『スマイル2』考察/どこまでが幻覚?モリスが消えた理由とラストの意味を読み解く

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ベテラン俳優ケビン・ベーコン「クローザー」の主人公・
キーラ・セジウィックの娘としても知られる
ソシー・ベーコンの好演が恐怖を掻き立てた前作
『スマイル』のラストから6日後の物語が展開する続編
『スマイル2』

前作以上の現実と幻覚の境界の複雑さは
視聴者を混乱させるものとなっています。

そこで本記事では
どこまでが現実だったのか?
モリスは実在したのか?

など主要な謎について解説と、深読み考察をしています。

『スマイル2』を未視聴の方はアマゾンプライムビデオで視聴してみてはいかかでしょうか!

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以下、結末までのネタバレを含みます
未視聴の方はご注意ください。

本記事の情報は2026年6月時点のものです。
最新の情報は各さサイトにてご確認くださいませ。

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『スマイル2』の結末を簡単に整理

世界的なポップスターとして名を馳せるスカイ・ライリー
しかし彼女は1年前のとある事故による罪悪感を背負い
心に深い傷を負ってしまった。

周囲はスカイの復帰に尽力し、彼女自身もまた
華々しくツアーで復活を果たすため準備をすすめていた。

そんな折、薬の売人であるルイスの自宅を訪ねたスカイは
彼が不可解に自ら命を絶つ現場を目撃してしまう。

急いでその場を後にするスカイだったが、
その日から彼女は不穏な出来事に追われるようになった。

その時、モリスという男性がスカイに接触してきた。
彼の弟もスカイのように”感染”してしまい不幸な最後を遂げたという。

それ以来、感染者を救おうとしたものの、間に合うことはなかったという。

スカイに出会えたモリスは彼女に一旦心肺停止状態に陥れば感染させているものを
騙し生還できるのではないかと提案する。

一度は拒絶したその誘いだったが
スカイは笑顔の軍団に追い詰められ
現実と幻覚の境目さえわからなくなってしまった。

不穏は続き、言い争いの末、母親を手に掛けてしまったのだ。

何にが現実かわからないまま、助けを求めてモリスに連絡をとるのだった。

しかしいざ冷凍庫で心肺停止状態に陥ろうとしたとき、
モリスが消えたのだ。

天井から落ちて来る自分自身と対峙し、
気が付くとそこは復帰ツアーの舞台だった。

観客席には笑顔の母親の姿もあった。

しかしそれはスカイにとってラストステージの幕開けだったのだ。

スカイは何万人という彼女のファンが歓声をあげ
見守る中で自らの命を絶った・・・。

考察1どこまでが幻覚だったのか?

終盤、母親の絶命後に病院を抜け出し、モリスの元へ
車を走らせるスカイを助けたのは絶縁状態だったが
最近和解したジェマでした。

ところがモリスの待つ冷凍庫がある場所へ向かう途中で
運転席のジェマが感染させる存在(以下、エンティティと記載)である
ことが判明しました。

今までスカイが見ていた復縁したと思っていたジェマは
偽物で幻覚だった
ことが判明した瞬間でした。

ではどこまでが現実だったのでしょうか?

現実だった可能性が高い部分

①ルイスの自殺
スカイが”感染”したきっかけとなったルイスの自殺。
これは現実と言えるでしょう。

②最初のモリス
バーで会ったモリスとの最初の接触は本物である可能性が高い
と考えています。
エンティティにおける”感染者”のルールに詳しく、
実際弟が被害にあったという描写は、その正体がエンティティであったなら
不必要な情報だと言えるでしょう。

本物であるからこその助言と言えるのではないでしょうか。

③ラストの復帰ツアーのステージ
ラストシーンで気がついたスカイは復帰ツアーの舞台袖にいました。
彼女を待ち受ける何万人ものファンたち、
そしてその中で迎えるスカイの末路も現実と言えるでしょう。

幻覚だった可能性が高い部分

一方で幻覚だった可能性が高いのは・・・

①ジェマとの再会
ラストで判明するジェマ=エンティティだった・・・というネタ晴らし。
その最中、本物のジェマとの会話で
『(スカイとは)しばらく会っていない
と明かしています。

