷さん。

中谷さんが演じる刑事の娘を奪いそれでもなお傷みを感じない殺人鬼。
そんな難しい役どころを担うのは菊池風磨さん。

そんな菊池さん演じるルオトの本当の目的に着目して
ネタバレ考察しています。 

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【ギバーテイカー】あらすじ

倉澤樹は12年前、小学校教師をしていたが、風鈴祭りの夜、
教え子だった貴志ルオトに娘を殺害される。

当時小学6年生であった男子が犯人とあってこの事件には
日本中が震撼した。

樹は娘の無残な姿を目にし、失った悲しみや絶望が癒えることはなく、
その矛先は、自分のような絶望に陥る人を一人でも多く救いたい
という願いに向き、刑事となった。

それから12年の時が流れ、貴志ルオトが
医療少年院を退院することを知る。

そしてそんな折、樹の自宅に風鈴と謎のメッセージが届く。
そこには
〖あなたの大切なものをもう一度奪います〗

と書かれてあったのだった・・・。

キャスト
中谷美紀、菊池風磨、池内博之、深川麻衣、馬場ふみか、
袴田吉彦、吉沢悠、平山祐介、斉藤由貴 

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以下、ネタバレを含みます
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年6月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

ルオトが幸せを奪う目的とは

ルオトは『幸せは奪うもの』だと
聡美に言っていました。

奪う者になってしまった理由には
ルオトの過去が大きく影響しています。

ルオトの母親、茉莉絵は愛人との間にルオトを身ごもりますが
女の子を強く望んでいた茉莉絵はルオトを女の子のように扱います

しかしその後、ルオトの妹にあたるリリが産まれると
リリにしか構わなくなり、ルオトへ愛情が注がれることは
ありませんでした。

茉莉絵の罪

〖女の子が欲しい〗という願いの深層には
自分の愛する人には妻がいてそれでも愛人にも子どもを
産ませる不誠実な恋人の存在があったのかもしれません。

そこから男性全体への不信感に
繋がっていった可能性もあります。

しかしながら自分の願いを子どもに押し付け、
女の子以外を否定するようなその行為は、
幼いルオトにとっては酷なものでした。

自分自身を否定され1人の人間として認めて貰えない
も同然の苦しみを与えたのではないでしょうか。

また、ルオトがどう逆立ちしても自然と女の子になることは
不可能
です。

母親の喜んだ顔を見られないルオトは
自分に存在価値はあるのかさえ疑ったのでしょう。

それでも幼い子どもは親の無償の愛情や自分に対する肯定
望みます。

ルオトなりに我慢し頑張ったのだと思うのです。

しかしながらそんな矢先、
リリが産まれて彼女に一心に愛情を注ぐという
茉莉絵の本性に気付いてしまうのです。

茉莉絵は愛情とか肯定とかを自分の子どもに向けられない
母親ではなく、
女の子しか溺愛できなかったのです。

それは、ルオトに対する裏切り行為といっても
過言ではなかったでしょう。

ルオトは人を信じることが出来ず、
人に愛情を抱くこともできなくなるのは
必然だったのかもしれません。

ルオトが犯す最初の犠牲

茉莉絵の愛情をごっそり持っていかれたルオト
は母親の注目を取り戻したいと願います。

兄弟、姉妹の居る方ならば
親の愛情が下の子に注がれるのを見て
嫉妬した経験もあるのではないでしょうか。

しかしルオトのそれは単なる意地悪をしたり
親のみていないところで泣かせたりという
子どもっぽい出来心にはとどまりませんでした。

妹の命を奪ってしまったのです。
それは母親の愛情を奪うという目的がおこさせた罪
でした。

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樹への執着の理由

妹の事件は事故として処理され、罪に向き合うことも
なかったルオトは母親の愛情も完全に失ったといえるでしょう。

その代償として人の命を奪うということに自分の生きる目的を
見出したルオトはうさぎを犠牲にして予行練習をしようとします。

しかしそこへ樹が現れたことで
咄嗟に嘘をついて真実を誤魔化したルオトでしたが
そんな彼の手に樹は

『よくできました』
 のスタンプを押したのです。

樹にとっては教師としての教え子を可愛がる些細な
行動でした。

しかし愛情に飢えすぎているルオトにとっては
この行為は樹がルオトを肯定してくれた
という風に誇大解釈してしまうのです。

初めて大人から肯定の意志を受け取ったルオトにとって
樹は初めてのあるのままで居ていい相手であり、
たった一人の心を開ける存在となったのです。

穂乃果の事件の目的

人の命を奪うことに楽しみや美しさを見出してしまった
ルオト。

しかしながら樹先生の娘である穂乃果を標的にしたのは
樹に愛情を注がれる幸せな娘であり、
自分が描いていた幸せな家族像が
樹の家族だったからなのではないでしょうか。

