ガリレオ劇場版【沈黙のパレード】ネタバレ考察|本当の犯人と真実の行方

邦画
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大人気『ガリレオ』シリーズ3作品目の劇場版
【沈黙のパレード】

久しぶりに内海刑事が帰ってきましたね。
そして
今回の湯川は物理学者ではなく1人の男として動く⁈サマが
見どころな本作。

真実を明かすのか沈黙するのか?がカギを握ります。

本記事では

真の犯人と真実を暴く理由
それぞれの思惑
草薙の無念を晴らしたい湯川

に着目してネタバレ考察しています。

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【沈黙のパレード】あらすじ

菊野商店街の憩いの場〖居酒屋・なみきや〗の看板娘の佐織
秋祭りでの歌唱を認められ、念願の歌手デビューまであと一歩のところ
突然行方不明になってしまいます。

3年後、焼失した民家から無残な姿で発見された佐織。

被疑者として逮捕されたのは蓮沼寛一という男性。
捜査依頼を受け呼び出された草薙俊平は被疑者の写真をみて
嘔吐してしまう・・・。

それは15年前、若き草薙が取り調べを担当した男性だった。
その蓮沼は限りなく黒であると証拠は示していたが、
完璧な沈黙を貫き無罪を勝ち取り賠償金まで手にしていたのだ。

そんな蓮沼は佐織の事件でも証拠不十分で釈放されるが
夏祭りパレードの当日、何者かに命を奪われ発見される。

容疑者は佐織を愛する全員・・・。

キャスト
福山雅治、柴咲コウ、北村一樹、椎名桔平、檀れい、村上淳、
飯尾和樹、戸田菜穂、吉田羊、岡山天音、田口浩正、酒向芳 

【沈黙のパレード】を視聴するには?

