【ネタバレ考察】映画『コンクリートユートピア』ヨンタクの正体と衝撃の結末とは？

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世界的な大災害の末に、たった一棟だけ無事だったアパートがあった。
その先に起こるのは、
生きたいと思う欲望、そして守るべき人間としての尊厳の狭間での葛藤。

イ･ビョンホン主演映画
【コンクリートユートピア】

その住人たちは、特別ではない普通の人々。
そんな中に混ざってしまったら
〖あなたならどうする？〗を投げかける衝撃作になっています。

イ･ビョンホンが圧倒的な存在感で魅せる
アパートのリーダーヨンタクという人物。

果たしてその男の正体とは？
衝撃の結末についてネタバレ考察しています。

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『コンクリートユートピア』あらすじ

世界の各地で起こった大災害はソウルの町を
壊滅へと追い込んだ。

しかしそんな中、たった一つだけ崩落を逃れたファングンアパートがあった。

救助が来る気配がないその町を包む極寒、
行き場のないものたちによる横行する犯罪。

人々は生きるために、たった一棟だけ崩落なかった
そのアパートをめがけ押し寄せた。

602号室の住人であるミンソン夫妻の元にも
女性と幼い子供が訪れ、妻で看護師のミョンファは
外の極寒に2人を追い出すことなど出来ず、
女性と子どもは夫妻の部屋に身を寄せることになる。

一方で無法地帯となったその町では
不法に侵入する者や、殺傷をしたり放火をするなど
犯罪が横行した。

放火された部屋へ自らの危険も顧みず飛び込んだのは
902号室のヨンタクだった。

マンション住人は、こうした事態に対処するため
集会を開きまずは住民の主導者を決めることに。

主導者に選ばれたのは自らの保身より住民のことを
優先した勇敢さが評価された
902号室のヨンタクだった・・・。

キャスト
イ･ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、
パク・ジフ、キム・ドユン　他

『コンクリートユートピア』を視聴する方法

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以下、ネタバレを含みます。
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2024年7月時点のものです。
最新の情報は各サイトにてご確認くださいませ。

衝撃の結末をネタバレ解説

大災害が起こり、たった一棟だけ崩落を逃れた
ファングンアパート。

住人たちは結束して部外者を入れないことを決定します。

しかし外の世界では生きる術がない者たちは
助けを求めファングンアパートへ押し寄せ、
彼らは暴徒と化していきます。

住民たちと非住民たちの争いの結末はどうなるのでしょうか。

住民の主導者の正体

ファングンアパートの主導者に選ばれ、
身体を張ってアパートと住人を守るヨンタク。

住民の中にはアパート住人を家族とし、家族を守るためには
他の犠牲は厭わないヨンタクに反発を覚える者も・・・。

そんな時、アパートの出身者で災害時は不在だった903号室に住む
ムン･ヘウォンが困難を乗り越え帰宅の途につきました。

ヨンタクの部屋の隣人であるヘウォンはヨンタクが本物の住人ではない
と確信します。

さらに行き過ぎた行動を起こすヨンタクへの疑念から
ミョンファにヨンタクは偽物であると打ち明けます。

ヨンタクの部屋へ忍び込んだミョンファは
部屋から本物の住人の亡骸を発見します。

一方、食料の調達に出ていたヨンタクたちは
非住民の襲撃にあい、調達した食料の殆どを失い、婦人会会長の
グメの息子であるジヒョクもその襲撃により命を落としてしまいます。

