【ネタバレ考察】『スイート・マイホーム』犯人の正体と残酷なラストの意味

邦画
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第13回小説現代長編新人賞を受賞した神津凛子氏の小説を、
俳優として活躍する齊藤工監督がメガホンを取り映画化に挑んだ
『スイートマイホーム』

それはホームドラマなどではなく惨憺たるミステリーでした。

家族を脅かすものの正体とは何だったのか?
衝撃的すぎるラストが意味するものは?

など気になることについて推察しています。

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『スイート・マイホーム』あらすじ

スポーツインストラクターの清沢賢二は極寒の地、長野のアパートで
妻のひとみと娘のサチとの3人家族で暮らしています。

しかしその家は毎年寒さに耐えなければならず、賢二たちは暖かな家を求めて
地下に巨大な暖房設備が整い、タブレット1台で家全体を
暖かくしてくれるという『まほうの家』を購入するのでした。

家の購入を報告するため実家の母、美子の元を訪れた賢二は
『あいつら』の存在から家を守り続ける兄のがいまだ、
実家にひきこもり続けていることに不安を覚えます。

清沢家の念願のマイホームを担当するのは
営業で一級建築士の資格を保持する本田という女性でした。

自身の夫や娘も『まほうの家』で快適な日々を過ごしている
という彼女に設計も依頼することにします。

一方で賢二はスポーツジムの同僚であると不倫関係にありましたが、
原から婚約者との結婚が決まったため別れたいと告げられ不倫関係も解消に至りました。

そしてついに清沢家の新居が無事に完成します。
さらに家が建つ以前に妊娠中だった妻のひとみも
第二子となる次女のユキを出産し、家族は4人に増えていました。

そんな清沢家には、これから家族4人で幸せな日々が送れるはずでした・・・。

キャスト
窪田正孝、蓮佛美沙子、奈緒、中島歩、里々佳、吉田健悟、松角洋平、
岩谷健司、磯村アメリ、根岸季衣、窪塚洋介
 他

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2025年2月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

【スイート・マイホーム】の謎を紐解く

劇中で賢二の兄である聡が放つ

あいつらに見つかったら終わりだからな

という『あいつら』とは誰のことなのか?

そして実際に起きた殺人事件の犯人とは何者だったのか?

さらには衝撃的すぎたラストで描かれるその意味が気になるところでした。

『あいつら』とは誰のことなのか?

美子の夫であり、賢二の父は蒸発したと認識されたまま物語がすすみます。

ところが、ラストの方で、実は父に虐待を受ける聡を見るに耐えかねた
賢二が殺めたのだという真実が判明するのです。

父親は美子や聡、そして賢二という家族の幸せをぶち壊す
存在だった
と言えるでしょう。

そんな父親は賢二が手を汚したことで消滅しました。
しかしだからといって虐待や辛い日々、そして何より弟が犯した罪の記憶までもが
消え去る日は訪れはしないのです。

そんなトラウマもあり、精神を病んでしまった聡でしたが
心の奥底にあるのは、家族の幸せを奪われる恐怖、そして守れなかった弟を思い、
聡は今度こそ、家族を守るという使命を誓うのでした。

そのためには、邪魔な存在を家族の家に侵入させないこと、
そして弟の罪が暴かれるのを防ぐことが必須でした。

聡が賢二に言った
『あいつらがこの家を監視している』
という言葉を賢二は受け流してしまいますが、聡は本当に侵入者の存在を
察知していた
と言えるのかもしれません。

