結城真一郎の同名ミステリー小説をMrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴
と菊池風磨のW主演で映画化された
『♯真相をお話しします』
衝撃のラストはどう解釈するべき?
そして明かされた真実と犯人の正体に迫ります。
『♯真相をお話しします』あらすじ
#真相をお話しします pic.twitter.com/F9Dmlbjb0Q
— 映画『#真相をお話しします』公式 (@shinso_movie) January 7, 2025
警備員の桐山は出勤後の警備室でパソコンを開くと
とあるチャンネルの生配信を待ちながらそわそわしていた。
そこへ友人の鈴木がやって来て、きっと選ばれるだろうと励ます。
そして『♯真相をお話しします』というチェンネルの生配信が始まった。
チャンネルの管理人は桑島砂鉄。
スピーカーと称される選ばれし者は、
文字通り視聴者を衝撃させるべく自身のみが知る事件の裏に
隠された秘密などの真相を暴露することで多額の投げ銭を獲得できる
というチャンネルであった。
そしてついに「警備王」というハンドルネームの桐山は
スピーカーに選ばれた・・・。
キャスト
大森元貴、菊池風磨、岡山天音、中条あやみ、福本莉子、伊藤健太郎、
柳俊太郎、綱啓永、秋元才加、桜井ユキ、伊藤英明、二宮和也(声の出演) 他
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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年12月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。
『♯真実をお話しします』ラストの解釈は?
『♯真相をお話しします』という物語の中に招かれた
視聴者たちは、スピーカーに選ばれた3人の真相に驚愕しながら
次の真実を追い求めたことでしょう。
しかし最後のスピーカーは桐山の友人である鈴木でした。
もっとも「鈴木」というのは偽名であって
砂鉄同様、かつて『ふるはうす☆デイズ』チャンネルで
人気を博していたチョモランマこそ彼の本当の姿だったのです。
復讐の対象は視聴者
劇中で生配信されるチャンネル『♯真相をお話しします』。
管理者の砂鉄と鈴木ことチョモランマが知っているのは、
かつて人気を博したリアル子育て配信チャンネル
『ふるはうす☆デイズ』が突然の終わりを告げたその真相でした。
砂鉄は『♯真相をお話しします』のライブ視聴者数が150万人を超えたら
自ら『ふるはうす☆デイズ』が閉鎖された真相を話すと公約していました。
そしてその時がやってきたのです。
砂鉄が視聴者のために招いたゲストは赤いリボンがかけられた大きな
箱から出て来たルーでした。
椅子に縛り付けられたルーの姿に
視聴者は『ふるはうす☆デイズ』の3人が揃ったと気持ちが高まります。
しかしチョモランマは言います。
ルーは殺人を犯したのだと・・・。
大人になった現在のチョモランマは重病を抱える身となっていました。
自身の命に限りが見えた今、この真相を明るみにすること、
そして奪われたかつての友人・凛子の命の弔い合戦を決行するため
『♯真相をお話しします』というチャンネルを立ち上げたのでした。
縛り付けたルーに向けられるのはクロスボウ。
その引き金を引くか引かぬかは視聴者の投票で決めると言います。
低評価に投じれば矢が放たれルーが犠牲になるのでしょう。
高評価に投じれば矢が放たれずルーの犠牲は回避される代わりに
視聴者のあらゆる個人情報が晒されると言います。
また参加しない者も晒されるという強制参加の命をかけた投票が始まりました。
最初の投票者は「警備王」というハンドルネームと人の秘密をネタに
500万を手にした桐山でした。
晒されることを恐れて低評価に投票してしまう桐山。
しかしそれを皮切りにルーを見殺しにする投票の方に圧倒的な数が集まったのです。
実は桐山が働くビルの最上階が配信場所となっているといいます。
そんなにも身近でまた人が殺されてしまうことに耐えられず、
桐山は自らの顔を晒して、ルーを救う方に票を変更しました。
さらに人を殺すなんて駄目だと視聴者たちに呼びかけます。
そしてチョモランマが我々視聴者に向かって言い放ちます。
さあ、どちらか選べ!
