2024年に放送された韓国ドラマを
佐藤健×小芝風花のW主演でリメイクしたAmazon Primeで配信中の
『私の夫と結婚して』
大人気だった韓国版もさることながら
日本版も最高だと話題になっています。
本記事では因縁の対決の末の結末を解説するとともに、
麗奈の選択に隠された目的など、気になる謎を推察しています。
一個人の深読みにすぎませんが、
よろしければ御覧くださいませ。
『私の夫と結婚して』あらすじ
•── 𝑪𝒉𝒂𝒓𝒂𝒄𝒕𝒆𝒓 ──⋅
— ドラマ『私の夫と結婚して』 (@watashino_otto_) May 21, 2025
◇ 鈴木亘(#佐藤健)
美紗(#小芝風花)が務める会社の会長の孫。
クールで恋愛には不器用だが、
大学時代の初恋の相手である美紗に
純粋で一途な片思いを続けている。
ドラマ『#私の夫と結婚して』
6/27(金)Prime Video世界独占配信 pic.twitter.com/QUHqk09hHW
神戸美紗は重い病で入院中だったが、夫の友也は見舞いにも来なかった。
美紗の病室に足を運んでくれたのは親友の麗奈だけだった。
ところがある日、
自宅へ一時帰宅すると友也と親友の麗奈の不貞現場を目撃してしまう。
激高して飛び出した美紗だったが、友也と麗奈によって
マンションの高層階から突き落とされ命を落としてしまった。
しかし次の瞬間、気が付くと「神戸さん」と呼ぶ声が聞こえるのだ。
なんと、10年前の2015年に舞い戻ったのだった。
二度目の人生をやり直すチャンスを得た美紗は
自身を追い詰めた友也と麗奈に復讐するべく
立ち上がる決意をする・・・。
キャスト
小芝風花、佐藤健、横山裕、白石聖、田畑智子、
黒崎レイナ、清水伸、七五三掛龍也、津田寛治 他
以下、結末のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年7月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。
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因縁の対決は日本ならではの結末？
そもそも因縁の始まりは病気になった美紗を見捨てた友也、
そしてずっと親友だと信じていた麗奈の2人に人生を
奪われたことから始まりました。
そして二度目の人生が始まった2015年。
その人生にはルールが存在したのです。
一度目の人生で起こった出来事は必ず起こってしまう。
しかし身代わりを立てることでその不幸を回避できるというもの。
もう二度と諦めないために、美紗は
麗奈を友也と結婚させることに成功します。
病気の方は上司が身代わりになってしまいますが、亘の尽力もあって
良い治療を受けることができ回復しました。
美紗は、ようやく自分の人生を楽しめると思った矢先に
この結婚が美紗に仕組まれたことを悟った麗奈と友也の
反撃が始まるのでした。
因縁の結末はどうなるのでしょうか？
部長の真実
美紗は意を決して自分が今2度目の人生を送っていること、
一度目は友也と麗奈に殺されて終わったことを
亘に告白しました。
すると亘はそっけなく消えてしまいます。
亘は富山に向かうと友也を呼び出し、心中しようとしたのです。
未来の協力を得て亘の秘密を知った美紗も富山へ向かい
猛スピードで走って来る車の前に立ちはだかりました。
友也を引きずり出した美紗は亘を乗せて発車します。
やっと美紗は亘がなぜ助けてくれるのかを知ったのです。
2人はお互いに二度目の人生を歩んでいた同志でした。
一度目の人生で美紗が亡くなり、亘は美紗を安心できる場所で眠らせてあげた
その帰り道、事故で命を落としていたのです。
そうして亘も気が付くとタクシーに乗って2015年に舞い戻ったのでした。
今度こそ美紗を死なせないと誓った亘は
いつも肝心な時に現れては美紗の心を支えていたのです。
2人はお互いを思っていました。
しかしこの先2人の未来を守るためには
身代わりが2人いなければなりませんでした。
壊れた麗奈と友也の懺悔
麗奈は友也を追って美紗や亘と同様、富山を訪れ美紗の祖母を誘拐します。
美紗は亘から離れて一人で探し回っていると、麗奈と再会します。
