福士蒼汰が激変する映画『湖の女たち』はどんな内容?犯人と結末をネタバレ考察

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こんな福士蒼汰は見たことがない!

映画『湖の女たち』を見てまず思ったのはそんな衝撃でした。

そしてその打撃は大きく(笑)、見終わった後に、

結局なんだったのか?という疑問を抱いた方も多かった
のではないでしょうか。

そこで本記事では『湖の女たち』はどんな内容なのか?
犯人と結末についてもネタバレありで解説、推察しています。

一つの解釈としてお楽しみいただけたら幸いです。

この記事のポイント
『湖の女たち』はどんな内容?
結末はどうなる?ネタバレ解説
犯人の動機とは

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『湖の女たち』あらすじ

琵琶湖の老人介護施設もみじ園で100歳の男性が亡くなった。
原因は人工呼吸器の作動停止による心肺停止だった。

人工呼吸器の機械は異変の際に大きなアラーム音が鳴る仕組みだった。
だが、当直の介護士たちは誰一人としてこのアラーム音を聞いていない
と証言する。

事件か事故かを捜査する伊佐美濱中は、
綿密に作られた機械の誤作動は考えにくいと判断した。

伊佐美は当直を抜け出し、空白の時間が存在する
1人の看護師に目をつけ、濱中に自白をとりにかからせる。

しかし濱中は豊田佳代という看護師が、事件のあった時間、
湖に居たことを目撃しており、何をしていたのかと
執拗に責め立てるのだった・・・。

キャスト
福士蒼汰、松本まりか、浅野忠信、福地桃子、平田満、
土屋希乃、根岸季衣、財前直美、三田佳子 

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

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『湖の女たち』はどんな内容?

謎に満ちた介護施設もみじ園での殺人事件と、刑事と介護士の関係、
過去の事件を追う記者とかつてその事件を担当した刑事
そして被害者の過去・・・

という具合に、過去と現在、そしてその後までもが気になる本作は
フィクションと実話が混在していて難解な内容となっています。

事件の詳細と重要な出来事

琵琶湖の介護施設もみじ園で起こった入居者の命が奪われた事件。

専門家による検証の結果、機械の故障や誤動作といった可能性は
極めて低く、何者かが故意に操作したものと判断されました。

わかりやすい結末をモットーに
事件の早期解決だけしか興味がないような刑事の伊佐美は、
疑わしきは犯人といわんばかりに、当日の担当者で空白の時間の
アリバイが薄い介護士の松本郁子が怪しいと決めつけます。

部下の濱中圭介に早々に自供をとるように命令するのです。

しかし自らの潔白の意志が揺るがない松本に対し、
濱中は松本は無実ではないかと思い始めます。

それでも伊佐美に逆らうことができない濱中の、
松本への自白の強要は日に日に悪化の意図を辿り、
精神的に追い詰められた松本は自動車事故を起こしてしまいます。

命と引き換えに正義を捨てた刑事

松本をそこまで追い詰めてもなお、
事故は罪の意識から自ら命を絶とうとしたのだという見解をする伊佐美。

実は伊佐美は17年前、50人以上の犠牲者を出したMMO薬害事件
追っていました。

製薬会社のMMOと医師の宮森勲が行っていたのは、
使用すると重篤な副作用を引き起こす血液製剤を用いた治験でした。

あと一歩のところでこの時厚生大臣だった西木田一郎の圧力により、
この事件は不起訴となりもみ消されてしまったのです。

刑事として正義がなされないことに対するやり場のない
感情や罪悪感は、伊佐美を自ら命を絶とうとするまでに
追いつめました。

しかし当時、伊佐美の上司だった河合刑事はそれを阻止し、
伊佐美は命を救われた代わりに、正義をなくしてしまったのです。

生産性のない関係

一方で強引な伊佐美の圧力に屈し疑いをもっていない松本に
自供を強要する裏で、自身の精神も圧迫されていた濱中は、
もみじ園の介護士の豊田佳代に興味を抱きます。

佳代との初対面は事件のあった朝でした。
車で湖にやって来た佳代の秘め事を、同じく釣りをしに訪れていた
濱中は目撃していたのです。

佳代は幼い頃に母を失くし、それ以来、父親の面倒を見る日々
を送ることになります。

その関係は親子でありながら、育てられる側ではなく、
まるで父親を世話する母のようでした。

そんな佳代の父親は悪びれる様子もなく
恋人の元へ帰って行きます。

子どもとして抱いた感情や複雑な思いのすべてを
ひた隠しながら生きてきた佳代と、
職場では伊佐美に、家庭では妻が呼ぶ『パパ』という圧力に
絶えながら蓄積していくうっ憤を秘めた濱中は、
お互いが抱える闇と重荷を確かめ合うように、共鳴していきました。

その関係は恋人同士というようなそれとは異なり、
濱中の支配欲に満ちた、いびつで生産性のないものでした。

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結末はどうなる?ネタバレ解説

松本は事故の後にも変わらず濱中に付け回され、
伊佐美が考えた自供文にサインを求められます。

しかし別の施設において同類の手口による殺人事件
起こってしまいます。

これにより松本の無実は証明されることになりました。

それでも松本は伊佐美と濱中に屈することはなく、
弁護士を携えて2人と西湖署を訴えました

西湖署にはマスコミが駆けつけ取り調べ時の
自白の強要は問題視されることになります。

池田の取材で判明したこと

事件を追って東京からやってきた記者の池田由季は、
この事件で亡くなった市島民男は、戦時中に731部隊に軍医として所属し、
非道な人体実験を行っていたことを突き止めます。