ルーの運命は不明のままにこそ意義がある
映画『♯真相をお話しします』は、このチョモランマの言葉で
幕を閉じます。
そして流れだすエンドロールに呆気にとられてしまうかもしれません。
あの後、みんなはどちらに投票するのだろうか?
その結果、ルーはどうなってしまうのか?
・・・と。
しかし本作で告げたいのはきっとそこではないから、
もっと言えばそこに目を向けて欲しくはないから、
あの終わり方なのでしょう。
重大なのは、この物語を見ていた当事者の我々に課された重すぎる選択。
「お金のために」
我が子への愛情を顧みず、人の不幸さえネタに使い、
人の命さえ軽んじてしまう。
そんな人として行き過ぎた行為を助長しかねないSNS社会の現在。
そしてそのようなコンテンツであろうとも
覗いてしまう視聴者、深く考えずに書き込む言葉の刃の数々。
しかしそれらの行動や言動は必ずしや自らを追い込む時が
やってくるのです。
さぁ、どちらか選べ!
それが現実になる前に、気づいて欲しい
そんな願いが込められていたラストなのではないでしょうか。
明かされる真実と犯人の正体
チョモランマは『ふるはうす☆デイズ』の閉鎖についての真実と
ある事件の犯人の正体について語りました。
離島に移住した小学生たちの暮らしをおさめた
『ふるはうす☆デイズ』の当事者にもかかわらず
チョモランマや砂鉄は
自身たちの姿が多くの人目にさらされている事実を知らなかったということ。
そして番組を閉鎖に追い込んだある事件の犯人は他でもない
ルーであったという告白でした。
番組閉鎖の裏側
『ふるはうす☆デイズ』と言えば、匁島という離島に移住してきた
チョモランマ、砂鉄、そしてルー
という3人の小学生のリアルな私生活が垣間見られるものでした。
彼らの親たちはせっかくの自然を
楽しむべきだと、ゲームやTVの視聴は制限し、スマホの所持も認めていませんでした。
それでもその生活を彼らなりに楽しみ、チョモランマは日々の様子を母に語る
報告の時間が習慣化されていたと言います。
彼らには元々島で暮らしている凛子という同級生の友人もできました。
凛子はチョモランマに好意を抱いており、チョモランマもまた
同じ気持ちのようでした。
しかし凛子がスマホを手にした時から徐々に不穏な出来事が
起こり始めたのです。
チョモランマたちを見つけるや否や興奮して動画を回す
ピンク色の髪をした男性が居ました。
後にユーチューバーであると判明するその男性は
チョモランマたちを撮影した直後に殺されてしまったのです。
ある日、凛子はチョモランマに伝えたいことがあるのだと
呼び出しました。
彼女は自身の口から告げるよりも直接見て欲しいと
携帯を渡そうとしましたが、ルーによる横やりが入り
結局何を伝えたかったのか?
チョモランマはわからないままでした。
そんな矢先、夕方に突然ルーがチョモランマの自宅を訪れます。
「お茶くらいいれてよ」
と言って部屋へ上がって行くルーにお茶を用意するチョモランマでした。
ところが何をしにくるでもないルーの口からは、
凛子から何を聞いたか?という問いが投げかけられました。
チョモランマは何も聞けなかったと素直に答えるのでした。
そして母親の物を黙って持ってきたというルーの携帯が
16時のアラームを告げていました。
もう帰らなきゃというルーを送っていこうとするチョモランマでしたが
その前にルーは忘れ物を取りに再度一人で二階へ上がって行きました。
その後でした。
チョモランマが凛子の訃報を聞いたのは・・・。
凛子がチョモランマに伝えたかったことは何だったのか?
