映画【バスカヴィル家の犬】犯人は原作と同じ?予告で流れる13の嘘とは何?

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原作はアーサー・コナン・ドイルシャーロックホームズの長編小説の中でも人気の一作。
【バスカヴィル家の犬】

日本では初めての実写化映画として制作された本作は
ドラマ版『シャーロック』の劇場版であり主演はドラマ同様ディーン・フジオカ
が演じています。

物語の舞台も日本の瀬戸内海にある孤島に変更された本作ですが
犯人は原作とは異なるのでしょうか?

犯人は誰ニャンだろう?

予告にあった【2つの誘拐】と【13の嘘】が気になるんだわんっ!

そこで本記事では気になる
犯人の正体

13の嘘
について考察しています。

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【バスカヴィル家の犬】あらすじ紹介

瀬戸内海の離島に住む、日本有数の資産家・蓮壁千鶴男から
リモート通話で若宮への依頼が来た。

その内容は蓮壁の娘である紅が誘拐され身代金を要求されたので
受け渡し場所へ出向いたが、お金は持ち去られず、
蓮壁は赤く光る眼を目撃したのち罠にかかって怪我を追ってしまうが
なんとか自力で帰宅した。

すると紅も無事に帰宅していたのだという。

そしてその犯人を捕まえたいというのが若宮への依頼だった。

その会話をしていた最中、画面を通して若宮と獅子雄は
目の前で蓮壁が倒れ、絶命してしまうのを目撃する。

直後に帰宅した蓮壁の長男・千里が父を発見した。

獅子雄と若宮はこの件に関する取り調べを受けることになり、
蓮壁の足には噛まれたような跡と、狂犬病の発症という
検死結果を知る。

現在、日本では発症歴のない狂犬病が何故?
という疑念から、事件の真相の謎を解くため
獅子雄と若宮は瀬戸内海の離島へと向かった・・・。

登場人物キャスト役柄
誉 獅子雄ディーン・フジオカ犯罪捜査コンサルタント/名探偵
若宮 潤一岩田 剛典獅子雄のバディにして元精神科医の経歴をもつ
蓮壁 紅新木 優子蓮壁家の長女
蓮壁 千鶴男西村 まさ彦蓮壁家の当主にして日本有数の資産家
蓮壁 衣羅稲森 いずみ蓮壁千鶴男の妻
蓮壁 千里村上 虹朗蓮壁家の長男
冨楽 朗子広末 涼子蓮壁家のリフォームを担当する業者/雷太の妻
冨楽 雷太渋川 清彦蓮壁家のリフォームを担当する業者/朗子の夫
捨井 遥人小泉 孝太郎地震工学研究室の大学准教授/千里の元家庭教師
馬場 杜夫椎名 桔平蓮壁家の使用人
江藤 礼二佐々木 蔵之介警視庁捜査一課長

以下、映画、原作の断片的なネタバレが含まれます。
未視聴、未読の方はご注意くださいませ。

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本記事の情報は2023年7月時点の物です。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

13の嘘とは何だったのか

〖魔犬の呪い篇〗の予告に出て来た『13の嘘』とは何だったのか?

それは恐らく『2つの誘拐』に関係する嘘。

この『13の嘘』について様々な解釈があり、
制作サイドの正解もあると思われますが、

この記事では、本サイトでの1つの答えとして推察してみました。
(順不同で失礼しますm(__)m)

