ネタバレ考察【ノック 終末の訪問者】原作と違うラストに込めた意味とは?

洋画
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『シックス・センス』『ヴィレッジ』『オールド』などを手掛けた
Ḿ・ナイト・シャマラン監督の最新作
【ノック終末の訪問者】

原作はアメリカの作家・ポール・G・トレンブレーによるホラー小説。

原作とはラストが違うって本当??

映画化にあたってシャマラン監督は原作の結末を改変すること
を条件にしたのだとか。

監督が原作とは違うラストにした意味は何なのか?
深堀りしていきたいと思います。

シャマラン監督作品【オールド】の記事はコチラ

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【ノック 終末の訪問者】あらすじ

エリックアンドリューは娘のウェンを連れて
森の中のキャビンで家族水いらずの休暇を過ごしていた。

ウェンが小屋の外でバッタと戯れていると1人の大男が話しかけて来る。
『君と友達になりたいんだ』という男だったが、
その言葉とは裏腹に武器を持った男女を従えていた。

怖くなったウェンが小屋の中にいたエリックとアンドリューに報告をしに
戻ると、先ほどの男たち4人組が押し入って来た。

彼らは言った。

〖世界の終末を止めるためにやってきた。
全人類を救うために家族を犠牲にする選択をして欲しい〗

・・・と。

キャスト
ジョナサン・グロフ(エリック/CV福山潤)、
ベン・オルドリッチ(アンドリュー/CV森宮隆)、
クリステン・ツイ(ウエン/CV木野日菜)
デイヴ・バウティスタ(レナード)、ニキ・アムカ=バード(サブリナ)、
ルパート・グリント(レドモンド)、アビー・クイン(エイドリアン)他

【ノック 終末の訪問者】を視聴するには

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ブルーレイを購入してじっくり楽しむのもアリですね!

以下、作品のネタバレを含みます。
未視聴の方はご視聴後のご来訪をお待ちしております<(_ _)>

本記事の情報は2024年1月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

ネタバレ注意!ラストの意味深なシーンを考察

前半は原作に忠実に再現されたものの
中盤あたりから原作とは違う設定や演出がなされる本作。

特にラストの改変は意味深なものでした。

そうすることで監督が伝えたかったことは何なのでしょうか。

原作のラストは?

原作と映画で大きく異なるのはウェンとエリックの結末です。

原作では、ウェンはアンドリューとレナードが争っていた際に
巻き込まれる形で命を落としてしまいます。

悲惨なのはそれが『選択』ではなく『事故』だったとみなされることです。
選択ではない以上、終末が回避されることはありませんでした。

そうしてウェンを亡くしたエリックとアンドリューはキャビンを離れますが
2人は何があったとしても決して互いを傷つけるようなことはせず
共に生きて行こうと誓います。

言い方を変えれば、世界中の誰を犠牲にしようとも
最愛を貫いたのです。

映画のラストは?

一方で映画版では訪問者の4人全員が命を絶った時点で
アンドリューたち家族3人は生存しています。

しかしながら、エリックはあるビジョンを見てしまうのです。

それはアンドリューとウェンの明るい未来を描いたビジョン
そしてそこにエリックは居ない・・・。

家族3人でキャビンを脱出できても、終末が訪れれば
幸せは長くは続かないでしょう。

しかしながら自分だけが犠牲になれば
アンドリューとウェンという最愛の2人を助けることが出来る
そうすれば2人には幸せな未来が待っている。

だからエリックは自分が犠牲になる決意をします。

エリックが命を絶った後、アンドリューはウェンを連れて
4人が乗ってきた車を走らせます。

辿り着いた先で見たニュースでは、謎の事故やウィルスが
収束を迎えたことを示唆していました。

車の中には4人の荷物や身分証明書があり、
彼らは自分の情報について本当のことを話していた
ことが判明します・・・。

監督自ら明かすラストの真相

監督は本作について『不完全であること』に重きを置いているとインタビューで
答えています。

視聴者たちが自ら感じたこと、考えたこと、体感した恐怖と選択肢、
そんなところを共に埋めていって欲しいというメッセージでしょうか。

本作のラストでは、
訪問者の4人が話していたのは本当のことである

という描写があります。

本当のことを話していたのだから、やはり終末はアンドリューたちの
選択に託されていたのだと
受け取るのか。

それとも、アンドリューたちには何の罪もない。
そんな彼らにこんなにも過酷な試練が与えられるはずはない
と受け取るのか。

その場合、これは偶然にも4人の訪問者たちが似たような妄想を
してしまった結果なのだ。
そして閉じ込められた部屋の中で外部の情報も遮断され
犠牲を目の当たりにし、選択肢を無くしてしまったアンドリューたち

その結果、エリックは命を落としたが、最愛の人たちと世界は救われた
そしてアンドリューとウェンはその先も
痛みを分かち合いながら寄り添い生きていくのでしょう。

【ノック 終末の訪問者】のラストに込められた意味とは?

映画版【ノック 終末の訪問者】では
ラストに少しの希望が込められたのではないでしょうか。

原作版では、娘を事故で失って、アンドリューとエリックは
互いを傷つけるなどということはしないと決めました。

しかしもしも、終末が訪れれば・・・2人も、
世界も全滅に陥ります。

いわば0か100の選択肢の中で0を選んだ結果、
救いも0になった訳です。

一方で映画の方は、
エリックは犠牲になってしまいましたが、
大切な家族と世界中の人類を救うことに成功しています。

究極の絶望と恐怖にさらされたその中で
エリックは最後に少しの希望と最も大切な幸せ
見いだせたのではないでしょうか。

自分は無力ではなく、自分が犠牲になることは無意味ではないと
確信をもって旅立てたのかもしれません。

残酷なラストには違いないですが
その先にあるものにヒカリが当たったきがしました。


劇中に出て来た『7』という数字も
ラッキーの象徴である一方で、本作では不吉な数字として
ノックの数、ウェンの年齢、キャビンにいた人数などなどに
扱われていました。

そのように物事には裏と表が存在し、
このキャビンで起きる出来事のように
逃げ場もなく選択をするのも怖い、そんな過酷な状況下だからこそ
それらとは反対の希望や幸福を見いだせることがあるのでしょう。

エリックとアンドリューは思い合っているにも関わらず、
両親には良く思われていない態度をとられ、
バーでは見知らぬ人に因縁をつけられ殴られます。

ただ同性愛カップルというだけの理由で。

そんな周りの人たちの視線の中で生きる彼らの中に
芽生えた複雑に絡み合う迷いや葛藤は、
奇しくも最悪な状況に置かれた中で払拭されるのです。

エリックはアンドリューとウェンと共に生きたことを
改めて誇りに思い、
もう揺らぐことはない幸せを手に入れたのでしょう。

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