【ネタバレ考察】映画『ディスクワイエット』サムはどうなる?結末の謎に迫る

洋画
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ジョナサン・リース=マイヤーズ主演のホラー映画
『ディスクワイエット』Netflixで配信開始されました。

もうすぐ家族が増える・・・
そんな幸せの絶頂の中、事故にあってしまったサムが
目覚めると、そこは悪夢のような病院だった・・・。

一体サムはどうなってしまうのか?

そんなお話なのですが、
気になるのはラストの展開。

これはどういうことなのか?
衝撃のラストシーンについて深読み考察しています。

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『ディスクワイエット』あらすじ

IT起業家のサムは妻のサラと幸せな生活を送っていた。
2人にはもうすぐ新しい家族の誕生も控えていた。

そんな時、出勤中の車内で携帯に応答したサムは
突っ込んで来た車に衝突されて重傷を負ってしまう。

サムが目覚めるとそこは病院のようだったが、
人の気配もなく、異様な雰囲気が漂っていた。

ナースコールにも応答はなく、
サムは自身に装着された医療器具をはずすと
病室の外へ出ようと試みる。

しかし突如、寝ていたはずの老人がサムに襲いかかる。

その老人を撃退したサムだったが、
やってきたナースに説明するために振り返ると
もう老人の姿はなかった。

一方で豊胸手術から目覚めたモニカもまた、
繋がれた状態のまま3人の女性に襲われていた。

モニカを助けに入ったサムは、
この何かおかしい状況を打破するため、
妻の元へ帰るべく、モニカと協力しながら
病院から抜け出そうと試みるのだった・・・。

キャスト
ジョナサン・リース=マイヤーズ、レイチェル・グールディング、
エリス・レベスク、ロックリン・マンロー、アニタ・ブラウン、
トレッツオ・マホロ、ゲイリー・チョーク 

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以下、結末のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年9月時点のものです。

『ディスクワイエット』サムはどうなる?結末の解説

モニカと協力して病院を出たいサムは、
医師だと言うリリーと車いすに乗ったヴァージルに出会いました。

手錠をかけられていたカーターと警官のフランクにも
協力を呼び掛けたものの、カーターはフランクの銃撃に
あって絶命してしまいます。

地下に出口がある
と主張するリリーと電波のある屋上へ行けというヴァージル。

地下の出口を目指して走って言うフランクを追いかける
モニカとサム。

そこへ撃たれたはずのカーターがフランクを襲います。

カーターは再びフランクに倒され、
フランクは出口へ向かおうとし、何かに連れ去られて
出口の方へ消えて行きました。

脱出できたと言うにはあまりにも
衝撃的な光景でした。

それを目撃したサムとモニカは驚愕します。

そこへヴァージルがやってきてサムとモニカを
屋上へ導こうとしますが、自暴自棄になったモニカもまた
何かに連れ去られるようにひっぱられて消えてしまいました。

リリーは皆を出口と称する闇の中へ誘おうとしている

という事実を理解したサムはヴァージルと一緒に
エレベーターで屋上へ向かいます。

途中で見つけた顔にやけどの傷を負う少女を連れて。

しかし、簡単に逃がしては貰えず、再び最初に襲ってきた
老人の襲撃にあいます。

少女を先に階段で逃がしたサムは老人を撃退しますが、
看護師に連れ去られ、大人しく寝ていろ
と引き戻されてしまいます。

そんなサムにヴァージルは
ここに長居をしてはいけないと促し、早く階段へ向かうように
促します。

一緒に行こうと誘うサムに、ヴァージルは、
自分はここのガイドでまだやることがあると言いました。

ヴァージルと別れを告げたサムは階段へ向かうと、
先に逃がした少女が
『私は行けない』としゃがみこんでいました。

そんな少女を励ましながら共に屋上へと向かうサム。

その時、サラの『愛してる』という言葉が聞こえます。

携帯の電波が入ったその場所で、
サムも『僕も愛してる
とLINEで返しました。

場面は変わり、病室に寝たままの少女と母親。

そしてサラが見守る目を閉じたままのサムがいました。
サムの心臓の動きを示すモニターには0の文字が・・・。

その時、少し離れた場所に置かれたサラの携帯にサムからの
『僕もあいしてる』というLINEの着信がはいってきたのでした・・・。

結末の謎に迫る

リリーは地下の出口から脱出することを勧め、
ヴァージルは逆に屋上へ行くように勧めていました。

結果、地下へ向かったフランクはもう戻ることはありませんでした。

モニカは地下の出口へ向かうことを自分で選んだと
リリーは主張しました。

一方で、屋上へむかうことができた
サムと少女でしたが、
その後の現実の世界の病室では
少女も目を覚ましてはおらず、
サムに繋がれたモニターは0を示しており、
心臓は止まってしまったことを意味していました。

リリスとヴァージル

サムが事故を起こした時にすでに現れていた
リリーとヴァーシル。

2人の正体は何なのでしょうか?