⓵紅の誘拐

冒頭、蓮壁千鶴男から若宮の元にリモートで依頼があった

『犯人を捜して欲しい』

という〖紅の誘拐事件の犯人〗

ですが

紅の誘拐自体が自作自演の偽装工作だったので

これは千鶴男を狙うための嘘でした。

②蓮壁家に届く脅迫状

紅の誘拐事件の少し前から蓮壁家には、新聞紙の文字を切り張りして作ったと思われる
脅迫状が届いていた。

その内容は

黒犬の祟りに見舞われたくなければ早々に立ち退け


というもの。

一見、悪意のこもったこの脅迫状だがその実情は、
地震研究者で大学の准教授である捨井遥人が差し出し人であった。

蓮壁家の住む地に代々伝わる黒犬の呪い

しかし
早々に立ち退かなければ黒犬の祟りに見舞われる

というのは捨井が伝説を利用した嘘であり

その裏に隠された真実は

捨井は紅に恋愛感情を持っていた

そして蓮壁家の老朽化は深刻なもので、
近々起こりうる大地震に耐えられるものではなかった。

そこに住み続けていれば紅にも危険が及ぶため
紅を守ろうとしてついた嘘だった。

③千鶴男の財産が隠された鉱山のカギ

瀬戸内海の島に降り立った獅子雄若宮を迎えに行った蓮壁家の長男・千里

蓮壁家に向かう車中で、千里に疑いの目を向ける発言をする獅子雄。

銀行を信用していなかった千鶴男は鉱山の金庫に財産を隠していた

千里はその金庫目当てに鉱山に行くつもりでは?

と疑う獅子雄に千里は

父の持っていたカギがみつからなくて

と嘘をつく。
実際は千里のポケットの中に忍ばせていた。

持っているカギを持っていないことにした千里の嘘。

それは獅子雄の指摘が真意を突いていたため
後ろめたさを感じた千里は咄嗟に嘘をついてしまったのでしょう。


そして結局は鉱山へ行こうとする千里。

食事の席で鉱山へ行くと公言した千里は

父のことをもっと知りたいだけ

といいますが、鉱山にあると思われるのは財産と遺言書。

そして父親が倒れた際の千里の態度から察すると

千鶴男に対して愛情はない訳ではないと思いますが、
まだまだ親に依存している側だった千里。

自分の喪失感や悲しみというよりも
父親が自分に対して抱いていた愛情の重さの方に興味があったのではないでしょうか。

遺言書の内容に自分がどう関わっているのか。

金庫に隠された財産の総額はいかほどなのか。

千里が知りたかったのはそんなところでしょう。

まだまだ精神的に幼かったといえる千里がついたのは
自分を擁護する嘘だった。

④娘に接触するため

娘が誘拐されてしまってから何年の月日が経とうとも
諦めることはしなかった冨楽夫妻

だからこそ偶然、同じ場所に居合わせて若い女性の目を見ただけで、
失った我が子だと、ピンときたのです。

我が子であるという確かな証拠。

その一つは背中に存在する犬の形のあざ

それを確かめるべく、
工務店を営んでいた冨楽夫妻は名前や店名を変え
リフォーム業者を装い、娘に近づくために蓮壁家へと訪れた母親の朗子。

娘がキャバクラでバイトしていることをつきとめた雷太もまた
娘に会うため、名もなき客を装い会いに行った。

冨楽夫妻がついたのは
娘に会うための嘘だった。

⑤若宮への気持ち

自分に興味がありそうな若宮に対して、
自分も若宮みたいな説教タイプは嫌いじゃない

と言ってみたり、

千鶴男と千里が不幸にあったから次は自分かもしれない


自分の犯行にも関わらず、若宮の前で不安を見せる紅

これらは若宮の気を引く嘘の言葉や態度。

若宮をいざという時の味方につけたかった故の嘘でしょうか?

最初は若宮を利用したかった紅。

しかしながら、若宮が鉱山へ行くと言った際、
若宮を引き留める紅、自分も行くと言った紅
あれらはいつの間にか本心になってしまった紅のほんの一瞬の恋
だったのかな?と思いました。

