『百花』の結末をネタバレ考察/日記が暴く事件の真相と半分の花火の意味

邦画

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『君の名は。』『告白』などのプロデューサーである
川村元気氏が原作、脚本、監督を務め菅田将暉原田美枝子のW主演で映画化した
『百花』

母子の絆を壊したある事件の真相とは何か?
日記の中身や半分の花火の意味など、
結末の解説を踏まえネタバレ推察しています。

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『百花』あらすじ

映像クリエイターの葛西泉は、シングルマザーの母・百合子
女手ひとつで育てられた。

現在は同僚の香織と結婚しているが、一人暮らしになった母の様子を
伺うため、年末に実家へ帰省する。

しかし実家に帰っても百合子は不在だった。
近所を探しまわる泉は近くの公園のブランコに腰掛ける百合子を
見つける。

何も持たずに買い物で疲れただけだと言う百合子は
『半分の花火が見たい』と呟く。

そんな母を連れ帰り実家に辿りつくと百合子は久しぶりの息子の訪問に
喜び料理を沢山ふるまう。

しかし2人はそれぞれのテーブルで別々に食事を摂り、
泉はTVに視線を向けたままだった。

そんなある日、泉は百合子がスーパーで万引きをしたと連絡を受ける。
駆け付けた泉はスーパーでの百合子の奇行を目撃し、
百合子を病院へ連れて行った。

誰かを追うように支払い前の品物を店外に持ち出した百合子の行動
や言動の理由がアルツハイマー型認知症のためだと判明し、
泉は愕然とする。

そうして少しずつ記憶があいまいになって行く百合子を
施設へ送り、実家を整理していた泉は、
百合子が大切に隠していた一冊の日記を見つけてしまう・・・。

キャスト
菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、北村有起哉、岡山天音、河合優実、
長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴、永瀬正敏
 他

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2026年2月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

『百花』の結末を考察

は母親・百合子に対し忘れられないわだかまりを抱いていました。

しかし百合子は認知症を発症し記憶自体を少しずつ手放さざるを得ませんでした。

そのことを考えれば辛くとも向き合っていかなくてはいけないと
葛藤していたある日のこと。

百合子の部屋を整理していると、泉はベッドの下に隠された
日記を見つけてしまったのです。

日記が暴く事件の真相

その日記には泉が抱いていたわだかまりの真相
したためてありました。

それは泉が子どものころ、突然泉を放置して出て行ったきり
1年も帰って来なかった百合子との空白の記録
でした。

泉を捨てて浅葉という見知らぬ男性の後を追ったという事実。
泉が食べる物にも困って空腹を偲んでいた時、
その彼と楽しくオムライスを食べていた記録

泉が全てを知り得なかったあの事件の真相とは、
百合子が母としての自分を自ら捨てて、
一人の女性として恋人に溺れ有頂天になっていた現実
でした。

真実を目の当たりにした泉は思わず嘔吐してしまいます。

自分を放置したのには何かどうしようもない理由があったからだ
と思いこみたかった泉の最後の砦はあっけなく破綻して行ったのです。

不可解な空き巣事件の謎

記憶が曖昧になって行く百合子の視点で描かれる
アルバムや記念品などばかりを盗むという不可解な
空き巣事件の記憶
とは何なのか。

泉にとっては壮絶だった1年間を百合子は、
母親ではなく女性としての幸せを全うした
という後ろめたくもある過去が存在しました。

百合子自身は後悔していないという幸せな日々と記録
を綴った日記を百合子は今でも大切に持っているのです。

空き巣は日記を残してアルバムや思い出の品を持ち去って行きました。

それはこの記憶の空き巣事件が描く、
百合子が愛情日記を残した代償として、
泉との記録や楽しい記憶、そして絆というお金では買えないものらを
失ってしまった
ことの
メタファーなのではないでしょうか。

「半分の花火が見たい」の意味

身重の香織と共に百合子の暮らす施設を訪れた泉に
帰り際、百合子が何度も言い続けて来た
「半分の花火が見たい」
と言い出します。

そこで香織が「半分の花火」について調べたところ、
湖から破裂させる打ち上げない花火が存在することを知ります。

そうして百合子に「半分の花火」を見せてあげた泉でした。

ところがその場から抜け出した百合子は
「半分の花火が見たいの!見たい見たい」
と駄々をこねるように言い続けたのでした。

しばらくして香織は出産し、泉は実家を売却するため
記憶を失って問いかけにも反応しなくなった百合子を連れて
実家を訪れていました。

その夜、縁側に腰かけ笑みを浮かべるような表情の百合子が見ていたもの
それは高層の建物に遮られ上部半分しか見えない花火でした。

泉はその光景を見て初めて思い出したのです。
まだあの事件が起こる前、この家から上がった花火を
百合子と眺めた楽しい思い出を・・・。

百合子が本当に見たかった「半分の花火」は
湖から見えた美しい花火ではありませんでした。

例え完璧ではなくとも大切な泉と見た花火が
百合子にとっては最も美しい百輪の花のような思い出
だったのです。

そしてその花火が見たいという呟きの裏には
「泉と一緒に暮らしたあの頃(置き去り事件の前)に戻りたい」
という願いが込められていたのではないでしょうか。

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『百花』感想

本作を鑑賞してすごく仲が良い知人の母子を思い出しました。
それは2人で力を合わせ生きて来た歴史が築いた絆だったのでしょう。

けれども百合子の場合は、二人三脚の途中で2人を結んでいた紐を
ほどいて一人でかけて行ってしまったのです。

残された泉は転んで怪我をし、ゴールまでたどり着くことは
出来ませんでした。

その傷は癒えることなくずっと泉の心に居座った状態であるにも
関わらず、年末には会いに行ったりするのは、それでも
泉の中で憎悪よりも愛情が勝っていたということなのかもしれません。

一方で百合子はあの事件を起こしたこと自体に後悔はない
と断言しその幸せな日々を盗まれないように隠し持っています。

その百合子が災害という命の危機に直面した時、
真っ先に叫んだのは浅葉ではなく泉の名前。

そして少しずつ奪われる記憶の中で
最後に蘇るのは浅葉との日々ではなく泉と見た花火なのです。

後悔はしていないと胸を張って言えた百合子が最後にそして何度も見せたのは
「半分の花火が見たい」
という後悔の念でした。

記憶を失って自分のことを忘れて行くという絶望感に苛まれた中で
垣間見えたものは百合子の後悔という本当の気持ち、
そして全部覚えていたのは泉ではなく百合子の方だったという真実でした。

奇しくも記憶を失って行く百合子があの時泉が失った母を取り戻してくれたのです。

タイトルの『百花』は半分だけ咲いた花火だったのか?
子どもの泉が一輪ずつプレゼントしてくれた花の記憶だったのか?
それとも百合子の人生そのものだったのか?

自身にとっての『百花』を振り返りたくなる一作でした。

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