祖母の居場所を聞く美紗に対し、
麗奈は罵倒した後、首を締められながら幸せなくせに
孤独な振りをしている、と責め立てました。
亘の声が聞こえ、姿を消した麗奈。
事なきを得るも、麗奈は警察に追われる身となりました。
雪の中、美紗に置いてきぼりにされた友也がやっと
コンビニにたどり着くと父からの連絡で
入院中の母親が麗奈に殴られて怪我を負ったことを知ります。
怒り心頭の友也の前に麗奈が現れました。
友也は麗奈を陥れるべく優しくやり直そうと語りかけますが
麗奈には通用しませんでした。
後日、友也が病院へ向かうため車を運転していると、麗奈から連絡が入り、
ブレーキを細工したことを匂わせます。
絶望した友也は美紗に電話をかけ、謝りながら、
もう一度人生をやり直せるなら美紗と幸せになりたい
と言ってその声は途絶えました。
思い出の観覧車と傷の終わり
事故を起こした友也は重体で病院に運ばれたのです。
一方、麗奈は亘に電話をかけ美紗にもう一度だけ会いたいと
哀願します。
しかし待ち合わせの場所に警察を連れてやってきたのは
亘一人でした。
現れた麗奈は元上司を使い美紗を拉致したことを示唆します。
美紗を救いたいならばついて来てと言う麗奈を追った車内で
揉み合い亘は刺されてしまいました。
一方、拉致された美紗は観覧車に乗せられ、
気が付くと目の前には麗奈が居たのです。
麗奈はずっと一緒だと約束した美紗が一人だけ幸せになることが
許せなかったと言い、一緒に死のうと持ち掛けます。
しかし美紗はこれまでずっと無理して麗奈に付き合ったこと、
全然好きではなかったという思いのたけをぶつけました。
揉み合った末、麗奈は
あんたのせいだから
と言う言葉を残し、観覧車から身を投げてしまいました。
人生の主人公
刺されて出血しながら美紗の元へかけつけた亘は
美紗の顔を見て安心すると倒れて病院へ運ばれました。
重体だった友也の命が絶たれ、目を覚まさなかった亘の
意識が戻りました。
2人は二度目の人生は好きなことをしようと、
美紗は会社を辞めまめかめ食堂を継ぐことにします。
亘も研究機関を創設し、一から研究に没頭することに
しました。
そして2025年９月18日。
美紗が一度目の人生で命を落とした日を迎えました。
美紗は亘に『結婚してください』とプロポーズします。
亘は先を越されたことが府に堕ちないながらも
快く承諾したのでした。
『私の夫と結婚して』気になる謎を深堀り考察
タクシーの運転手はお父さん？
一話で病院から一時帰宅する美紗が乗ったタクシーの運転手、
そして亘が二度目の人生に目覚めた際のタクシーの運転手、
ラストですれ違うタクシーに乗っていた運転手。
それらは美紗のお父さんの姿をしていました。
これは超絶深読みなのですが、
美紗の幸せを見届けることが出来ずにこの世を去った父もまた
未練を抱えたまま旅立ったのでしょう。
しかし大切な娘はその後、地獄を味わうことになる暗示が・・・。
美紗に、困っている時はどこにいても駆け付けると
誓った父の思いは、二度目の人生を迎える人を送り届ける案内人
という役目を授かったのではないでしょうか。
美紗を送り届ける日が来るその日まで。
美紗を乗せた時、その日で引退すると告げていましたね。
そして美紗がもう一度やり直せることを理解していた父親は
きっと出会えますよ。あなたを本当に大事にしてくれる人に。
という亘を示唆する意味深なメッセージを残したのです。
また亘を乗せた際には、
「本当に富山に遊びに来てくれたんだね」
という会話をしており、確実に亘を覚えていることが
示唆されていました。
ラストでは美紗が命を落としたその日、
誰も乗せずに走っている父とすれ違います。
父はきっとその日、バックシートに娘を乗せずに済んだことを
心から喜び、笑顔で走っていたのでしょう。
亘も一緒にタイムリープした理由
一度目の人生では美紗に思いを寄せながらも
遠くから眺めているだけで積極的に接触を試みなかった亘。
しかし美紗が病気になったことを知り初めて歩み寄ったその日、
彼女の最後を目撃することになりました。
美紗のその姿を目撃して救急車を呼んだのは亘だったのでしょう。
せめてお父さんの隣で眠らせてあげたいと富山に連れて帰った亘は
その時、父の願いにも似た不思議な力に触れ、