そして賢二が終わる時とは、罪が暴かれ逮捕される時

つまり、あいつらとは
父親のような家族の幸せを壊す侵入者であり、
弟を捕まえる警察のような存在なのではないでしょうか。

何者かによる監視を察知していた聡は
ユキが襲われようとしているのを賢二に見立て
かつてもそうしたかったように、今度こそ懸命に守ったのです。

清沢家に潜んでいたものの正体

清沢家に潜んでいたのは、
住宅会社の営業で設計などを一任していた本田でした

実際に起きた、甘利や原を殺害し、ユキを狙い聡を殺したのも
全て本田が実行したことだったのです。

本田は自身のマイホームを建てる直前に夫を事故で失くし、
授かっていたお腹の子も流産してしまったのです。

それ以来、実現するはずだった幸せな家と
そこに暮らす夫と妻、そして一人娘の3人家族という
家族のカタチに囚われ続けてしまいました。

幸せな家族の大黒柱は誠実でなければならず
不貞を排除したかった本田は賢二の不倫相手である原を狙いました。

そして一人娘が理想であったため、次女のユキは
本田にとって不要な存在
だったのです。

衝撃的すぎるラストが意味するもの

しかし本作で最も怖いのは、本田ではありませんでした。

本田の脅威を回避し、全てが終わったと思った瞬間、
それは訪れたのです。

本田が潜んでいた家、そこに帰るのは気が引ける清沢夫妻でしたが、
ひとみがユキを連れて戻ったので、賢二も帰宅します。

するとそこに待ち受けていたのは、
まだアレがみえる。だからアレはユキの中にいるってこと‽!
と言って、ユキの目を見開けないようにしてしまったひとみの姿でした。

この恐怖の結末が意味するのもとは?

本当の脅威は本田ではなかったということなのではないでしょうか。

その土地自体に母親、女性の念が存在していて、
屋根裏に住み着いた本田にとりついたのかもしれません。

実家に里帰りしたひとみや娘の身に何も起こらなかったのに、
本田が潜んでいた屋根裏に入ってしまった途端にひとみは
その思いを受け継いでしまった
からこその行動だったのではないでしょうか。

ともすれば、賢二が自分で見つけてきたと言うその土地にも
秘密が隠されている
のかもしれません。

もしかしたら本田の家が建つはずだった土地と
賢二の家が建てられた土地は同一のものだった
可能性はないでしょうか?

とはいえ、本田はユキの命を狙ったのに対し、
実母はユキの瞳に移る邪悪なものから目を塞いであげた
というのがひとみの言い分でした。

本田は奪われた家族を取り戻したい一心で
他人の家族ごと失われた幸せを手に入れようとしていました。

一方で、一見幸せそうな4人家族の一員であったひとみは
夫の不倫におそらく気づいており、ひとり孤独感にさいなまれていた
ことが推察できます。

そんな中で、その幸せを壊さないために自身の気持ちに蓋をしたことで
かえって負の思いは膨れ上がり、家族を壊す象徴であったユキの目に映る
部外者の存在や自身の醜い気持ちといった
不穏なものを退けたと言えるでしょう。

本田とひとみは、母親として女性として抱いた幸せへの執着が
闇に吞みこまれてしまった末の凶行
だったのかもしれません。

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『スイート・マイホーム』感想

セクシー系俳優、齊藤工の監督作品とあって注目しましたが
もう何本も監督としての作品が存在するのですね。

他の作品も見てみたいと思いました。

噂によれば、本作では設定などの変更はあるものの
おおよそ原作通りであるようです。

テンポ感も良く、不明な場面も少なく、
重要なメッセージ部分は見る人によって
それぞれの解釈ができるような自由さもあって楽しめました。

ところで賢二が過去の殺人を忘れていたのって何でだろう?
そのあたりが気になりました。

一見、聡が弟に汚れ役をさせてしまったという罪の意識から
精神的に病んでしまったように描かれていましたが、
実は賢二もまた自らの手で父親を殺めたというショックから自分を
守るために他の人格を形成したとか、
あるいは全く罪の意識がないので、まるで蚊でもたたき潰したかのように
忘れ去ってしまったとか。

実は本当に病んでしまったのは聡ではなく賢二の方だったのか?
というような、
そんな賢二の正体についても気になってしまいました。

おしゃれな家具に囲まれた暖かい家、
そこには幸せな家族が団らんをするリビングがあって・・・
という風に、家族やマイホームに夢を持つ人は少なくないでしょう。

そこが一日の疲れを癒す場所であるのは、
自分を迎えてくれる大切な存在が待つ場所だからにほかなりません。

もしそんな場所をすでにお持ちならば、
それが当たり前ではないことを忘れてはだめだと
思わせてくれる一作です。

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