激高したグメはヨンタクと言い争いになり、
そこへミョンファが現れ
ヨンタクが偽物であり本当は非住民であることを告発しました。

ヨンタクに成りすましていた男性の本当の名前は
モ・セボムというタクシー運転手だったのです。

セボムの最後とミンソン夫妻の行方

本物のヨンタクは詐欺師でした。
セボムはヨンタクの被害者だったのです。

部屋の権利証をちらつかせお金だけ奪いとったヨンタクの元を
訪れたセボムはもみ合いになりヨンタクを殺害してしまいます。

その矢先に災害が起こり、
そのままヨンタクとして成りすましていたのでした。

住民たちが決めたルールは部外者を入れないこと。

そのルールにのっとり、セボムを追い出そうとする声
が上がる中、セボムは自分の正体を暴いたヘウォンを
廃棄物処理の底へ突き落としました。

そんな騒動に紛れて非住人たちがアパートの中へ
強行突破することを試み、住民たちは懸命にアパートを守ろうとしますが
押し寄せる非住民たちの波には逆らえずにアパートは暴動の地となりました。

ミンソンは懸命に妻を守ろうとし、
非住民に刺されてしまいますが、夫妻は何とか
アパートから脱出します。

非住民たちは爆弾を投入するなど、もはや地獄絵図と化した
アパートの紛争の中、住民たちは倒れていきました。

セボムもまた重傷を負い、命からがら902号室の部屋へ帰宅し
ますがそのまま息絶えてしまいます。

アパートを後にしたミンソンとミョンファは
朽ちた教会へとたどり着きました。

そこで改めてお互いの気持ちを分かち合った2人
でしたが翌朝、ミョンファが目覚めると
ミンソンは永遠の眠りについていました。

失意の中、どうすることもできないミョンファが座り込んでいると
通りかかった人たちがミョンファに
『住む場所がないなら一緒に来る？』
と聞いてきました。

誘われるままについて行った先は
横倒れになったアパートでした。

生きている限り、ルールもなく食料も無償で分けて貰える、
支え合って生きていくというそのグループ。

彼らは聞いてきました。
〖ファングンアパートの住民は人を捕えて食していたという噂は本当か〗
と。

ミョンファはその噂を否定し答えるのでした。
〖彼らは普通の人たちだった〗
・・・と。

セボムがアパートを守る理由

マイホームというのは多くの人の夢や希望であり、
人生の中で最も高額の買い物なのではないでしょうか。

マイホームを持つことはステータスが高いという思想は特に韓国では
顕著に表れています。

セボムもまた家族の幸せのために
マイホームを購入したはずでした。

しかしセボムが購入した相手は詐欺師のヨンタクで、
アパートの権利証を手に入れることなく
お金だけぼったくられてしまったセボム。

財産を失くしてしまったセボムは家族の幸せどころか
妻と子どもに見捨てられ、家族も希望も消えていきました。

そんな時、本物のヨンタクを殺害し、
住人に間違われたセボムはヨンタクになりすまし
アパートのリーダーにまで任命されます。

セボムにとってアパートは家族の、幸せの象徴だったのでしょう。

住民を守ることは家族を守ること。
アパートの長になったことは、家長になったも
同然だったのです。

そんなセボムにとってアパートや住民を死守することは
当然の役目だったのではないでしょうか。

『コンクリートユートピア』感想

自然の脅威にさらされた後、
持っている人と持たざる人たちのサバイバル
と取ることも出来る一方で
現在進行形の難民を受け入れるかどうかの問題
に重ねることもできる本作の構図。

どちらも生きるという欲望に従えばこそ
普通の人たちが悪にも善にも変化してしまいます。

同じアパートの住人の顔を知らないこと
そんな良く知らない人を自身が従うべきリーダー
に任命できること・・・

あり得ることだけに色々と恐ろしいです。

もしも持っている側、受け入れる側になったとき
どんな選択をするのだろうかと想像してしまいます。

大切な人を守ることが最優先になる人は
多いのではないでしょうか。

だからこそミョンファには共感するけれども、
ミンソンやセボムのことも責めることはできない。

自分や大切な人を守るために何が正解になるのか？

その答えはこの登場人物の誰にでもなり得る
・・・なのかもしれません。

しかしながら人類だからこそ
心や尊厳に従って皆が同じ方向を向くことだってできるのだと。

結末に登場する生きている者同士が無条件に支えあうグループ
にはそんな可能性が秘められているのではないでしょうか。

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