『アフター・ザ・ハント』ラストの意味と真実を考える/5年後の会話の謎

洋画
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『君の名前で僕を呼んで』などを手掛けたルカ・グァダニーノ監督
ジュリア・ロバーツとタッグを組んだ心理スリラー映画
『アフター・ザ・ハント』

監督は本作の真実は視聴者それぞれのものだと語っています。

その発言の通り、結局のところ真実とは何だったのか?
明確に提示されることはありませんでした。

そこで本記事では一つの解釈として個人的に
ラストの意味と真実とは何だったのか?に迫ります。

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『アフター・ザ・ハント』あらすじ

コネチカット州ニューヘイブンの名門大学で哲学教授として
名を馳せるアルマ・オルソン

多忙な彼女を支える精神科医の夫フレデリックとの穏やかな生活を送っている。

そんなアルマは同僚で友人の助教授ハンクや博士課程の大学院生マギーらを
招いてホームパーティーを開催していた。

パーティーを終えると、アルマはハンクとマギーが一緒に
家を後にするのを目撃する。

後日、アルマの元を訪れたマギーは
あのパーティーの夜、ハンクに性的暴行を受けたと
告白するのだった・・・。

キャスト
ジュリア・ロバーツ、アヨ・エデビリ、アンドリュー・ガーフィールド、
マイケル・スタールバーグ、クロエ・セヴィニー
 他

※『アフター・ザ・ハント』はPrime Videoにて独占配信中です!

以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2026年1月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

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『アフター・ザ・ハント』ラストの意味と真実

アルマは教授としても一人の女性としても順風満帆な日々
を送っていました。

しかしそんな平穏な日常は、弟子的な存在だったマギーの
告白によって一変
してしまうのです。

その先に待ち受けるラストの意味と真実とは?
個人的かつ深読み的な角度から迫ります。

理性が傾く時

アルマがホームパーティを開いたあの夜、
マギーはハンクから性的暴行を受けたと言うのです。

アルマは確かに親密な様子で家を後にする2人を目撃していました。

告白を聞いたアルマの脳裏に浮かんだのは
マギーへの同情心でもハンクへの信頼あるいは疑念でも
ありませんでした。

この件に関してアルマ自身が被る被害はあるのか?
事件の発端がアルマが開いたパーティーであること、
そしてあの夜帰宅する2人の様子を把握していながら
見ぬふりをした責任は問われるのか?

そんなことがよぎったのではないでしょうか。

なぜならば責任の一端をアルマが問われるようなことがあれば
昇格の希望が消えキャリアが停滞しかねないからです。

しかしアルマが考えたのはそれだけではなかったのでしょう。

自身の過去とマギーを重ねずにはいられなかったことは
アルマが衰弱していく様子から推察できます。

そして始まったのは何かの期限を知らせる秒針の音

告白の目的

アルマがマギーの告白を聞いてもなお被害者であるはずの
彼女を気遣うこともせず冷たい印象を与える結果となった
のは、マギーの告白を信じきってはいなかった
からと言えるのではないでしょうか。

アルマを崇拝し、愛情を注ぐマギーを心中も察知することができたからです。


マギーの思いに答えることができないアルマに対し、
彼女が起こした告白の目的は、アルマ自身を傷つけることなのではないか。

そんな疑念を抱かずにはいられませんでした。
それはかつてのアルマ自身の立場は現在のマギーだからです。

そしてかつてのアルマ自身がそうしたから・・・。

全てを失うXデー

マギーはそんなアルマの対応に不満をあらわにし公に告発を行った結果、
ハンクは大学を追われ社会的信頼を失ってしまうのです。

自分を庇わなかったハンクから逆切れされ、マギーとも対立関係に陥った
アルマは激痛や嘔吐を繰り返しながら日に日に衰弱していきました。

さらには友人の精神科医キム博士の処方箋を無断で使用した疑いで
アルマの昇進の話も白紙にされてしまいました。

輝かしいキャリアと未来、同志の存在、そして慕ってくれる若い世代・・・・・・
その全てを失ったアルマの秒針は一刻一刻と迫って来るXデーの訪れを
告げているかのようでした。