秘密の遊び場である崖から転落したという凛子でしたが、
自ら命を絶ったとも事故だったとも納得できなかったチョモランマは
凛子が持っていた携帯を借りて初めて発見したのです。
自分たちが晒されている動画を・・・。
その動画には日常だけではなく、凛子を送る会の様子までありました。
チョモランマと砂鉄は唖然としました。
しかしその動画の数々には違和感も存在していました。
何故かルーだけが時折、カメラ目線をしていたのです。
チョモランマと砂鉄はその違和感の正体に辿りつきました。
ルーだけが自分たちを撮影し配信していた動画の存在を
知っていたのだと。
そして凛子を失ったあの日、意味もなくチョモランマの自宅を
訪れ、意味深な行動をとったルーの目的は自身のアリバイ創りで
あったことを・・・。
真相は残酷で満ちていた
チョモランマたちを内緒で撮影し、その言動や行動をネタとして
配信することで広告収入を得ていたのは彼らの親たちでした。
チョモランマは家の中を物色し、母親にその日の出来事を話す
報告の時間を行う部屋にカメラが仕込まれていたのを発見しました。
この日課の目的が母親がチョモランマを気にかけ絆を構築していた
訳ではなかったこと、
実の親がお金のために子どもをネタにしたという真実が明るみにでた
瞬間でした。
そして度々カメラ目線を送るルーは真実を知りながら、
チョモランマや砂鉄には内緒にし、自身もカメラを身に着け
撮影していたのです。
そしてチョモランマたちを驚愕させたのは、友人の不幸までも晒していた
という残酷な真実でした。
凛子の悲劇は事故か事件か?
秘密の場所である崖からの転落という事故だった。
それが島と大人たちの結論でした。
しかしチョモランマと砂鉄の考えは異なりました。
ルーが凛子の命を奪ったと確信していたのです。
元々島で暮らしていた凛子の両親はおそらくこの計画には
不参加であったのでしょう。
動画の存在を隠すために携帯を与えられず、TV視聴も制限された
チョモランマたちとは異なり、ただ一人携帯の保持を許されたのです。
しかしそのことで動画の存在を知ってしまい、
チョモランマには真実を伝えようと努力しました。
その現場をおさえてしまったルーは、
動画の存続のために凛子の命を奪ったと考えたのでした。
『♯真相をお話しします』感想
抜群の歌唱力を持つフロントマン大森元貴の表現力は流石という
印象でした。
こういった問題提起や警鐘を鳴らすというテーマ自体は
他にも存在しますが、何と言ってもあの終わり方は斬新なのでは
ないでしょうか。
そして自身が燃え尽きる前にやり残した復讐を決行する
という願いが叶っているにも関わらず
ラストで視聴者に選べと迫りながらも涙をためるチョモランマ。
あの涙の意味は何だと思いますか?
個人的にはやはり凛子は、こんなもののために踏みにじられたんだ
というぬぐうことが出来なかった憎しみと、あの日からその黒い心に支配されてしまった
チョモランマ自身が凛子を殺したSNSを使って
彼女のための目的を晴らそうとしている・・・
そんな矛盾と葛藤の涙なのかなと思いました。
できることならばチョモランマ自身も復讐などしたくはない。
それでも二度と凛子のような悲劇を繰り返させないことこそが
凛子を失い一人で年を重ねた自分にできることだと考えたのかもしれません。
そしてその復讐の場でさえ、今もなお晒されるチョモランマたちの舞台に
150万人という膨大な人数が集まってしまう・・・
そんな現実に対する絶望感もあったのでしょう。
命乞いをする中条あやみは美しかった(笑)
もしもルーが自身に対してではなく凛子に対する涙を流していたならば
チョモランマの救いはあったのかもしれませんね。
それでも最後の最後で桐山は自身の情報を犠牲にする方を選択します。
そしてそれに賛同する者もちらほら。
さて、あなたならどうしますか?
