日テレドラマ『ブラッシュアップライフ』の演出を手掛けた
水野格氏がオリジナルストーリーをひっさげ監督を務め、
『仮面ライダーゼロワン』の高橋文哉を主演に迎えて製作した映画
『あの人が消えた』。
先読み、予測不可能な展開で進む物語のラストはどうなるのか?
犯人の正体と消えた「あの人」に迫ります。
『あの人が消えた』あらすじ
🗝️情報解禁
— 映画『あの人が消えた』公式 (@ano_hito_movie) May 21, 2024
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◤あの人が消えた◢
次々と人が消える⁈ マンションを舞台に配達員がその謎に迫る。
超豪華キャストと大注目クリエーターで贈る
完全オリジナル “先読み不可能”ミステリー・エンターテインメント!!
2024年最大の<衝撃>を、お届けします!
9月20日(金)公開!!… pic.twitter.com/o2V85mFgnt
パンデミックの影響を受け、職場を追われてしまった
丸子は八谷運輸で配送ドライバーとして勤務をしていた。
配達は担当制で丸子は「クレマチス多摩」というマンションに
出入りするようになる。
荷物の受け取り伝票には綺麗なサインを書いてくれるのに、
ゴミの分別が出来ない巻坂さんや愛猫と暮らす気さくな長谷部さん
など色々な住民の顔を目の当たりにする。
しかし配達員にとって厄介なのは不在がちで荷物を受け取ってくれない
住人だった。
まさに203号室の流川さんにもなかな配達できずにいた。
丸子は職場の先輩で小説家志望の荒川と親しくしており、
荒川が小説を投稿するサイトで見つけた、コミヤチヒロという人物が執筆する
『スパイ転生』を読むのが何よりの楽しみになっていった。
あまりにも小説が面白いので応援コメントも書き込んだ。
そんなコミヤチヒロと同姓同名の人物がこの「クレマチス多摩」に
住んでいたのだった・・・。
キャスト
高橋文哉、田中圭、北香那、那坂井真紀、袴田吉彦、中村倫也、梅沢富美男、
菊地凛子、金澤美穂、染谷将太 他
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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。
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最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。
『あの人が消えた』ラストの真相とは?
丸子が担当する「クレマチス多摩」の205号室の住人は
彼が夢中になる「スパイ転生」の作者コミヤチヒロその人でした。
喜びのあまり「スパイ転生」のファンであることを千尋に告白して
しまう丸子でしたが、そんな彼女に忍び寄る不信な影の存在に
気づいてしまうのです。
千尋にストーカーとしてつきまとって居たのは、
302号室に住む島崎健吾という見るからに怪しそうな男性でした。
さらに島埼の部屋に盗聴機材を見つけた丸子は
警察に相談するものの、島崎はいわゆる「住みます芸人」であり
機材類は商売道具なのだと言う彼の説明に納得してそれ以上動いて
くれることはありませんでした。
いてもたってもいられず、先輩であり千尋と同じサイトに小説を投稿する
荒川に相談しますが、島崎が千尋のストーカーで盗聴行為まで行っている
ことを立証するには証拠が弱く、これ以上の詮索は丸子自身の身に
危険が及ぶかもしれないと身を案じます。
「スパイ転生」のトリック
しかしとうとう千尋の部屋に向かう島崎を目撃した丸子は
電話中だった荒川との会話を切り上げ、千尋の部屋へ入った島崎の後を追い
その扉を開けました。
するとそこには監禁された千尋の姿が・・・。
次の瞬間背後から現れたのは島崎でした。
一方、荒川は丸子が何が変なことに巻き込まれたのではないか
と心配して千尋の部屋を訪れました。
千尋と隣に座る島崎は荒川に対応し、自分たちの正体は国際的な犯罪組織を
追ってこのマンションに潜入している公安課の刑事なのだと暴露します。
そしてこれまでの住人たちが丸子に話していた、
血だらけの女性の目撃や島崎自体が血だらけだったこと、
意識のない千尋を抱えて部屋に連れ込んだ島崎の行動などの
不審な点の説明をし、全てが誤解であったと話しました。
2人は丸子に疑惑の目を向けていたと言いますが、
実際の犯人は現在、このマンションから消えている巻坂だった
と言います。
巻坂がマンションから居なくなったのも逮捕されたからだと
打ち明けました。
すると2人の話を聞いていた丸子はふと本棚に並んだ本に
千尋が話す登場人物の文字が並んでいることに気づきます。
千尋の小説『スパイ転生』ではそれぞれの登場人物の
最初の文字をつなげていくと答えになる
というトリックが使われていたのです。
それを思い出した丸子は今、千尋が話す登場人物
「須藤・別府・寺田・梅沢・相馬」の頭文字をつなぎ合わせると
『すべてうそ』
になることに気づきました。
丸子はマスキングテープを落としてテーブルの下を覗きこみます。
すると千尋が島崎にナイフで脅されている様子が目に入りました。
荒川もまた、丸子から聞いていた「スパイ転生」のトリックを
思い出し、疑念が確信に変わります。
次の瞬間、島崎をめがけてファイルを飛ばす丸子。
そしてひるんだ島崎を押さえつける荒川という連携で無事に
事なきをえることができました。
犯人の正体とは?
