【TENET テネット】謎が明らかになる結末をネタバレ考察|ニールは何者?名前が無い理由とテーマは?

洋画
スポンサーリンク

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

2020年に公開されたクリストファー・ノーラン監督が脚本も手掛けた
SF映画TENET( テネット)

それはそれは時系列やら物理学やらアルゴリズム等々・・・。
難しいことだらけで、1度の鑑賞では到底紐解けない難解映画
と言ってもよいでしょう。

しかしながらその結末では物語のメインとなる謎が明かされ、
感動シーンが心に刺さること間違いなしの名作です。

難しすぎる時系列の理解はできないところは諦めちゃって(笑)、
一層のことストーリーの感動部分を楽しむのはいかがでしょうか。

名もなき男との揺るがない友情をみせた相棒ニールの物語も圧巻です。

関連記事
〖インターステラー:マン博士の行動と真意を徹底解説〗

スポンサーリンク

【TENET テネット】あらすじ

ウクライナのオペラハウスで、CIAが送り込んだスパイの暗殺計画を阻止するべく、
任務に向かったCIAエージェントの名もなき男

スパイの救出には成功するも、敵軍に捕らえられてしまう。
情報を吐かせるために拷問を受ける主人公だったが
機密を守るために自ら命を絶つべく敵の隙をついて
毒薬を服用する。

しかしその薬に毒は入っておらず、名もなき男は目覚めた。
これは忠実なエージェントを見分けるためのテストだった。

そのテストに合格した名もなき男は
〖TENET テネット〗という謎に包まれた組織の人類を救う
危険な作戦へと関わることになる・・・。

キャスト
ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、
ケネス・プラナー、エリザベス・デビッキ、 

【TENET テネット】を視聴するには

U-NEXTでは登録すると貰えるポイントで視聴できます。

以下、ネタバレが含まれます。
未視聴の方はご視聴後のご訪問をお待ちしています。

本記事の配信状況は2024年2月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

【TENET テネット】知っておきたいこと

難しいことはさておき・・・とはいっても物語を楽しむうえで
簡単なルールはおさらいした方が良いでしょう。

逆行のルール

★劇中4つの場所にある未来から送られてきた回転ドアを通って逆行が出来る。
ただし、回転ドアに入る前に反対側(順行か逆行)に
自分が存在するのを確認しなければならない。
(自分がいないのに扉を通ってしまうと出られなくなる)

★逆行する際には防護スーツと酸素マスクが必須。

時間軸は常に1つしか存在しない。

★自分に出会っても直接触れてはいけない

アルゴリズムを簡単に言うと?

数世代先の未来の科学者が発明したとされる
時間軸を逆行させる手順を機械にしたもの。

これが機動されれば止めることも破壊もできないとされており、
その被害は人類全滅だという。

これを作った科学者はその悪用を恐れてアルゴリズムを
9つに分解し、過去に隠した後に自ら命を絶った。

そもそも何を争っている?

環境の悪化において、住むことが困難になった未来人
過去に向かって生きることを望みました。

そのためにはアルゴリズムの回収と起動をすることが必須であり、
その実行役としてセイターと契約を結んだのです。

病に蝕まれているセイターは自身の命が終わる時に
アルゴリズムが起動するように計画していました。

一方これに反対する未来人『TENET』という組織を創設
セイターと時間軸を逆行させたい未来人の目論みを阻止するために
アルゴリズムを奪い合っているという構図になります。

謎が明らかになる結末

特に難解な最終決戦の場スタルスク12での挟撃作戦。
最大の立役者はニールをおいて他には居ないでしょう。

アルゴリズム奪還のカギを握るのはニール

名もなき男の部隊は順行する赤部隊として任務にあたります。
一方、ニールは逆行する青部隊として任務にあたるのです。

そして赤チームの中でアイブスと名もなき男だけがチームとは別行動で
アルゴリズム奪還という機密作戦に臨むのです。

しかしながらアイブスと名もなき男の機密作戦をセイターは察知していました。
そこで部下を向かわせ、アルゴリズムの手前には鉄格子の扉にカギをかけます。
さらに二人が入るトンネルに爆弾を仕掛けるのです。

これを目撃した逆行チームのニールは二人を援護するため
順行に切り替え車のクラクションで名もなき男たちへ合図を送ります。

しかしニールの合図に気付かない2人はトンネルへと入ってしまうのです。
そこで最終地点からロープをたらし、閉じ込められた二人を救出することに成功します。

ただしアルゴリズム奪還の裏では
〖アルゴリズムを阻む鉄の扉の前で立ち往生していた二人を扉の内側に倒れていた青チームの人物が開錠し、セイターの部下が名もなき男に発砲するが身を呈して助ける〗
という出来事が・・・。

