考察界隈を賑わせた今季の秋ドラマ
『良いこと悪いこと』
が最終回を迎えました。
前回で逮捕された衝撃の実行犯に次いで、最終話では
共犯者の存在が明らかになりました。
最終回で判明した共犯者の正体とは?
そして真犯人の本当の目的は何だったのか?
残された謎についても推察しています。
以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年12月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。
『良いこと悪いこと』最終回で明らかになった共犯者
#良いこと悪いこと
— 良いこと悪いこと【公式】日テレ (@iiwaru_ntv) December 20, 2025
全10話が終了しました。
最後までご覧いただき
ありがとうございました🫶
最終回TVer配信スタート✨
ぜひ何度でもお楽しみください!https://t.co/693vr5mc7N#間宮祥太朗 #新木優子#イイワル pic.twitter.com/KhmAnLXJyp
小学生時代に新木優子が演じる「どの子」と呼ばれた「猿橋園子」をいじめていた
高木将(キング)ら6人の卒業アルバムの顔写真が黒く塗りつぶされ、
彼らは一人づつ何者かにより命を落としていきました。
当初は「園子」に対するいじめへの復讐かと思われたこの事件の裏には
もう一人の「ドの子」と呼ばれた瀬戸紫苑の存在があったのです。
そしてとうとう前回では刑事としてキングたちに接触していた
宇都見が紫苑の婚約者だったことが判明し逮捕されました。
9話のおさらい
紫苑はキングらのいじめを苦にして得意のピアノが弾けなくなった
だけではなく登校することも不可能になり、
タクト学園というフリースクールに転校して行ったのでした。
その後タクト学園での生活を経て何とか立ち直りの兆しを見せた紫苑
が開くピアノ教室で、娘の花音を連れてやって来たキングと再会してしまうのでした。
キングが紫苑に気づくことはありませんでしたが、
紫苑の方は一目見て過去の傷がフラッシュバックしてしまい、
再びピアノを弾くことが出来なくなってしまったのです。
ピアノは紫苑にとって生きる証でした。
それを取り上げられた紫苑は自ら命を絶ってしまっていたのです。
二度と目を開けることはない紫苑を発見したのは、
婚約者の宇都見だったのです。
宇都見は紫苑を殺した6人への復讐を誓い
前回ではとうとうターボーを手に掛け、紫苑の追悼コンサートの会場で
逮捕されたのでした。
宇都見の仲間たち
しかし宇都見は逮捕時に
「後は任せた」と言う声にならない声を誰かに届けていました。
その声は2人の共犯者に届いたのでしょう。
一人で生き残ってしまったキングを待ち受けていたのは
週刊誌の暴露記事でした。
酷いいじめを引き起こした加害者・キングこそが残酷な連続殺人事件の
発端であること、そしてその現在は順風満帆な暮らしであることが記されました。
その記事を執筆し、第2弾に向けて精を出しているのは
園子の同僚・東雲晴香でした。
何故そんなことをするのか?と園子に問い詰められた東雲はこの事件について
何が行われるのか「知っていた」と告げます。
彼女こそ宇都見の共犯者の一人だったのです。
一方、紫苑が転校したタクト学園の「T」の文字とコースターのロゴの「T」の一致に
気づいたキングは行きつけの店である「イマクニ」のオーナー・今國一成の元へ向かい、
事件への関与を問い詰めます。
今國は事件を「計画した」と言います。
しかし「森のくまさん」の替え歌については知らなかったと。
今國は2人目の共犯者でした。
真犯人の本当の目的
東雲と今國もまた幼少のころ、いじめの被害に遭っていました。
それが理由でタクト学園に身を寄せていた2人は、
新たに転校してきた紫苑と出会ったのです。
東雲も今國もいじめのトラウマは酷く、
2人にとって未来は存在しませんでした。
しかし紫苑だけは未来へ夢へ向かって前向きに
生きていたのです。
そんな紫苑に励まされた2人もまたいつしか
自身の夢について語ることが出来るようになります。
それからも3人の絆が途絶えることはなく、
ピアニストとなった紫苑を始め、東雲も記者となり、
今國も店主となるなど、3人は夢を叶えることに成功したのです。
さらに紫苑は2人に宇都見という婚約者を紹介し、
4人は仲睦まじく「イマクニ」での穏やかな集いが続くのかと思われました。
そんな矢先、紫苑の元を訪れたキングによって
全ては一変してしまったのです。
目的は「いじめを殺す」こと
紫苑を失い残された3人に宿ったのは
彼女を奪った者たちへの憎悪でした。
しかし紫苑の痛みを分かちあえる東雲も今國も
何より諸悪なのは彼らではなく
いじめそのものだということも理解していたのです。
だから
いじめを殺すこと
それが東雲と今國の復讐の目的でした。
いじめを法で裁けるようになればいじめはなくなると
考えたのです。
一方イマクニへ誘われた6人は紫苑のことを覚えておらず、
あろうことかその後の新たな標的として園子へも
同じ愚行を続けていたことを2人は知ります。
悪い子たちは変わらない
その事実は彼らの決意に拍車をかけました。
まずは一人ずつ、いじめっ子たちの夢になぞった殺し方を決行します。
紫苑の夢を奪った彼らが夢を叶えるなど許されることではないから。
そして最後に残されたのはキング。
キングの夢は「ヒーロー」でした。
いじめっ子の友達たちの命を奪った悪を退治して
自らもヒーロー且つ犯罪者として名を馳せよ!