⑥金庫にあった遺言状

若宮を鉱山に向かわせた獅子雄。

若宮に嘘をつきこの事件の関係者をおびき寄せるためでした。

千鶴男や千里の事件を目の当たりにし、
疑心暗鬼になっている若宮自身をもって
着ぐるみの獅子雄の姿さえも魔犬の呪いに見えてしまうことを
裏付けた。

そこへ冨楽夫妻もやってくる。

獅子男、若宮、冨楽夫妻、冨楽の甥のユーチューバーが揃ったところで
千鶴男の遺言状の中身を読み上げる獅子雄。

だがその相続人の中に、紅の名前はなかった

しかし、この遺言状は白紙であったことが
後に明かされる。

獅子雄がついた嘘。

それは冨楽夫妻に自白させるための嘘だった。

⑦冨楽夫妻の告白

白紙の遺言状を読み上げた獅子雄の嘘によって

紅に多額の遺産を相続させるために手を尽くした冨楽夫妻
は落胆してしまう。

そして全てを観念したように告白をはじめた。

それは20年前に娘を誘拐されたこと。

蓮壁紅こそが冨楽夫妻が誘拐された娘であり
その本名は冨楽碧海であること。

そして蓮壁家に起こった一連の殺人事件は
娘である碧海に蓮壁の財産を継がせて幸せに暮らすため
に冨楽夫妻が立てた計画だった
と。

しかし獅子雄には見抜かれてしまった。

冨楽夫妻が誰かを庇って嘘をついていることを。

冨楽夫妻の嘘は
この計画を立てた紅を庇うための嘘だった。

⑧衣羅が千鶴男に送った嘘のメール

20年前、子守りの最中に転寝をしてしまった衣羅。
その隙に幼かった蓮壁の本当の娘は浴槽に落ちてしまった。

衣羅が目覚めて娘が居ないことに気付き、
娘を見つけた際にはすでに幼い命は絶えていた。

娘を失った悲しみと共に、
夫に知られることを恐れた衣羅は、
ショッピングモールの外で転寝をしていた雷太を発見した。

そして雷太の傍らに居た碧海を連れ去ってしまう

そのまま碧海を紅として迎え、
出張に出ていた千鶴男へすり替わった碧海の画像と

紅は沢山遊んでぐっすり眠っています

という嘘のメールを送った。

衣羅の嘘は
千鶴男の逆鱗から自分を守る為についた嘘だった

⑨千鶴男や千里が見た魔犬の正体

千鶴男や千里が見たとされた魔犬の正体
それは
その地に伝わる魔犬の伝説。

それを利用し、ドローンで飛ばした魔犬ロボットだった。

そしてあたかもそれらしく千鶴男や千里のスマホで撮影して画像を残したのは
紅だった。

魔犬が存在するという嘘

それはその犯行の容疑者を魔犬の伝説にむけさせるための嘘だった。

⑩千鶴男が使った消毒液の本当の中身

千鶴男が誘拐犯との受け渡しのため出向いた鉱山から戻った際、
トラップにかかって怪我をしていた千鶴男に紅が渡した消毒液

しかしその中身は純粋な消毒液ではなく
計画のため、冨楽夫妻が用意して紅に渡した狂犬病ウィルスが混入させてあった

紅は怪我を負った千鶴男に消毒液のボトルを渡し、
千鶴男がそれを使って消毒することで狂犬病を発症するよう仕向けた

紅が渡した偽の消毒液。

千鶴男に狂犬病を発症させるための嘘だった。

⑪真実を知った紅の複雑な心境

冨楽夫妻に全ての真実を打ち明けられた紅。

自分が蓮壁の血の繋がった娘ではないことを知る。

通常ならば、突然そんなことを打ち明けられても

このおっさん、何を馬鹿なことを言っているのだろう

と思われても仕方ない。

しかし紅の場合は一瞬にして事態を飲み込んだのだ。

それは心当たりはありすぎるほどあったから。
それが真実だとしたら全て辻褄が合うから。

それほどに愛情に飢えて育った紅

そんな打ちひしがれた紅に雷太が言う。

これからウチらと一緒に暮らさないか?

そう言われた紅の表情が読みとりづらかったのですが
嬉しさと共に、今までの生活との格差を感じた複雑な気持ちになった。

そんな表情にも見えました。

そして紅は返答する。

3人で幸せになろう(沢山お金を貰って)

蓮壁の両親から自分が大切にされなかった記憶。
実の弟でさえも仲良くしてはくれなかった。

20年もの間、孤独に苦しめられた紅はずっと自分を責めていた。

しかしそれは間違いだった。
自分のせいじゃなかった。

そんな真実を打ち明けられた紅は何を思ったのか?