ニールの順行と逆行に注目

名もなき男とニールはプリヤと接触する直前の
ムンバイで出会いました。

しかしそれは主人公目線であり、本当は冒頭のオペラハウスの作戦に
ニールも参加していたのです。

以降5度にわたって名もなき男を助けています。

1.オペラハウスにて逆行する銃弾で主人公を守ります。
2.オスロ空港にて名もなき男が自分を撃つのを制止します。
3.テナンでのカーチェイスにてセイターに火を点けられた車から救出します。
4.スタルスク12の機密作戦では順行でトンネルから脱出させます。
5.アルゴリズムの奪還に成功した裏では、扉の鍵を開け、
  名もなき男の前に身を投じて銃弾に倒れたニールの犠牲がありました

結末・ニールの友情の終わり

スタルスク12で過去と未来から仕掛けた挟撃作戦により
アルゴリズムの奪還に成功した名もなき男たち。

ここで初めてニールから『TENET』のリーダーは
名もなき男であったことが明かされます。

そしてこの時が、ニールにとっては友情の終わりを迎え、
名もなき男にとっては友情の始まりでした。
ちょうどそこは壮大な時間挟撃作戦の中間点でした。

それぞれの行く道へ向かい別れを告げる3人。

場所は変わり、マックスを迎えに行くキャットは
自分を監視?している怪しい車両を見つけ、
念のため記録を残します。

その車両には実はプリヤが乗っていました。
アルゴリズムを深く知りすぎてしまったキャット
暗殺するためです。

しかし記録を確認し、突如後部座席に現れた名もなき男は
〖自分こそが黒幕だ〗
と言い放ってプリヤを抹殺しました。

最後の任務を考察

無事にアルゴリズムを回収したアイブス名もなき男ニール
その後の3人はどうなったのでしょうか。

残る任務はアルゴリズムの情報自体を消去すること。

アルゴリズムを知る者の運命とは・・・。

アイブスのその後

アルゴリズムは誰にも知られてはいけない。
だから名もなき男とニールに銃をむけますが、
結局『その時』は自分で選べと言って1人過去へ向かいます。

二人にむかって『見つけたら始末する』と言い放つアイブスですが
自分が持参したアルゴリズムの一部を安全に隠せたら、
早々に自らの人生を終わらせる・・・のではないでしょうか。

それはアイブスが、
アルゴリズムの一部の行方を握っているとしても
同志の命を狙いたくはないから・・・
そんな気がします。

ニールは残酷な過去へ

アルゴリズム奪還後のアイブスと主人公の会話から、
アルゴリズムの直前に立ちはだかった鉄の扉を開錠したのは自分
しかありえないと確信しました。

そしてその行動がなくしてはアルゴリズムの奪還もあり得ないのです。
だからニールは逆行してすべきことをする
その一択です。

逆行しようとしている自分を引き止める主人公の様子から、
おそらく、自分の最期の場所がそこであることを察知します。

それでも作戦の成功のためには行かねばなりませんでした。

物語の最初の方でも開錠はニールの得意分野であることが
描かれていましたよね。
まさかこんな場面での回収になるなんて・・・。

名もなき男がすべきこと

この壮大な挟み撃ち作戦の首謀者が自分自身だったのだと
ニールから聞かされた名もなき男。

彼がこれからするべきことは、
〖TENET〗を創設することです。

そのために、正しい未来を作っていかなければなりません。

ニールと出会い、プリヤを雇い、
作戦を練り、自分をテストするなどなど。
世界を救うという使命が待っています。

それは同時に自分の人生はないとも
言える運命です。

〖TENET テネット〗の残された謎と感想

【テネット】の劇中では紐解かれなかった数々の謎がありました。
そのいくつかについて推察しています。

ニールはキャットの息子?

ニールは一体誰なのか?
という疑問はこの映画では最大といっても過言ではないくらいの
大きな謎でした。

〖実はニールはキャットの息子なのだ〗
という説が多数浮上しました。

あ~なるほど。と合点がいく理由もありました。
・セイターはエストニア人であるがニールもエストニア語が話せる
・別れ際、主人公がキャットのところへ向かうのか?を気にする。
・主人公が組織のルールに従い抹殺されそうになったキャットを救う
・監督自らがニールは本名ではなく、複数のアイデンティティを持つと発言。
・キャットの息子〖MAXIMILIEN〗の後ろ4文字を逆から読むと〖NEIL〗になる。

などなどです。

そして最大の理由は名もなき男を命がけで何度も守り、
その結果、身代わりとして命を落とすことです。

自分の命を犠牲にしてまで守るその理由は、
かつて母親を守り、見守ってくれたであろう主人公に対する
恩返しなのだということです。

ちなみに監督はニールがキャットの息子なのかどうかについては
言及をしていません
恐らく監督的にはどうとってもらっても構わないという意図なのでは
ないでしょうか。

確かにキャットの息子説はとても面白いです。

しかしながら筆者的には、セイターの
『唯一の過ちは息子をもうけてしまったことだ』という台詞が
気にならなくはないのですが、
あえてのニールはマックスであると意識しないことにしました。