それがいじめをなくすべく、今國が自らの命をもって果たす
最後の使命だったのです。
奪っていくだけの無意味で最悪なこと
今國は宇都見から預かった拳銃にキングの指紋を付着させ
銃を握らせるとその銃口を自らへ向けますが、
キングは今國を貫くことは出来ませんでした。
元いじめられっ子として園子にも協力を依頼した東雲でしたが、
園子がいじめをなくすための記事に一生を費やすと語る
思いに賛同してくれることはありませんでした。
園子はみんなが自身の意志で善い行いの方を選択する
ことを信じると言って出て行きました。
その場で泣き崩れてしまう東雲。
一方のキングもいじめについて後悔の念を涙ながらに語ります。
いじめなんて奪っていくだけの無意味で最悪なことだと。
そして自身で悪いことだとわかっていながら止められなかったことを・・・。
そんな自分の罪に向き合い、行いの重さを受け止めながらも
何もできない自分を責め、心から謝罪しました。
そして園子の取材に応じるキングは自らの意志で
自らの顔を映し出し、自分はいじめの加害者だと告白し始めました。
少しずつでも罪を認め、後悔をにじませ変わろうとしている
キングの動画を見つめるのは店を畳んだ今國でした。
そこへ東雲が迎えに来ます。
行こう
と誘われ共に「イマクニ」を後にする2人でした。
強い贖罪と覚悟で挑んだはずのキングの動画でしたが、
その直後人気アイドルのスキャンダルが勃発します。
話題はキングの告白よりもアイドルのスキャンダルに
持っていかれるだろうと話す園子。
園子はいじめはこの先も続いていくのだろうと言います。
そんな園子にキングは
「でもさ・・・」
と言いかけました。
場面は変わって、あの物置に閉じ込められ泣き叫ぶ花音の姿が・・・。
その暗闇にかすかな光が差し込みその方向から
「大丈夫?」
という優しい声が響き渡るのでした・・・。
『良いこと悪いこと』感想と残された謎を深読み考察
一連の連続殺人事件の実行犯は紫苑の婚約者だった宇都見。
そして真犯人の正体は、宇都見を仲間と称し、タクト学園で紫苑と同級生だった
東雲と今國だったという結末になりました。
もしもキングが紫苑のピアノ教室を訪れた時に彼女だと気がついていたら
誰かが命を落とすことはなかったのでしょうか。
もしもイマクニを訪れた6人が園子の件で後悔の一つでも
言葉にしていれば・・・事態は変わったのかも?しれません。
そもそも小学生の当時に一度一人で物置に閉じ込められている
紫苑を救いに行こうとしたキングの行動が成功していたら
いじめの傷は浅かったのでしょう。
同級生の中で怪しい動きをしていた森でしたが
直接は事件に無関係だったようです。
しかし、キングに放った「お前らが殺したんだ」という言動などから
犯人の正体が紫苑の関係者だということは早々に感じ取っていたことが伺えました。
ターボーに関してはキングたちよりも先に紫苑の死について
知っていた節があったり、宇都見に何故お前だけは生き残っているのか?
尋ねられたり・・・と不審な点が垣間見れましたが
これも特に意味はなく、運が良い男だったということでしょうか。
「森のくまさん」の順番というのはただの偶然だという種明かしには
驚きを隠せませんでした。
このことが関係あるかないかで同級生が絡んでいるのか否か
判断が分かれるところだったでしょう。
ラストの方で店を畳んだ今國と東雲はどこへ行ったのか?
個人的には自首したのではないかと思っています。
宇都見を仲間だと言った彼らに、たった一人に責任を押し付ける
ことはできなかったのではないでしょうか。
彼らの作戦は最後までは遂行できませんでしたが、
それでもいじめのリーダー格だったキングに謝罪をさせ、
告白をさせ、世間に悪い人のレッテルを晒すことには
成功したのです。
東雲と今國にとって紫苑は大切な友人でした。
しかしそれだけにはとどまらず、紫苑にとってピアノが生きる証だったように、
東雲と今國にとっては紫苑が生きる証だったのではないでしょうか。
紫苑は自分たちの夢と未来でもあり、その彼女が奪われたことは、
東雲と今國自身の未来が奪われたということでもあったのです。
やっと逃れられたと思っていた、夢を持ってもいいと自信が持てたはずの
自分たち自身の生きることに対して再びいじめという悪が襲って来て
目の前で全てを破壊していったことに他なりませんでした。
いじめ自体を消さない限り、一生他人に、いじめに、過去に怯えなければいけないのか?
そんな恐怖が2人に再び襲い掛かって来た出来事でもあったのでしょう。
やり方は間違っていることは言うまでもありません。
しかし、いじめられたトラウマはそう簡単には克服なんてできないでしょう。
同窓会など絶対行かないかもしれないし、
関係のない他人でさえも怖くて引きこもってしまうかもしれません。
残念ながら殆どの悪意は無自覚に襲ってくるわけではないと
個人的には思うのです。
いじめられながら過ごす時間に生きた心地がないならば、
彼らの時間自体を奪うということに他なりません。
だからこの物語が結論として描いたように、
生き残ったキングがこの先一生抱えていく後悔や苦しみ、
そして贖罪といったものが、明るい未来へのカギとなるのではないでしょうか。
花音もリョーマに悪いことをしてしまったと自覚する過去が描かれました。
そしてその時、キングはリョーマに謝罪することを勧めたのです。
その結果、花音のピンチに現れたのは、
彼女の謝罪を受け止めたリョーマ?(多分)でした。
それこそが提示された答えなのではないでしょうか。
いじめはなくならない
と嘆くような園子に対して「でもさ」と返したキングには
その先の未来への決意が宿ったのかもしれません。
