【ネタバレ考察】映画『ウィッチ』双子はどうなった?衝撃の結末を解説

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2017年に日本で公開されたアメリカ、カナダのホラー映画
『ウィッチ』
配給はA24…といえば、なかなかの問題作の香りが漂います。

1630年代のニューイングランドが舞台の本作。
監督は映画を製作するうえで『セイラム魔女裁判』
着想を得たのだそうです。

その結末はやはり衝撃的でした。

しかし気になるのは、あの双子のマーシーとジョナスはどうなったのか?
ということ。

そこで本記事では双子の行方や衝撃の結末について
解説、考察していきます。

本記事のポイント
一家に起こった悲劇の背景にあるもの
衝撃の結末へ
双子はどうなったのか?

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『ウィッチ』あらすじ

時は1630年、ニューイングランド。
ピューリタン(清教徒)であるウィリアムは、信仰心が厚く、
住んでいた村の教会とは宗教観の相違から信仰の自由を求めた。

その結果、村から追い出される形で
ウィリアムは妻のキャサリンと彼らの5人の子どもたちを
連れてアメリカのはずれにある森の近くの荒野に引っ越した。

そんなある日、赤ん坊のサムのお守をしていた長女のトマシン
ほんの一瞬目を離した隙に、サムが消えてしまう。

何者かに連れ去られたのか?
狼の仕業なのか?
うろたえる母親だったが、ウィリアムは捜索を打ち切った。

自身がお守をしていたサムが行方不明になったことに
責任を感じるトマシン。
そんな彼女に母親は冷たく当たる。

天使のようなサムの失踪はウィリアム一家の
疑心と不穏な影を落として行く・・・。

キャスト
アニャ・テイラー=ジョイ、ラルフ・アイネソン、ケイト・ディッキー、
ハーヴェイ・スクリムショウ、エリー・グレインジャー
 他

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以下、結末までのネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年8月時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認くださいませ。

一家に起こった悲劇の背景にあるもの

この物語の舞台は1630年。
本作の監督が着想を得たというセイラム魔女裁判
1692年に始まったおり、
この物語から約60年後のことであるといえます。

〖セイラム魔女裁判〗とは

アメリカはニューイングランド地方のセイラム村
1692年~1693年にかけて
行われたいわゆる〖魔女狩り〗のことです。

その発端となったのは、村の1人の少女の奇妙な行動からでした。

ところがこれを機にその少女の周りの者もまた
異常な行動をとるようになったことから、
〖魔女裁判〗へと発展したようです。

200名に及ぶ村人が裁判にかけられた結果、
処刑された19名はいずれも
魔女であることを否認していたといいます。

一方で自身が魔女であることを認め、
誰かを告発
することで、その本人は釈放されたことから、
嘘の証言者が続発しました。

家族でさえも告発してしまうのでした・・・。

しかし後にこの一連の裁判騒動は
集団パニック菌による幻覚、
そして度を越した清教主義によるものだと
言われています。

衝撃の結末へ

家族の中でも狂信的に信仰心の厚かったウィリアム
黒山羊に真向勝負を挑まれ刺されて、
その最期にも主の存在に感謝しながら
絶命してしまいました。


ウィリアムまでもを失い、男性が不在になるということは
キャサリンにとって生きる道筋が閉ざされ絶望の淵に居ること以外の何ものでもなく、
そんな絶望感から全ての罪をトマシンの仕業だと責めたて襲い掛かります。

母を説得することはもはや不可能で、
首を絞められながらそばにあった刃物で
キャサリンを刺したトマシン。

そうしてたった一人きりになったトマシンでしたが、
すでに崩壊していた家族の絆失われた信頼もあって、
もはや何のために信仰するのかさえわからなくなってしまいました。

なので孤独になったその状態は絶望というより解放感だったのかもしれません。

それよりも・・・
喋るという黒山羊に興味をもったトマシンは山羊小屋を訪れます。

すると本当に喋った黒山羊にバターや綺麗なドレス、
優雅な世界を見せてやると
誘惑され、悪魔の契約書にサインをしてしまいました。

衣服の全てを脱ぎ捨てたトマシンは
魔女の集会の場所へ。

魔女たちが集って開催される秘密の宴

そして次々と空へ登っていく魔女たち

トマシンもまた信じたものを失い、絶望を超えて解放された
という複雑に絡み合った笑みに包まれ
空へと昇って行くのでした。

双子はどうなったのか?

