映画【ヴィレッジ】ネタバレ考察|謎の穴とラストの涙エンドロール後の意味とは?

邦画
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閉鎖的なひとつの村の実体と闇、そしてそれらに翻弄される主人公の運命を
辛辣に描いた横浜流星主演映画【ヴィレッジ】

映画を見終わった後

<br>

あれ⁈あの『穴』の回収は??

あのラストはどういうことなの?


と気になるコトもあったのではないでしょうか?

そこで本記事では

・穴の謎とは?
・『邯鄲の夢』を見た若者たち
・涙の笑顔とエンドロールの後

について推察しています。

あなたのお悩みのヒントになりますように❣

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【ヴィレッジ】あらすじ

霞門村は小さな集落でありながら、その景色は美しく、
伝統芸能〖能〗は神秘的なものだった。

その傍らにはそびえ立つ巨大なゴミ処理場がある。
このゴミ処理場の建設に反対した結果、村八分となり陰湿な村人の
仕打ちにより殺人を犯した後、自らも家に火をつけ命を絶った父を
持つ片山優。

優は犯罪者の息子として村人から忌み嫌われる存在として
このゴミ処理場で働いている。

母親がギャンブルに狂い多額の借金を抱えたせいで
優は夜間もこのゴミ処理場で違法行為を強いられていた。

そんな希望も未来もない毎日に荒んでいた優であったが
ある時、東京で暮らしていた幼馴染の美咲が村に帰ってく・・・。

キャスト
横浜流星(片山優)、 黒木華(中井美咲)、 一ノ瀬ワタル(大橋透)、
奥平大兼(筧龍太)、杉本哲太(丸岡勝)、西田尚美(片山君枝)、
木野花(大橋ふみ)、中村獅童(大橋光吉)、 古田新太(大橋修作)ほか

以下、作品のネタバレを含みます。

穴の謎とは?

ある時ゴミ処理場で優が見つけた大きな穴。
その穴を覗くと
『シューシュー』といううめき声?のような呼吸音的な何か
の音が聞こえてきました。

劇中で明確な回収がなかったこの穴の正体は何だったのでしょうか。

優の苦悩の叫び

優が見つけた穴のなかから聞こえる何かを、
村人ではない龍太には聞こえませんでした

そればかりかもしかしたら〖穴〗自体も龍太には
見えていなかったのかもしれません。

この穴の底にあるのは優自身の叫びだったのではないかと思うのです。
同時に村人たちの能面で隠された内側に抑圧された感情
の叫びでもあったのかもしれません。

違う場面で、村の広告塔にまで出世した優を
調子に乗るなと言わんばかりに
〖お前は犯罪者だ〗と罵倒した丸岡。

非情な現実を突きつけられた優は能面をかぶり
泣き叫ぶのですが、その声はまさに
優が聞いていたあの穴から聞こえた音そのもののようでした。

『邯鄲の夢』を見た若者たち

『邯鄲の夢』という能の演目が物語の重要なモチーフとして起用されている本作。

一瞬の夢を懸命に追っていたのは誰なのでしょうか?