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登場人物の心情が詳しく描かれた原作『沈黙のパレード』

本記事の情報は2024年1月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

以下、ネタバレを含みます
未視聴の方はご視聴後のご再訪をお待ちしております<(_ _)>

本当の犯人と真実を暴く理由

並木佐織の事件の真犯人は蓮沼でした。

なみきやの誰もがそう思っていた今回の事件でしたが
実はその裏に隠された真実がありました。
佐織が失踪する前に最後に会話を交わした人物。

新倉留美の存在です。

失踪した日、妊娠して歌をやめようと決心した佐織はまず留美に
打ち明けたのです。

ところが留美は佐織の決断に猛反対の反応を示したため
口論の末、留美は佐織を突き飛ばしてしまいます。

運悪くそこには資材が積まれており、
ぶつかってしまった佐織は意識を失ってしまいました

動揺した留美はその場から逃げ出します。
気付いたら線路に飛び降りようとしていた留美でしたが
我に返り資材置き場に戻るとそこに佐織の姿は
見当たりませんでした。

蓮沼の動機

蓮沼は物陰から留美と佐織の口論の一部始終を目撃していました。

そして留美に突き飛ばされた佐織の意識がなくなり
留美が逃走したことで、
〖留美をゆすれる〗
とひらめいたのです。

留美をゆする目的を果たすため、蓮沼は佐織を運び出します。
ところが佐織は気を失っていただけで、蓮沼の車の荷台に乗せられている
最中、意識を取り戻してしまいます。

運悪く蓮沼に生きていることを知られてしまった佐織は
蓮沼の計画のために殺されてしまったのです。

真実は誰を救ったのか

妻から佐織との最後の一部始終を告白され、
佐織の事件の犯人は妻の留美である。

そう確信していた直紀は、
蓮沼が並木に本当のことを告白するのを阻止するため、
自ら蓮沼の元へ出向くべく並木がたてた計画を乱す画策をしました。

真実を知るために懲らしめたかった並木とは異なり、
妻の秘密を守り、唯一その秘密を知る蓮沼を抹殺したかったのです。

そして直紀は犯行を実行しました。
それからまもなく過失だったと嘘の自白をするために出頭したのです。

草薙は必ず蓮沼の罪を暴くことを約束します。
だから真実を話して欲しい・・・と。

しかし直紀にとって真実の告白は
課される刑の重さが変わってしまうことにも繋がるのです。

そんな直紀に不利な真実を暴くことで誰を救ったのでしょうか。

一番には留美は佐織の命を奪った罪からは解放されることです。
もちろん意識のない佐織を置き去りにした自責の念から
逃れることはないかもしれませんが・・・。

草薙もまた、
23年前に立証できなかった蓮沼の罪
やっと暴くことができるかもしれません。

並木夫妻の苦しみは続くでしょう。
しかしながら、真実が知りたかったと語っていた父親は、

佐織は誰にどのように命を奪われたのか。
本当のことを知ることで、やっと行方不明になった娘を
探すことをやめられるのかもしれません。

それぞれの思惑

徹底して黙秘権を行使したことで、2度も罪を逃れた蓮沼という男。

その男を憎む人物は何人も存在しました。

娘の佐織を奪われた並木夫妻
親友の娘を我が子のように可愛がってきた戸島。
宮沢書店の娘で町内会をしきる麻耶
佐織より5歳年上の恋人・高垣

処分保留で釈放され、あざ笑うかのように〖なみきや〗に姿を現した蓮沼を前に
彼らはどのように関わってしまったのでしょうか。

娘を奪われた並木夫妻

突然娘が失踪し、3年もの間行方がわからなかった末
無残な姿で見つかってしまいました。

口を閉ざしただけで罪を逃れただけではなく
傷口をえぐるような挑発を行う蓮沼に対する憎悪は計り知れないでしょう。

一方で、佐織に一体何があったのか
何故、未来を奪われなければいけなかったのか。
蓮沼本人の口から、自白と後悔の念を聞きたかった
という思惑も大きかったと思います。

そんな思いから企てた計画でした。

並木の親友の戸島もまた佐織を我が子のように可愛がり、
同じ思いをもっていたのでしょう。

法の決断に納得できない宮沢麻耶

麻耶は並木がたてた計画に関わってはいませんでした。

しかし同じ町内の若い命が奪われ、
状況証拠は蓮沼の有罪を示していました。

黙秘権という蓮沼の権利が佐織ではなく蓮沼を守る結果になってしまったこと。

そのことに憤りを隠せないのでしょう。

『沈黙罪はあるのか?』

と警察に問います。

最初に自白する恋人

佐織の恋人であった高垣智也は取り調べで
自分は佐織の『彼氏じゃない』
と発言していました。

その真意はどこにあったのでしょうか。

高垣の中で、佐織はすでに思い出に変わっているのだと
感じました。

この事件に関与したことで自らの未来が台無しになるのは
望んでいないのです。

或いは、歌手になる夢を目前に、
その夢も、その人生自体も奪ってしまった責任の一環は自分にある
という潜在意識が、佐織の恋人であったという事実から
目を背けさせるのかもしれません。

