デンマーク発のNetflixドラマ『私たちが隠していること』が
絶賛ざわざわ発生中です。
筆者も視聴してみましたので
その衝撃のラストについてネタバレ考察しています。
事件の犯人は誰なのか?
タイトルに隠された意味とは何か?
など気になる謎について綴っています。
『私たちが隠していること』あらすじ
Netflixにて配信中の「私たちが隠していること」に #秋吉優衣 #夏目あり沙 が出演しております🙇🏻♀️
— アクセルワンスタッフ (@axlone_staff) May 16, 2025
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素敵な夫と可愛い子供たちに囲まれ豪邸での生活を送り、
家事や育児を支えてくれるオペア(お手伝いさん)が居るセシリエ。
彼女が暮らすのはデンマークの高級住宅街『保護区(Reservatet)』だった。
隣家の友人でもあるカタリナとラスムス夫妻との食事会を終えると、
彼らのオペアであるルビーがセシリアに悲痛な表情で訴えて来た。
『もうあの家にはいられない』
しかしセシリエは人の家のことには口出しが出来ないと言い、
カタリナに直接相談するように助言した。
ところがルビーが失踪してしまった。
自身の対応に罪悪感をもったセシリエは、ルビーの友人で
セシリエ邸のオペアでもあるエンジェルに協力をする形で
ルビーの捜索に参加した。
そして自体は思わぬ方向へ転がり始めるのだった・・・。
キャスト
マリー・バック・ハンセン、ダニカ・クルチッチ、サイモン・シアーズ、
ラース・ランゼ、サラ・ファンタ・トラオレ、エクセル・ブサノ、
ドナ・レフコフスキー、ルーカス・ズペルカ、フローデ・ビルデ・ロンショルト 他
以下、結末のネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
本記事の情報は2025年5月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。
衝撃の結末を解説
セシリエは自分に相談を持ち掛けて来たルビーの失踪に
心を痛めずにはいられませんでした。
しかしその真相を突き詰めていくうちに
衝撃の真実を知ることとなるのでした。
犯人の正体
セシリエは当初ラスムスを疑っていました。
彼らのオペアが長続きしない理由を勘繰り
その原因こそ彼にあるのではないかと思っていたのです。
しかし夫のマイクがルビーと密かに交流をしていたことが発覚します。
ルビーが妊娠していたという事実が浮上し、
セシリエのマイクに対する疑念は深まっていきました。
ところが犯人はどちらでもなかったのです。
ヴィゴはカタリナの息子、オスカーからある動画を見せられたと言います。
その内容はルビーに乱暴するオスカーの姿をとらえたものでした。
ルビーを懐妊させ、追い詰めたのはオスカーだったのです。
真犯人の存在とセシリエの正義
ルビーのお腹の子の父親はオスカーでした。
しかしルビーを殺めた証拠はありません。
ルビーは自殺なのか?他殺なのか?
生前のルビーは妊娠したことで牧師に救いを求め、
中絶の選択肢がないことで追い詰められている胸中を暴露していました。
しかし牧師はその相手と直接話すことを勧めたのです。
担当捜査官のアイシャは中絶を拒否していたルビーが
自ら命を絶ったとは考えられないと確信していました。
罪に問われることなく寄宿学校への進学が決まったオスカーは
セシリエの前に立ちはだかり言いました。
ママとルビーは激しい口論をした。
そしてその後、ルビーは居なくなった。
・・・と。
それを聞いたセシリエはルビーを殺めた真犯人の存在を察知しました。
カタリナ夫妻とのお別れ会に参加したセシリエは核心にせまるべく
カタリナにルビーを殺めたのかと迫ります。
しかし微笑み交じりで疑惑を認めたような発言をするカタリナでした。
セシリエはラスムスとカタリナ、そして彼ら側についているマイク
が微笑みながら手招きするのを遠目に見つめ、
正義を手放す覚悟を決めたのでした。
『私たちが隠していること』ネタバレ考察
ルビーの失踪に責任を感じたセシリエは彼女が無事に戻って来ることを
願って捜索活動にも参加しますが、
思わぬ結末に、答えが見つからず戸惑う視聴者が続出したのではないでしょうか。
そんな救いどころのない物語に隠された謎を推察してみました。
エンジェル解雇の理由
ルビーの事件にオスカーが関与していると知った後、