片山優のヒカリ

幼い頃から父親の事件のせいで、村八分的ないじめを受け、
疎外感の中、孤独と絶望と共に生きて来た優。

そんな優に幼馴染の美咲が手を差し延べたことから
形勢逆転のチャンスが舞い込むのです。

優は村の広告塔となって村人からの脚光を浴び、
ギャンブル狂いで借金まみれだった優の母親でさえ、
道の駅?的なところで全うに働き、良い母と化していました。

以前と比べたらそんな夢のような生活に
いつしか優は固執していきます。

隣町から出稼ぎに来ている龍太だけは
そんな優に忠告します。

〖今の優が好きだ〗・・・と。

しかし現状を手放したくない優は手に入れた生活を守るために
嘘と犯罪にまみれてしまいます。
自分を村八分にしてきた村人のように・・・。

中井美咲の生きる証

霞門村を出て東京で就職した美咲。
しかし東京での生活は上手くいかず

〖人を怒らせる天才〗
だとまで言われて精神に異常をきたし帰郷することになります。

東京での勝負に勝てなかった美咲は
自分が生きている価値にまで疑問を呈してしまっていました。

そんな美咲が見たのは同じように病んでしまっている優でした。
美咲が傍で支えることで優は見違えるように変わり
美咲自身もまた広報担当者として村に貢献しました。

生きていて良いと感じることができる

そんな小さな幸せでした。

中井恵一のヒーロー

人とのコミュニケーションをとるのが苦手で独りぼっちの恵一。
村の中で孤独であるという点で優とは親近感をもっていたのかも
しれません。

そんな優が帰ってきた姉・美咲と仲良くなり、
村の救世主的な存在になると、
優を自身のヒーローに掲げ、ごみ処理場で働きだします

そして自分もいつか優のようなヒーロー
なることを夢見て・・・。

そして村の闇を知る・・・

村長の息子で悪事は親が隠蔽してくれるから好き放題の
今度は帰ってきた初恋相手の美咲に襲いかかりました。

優は美咲を助けるため尽力しますが反対にピンチに陥ってしまいます。
優を助けるため背後から透を襲う美咲。

その様子を恵一も目撃していました。

その後、美咲によって息が絶えてしまった透を
ゴミ処理場に埋めて何事もなかったように日常に戻った2人。

そこから夢は崩れ始めていきます・・・。

村の罪

ある日恵一はゴミ処理場に不法廃棄物を発見し、村を出て刑事になった
光吉に報告に行きます。

ゴミ処理場の悪事が露呈し、透の亡骸も発見されてしまいました。

罪を被る覚悟をした優は村長の家へ

しかし実の息子が被害にあったにも関わらず、
『それはいい』と言い放ち、
美咲を生贄にしようとした村長。

優は父親も村長によってスケープゴートにされたのだと悟ります。

父親のことを軽くあしらう村長に怒りが抑えきれず、
村長を殺め、灯油をまき火をつけてしまった優。

こうして長らく村を仕切ってきた大橋の家はその建物ごと燃え尽きて
行くのでした・・・。

涙の笑顔とエンドロールの後

燃え盛る大橋家に到着する一台の警察車両。

実家が燃え、母親と兄の安否がわからないにも関わらず
実家に背を向け優を気遣う光吉。

村の実体を知っていながら、優に手を差し延べることなく
1人で村を出たことを悔いているその目が見つめる先には

涙の笑顔で振り向く優の姿が・・・。

涙の笑顔の裏で優が考えていたことを推察しますww

父親と自分を追い詰めた憎き村から出なかったのは
向こう側(権力を握る方)へ行くことを密かに夢みていたから。

そして一瞬垣間見た力のある側に居る自分。

けれど…気が付けば父親と同じように火をつける自分は
あの時と何も変わってはいなかった・・・

やっぱり身分に不相応な夢なんて見るもんじゃない。
ほんの一瞬のきらめきのために全てを失ってしまったから・・・。

しかしながら同時に
村にまつわる全てから解き放たれた安堵の笑顔でもあったのでは
ないでしょうか。

エンドロール後の意味

優の涙の笑顔で幕を閉じた本編には続きがありました。

閉鎖された感を匂わす巨大な工場と
のどかな村の風景。

そんな中、村を出ていく恵一の影が・・・。

あんな風になりたいと慕っていた、姉を救ってもくれた優の存在は
恵一にとって村での道しるべのようでした。

そんな憧れの人のようになりたかったから告発した村の罪なのに、

優に『余計な事をしてくれた…』と言われ
『ヒーローになりたいのだろ?』と強要してくる嘘に、

恵一はキレイごとではない現実を突きつけられました。
そして今まで見ていた夢に見切りをつけ
〖一人で〗村を出ていく決意をしたのです。

姉を置いて行くのは、あの後、

美咲も罪を認め逮捕された
か、
まだ精神状態が良くない美咲は、
『生きていても良いんだ』という夢から覚めてしまった
のかもしれません・・・。

【ヴィレッジ】の感想

本作を見終わった後に、何だかイヤ~な感じが残るのは
この物語が自身とは無関係に思えない証なのでしょう。

それでは一体誰のように生きていけばいいのか。

この登場人物の中でその候補者が居るとするならば、
それは光吉恵一なのでしょうか。

光吉のように見切りをつけるならば早い方が良くて、

恵一のように、和を乱さないように努力はしつつ、
決して信念は曲げなければ落ちていくことはない
ということでしょうか。

霞門村にかかる霧のように、
今多くの問題が勃発していようとも
直面する問題にどう向き合っていくのか、
その生き方の正解が誰にもわからない

そんな現状を描いているかのようでした。

霞門村は日本の縮図だと称した制作サイドの思惑通り、
日常で面を被っていなければ生活していくのは
難しい現代に恐怖を感じる一作です。

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