リリーという愛称をもつ名前として浮かぶものの一つに
『リリス』がありますが、
『リリス』というのは、アダムの最初の妻であると言われる存在。

しかしながら、〖アダム〗と言えば〖イヴ〗であるように、
リリスはアダムと添い遂げることは叶わずに楽園を後にしました。

その後のリリスと言えば蘇ったのち、
『夜の魔女』あるいは『女性の姿をした悪魔』
と称されています。

さらにリリスはアダムと共に誕生したという経歴をもちながら、
女性であることから平等に扱われなかったという不満を持っていた
とされ、フェミニズムの象徴的な存在であるとも語られています。

サムに関しては、『浮気男』だから悪人だと匂わせる
発言をしていることからも、その真意が垣間見れます。

ともすれば、フランクは男性であること以前に、
差別的な観点を持っており、リリーが真っ先に連れ去りたい相手
だったのかもしれません。

女性であるモニカも連れ去られてしまいましたが、
リリー曰く『彼女は自分で選んだ』と発言しており、
モニカの(諦めるという)気持ちを尊重したとも解釈できるのではないでしょうか。

本作のリリーが魔女や悪魔であるとするならば、
相反する存在として描かれたヴァージルが天使や安らぎを司る守護聖といった
役割なのでしょう。

ラストの意味と考察

本作でのいちばんの疑問は、
ヴァーシルの言うとおりに屋上へたどり着いたにも関わらず、
何故サムも少女も目覚めることは叶わなかったのか?

ということなのではないでしょうか。

屋上で光を浴び、携帯でメッセージを打つサム、その後は
現実でも目覚めるんだな・・・

そんな予想をしたのも束の間、
視聴者は一気に奈落の底へ突き落とされます。

結論として2人は生き返ることはなかったのです。

もっと言えば、リリーとヴァージルがその人の前に現れたその時点で
運命は決まってしまったのかもしれません。

だとすればヴァーシルが言っていた
〖死んだわけではない。その狭間にいるわけでもない。〗

これはどういう意味だったのでしょうか。
そこから思い浮かべるのは昏睡状態のまま
意識だけが飛ばされたということです。

意識は現実の身体から離れ、もう誰かの囁きに反応することも、
少しの動きをすることもできない。

その状態でそこに居続けることの是非を本人たちに問う。
というものだったのではないでしょうか。

身体と意識は離れてしまったものの、
その時点ではその状態=死ではないのです。

昏睡状態に陥った患者たちの魂が集まった病院。
そこで誘い合う悪魔と天使。

悪魔の方に落ちれば無論待っているのは苦痛のみです。

しかし天使の導きにのれたものには
身体も意識も自由にならないままの最後の時に、
たった一言の思いをのせる電波だけは
飛ばすことが許された。

そうして安らぎへと旅立ったということでしょう。

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『ディスクワイエット』感想

本作は、色々な映画やドラマにオマージュを受けたことが
予想されるようなそんなストーリーでした。
(全然影響なんて受けてなかったとしたら申し訳ないです)

それゆえに、オチはこうくるか、それともこうか?
など既存の映画やドラマのラストが思い浮かんでしまいました。

しかしながら、主人公が生き返らなかったことで、
もしやヴァーシルの方が悪魔だったのか?

とか

エンドロールのその後に奇跡的にモニターの数が
0から増えて目覚める
という展開になるのか?
などなど妄想が膨らみました。

しかしやはり、個人的にはリリーが悪魔でヴァージルが天使
だったんだろうなぁと思います。

それにしても現実の世界に戻れなかった主人公。
もうすぐ生まれてくる命を前に、サラにとっても
あまりに残酷すぎました。

階段の途中で少女が、『行けない』と言ったのも、
サムがほほ笑みながらメッセージを送ったのも、
この先に待っているのは生ではないことを
理解してしまったからなのでしょうね。


『ディスクワイエット』とは『不安』とか『平和を乱す』
という意味。

これは深い意識を失ってしまう最中のサムや他の患者自身の
不安にクローズアップした作品なのかもしれません。

そんな中で、たったひとこと
『僕も愛してる』という思いを妻に届けてあげたのは
完全に、『屋上に行けば電波が入るかもしれない』
と助言したヴァージルがみせた残酷な運命を受け入れるサムに対する
せめてもの情けだったのでしょう。

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