2010年に公開されたアメリカ映画の
『フローズン』
そしてタイトルが似ていることからリメイクと勘違いされやすい
2019年に公開されたロシア映画の
『フローズンブレイク』
この2作品の内容は違うのか?
どちらが怖いのか?
気になるかたのために、ストーリーを比較してみました。
この記事のポイント
・『フローズン』と『フローズンブレイク』ストーリーの比較
・恐怖要素の違い
映画『フローズン』と『フローズンブレイク』の概要
結論から言うと、『フローズン』と『フローズンブレイク』は
同じストーリーではありません。
以下でそれぞれのあらすじについて触れてい行きたいと思います。
『フローズン』のあらすじ
本日20時から『フローズン』プレミア公開‼
— ポニーキャニオン映画部公式 (@ponycanyon_eiga) September 6, 2023
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パーカーは恋人のダンとその親友のジョーに便乗して、
3人でスノーボードをしにスキー場へやってきた。
しかしスノーボード上級者のダンやジョーに対して
パーカーは初心者コースから出られない腕前だった。
パーカーに付き添い、初心者コースで滑る2人だったが、
物足りなさを感じたジョーの思いつきから、就業時間を過ぎているにもかかわらず
最後にもう一度滑りたいと、日中に賄賂を渡したリフトの係員に
強引に乗せてもらことに。
リフトの係員は3人が山頂から降りて来るのを待っていたが、
上司にシフトの件を交渉するために同僚に任せてその場を離れてしまう。
その際同僚には『あと3人が降りて来る』と伝えた。
しかし別の男性3人組が滑って降りてきたのを目撃した同僚は
これで終了だと勘違いしてリフトの作動を止めて帰宅してしまう。
高さ15メートルほどのリフトに取り残されたままの3人は
設備の電源が落とされていく様子に驚愕する。
しかも、次の営業は約1週間も先のことだった・・・。
(上映時間94分)
キャスト
エマ・ベル、ショーン・アシュモア、ケヴィン・ゼガーズ、
エド・アッカーマン、ライリア・ヴァンダービルト 他
『フローズンブレイク』のあらすじ
【出演情報(外国映画吹替)】
— 児玉孝徳(こだまたかのり) (@dosanko_kodama) September 19, 2019
作品名『#フローズン・ブレイク』
極寒の雪山で起きた事故が、やがて若者たちの本性を暴き出していく…ロシア発のサバイバルスリラー、レンタル・配信開始です。
児玉は主人公の恋人キリル役にて出演。どうぞよろしくお願い致します! https://t.co/VDWcOuGs3n
大みそかの夜、仲間内で雪山に登り新年を祝うため、
係員と示し合わせてロープウェイを自分たちのために作動させて
貰ったカーチャたち5人。
しかしロープウェイが動き出す直前に、カーチャの恋人
キリルはホテルに忘れ物を取りに行きたいので
一緒に来て欲しいと頼みます。
しかし実は妊娠中であることを隠しているカーチャは、
キリルには秘密裏に産まない決意をしていた。
そんな後ろめたさもあったのか、
山頂で動画を撮ると言い張り、キリルに同行することを拒んだため、
キリルを覗く4人を乗せてロープウェイは出発した。
しかしロープウェイの係員は動作確認の際、滑車に巻き込まれる
事故にあってしまう。
それと同時に挟まった棒により、カーチャたちが乗るロープウェイの
作動も停止してしまう。
その場所は上空60メートルにも及び、
マイナス10℃にもなる極寒の中宙づり状態となった・・・。
(上映時間85分)
キャスト
イリーナ・アントネンコ、アンドレイ・ナジモフ、イングリッド・オレリンスカヤ、
アナスタシア・グラチョーヴァ、デニス・コシャコフ 他
以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください
本記事の情報は2024年9月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。
『フローズン』と『フローズンブレイク』ストーリーの比較
『フローズン』も『フローズンブレイク』も身動きできない
上空で取り残されてしまうことが共通しています。
そこは極寒であり、耐えうるには期限があるのです。
そんな生命の危険が差し迫る状況に置かれる2作品には
それぞれの脅威、それぞれの結末が待っています。
2作品における『違い』についてまとめました。
舞台設定と登場人物の違い
サバイバルの舞台となるのは、
『フローズン』ではリフトで『フローズンブレイク』においては
ロープウェイとなります。
そして、高いことに変わりはないものの、
地上からの高さにも違いがあります。
地上からの高さは15mのリフトに対し、ロープウェイは
60mと絶望的です。
雪風にさらされ文字通り身動きが取れないリフトと
リフトよりは若干の寒さをしのげそうでゆとりもあるけれど
地面が果てしなく遠いロープウェイ。
どっちもどっち的な恐怖の舞台でサバイバルは展開されて行きます。
『フローズン』では親友2人の恒例のスノボー旅に、
今回は親友の彼女が合流して3人で訪れました。
しかし、良かれと思って彼女を連れてきたダンをよそに、
親友のジョーは少し面白くなさそうな雰囲気を醸し出しています。
そして悲劇が起こった時、早々に退場してしまう彼氏。
その時、彼氏と親友を失った2人の本音と悲しみは爆発するのです。
一方で、『フローズンブレイク』では、
カップル2組とその友人の男性という5人組。