真実がわかったその時、20年間分の愛情と苦悩は
憎しみに変わったのではないでしょうか。

実の両親が自分が不在にも関わらず、用意してくれた自分の部屋。

その空間に込められた愛情が嬉しく感じたことに違いはないが、
それよりも、あの家族に報いを。

咄嗟に考えたのは復讐

本当の家族と幸せになりたい
その気持ちは嘘ではないだろう。

しかしその内情は
『幸せになるために手をかして(本当の家族なら)』

ではないでしょうか。

紅の嘘?は
本当の両親に対する自分への愛情を測ったものであり
駄々をこねる幼い子に戻ったような嘘だった。

⑫ベランダで描いた心象風景画

若宮が紅に向かって
『楽しそうですね』

と言っていた女の子がブランコに乗っている心象風景の絵。

そのブランコ乗ってみたいな

と思わせられるものでした。

しかし朗子が紅の部屋で目撃した絵は・・・

そんな楽しそうな心象風景画とは裏腹に
海の底へと沈んで行きそうな絵。

誰が見ても、
ちょっと手を差し延べた方が良さそうな絵でした。

若宮には楽しそうな嘘の絵を見せた紅。

それは紅が抱く理想郷を描いた嘘だった。

⑬唯一の味方だった馬場の告白

千鶴男と千里がいなくなった今、計画完了のための標的は
衣羅のみになった。

しかし
若宮が獅子雄の指示通り、紅を睡眠薬で眠らせたので最後の犯行は
できないだろう油断していた。

だが
紅には屋敷の中に唯一の味方が居たのだ。

20年前、蓮壁の秘書だった現使用人の馬場

衣羅が碧海を誘拐するのを黙認して協力してしまった馬場は
責任を感じていた。

千里が生まれてからは愛情に飢え、家族から邪険に扱われ、
孤独になった紅を馬場だけは見捨てなかった。

紅もまた父の日には馬場の似顔絵を描いてプレゼントするなど、
2人は互いに心の隙間を埋めるように
親子のような存在と化していたのかもしれない。

そんな紅が真実を知って、蓮壁への復讐を企てていること
を知った馬場は、紅の犯行を黙認する。

そして眠らされて実行できない紅の代わりに
最後の標的である衣羅を殺めた。

その後、

全ての計画は私が実行しました

という告白文を残して
自らも命を絶ってしまう。

千鶴男や千里の犯行、首謀者は紅なので
馬場の告白は嘘ということになります。

20年前、碧海の誘拐を黙認するべきではなかった
という自責の念、後悔。

それはやがて娘に対する愛情へと変わり、
紅のためならば何でもしてあげたいと思った。

馬場の嘘は馬場にとって
娘同様であった紅(碧海)に対する懺悔と愛情の証だった。

以上、筆者が選んだ13の嘘でした。

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まとめ・映画と原作では犯人が違う

〖黒犬の呪い〗と称され、蓮壁家を襲った悲劇。

その正体は、蓮壁家の長女・紅による復讐でした。

蓮壁家の本当の娘・紅は20年前に亡くなっていました。
紅だと思われていたその女性は、本物の紅の代わりとして誘拐された
冨楽夫妻の娘・碧海だったのです。

蓮壁衣羅にとって、娘を失くしたことを隠し夫の目をごまかすためだけに
連れて来た碧海には愛情もなにもありませんでした。

真実を知った蓮壁千鶴男も同様。

そんな夫妻に愛情を注がれることはなかった碧海は、
自分とは真逆に溺愛される弟・千里をずっと見てきました。

自分が不幸で孤独な理由を自分が悪いに違いないと、
自責の念にかられながら生きてきた苦しみの20年。

その真実が明るみにでたとき、
碧海の愛情と悲しみは憎しみへと変わりました。

本作の犯人と原作の犯人は異なる…という結果でした。

原作における犯人は、

越してきたばかりの、昆虫博士を名乗るステイプルトンという男性
実はバスカヴィル家の血を引いくロジャー・バスカヴィルという人物で、
財産を奪おうとしての犯行でした。

因みに原作では千里(原作におけるヘンリー)には姉はいません。

少しずつ設定や登場人物が異なる原作も必見ですね!

原作『バスカヴィル家の犬』を読むならコミックシーモア!

劇場版『バスカヴィル家の犬』を読むのもコミックシーモア!



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