犯人の正体はズバリ島崎でした。
千尋と島崎が実は公安の刑事だったという回想が事細かだったせいで
真実が何かということが複雑になってしまいましたが、
トリックが示すように、回想シーンが全て嘘だったということになります。
真実は島崎は殺人犯で、千尋はこのマンションで
2人目のターゲットだったということです。
また意識のない千尋を部屋へ運んでいた姿を巻坂が目撃していることから
この時に、監禁が始まったのだと思われます。
そして一人目の被害者となった流川翼の荷物受け取りに関する
丸子とのやり取りで島埼が話した
「明日とか? わからないですけど」
「早い時間がいいですかね? わからないですけど」
会話の「わからないですけど」という言葉が
もしも明日や早い時間に自分がこの部屋にまだ居るのかどうかは
わからない=流川をいつまで生かしておくのかわからないよ
という意味だったのだとすれば怖いですね。
消えたあの人は誰?
現場に警察が駆け付けると、島崎は連続殺人犯なのだと言います。
一人目の被害者はなかなか荷物を届けられなかった
203号室の流川翼が実は島崎に監禁され殺害されていたことが
判明したのです。
しかしふと「連続?」ということは他にも犠牲者がいる?と
疑問を抱く丸子。
亡骸を運び出すため警察官が浴室へ向かい、
丸子もまた何かを察知して胸騒ぎを抱えながら向かいます。
すると丸子が目にしたその人物は既に息絶えていました。
そしてその人物こそ丸子自身だったのです。
丸子が島崎を追って千尋の部屋に入った時、
彼女が監禁されていることに気づいたものの、
背後から現れた島崎によって刺されてしまったのです。
その時に丸子の命は絶えてしまっていました。
しかし丸子には千尋を助けたいという強い思いがありました。
そしてその思いはこの世界に丸子をとどまらせていたのです。
最後のメッセージ
千尋は丸子が島崎に投げつけたファイルは
「まるこ」がサイトに投稿してくれた応援メッセージの
数々だと言います。
初めてのメッセージをくれたのも、くじけそうな時に支えてくれたのも
まるこのメッセージだとし、大切にファイリングして保管していたのです。
もしかしたら丸子がまだそこに居て、ファイルを投げつけてくれた
のかもしれないと思いつく荒川。
すると、丸子は本棚から本を落とし、
「イル」
とサインを送ります。
そこに確かに存在するのであろう丸子に感謝の思いを告げる
千尋に今度は
「さよなら」
というメッセージを送ると、丸子は静かにこの世界から
去って行ったのでした。
丸子転生
丸子が目を覚ますとタキシードに身を包まれていました。
そこへ現れたのはドレスをまとった千尋???
丸子は千尋の小説『スパイ転生』の中の主人公・S級スパイとして
生まれ変わり、その世界で生きていくのでした・・・。
『あの人が消えた』感想
丸子が流川翼宛にかけた電話口の声が
まんま染谷将太だと感じたので、彼の犯人説が視聴者の中で
早々に確定してしまった人も多かったのではないかな?
と思いました。
しかし丁寧な人格なのにゴミの分別に関しては全然できない
という巻坂を演じた中村倫也も怪しすぎて絶対何かある!共犯か?
という疑念を持っていたんですよね・・・。
それで、実は巻坂が犯人で、ゴミに紛らせて爆弾の部品を小分けに出していた
という解説に一番驚愕しましたが・・・それは嘘で実際は普通に住人だったのが
予想外の展開で面白かったです。
中村倫也をこんな配役に使うなんて贅沢だと感じましたが、
それが功を奏してミスリード要因として密かに大活躍でした。
丸子が遂に千尋の部屋に突入した直後、荒川が表れて
一見、千尋と島崎と丸子と荒川という4人での会話が始まったように
見えますが、実はカップが丸子以外の3つしかないこと、
そして荒川が「丸子が危険なことに巻き込まれたのではないかと
思ってやって来た」
という発言で勘が働く視聴者にはバレてしまうので、
もう少し、丸子が実はもう息絶えている
という真実を終盤まで隠しても良かったのかな?と思いました。
しかしながら丸子の名前自体がもうネタバレチックでもあり、
そこは狙いではなかったのかもしれません。
田中圭が演じる荒川は頼りになる優しい先輩で本作で最も魅力的な
登場人物でした。
将来は小説家の夢を叶えて欲しい。
ラストは丸子がマンションの住人を助け、千尋を助けることに
も成功し、しかしながら自身の命は犠牲になったという
悲しい結末になってしまいました。
それでも丸子が千尋を助けたかった理由のひとつに
千尋が執筆する小説が生き甲斐だったからということが
ありました。
丸子はこの世界で人生の幕を下ろしてしまいますが、
その代わり、念願の千尋の物語の世界で自身がS級スパイとして
転生できたという救いも与えられました。
突拍子もない願いを叶えたというラストでもあったのかもしれません。
願わくば、沢山したいことや夢が転がっているような
希望に満ち溢れた世界がここにも、誰の元にもあったらいいのにな
と思わされる一作でした。