どちらにしても
罪に問われない蓮沼に対する憎悪をぬぐえないまま
苦悩の日々を送る並木夫妻や戸島、麻耶とは一線を画すのだと
思いました。

そしてもう一人

蓮沼への計画が実行に至ったのには、もう一人の協力者の存在は
大きいものでした。

その人とは・・・

蓮沼を同居させていた増村でした。

しかしこの同居は偶然ではありませんでした。

23年前の事件の被害者優奈の母親は、娘の事件を苦に自ら命を絶って
しまいますが、この母親・由美子の兄こそが増村だったのです。

前科がある増村は由美子の幸せの邪魔にならないように
遠くから由美子と優奈を見守っていました。

それだけに、大切な2人の命を奪っておきながら
罪にも問われない蓮沼への憎しみは果てしなく
奇しくもその憎しみこそが生きる糧となっていたの
だと思います。

以下、『容疑者Xの献身』の断片的なネタバレがあります。

【容疑者Xの献身】をおさらいしましょう

【沈黙のパレード】主題歌『ヒトツボシ』ガリレオcollection

草彅の無念を晴らしたい湯川

物理学者として出来ることは何もない

そう言って捜査に非協力的だった湯川教授でしたが
古い友人である草薙が心を痛めている事件だと知ると、
密かに事件を調べまわるのです。

それは物理的に面白いことでないと興味を示さなかった湯川先生
ではなく、友人のためを思う行動。

そうしてたどりついた真実がもし草薙を追いつめるもの
だったら・・・
それでも湯川は真実を優先するのでしょうか。

草薙の傷

蓮沼の最初の犯行時、取り調べを行った草薙は
自供をとることができませんでした。

重要な証拠が発見されるものの、それで立証できるのは
遺棄罪のみ。

しかし遺棄罪の時効は既に成立している以上、
自供が一切ない状態では蓮沼を殺人罪に問うことは
難しかったのでしょう。

しかし無罪になった蓮沼は再び罪を犯し被害者を出してしまいます。
蓮沼を憎む、罪のない人たちの手さえも血まみれにして
しまったかもしれない・・・自分が自白をとれなかったせいで・・・

真実を明かすということ

『容疑者Xの献身』では真実を解き明かしたことで
友人とその大切な人が傷つく結果になってしまっていましたよね。

その事実は湯川をも苦しめ、
本作ではその真実の扱いに迷いが生じます。

友人か真実か・・・。

そして本作では結果的に、真実は草薙自身に託します。

草薙は今度こそ蓮沼の罪を暴くことを約束しました。

並木も新倉も、そして草薙も湯川自身も
前に進んだといえる結末だったのではないでしょうか。

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【沈黙のパレード】感想

久しぶりに湯川先生、内海刑事、草薙さんが集結して
これぞ【ガリレオ】な面子でした。

と思ったら、今回のガリレオはド派手などっかーんな実験シーンは
皆無なんですね⁈
そして湯川先生の出番も少し少な目でしたね。

これは真実と愛情の、そして草薙の物語・・・そういう風に感じました。

しかしながらこの草薙さんの顔色が悪く、目つきや挙動に異変が起きていて、
挙句とてもやつれてみえて・・・

俳優魂みたいなものが垣間見れて、素人目ながら、
大人気作【ガリレオ】を見事に背負った感の北村一樹さんは圧巻でした。


さて、〖沈黙〗をすることで真実を隠した人たち。


チーム並木は、その結束によって一人一人が誰かを守るために
話さないことにこだわっていました。

新倉夫妻はお互いを守る為に話さないことを決めました。

しかし本来ならば留美が真実を打ち明けなければならないのは
並木夫妻の方ではないかと思ってしまいます。

そして真実を突き詰めた結果、
留美は佐織の命を奪った罪悪感から解放されました。

2件の罪を犯した蓮沼が何の罰も受けないまま・・・という理不尽さも
回避できるのかもしれません。

その一方で・・・
ずっと蓮沼を憎んできた被害者家族の心情は複雑な気もします・・・。

真犯人はやはり蓮沼だった。
憎しみの矛先は間違っていなかったし、事件は解決にむかうでしょう。

しかし
知っていた真実をすぐそばに居て黙っていた友人。
共に傷みを背負うふりをして、酷い言い方をすれば
事件のきっかけを作ってしまったという見方もできる友人へ
どのような気持ちの整理をつけたら良いのか・・・。

またもや真実を解き明かすことは時として非情に
ならないのか?
考えさせられる結末になったのではないかと
個人的には思います。

とはいえ、今回の真実は草薙にとっては
諦めずに前に進めるきっかけになったのかもしれません。

そのような希望もあることは唯一の救いでした。

ラストの増村が兄とは明かさないまま
妹親子を見守っていたことを連想させる回想シーンが悲しかったですね。

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