カーチャの恋人キリルは、新年を祝うという皆とは違う目論見があるよう。
しかしキリルのそんな計画を知らないカーチャは、
大事な秘密も明かすことが出来ず1人で葛藤しています。
『フローズン』のパーカー&ダンのラブラブカップルとは異なり、
カーチャとキリルのカップルは
冒頭時点ではハッピーではない様子。
結末の違いとその意味
『フローズン』の結末では、
パーカーを救うためにリフトから飛び降りたダン、
そしてロープを伝ってはしごに辿り着き滑って助けを呼びに
行ったジョーは狼に襲われて悲劇の最後をとげました。
パーカーはリフトが破損したのをきっかけに
自力で何とか下山し、道路で倒れこんだところを
通りかかった車の運転手に救助されます。
しかしながらパーカーの表情には覇気がなく、
聞こえるのは助けてくれた運転手の声ではなく、
恋人ダンの幻聴でした。
『フローズン』においてヒロインのパーカーは
生存してエンドを迎えましたが、その裏には、
最初にパーカーを救うために飛び降りたダンの思いを
無駄にしてはいけないという使命。
そして
下山する途中で狼に出くわしたパーカーを救ったのもまた
ジョーの犠牲があったからに他なりませんでした。
パーカーの生存には大切な2人の犠牲が不可欠であった
とも言える結果になりました。
パーカーは救助される車内の中で、
そもそもこのスキー場に自分が来なければ・・・
という自責の念にかられ、
その傷は一生癒えることはないのだと示唆されて幕を閉じます。
一方で『フローズンブレイク』の結末も
ヒロインであるカーチャのみが生還します。
しかしロープウェイに乗らなかった恋人のキリルが
帰ってこないカーチャたちを不審に思い、救助に奮闘します。
カーチャが助けを求めて揚げた電飾に彩られた凧を
発見したのもキリルであり、恋人に助けられたカーチャの未来には、
新しい家族の誕生が示唆されているので、
トラウマや悲しみは残るものの、
生きていてよかった
と思えるエンドではないのでしょうか。
恐怖要素の違い
『フローズン』と『フローズンブレイク』のどちらの方が怖いのか?
筆者的な見解は、恐怖の想像をかきたてられるグロさの勝利ということで
『フローズン』の方が怖いように思いました。
また、『フローズン』においてはリフトの係員の勘違いから
一週間の間、誰も気づいてくれないことが予想され、絶望感にさいなまれる
のですが、
『フローズンブレイク』においては、
カーチャの恋人のキリルが、ロープウェイに乗っていないので、
最初から希望が垣間見れてしまう気がしました。
しかしながらこの2作品では『脅威』となる存在が違います。
どちらの脅威が怖いのかは視聴者次第なのかもしれません。
自然がもたらす恐怖とサバイバル
『フローズン』の脅威といえばオオカミや極寒といった自然です。
オオカミに囲まれ、自らもニット帽で顔を隠しながら
(ダンが襲われる光景を)
『パーカーには見せるな』
と、ジョーに哀願するダンの最後の姿は
恐怖と思いが複雑に入り交じり後味がすこぶる悪いのです。
そして本作での3人の闘いの相手は自然だったといえるでしょう。
もしかしたらダンが同じように飛び降りるとしても、
一晩待った後なら、もう少し雪がクッションになってくれたかも
しれない。
とか、
オオカミは本来ならば人との接触を警戒すると思われ、
生きている人間(弱って血を流していましたが)
を襲ってくる背景にも自然の変化が関係するのかもしれない。
とか、
ラストで下山するパーカーがオオカミに遭遇していますが、
パーカーの落ち着いた対応と、
ジョーの犠牲のどちらかが欠けていたら助かる道は
なかったかもしれないなど。
自然を生き延びるには強固な心や体力や
理性が不可欠なのではないかと痛感させられます。
登場人物の動機と行動
『フローズンブレイク』では、一緒に新年を祝うはずの
仲間内での殺し合いという恐怖が待ち受けています。
そんなことをしなくてもキリルはやがてロープウェイが取り残されたことに
気づく可能性が高いのにもかかわらずです。
キリルへの望みを持たず、共に力を合わせるのではなく、
自身が生存するために、友人の命を奪うという風に
本来の行動を変換させてしまう脅威がそこにはあるのです。
それが地上から60メートルの絶望的な高さと、
極寒と外界との隔離、そして死の恐怖です。
その状況下で、理性を保つことに失敗してしまった人間。
それが敵となって立ちはだかるのです。
しかし単純にそれだけが理由であるとは断言できず・・・。
一緒に新年を過ごすような、良いところも悪いところも旧知の仲
であることが予想される5人。
普段から抱いていたちょっとした黒い気持ちがあったのかもしれません。
そんな小さな不満や妬みの種が
襲ってきた極限状態によって大きく闇へと変貌してしまう。
それが実はオオカミよりも怖い?!
人間のエゴなのかもしれません。
おわりに
『フローズン』と『フローズンブレイク』。
タイトルが酷似しているのでうっかり間違えて鑑賞してしまう人
もいるのではないでしょうか?
両方とも雪山を舞台にしているだけあり、その雪景色は極上のものですが
過酷な舞台へと化してしまった時、その残酷なまでの白さが際立ちます。
孤立して取り残されてしまったリフトとロープウェイ。
その中で繰り広げられるのは、一方は自然との
もう一方は人間を相手にしたサバイバルでした。
本当に怖いのは自然の脅威か人間のエゴなのか?
仲間の犠牲で生還できたフローズンと、
仲間により被った危機を乗り越えたフローズンブレイク
でした。
あなたのお好みはどちらですか?
ちなみにこの2作品に共通するのは
ヒロインの恋人は優しくて善良な人かも(笑)