本作ではキャサリンがトマシンに双子の所在を問い詰めると
〖知らない。魔女が空から来て・・・〗
と答えていました。

双子は忽然と消えてしまったのです。

悲劇の始まり

長女であるトマシンの言う事をきかない
双子のマーシーは自分は
〖森の魔女〗だと豪語していました。

それに対してトマシンは
〖自分こそが本当魔女〗であるから
いう事をきかないと酷い目にあうのだと妹を脅しました。

姉妹の間で交わされた嘘はほんの虚勢のつもりだったのです。

しかしこの言葉は後に家族崩壊のきっかけ
なってしまったと言っても過言ではないでしょう。

ウィリアム家の魔女裁判

ケイレブが命を落としたのをきっかけに
残された家族の間には、立て続けに起こった悲劇は
〖魔女の仕業〗である
という疑念が生まれます。

黒山羊のフィリップスからサムの失踪がトマシンの仕業で、
トマシンは魔女だと吹き込まれた双子のマーシーは、

説明のつかない不幸に翻弄される両親に、

トマシンの正体は魔女

なのだと告発します。

幼い子供の発言にも関わらず、
トマシン=魔女を信じてしまう両親。

当然、事実ではないのでトマシンは
自身の魔女説を否定します。

ところがウィリアムはトマシンが悪魔に魂をうったのだと
思い込んでしまい、呪いを解くために、
真実を告白しろと強制します。

この一件で、父の罪でトマシンが責められていても
名乗り出てくれなかったことなどこれまでのウィリアムへの不信感は募り、
娘を信じることすらできない父と娘の絆に
亀裂がはいってしまいます。

そしてトマシンはむしろ、自分のことを『森の魔女』だと豪語し、
黒山羊と仲が良く、黒山羊を称える歌を歌う
双子の方が怪しいのだと逆に告発します。

姉を魔女だと信じてやまない双子、
幼い双子の戯言に引き込まれてしまった両親、
ウィリアムと家族の間にあった絆や信仰心は、
崩れていこうとしていました。

『魔女』は誰だったのか

マーシーとジョナスこそが魔女であったのか?

個人的にはその答えは『NO』だと思っています。

黒山羊のフィリップスが双子に話しかけ、
それは子どもたちが、少し年上の友達とままごとを楽しむように、
魔女ごっこを楽しんでいただけなのではないでしょうか。

双子とフィリップスは仲が良い友達のよう
な感覚だったのだと思います。(双子にとっては)

しかし、その後、双子はフィリップスを称える歌を歌い出します。
実はフィリップスの導きにより双子が知らぬうちに
悪魔のしもべとなってしっまったことが伺えます。

そのように、フィリップスにとっては、双子は目的を遂げるための
道具
に過ぎず、姉であるトマシンのことを
敵視させたり、トマシンが魔女であるかのような幻覚をみせたり、
〖あんた〗と呼ばせるなど
彼らをいいように操っていたと言えるでしょう。

ところでサムとケイレブを失くしたことで、
魔女への脅威を確信し、信仰が揺らいでしまったキャサリン。

そんな折、再びキャサリンの目の前にケイレブとサムの幻が現れた時、
ケイレブはキャサリンに本を持って来たと発言しています。

この『本』は悪魔との契約書
キャサリンこそこの時、悪魔の下僕になってしまった
ということではないのでしょうか。

双子は魔女に連れ去られた

結局、お互いを『魔女』だと告発した
トマシンと双子のマーシージョナスの3人を
ウィリアムは山羊の小屋に閉じ込めます。

その夜、山羊の乳を飲む老婆の魔女を目撃する3人の悲鳴。
3人とも〖魔女〗ではなかった証なのかもしれません。

場面は変わり夜が明けてウィリアムが様子を見に行くと
山羊小屋は崩壊していて忽然と双子は姿を消していました

同じ小屋に居たトマシンが双子の行方を知らず、
そこには魔女が出現したのだと発しています。

トマシンがそこに居たにも関わらず行方不明になった
というこの状況はサムの時のように、
双子は魔女に連れ去られた

ということで間違いないのではないでしょうか。

そして、ラストの『サバト』とも称される魔女の集会
その晩餐になった生贄こそ双子だったのかもしれません。

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おわりに

何のために信仰をするのか?

ある人は人としての短い一生を
どうやって生きるべきなのか?
という道しるべだったり、
善良な人間でいるためだったり、
そもそもそこに生きる意味を見出す人も居るのでしょう。

ウィリアムもまた、人の力ではどうすることもできない
命の期限と、その後の未知の世界を恐れたゆえの
信仰だったのではないでしょうか。

しかしながらウィリアムはそれが行き過ぎてしまった
がために、かえって悪魔に隙を突かれたのかもしれません。

悪魔や魔女に囲まれた地に移り住んでしまったのが
悲劇の始まりだった。

ともすれば
奇しくも信仰が揺らいだキャサリンが言った
〖イギリスに帰りたい〗
という願いこそを実行することが
事態を好転させる唯一の道だったのかもしれません。

実の娘をもスケープゴートに仕立て上げるほどの
強い恐怖心は負の力になり、
狂信的なまでの行き過ぎた信仰は
かえって自らの不利な状況を招いてしまいました。

それらにはらんだ危険性は
本来の信仰の意味を台無しにしたのでしょう。

さらに女性であるというだけの理由が招く
トマシンに課せられた抑圧。

その抑圧に苦しめられた結果、
解放された喜びに溢れた心の選択。

それは、父の教えに従った信仰ではなく、
これまでの質素な暮らしを捨て、
素敵なドレスを身にまとい、罪の味を味わえる
そんな生きている今、完美な世界を堪能できる道を選びます。

父が何よりも欲していた魂の安寧と引き換えに・・・。

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