キャットやセイターとの関係において筆者的には
〖ひっかかる〗シーンを見受けられなかったからです。

物語上、ニールの名もなき男に対する熱意のような気持ちや
心配している様子もキャットに対しては感じ取れませんでした。

さらにニールのコインのストラップについてです。

マックスがニールであるならば、あのストラップは
キャットか名もなき男からの贈りものであるとか、
ラストのマックスのリュックにも付いていたとか、
あのストラップの真実が欲しかったところです。

では命をかける理由とは・・・。

誰もトップの正体を知らないという組織の中で、
ニールだけは名もなき男が黒幕だという最大の秘密を知っています。

それだけではなく、普段名もなき男が任務中は飲酒しないことや、
ダイエットコークを好むことまで熟知しているのです。

TENETの黒幕ともあろう人物が自分に関する情報を
ニールにはだだ漏らしているということです。

信頼関係や絆の深さが読み取れます。

それだけにこの2人の間には物語では描かれなかった何か
あったことは間違いないのでしょう。

そしてニールは世界各国を股にかける優秀なエージェントなのです。
例え、名もなき男のためではなくても、
守るべき人の為ならば全身全霊で対処し、
受けた恩は忘れることなく友情に変える律儀で
厚くあれというのがニールの主義なのではないでしょうか。

ニールが黒幕であるという可能性

タイトルにもなっている『TENET』
これは10分間の過去と未来からの挟撃作戦を意味しています。

ニールの最後の台詞でも、
順行する名もなき男と逆行するニール
〖壮大な時間挟撃作戦の中間点〗だと言いました。

もしかしたらニールが名もなき男に命をかける理由は、
ニールが逆行して名もなき男を助けたように、
名もなき男も順行していく過程で
ニールのために命をかけた可能性もあるのではないでしょうか。

〖起こってしまったことは仕方がない
だからといって何もしない理由にはならない〗

という真意は
名もなき男は未来でニールを助けるために
命を落とす事実は起こってしまったことだけれど、
だからといって何もせずにはいられず
懸命に名もなき男を救おうとしていたのではないかと考えました。

同時に未来で命を落とした名もなき男の作った組織〖TENET〗の
意思と成すべきことを実行するために、
未来から名もなき男の使者としてやってきたという可能性は
ないでしょうか。

主人公に名前がない理由

もし、未来ではすでに名もなき男はいないとしたら
主人公に名前が与えられなかった理由にもなり得ます。
また
名もなき男の意思を継いだニールが自身の名前を名乗らないため、
〖TENET〗のメンバーさえも創設者の名前を知らない
理由になるのかもしれません。

主人公に名前がないなんて、まるでロープレのようだと
思いました。

自分がエージェントになったつもりで見てね!

という監督からの贈り物なのかもしれません。

物語的には、TENETの創設者は秘密の情報であり
秘密を完璧に守るためにはそもそも情報を持たないこと
が最善な訳で、名前を持たなければ漏れることもない
ということなのでしょう。

最後に心情的には、
あのテストに合格してしまったあの日から
主人公の人生は一択なのですから、それ以外の道を歩めない以上
本当の姿もなく、希望する人生を送ることもできない人物です。

だから名前を持つ必要も意味もないのかもしれません。

ラストでキャットを助ける理由

アルゴリズムの情報を知っている者が存在してはいけない

TENETにはそんな暗黙の掟があり、実際プリヤは
その掟にのっとってキャットを抹殺に向かいます。

しかしながらキャットからの胸騒ぎの情報を共有した主人公は
キャットを救い、プリヤを抹殺しました。

TENETの創設者でありながらこの決断はアリなのでしょうか。

キャットを救う理由にはキャットへの好意もその一つでしょう。

しかしながらキャットは自分と出会わなければ
アルゴリズムについて知る由もなかったのです。

そこの責任は自分にだけあると判断したのでしょう。
さらに、『自由がない』ことに嘆き苦しんでいたキャット。

同様に任務以外の自由を持たない主人公は
自分とキャットを重ね同情したのではないでしょうか。

やっとの思いで自分で掴んだキャットの自由。
それを奪うことは出来なかったのだと思います。

しかしながらキャットを助けたことで、
図らずともキャットを監視するという名目で遠くから見守らなければ
ならなくなったという嬉しい誤算もあったのかもしれません。

感想

数々の謎やからくり、そして明言を避ける監督の思惑通り⁈
何度見ても、むしろ2回目3回目の鑑賞の方が面白い本作。


過去に戻っても決まっている未来を変えることは出来ない。
それでも何もしない理由にはならない。


ニールが言うそんな台詞は
おそらく監督が込めたメッセージなのでしょう。

名もなき男に人類の行方を託すのではなく、
1人1人ができることをして、未来をよりよく導く努力をしよう
という風にも解釈できます。

また、抗えないことや限りあるものを目前にしたとしても、
だから何もしない、諦めてしまうのでは、
手に入るものも目に見えるものも自分で制限するのと同じだと。

時間という限られた枠を大いに楽しもうという
メッセージであり、

鑑賞している人にもきっともう一歩踏み出す勇気を
与えてくれるのではないでしょうか。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました