山崎賢人さん主演の【夏への扉~キミのいる未来へ~】はタイムトラベルものSF作品といった
難しい内容でありながら、このタイトルは実に暖かみがありますよね⁈
でも…映画を視聴された後で
『ところで夏への扉ってどういう意味だったの?』
という疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか?
そんな訳でこの記事では、内容とは裏腹なタイトルの意味と、この物語の〖気になるコト〗を検証してみました。
この記事を最後まで読んでいただけると、
【夏への扉~キミのいる未来へ~】のタイトルの意味や難解な設定の解釈の手助けになってもらえることと思います。
この記事はネタバレを含みます。ご注意くださいませ。
【夏への扉】とは
主人公・高倉宗一郎の愛猫ピートは
毎年冬が来ると〖寒いのが嫌い〗という理由で、家じゅうの扉の何処かが
夏へと繋がっている
と信じ続けて、飼い主に扉を開けてくれ…とせがむ
そんな〖夏への扉〗の描写がありましたね。
ではその描写の裏に隠された意味とは…
扉の先にあるもの
ピートが探す扉の先にあるもの…
それはタイトルの通り〖夏〗です。
『冬が嫌い』だから懸命に夏へ繋がる扉を探すピート。
本当は冬の扉の先にあるものはやっぱり冬…。
だけれど、そんな事実はどうでもよくて、
ピートはただ信じているのです。
そしてそのためならば、何度でもチャレンジするし、諦めはしません。
宗一郎もまた、最初に目覚めた未来のその傍らには、璃子もピートもいません。
そんなのは嫌だから、諦めずに戻れるかもわからない過去の扉を開けてその先にあるものを目指すのです。
ピートにとっての〖夏〗は宗一郎にとっての〖大切な人(璃子)〗であり
宗一郎にとっての〖扉〗とは〖大切な人を見つけるためのタイムマシーン〗
なんですね。
タイトルの裏に隠された希望と未来
ピートは結局、夏への扉を見つけることはできなかったかもしれませんが、
毎年のようにそのチャンスはやってきて、
毎回チャレンジする機会を得ているわけです。
だから諦めなかった。
冒頭で〖大切な人をなくす運命にある〗ことを嘆く宗一郎
ですが、毎年ピートが諦めなかったように
一度は自暴自棄になったりした宗一郎も最終的には諦めませんでした。
どんな時にもかすかな希望は存在するのであって、
そのかすかな希望を諦めないことで
運命を覆す未来はおのれでつくればいい…
そんなメッセージが隠されているのではないか?
と思いました。
ロボットのピート
過去の璃子に会えた人型ロボット・ピートは璃子に
『あなたは誰ですか?』
と聞かれて
『宗一郎の子どもです』
と答えました。
30年後の未来で出会った時の宗一郎の印象は
〖めんどくさい人〗だったピート。
共に冒険の旅をし、困難なミッションをクリアするために尽力し、
宗一郎の心情に触れて
ピートは成長しました。
そして、胸を張って言えたのです。
『宗一郎の子ども』だ…と。
絶望感にあふれた宗一郎もまた
冬の真っただ中だったようなその心は、
人型ロボットでありながら、宗一郎のために懸命になるピートに触れて
雪解けをしました。
全ての黒幕は宗一郎
コールドスリープから目覚めた宗一郎は
璃子の行方、自分を陥れた者たちの末路、
AIピートを作ったアラジンという会社の社長の存在を知ります。
さらに時間転移装置の開発をする遠井教授と会っていたという過去も。
それらをひっくるめて、この未来は自分が仕組んだことだと察知するのです。
なぜ宗一郎が過去へ戻ったのか?
宗一郎がかつて務めていた会社の未来の社長(坪井)が
少年時代に宗一郎に会って激励を受けたといいます…
しかしながら宗一郎にはその記憶はありません。
過去におこなってきたはずの記憶がない以上
示された未来を確実なものにするためには
アラジン社社長に就任している佐藤さんに会わなければいけませんでした。
佐藤さんの信頼を得ること、そして株式を譲渡し、アラジン社を設立してもらい、
ピート1号機のことなどを託す…。
そうして作られた未来を実現してくる必要がありました。
そうしなければ未来が、璃子の運命が変わってしまうかもしれないから…
総一郎は迷うことなく成功するかわからない過去への旅にでました。
時間軸はひとつ
劇中、最もややこしい設定が、冷凍睡眠とタイムトラベルによる時間軸はどうなっちゃうの?問題でしょう。
冷凍睡眠から目覚めた未来の宗一郎が
過去に戻った際、二人の宗一郎が存在していたのだから
パラレルワールドができちゃったのかな?
…と思われますが、
劇中でタイムマシンを開発した教授が『時間軸は1本』なのだと説明していました。
つまりパラレルワールドが出来たわけではなく、一定の時間軸でループしているということですね。
なので
かつての恋人(白石)に裏切られ冷凍睡眠させられてしまう宗一郎と
時間転移装置で過去に戻ってきた宗一郎は同一人物ということになります。
この辺はホント難しいです。
こんがらがっちゃう私のような人ならば…
深く考えないのがおススメですwww
【夏への扉】には原作がある
映画【夏への扉~キミのいる未来へ~】の元は
1956年
SF小説家のロバート・A・ハイライン氏による【夏への扉】(The Door into summer)です。
タイムトラベルやタイムパラドックスを見事に描いた本作品は
後の人気作
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なども影響を受けていると言われています。
是非人型ロボット・ピートが不在の元祖も読んでみたいですね⁉
まとめと感想
山崎賢人さん主演映画【夏への扉~キミのいる未来へ~】タイトルの意味や
気になるコトについて紹介してきました。
〖夏へ繋がる扉〗を開けるために諦めないピートの姿に
どんなに辛いことが起ころうとも
簡単に未来を諦めてはいけないのだと激励される作品でした。
私は原作はまだ未読なのですが、
人型ロボット・ピートは映画のオリジナルキャラだというから驚きました。
愛猫のピートの存在はもちろんですが、
人型ロボット・ピートがこの物語のカギをにぎるような
重要な立ち位置にいるといっても過言ではないように思います。
人型ロボットのピートがいたから、人の心というものの存在感が印象的になり、
その心を思いやるからこそ互いの成長ができることを見ました。
そんな人生における大切なことが暖かく描かれていたと思います。
【夏への扉~キミのいる未来へ~】は
ホッとするハッピーエンドがお好みの方にオススメの作品です。
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