セシリエはエンジェルの解雇に踏み切りました。
多めに支給したお金とフィリピンへ帰国するための飛行機代
を渡すのでした。
解雇の表向きな理由はヴィゴからお金を受け取り内密にしたこと、
母親であることを隠していたことから
信頼関係が崩れたというものでした。
しかし本当の理由はセシリエは恐れていたからなのではないでしょうか。
ヴィゴがオスカーのようになってしまう可能性を。
ヴィゴが幼い頃、一時的に育児放棄をしてしまったセシリエは
その罪悪感からヴィゴとの距離間を自ら生んでいたように見えました。
自身の罪から目を背けたいセシリエは息子から嫌われていると
思い込み、それゆえに自身の愛情をかけることも、
ヴィゴの内面を知ろうとする試みもみられませんでした。
そんな親子関係を続けていたセシリエにはヴィゴという人が分からず、
オスカーとは違うという確信さえ持てなかったのです。
セシリエの決断が意味するもの
ルビーの無事を祈ったセシリエは夫のアリバイさえも覆し、
アイシャに協力的になっていきます。
しかし事件はオスカーが発端になって、息子の罪を隠蔽するために
カタリナがルビーを手に掛けたという全貌を知ってしまうセシリエ。
ところが正義感に燃えていたはずのセシリエは犯人の正体を知りながら
最終的には沈黙することを決断するのです。
セシリエの参加を待つ、3人の笑顔に、
大手企業のCEOであるラスムスを顧客とするマイクは彼側に立つこと。
罪を犯しながら平然と笑みを浮かべるカタリナの歪んだ達成感。
隠蔽体質の元凶であるようなラスムスの圧力。
を垣間見たのでしょう。
その地で暮らしたいのなら、マイクと夫婦で居たい限り、
ヴィゴたちの母親という立場を捨てたくないのならば
声を上げることは叶わなかったのでしょう。
もしも彼らに逆らい、正義を振りかざせば、
その代償はセシリエの持つ全てとなり得るのです。
タイトルの意味
本作のタイトルである『私たちが隠していること』
にはどんな意味が込められているのでしょうか。
セシリエが最終的に真実を追究することを諦め沈黙に徹したのは
家族や立場を失い、孤独になることを恐れたからです。
そしてその背景には、セシリエが暮らす富裕層のコミュニティで
誰が権力を持ち、支配しているのかということが
明確になった末の結末だったと言えます。
彼らは家族や立場、権力を守るためならば
あらゆることを行使するのです。
そしてタイトルの『私たち・・・』という言葉から、本当の意味で
セシリエ自身もそのコミュニエティの一員に加わったことが伺えます。
さらにラストのその後は、セシリエがそのコミュニティの同調圧力に
屈したことにより、自分の価値観を見失い、意見を閉ざし、
彼女自身の自己を失っていく未来が待っているのではないでしょうか。
オスカーがどうなってしまうのか?
は言うまでもないですね。
『私たちが隠していること』まとめと感想
デンマーク発のNetflixドラマ『私たちが隠していること』の
後味の悪さは格別でした。
オペアと呼ばれるお手伝いさんとしてデンマークに留学という名目で来た
一人のフィリピン人女性の悲劇は、
富裕層の両親を持つ少年が発端となり、母親による、その少年の罪を隠蔽するために、
命が犠牲になりました。
しかしその全貌は公にはならず、罰を受ける者もありませんでした。
ただ一人、正義を追い求めた主人公でさえも最後には立ちはだかる権力に
屈してしまいました。
捜査官でさえその壁を超えることなどできなかったのです。
その結末こそがそのコミュニティの権力構造を浮き彫りにし、
階級による差別、そして人種による弱者が被る重すぎる搾取。
そんな暗闇を見せられた気がしました。
この物語により嫌な気分になるのはそれが
現実的だからなのかもしれません。
セシリエの沈黙を責めることは容易なのかもしれませんが、
セシリエとは違う決断が果たしてできるだろうかと
重い疑問を投げかけられます。
富も権力もない筆者などイチコロなわけですwww
ドラマの結末では沈黙を守りそうなセシリエを描き
幕が閉じましたが、
筆者的にはあの後、アイシャに連絡を取るセシリエが
『私たちが隠していることをお話しします・・・』
という告白をするのを期待せずにはいられません。
そしてそんなセシリエをマイクは見捨てても、
ヴィゴは支えてくれそうな妄想を膨らませてしまいます。
兎にも角にも格差社会が拡大しつつある我が国にも
共通するテーマが見え隠れする気がして怖い一作でした。