消えない過去への懺悔

マギーを支援する側たちのさらなる追求がアルマを追い詰めました。

とうとう倒れてしまったアルマは病院に運ばれ、
駆け付けたフレデリックに懺悔の告白をしたのです。

15歳の頃、父の友人である男性と恋に落ちたアルマがしたことを。

父の友人である彼はやがて好きな人が出来たから・・・
とアルマを拒絶するようになったと言います。

この態度に深く傷ついたアルマは、相手も同じように傷ついて欲しい
願いました。

そこで彼が未成年の自分に性的暴行をはたらいたという嘘の告発をしたのです。

3年後に告発は嘘だったと取り下げたアルマでしたが
社会的信用を失い孤独や絶望に飲み込まれた彼は自ら命を絶ってしまった
と言うのです。

アルマの懺悔に耳を傾けそれでも優しい言葉をかけるフレデリックでした。

かつての自分との再会

懺悔の告白から5年の時が経ち、アルマは学部長の職に就いていました。

そんなアルマがカフェで待っていたのはマギーでした。

マギーはアルマの記事を読んだと言います。
学校を追われたハンクは選挙活動での参謀として違う道を歩んでおり、
マギーも婚約中だと言います。

アルマは今もフレデリックと暮らしているが幸せだと語りました。

あの頃、マギーを傷つけたことを改めて謝罪するアルマ。

対しマギーはあの時は混乱を抱えていたと言います。
アルマに対する感情は何だったのか?自分でもわからないと。

一緒に居たかったのか?2人は同じだと実感したかったのか?
わからないけれど、アルマと自分は違うのだと理解したから、
今はもうアルマに対する復讐心はないと語りました。

2人は和解し、その場を後にするマギーの後ろ姿を見送るアルマ
を映し出し、物語は幕を閉じました。

真実はひとつとは限らない

監督自身、インタビューにおいて

真実はひとつではなく、キャラクターそれぞれにとっての真実がある

と語られており、この言葉こそが視聴者に
ハンクの犯行はあったのか?
マギーは嘘を語ったのか?

を敢えて明確にしなかったことへの答えなのかもしれないと思いました。

アルマがバスルームのキャビネットに隠していたものは
ハンクとの親密さが伺える写真と過去の罪の切れ端でした。

アルマとハンクの関係、そして若き日のアルマと父の友人男性との関係
を知ったマギーの最終的な目的にも複数の真実が潜んでいたのではないでしょうか。

混乱していたマギーは一緒に居たかったから相談できる問題を創り、
同じ存在になりたかったから狂言を発してみた。

そして拒絶をされて憎んだ末にアルマと同様に相手の破滅を望むのです。

ハンクとの一件があったのかなかったのかに関わらず、
その時々に行った時点での真実があったと言えるのでしょう。

アルマにとっては嘘の告発でハンクを陥れるマギーはかつての自分を映した姿でした。
そんな彼女に対してアルマが浴びせる罵声は自身への非難であり
過去の行いを深く後悔し許しを乞う本心
だったと思います。

その一方でアルマはマギーの証言の信ぴょう性はどうあれ
沈黙を貫けばハンクを出し抜き終身在職権を得るのは自分である
という打算がよぎったのも事実なのではないでしょうか。

結末で明かされたこと

教授のハンクと院生マギーの間で起こった性的暴行事件、
そしてそれに巻き込まれた教授の同僚であり生徒の師であったアルマ。

3人の人生は進むべきはずだった道から逸脱し
三者三様に傷つき傷つけ合い互いに痛手を負いました。

しかし5年後となったこのラストでは
アルマとマギーの間には平穏が訪れ、ハンクもまた大学での未来は閉ざされたものの
他の分野で成功していることが明かされました。

これは2人の和解を描いたものなのか?
それとも・・・?!

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5年後の会話の謎

5年後のアルマとマギーの会話
そして最後の「カット」に意味はあるのでしょうか。

ハンクという友人を失い、昇格の希望も消え、
自分を慕う教え子とは関係が悪化したまま決別してしまったアルマ。

しかし5年の月日は、そんなアルマに学部長の椅子という
功績を与えていました。

欲しいものを得たアルマはマギーと再会し、
「あなたを傷つけてしまった」と謝罪を行いました。

それは主に何についての謝罪だったのでしょうか?
助けなかったこと?やそもそも事件を信じなかったこと?
そして罵声を浴びせたこと?かもしれません。

そしてそれに対するマギーは
「あなたとは違うと理解したからもう復讐心はもっていない」
という意味深な発言でした。

個人的にはマギーがアルマに憧れていた要素は幻影にすぎず
現実を実感したのかもしれないと思いました。

マギーは「女性を売りにして出世をする人」を忌み嫌うアルマの
潔さに憧れていたのではないでしょうか。

しかし全てを失ったアルマは懺悔を告白する記事で
女を売りにすることで再びのし上がったのかもしれません。

復讐心は持っていない
が・・・

もしも女を売ることで成功を掴んだその地位をマギーが狙っているのだとすれば
食事を摂ることもせず一人で出ていくマギーと
和解したと勘違いしているのはアルマだけなのでしょう。

しかしあの「カット」
この場面がアルマの妄想である可能性も示唆しているのかも
と思いました。

だとすればアルマは学部長にはなっておらずフレデリックとも別れて単身で静かに暮らし、
傷つけてしまったマギーは幸せであって欲しいというアルマの願いが反映され、
本当は行方がわからなくなったハンクはアルマのライバルからは退いたけれど
違う道で成功を掴んでいたら気が楽だな・・・

というアルマの妄想を描いた場面だったのかもしれません。

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