記憶を持ったまま2015年に戻るために
事故を起こされたのではないでしょうか？
過去に戻って今度こそ美紗を守って欲しいという
父の願いが起こした奇跡なのではないでしょうか。
麗奈の目的は何だったのか？
本作の闇の女王として君臨した麗奈のすさまじさも魅力のひとつでした。
しかし麗奈の闇は彼女の責任ではないのかもしれません。
実の父親には見捨てられ、
母親には目の前であてつけのように自殺されてしまった麗奈。
しかし麗奈が抱いた悲しみや怒りを両親にぶつけることは
不可能でした。
自分は誰からも愛されないと、本当の孤独を味わっていた麗奈は
同じように母が去ってしまい泣いている美紗と出会います。
自身よりも不幸そうに見えた美紗のそばにいることで
麗奈の存在価値は保たれました。
だからこそ麗奈の思う通りに動き、不幸な美紗はなくてはならない
存在だったのです。
私たちは同じ、
ずっと一緒
それが当然だった麗奈でしたが、
美紗には彼女を溺愛する父親の存在があったのです。
その瞬間、可愛そうだと同情して声をかけたはずの美紗が
実は自分より幸福だったことに裏切りとショックを受けたのでしょう。
それは自分の孤独の深さを再認識させられた瞬間であり
認めるわけにはいかない現実でした。
だから美紗を自分と同じ立場に引きずり下ろすことに
執着したのではないでしょうか。
そのために身についたのは底意地の悪さと執着心。
麗奈に近づくのがろくでもないのではなく、
麗奈自身がろくでもないからそんな人しか近寄って来ない
ということにさえ気づくことはありませんでした。
自身の不幸を美紗の責任にしつづけた麗奈でしたが
最後にきっぱりと2人は「同じではない」ことを
突き付けられた麗奈は母親が自分に言ったのと同じように
美紗に「あんたのせい」だと告げて身を投げました。
最後の最後まで自分と美紗が自分と同じでなければいけない
ことにこだわった故の末路だったのではないでしょうか。
『私の夫と結婚して』感想
韓国の原作ということで、
やはり復讐劇といえば韓国ドラマという期待を裏切らない作品でした（笑）
とはいえ日本版では韓国版のもう一つのオリジナルストーリー
という要素が強く、物語の後半の展開は違ったものになりました。
それを良しとするか物足りないとするかは
見た人次第なのですが筆者的には
日本版の登場人物たちの心理状態がより複雑なものになり
見ごたえがありました。
一度目の人生で人のことばかり優先してきた美紗が
一人で自分の人生の主役というポジションを取り戻すために
奮闘し、成長し素敵になって行く姿に始終魅了されてしまいました。
美紗には勇気を貰えた反面、
闇の女王的存在として君臨した麗奈の
人として崩壊している姿はその過去が反映され
嫌悪と同情が要り混じるような感情が沸きあがりました。
個人的には最後、観覧車から自ら飛び出した麗奈は
「あんたのせい」だと酷なことを言いますが、それもせめて
美紗の心に自分を刻印したいという執着からくる言動のようでした。
自身の母親と同じ行動をとる意味は、
母親から愛されなかった傷の大きさと
今もなお傷つき続けていた悲しい人生だったことが伺えます。
そうして自ら命を絶った麗奈ですが、
美紗を道擦れにできなかったのではなく、
しなかったのではないかと思いました。
自身さえも認めたくなかったであろう美紗に対する執着は
何をしても許してくれる美紗からの無償の愛情だったのでしょう。
そして観覧車まで拉致して連れて来た麗奈を
またも助けようとする美紗を見て、麗奈と美紗が同じではない
ことを痛感したのかもしれません。
それはほんのわずかな良心だったのか、
それとも諦めだったのか？
いずれにしても麗奈の最後の選択の本当の意図は
美紗を解放することだったのではないでしょうか。
単なる復讐劇にとどまらず、
人が生きて行くうえで日々しなければならない選択、
そして本来やり直しがきかないはずの、たった一度の人生で
本当の自分の幸せを見つけることを描いた物語でした。
物語は面白いし、佐藤さんはかっこいいし（笑）、
ロスになってしまう人も多数いると思いますが、
そんなみなさまは、本家をまだ視聴していないのならば、
韓国版を見てみてはいかがでしょうか。