市島の妻、松江の元に取材に訪れた池田は
松江から驚愕の事実を知らされます。

若き頃の松江が暮らすハルビンの平房湖の美しさは見たことのないものでした。

しかしその直後、松江は複数の白衣を着た少年たちが、
日本人男児とロシア人女児に実験と称して、
服を脱ぐように強要している現場を目撃するのです。

そしてその白衣の少年の中には近所に住む少年兵の存在が
ありました。

松江は近所のその少年と目が合いますが、止めることは
ありませんでした。

その少年こそ後にMMO薬害事件の首謀者となる宮森だったのです。

後日、その時、実験の対象とされていた日本人の男児と
ロシア人の女児の遺体が発見されます。

それ以来、一度も美しいと思うものを見ることはなかったと話す松江でした。

さらに17年前に隠蔽されたMMO薬害事件においても無関係ではないこと
を突き止めますが、上からの命令で取材を阻止されてしまいます。

池田はYouTubeに投稿された動画の中に、
介護士のリーダーである服部の車を見つけます。

服部の家を訪れ、男子たちを引き連れて野鳥観察をしている
という孫の三葉を紹介されます。

池田は三葉の事件当日のアリバイを問い詰めようと
しますが、服部夫妻に阻止されてしまいます。

その時、祖父母に守られた三葉が池田に向かって
かすかにほほ笑む
のを見逃しませんでした。

濱中と佳代の関係のおわり

濱中は嘘の自供をしてしまうほどに追い詰められている
佳代を連れて湖へ行きます。

佳代に手錠をかけると、泳げない佳代に湖へ入れと
強要するのです。

意を決して湖へ飛び込んだ佳代を溺れる寸前に
濱中が救います。

自ら命を絶とうとした佳代と、何でも言う事をきいてしまう佳代に
罵倒する濱中。

ボートの2人は初めて本心で向き合います。
それでも湖を離れられない佳代と離れたい濱中には
大きな壁が立ちはだかるのです。

そんな2人には別れが訪れます。

そして松本の件で、伊佐美と濱中は罪を認め、刑事を辞職することになります。

ラストシーン

刑事を辞職することになった濱中。
そして取材を阻止され憤りを解放できない池田は
それぞれ早朝の湖を訪れていました。

すると数人の白衣をまとった男女
介護施設の方へ一列になって歩いて行くのを目撃します・・・。

犯人の動機とは

ラストシーンで白衣を着て介護施設へと向かって行く集団。
それが本作の事件の犯人です。

そしてその集団の先頭にいるのは、池田が睨んだ通り、
三葉でした。

三葉の動機を考察

三葉は祖父母の服部夫妻に引き取られ育てられています。

詳細は描かれませんが、三葉の両親は育児放棄していると推察できます。

そんな背景から、三葉自身捨てられたという傷みが消えることはなく、
自分の人生に絶望感があることは否めません。

そんな境遇の三葉を快く引き取ってくれた祖父母
との関係は良好のようで、祖母の仕事終わりに迎えに来る
姿が描写されています。

しかし三葉にとって大切な存在である祖母の手を煩わせる入居者の存在
に対する気持ちは非人情的なものでした。

祖母にとっては入居者があってこその仕事であり
生活の糧になるものです。

しかし三葉がそんな入居者たちに対して殺意を抱く動機は、
自分の面倒を見られなくなった者など生きている価値がない
ということなのでしょう。

誰でも歳をとる
という佳代に対し、三葉は、

老人になってまで生きたいとは望まない・・・といいます。

自分1人では生きていけない入居者
保護者がいなければ生きられない自分とを
無意識に重ねているのかもしれません。

その根底には自力では生きられない自分は、
価値がないから親に捨てられた
という感情が
根付いているのではないでしょうか。

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映画『湖の女たち』まとめと感想

松江は、自身の夫の真似事をして犯罪的行為をしようとしていた
近所の少年兵の罪を見逃してしまいました。

その結果、その少年は未来でも罪を積み重ねていき多くの
犠牲者を出します。

間接的にその罪を後押ししてしまった
という罪悪感に染まったその後の松江の世界には
何一つ美しいものは見えなくなってしまいます。

あの湖だけがただただ美しかった。

佳代も美しい湖を訪れます。

守らるべき存在だったはずの佳代はずっと守ってきました。
そんな風に自分の欲望を押し殺している日常とは裏腹に、
湖の美しさを前にそれを解放させられてしまいます。

そして出会ってしまった濱中は
職場では上司に逆らえず、意にそわない任務を強要され、
家庭でさえも、1人の男性というよりは子どもの父親としての
存在を重視されるのです。

釣りをしに湖を訪れる濱中は、その都度、その場所に
内面に煮えたぎる闇の感情を放出してリセットしていたのかも
しれません。

しかし、何か通じるものがある佳代との出会いは
湖の底に沈めるはずだった悪意を呼び起こさせてしまうのです。

2人の関係に溺れてしまった佳代もまた、
してもいない罪を告白するに至るまで
その精神は崩壊していきました。

それはまるで、
悪を追いつめるべく闘ってきた伊佐美や西湖の刑事たちが
権力に押しつぶされ、正義を見失ってしまったかのように。

かつて松江が見逃してしまった悪意は
成長して更なる悪意へと変貌して行きました。

ラストでは三葉の罪を知っている池田と、
刑事魂は捨てきれず犯人を追っていた?濱中が
次なる犯行へ向かう、三葉が率いる軍団を見ています。

池田や濱中がもし、とめられなければ、
三葉の悪の成長も止まらず、
悪意の連鎖は次なる罪へと続いていってしまうのでしょうか。

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