そして無残な姿になった娘を前に
発狂して号泣する樹の姿
ルオトは顔を輝かせてほほ笑みながら見つめます。

ルオトが思い描く子どもに無償の愛情を注ぐ母親像
がそこにあったからに他ならないのではないでしょうか。

大切なものを奪う目的とは

樹の大切なものを奪うことに固執する理由は
娘を失くした時の樹の声を姿をもう一度見たいから
だと言いました。

母親が娘を思うゆえのあの声や姿は
ルオトにとって美しかったのです。

そしてその裏にあるのは、
樹への好意なのだと推察します。

樹はルオトにとって自分を人として認めてくれたただ1人の女性であり
肯定してくれた相手なのです。

そんな樹に、温かい母親像、家庭像を見たのだと思います。

結局はルオトは心の奥底ではありのままの自分
を見てくれる存在
を欲していたし、
そのままのルオトで良いんだと肯定されるのを
望んでいたのでしょう。

絶対の愛情を持ってくれるはずの相手に
愛されなかったという現実は深い傷になって
その傷が綺麗に治ることはなかったのでしょう。

そんな中で出会った樹の存在は
母親の象徴であり家族の理想でした。

そんなルオトが樹の大切な者に固執するのは
自分こそが樹(家族の大切なものになりたい
願ったからではないでしょうか。

ルオトの結末/遅すぎた言葉

樹は自らが逮捕したルオトの面会に訪れます。

そこでルオトが

僕はどうすればよかったんだろう。

神さまの失敗作
僕はなおらないしなおることを望んでいなかった。

どうすればよかったのか教えて欲しいと言います。

神さまの失敗作なのは大好きな母親の望む姿に
産まれなかった
こと。

治らないし治ることを望んでいなかったのは
女性にはなれないし、なりたくもなかった

という意味にも取れます。

これに対し、樹は
〖自分の罪と向き合い、法で裁かれなさい〗
と答えます。

逮捕される直前、ルオトは樹が自分を撃ってくれることを
望んでいた
のでしょう。

そうすれば、きっと樹の中で自分は一生残るから

そんな思惑ははずれ、樹ではなく法で裁かれなさい
と言われたルオトの頬を偽りではない涙がつたっていました。

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【ギバーテイカー】感想

物語のラストでルオトの元へ面会に来た二人の母親
が対照的でしたね。

一見、自分が悪かったと謝罪し、また一緒に暮らそうと
語り掛ける実母の茉莉絵は優しく見えます。

しかしルオトにとっては聞きたくなかった言葉を
発してしまうのです。

リリも楽しみに待っている…』と。

加えてルオトは連続殺人犯であり、また一緒に暮らせる見込みなど
ありません。

それが社交辞令的な言葉だと捉えられても
仕方のない偽りの優しさでした。

一方で、罪と向き合い、法で裁かれなさいという強く厳しい言葉
をなげかけるもう1人の母親、樹の姿。

ルオトの命をこの手で奪いたいほど憎みながらも
面会に訪れあえて厳しいことを発してくれる樹の姿に
やはり母親像を見てしまったのではないでしょうか。

ルオトの流した涙が印象的でした。
折角出会えていたのに…。

原作ラストのネタバレ含みます。
ご注意ください。

ちなみに
原作では樹はルオトに『命で償え』と言った後に
『もしも生まれ変わったら必ず私のところに来い』
という言葉をかけます。

罪は罪だからきちんと償わなくてはいけない。
しかしその上で本当に悔いる気持ち、謝罪の気持ちを
もてたなら、その先には許しがあるということでしょうか。

ちょっとぐっときますね!
ドラマでも入れて欲しかったなぁと個人的には思いました。

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