つまりはスカイがジェマに謝罪の留守電を入れ、
それを聞いたジェマがスカイの元に駆け付けるところから
幻覚
であると言えます。

②ダンサーたちの襲撃
スカイの部屋に現れた不敵な笑顔のダンサー集団が彼女に詰め寄り、
押さえつけた後、一つの腕が彼女の口から侵入していきました。

これはエンティティがスカイの支配を完了させた場面であり、
同時にスカイ自身も自我を保てなくなったことの可視化である
といえるのではないでしょうか。

③母親との場面
傷ついた娘よりもステージやスターとしての損失面ばかりを
心配する母親と言い合いの末、手に掛けてしまったスカイ。

しかしラストの現実と思われるステージを
見守る笑顔の母親が登場しています。

つまりはここでの母親は偽物だったということになります。

④冷凍庫で再会したモリス
前提として筆者はモリス自身は本当に存在したのだと思っています。
そして最初の方、バーでスカイを救う方法があると説く
モリスは現実
であると考えています。

しかし終盤に冷凍庫でスカイを助けるために
心配停止の計画を実行していたモリスは
偽物だったのかもしれません。

その理由の一つとして、スカイはその冷凍庫から
ダイレクトにツアー会場へ飛んだ
からです。

考察② モリスはなぜ突然消えたのか?

最後の最後でスカイが生還するための
唯一の希望であるモリス
が計画半ばにして
突然消えてしまいました。

物語上ではモリスが消えた理由について
明確な答えは出されておらず、モリスの存在は最大の謎と
言っても過言ではない気がします。

だからこそ、本作の”モリス問題”については
複数の解釈が生まれていると思っています。

本記事ではそんな複数の中から個人的な見解を綴ってみました。

パターン1:後半のモリスは幻覚だった

先に記した通り、筆者の最有力な見解は
モリスは途中から幻覚になってしまった・・・
ということです。

モリスはスカイを助けることができたかもしれない唯一の存在でした。
その正体を知り、スカイを案じるただ一人の人で、
助かる方法を伝授してくれた・・・。

しかし敢えてスカイに希望を見せてから一気に絶望の底へと
落としたかったエンティティは、
わざとモリスとスカイが出会うことを容認したと言えるでしょう。

それ故、冒頭のバーでのモリスは本物なのです。
そして「助かるかもしれない希望」をあえてスカイに見せたのです。

しかし一度限りのスカイのチャンスを彼女は逃してしまった
と言えるでしょう。

そうしてエンティティは希望から絶望へのカウントダウン要員として
モリスの姿を利用したのです。

いざ計画を実行すると途中で消えてしまったモリス。
しかし途中で消えたのではなく、
最初からスカイを助けるために現れたモリスなど
存在しなかった
のです。

パターン2:最後までモリスは実在した

もう一つの推察は、モリスは本当にスカイを助けるために
現れたが失敗に終わってしまった
という見解です。

もしも後半のモリスが幻覚ではなく
本当に存在していたのだとすれば、
むしろもっと悲劇的だと言えるのではないでしょうか。

なぜならば最後までモリスが存在していたならば
スカイには助かる道もあったということになるからです。

それを許さないエンティティはスカイの支配を完璧に終わらせ、
彼女はとうとう現実から遮断されたのです。

スカイにとってわずかな現実だったモリス
同時に彼女と現実を繋ぎとめる唯一の、か細いロープでした。

モリスがスカイの前から姿を消したのではなく、
彼女はモリスという現実を認識できなくなった
のではないでしょうか。

モリスの救いの手はすぐそこにあったにも関わらず、
スカイはそれを掴む寸前で阻止されてしまったのです。

考察③ なぜエンティティはスカイを狙ったのか?

きっかけはこれまでと同じように、
ルイスの自殺を目撃してしまい”感染”したからです。

しかしエンティティはスカイのような獲物を待ち望んでいた
と言いました。

その真意に隠された意味を2つ推察してみました。

一つはスカイがこれまでのどの”感染者”よりも闇を抱えていたから。

スカイの胸の内に秘められた
恋人を失った事故を起こした罪悪感
そしてスター故に誰にも理解されない孤独は巨大でした。

それでも本音や苦悩を隠しながらファンの前で笑顔を作るしかない
スターであるスカイはまさに『スマイル』そのものだったのです。

侵食しやすく、操りやすい、エンティティにとって
気の合う存在だったと言えるでしょう。

もう一つはエンティティ自体がさらなる進歩や変革を望んだから
なのではないでしょうか。

その望を実現できる存在こそ、
世界的な大スターであるスカイだったのです。

ラストで彼女は復帰ツアーの舞台に立ち、
何万人という観客の前で自らの命を絶ちました。

つまり何万人という観客たちを”感染者”にしたことになります。

世界的なスターだったスカイのそのコンサートは生配信も
されていたかもしれない。

だとすればまさに世界中の目撃者を”感染”させたことになります。

それこそがエンティティが進化するために目論んだ
結果となったのでしょう。

ラストの意味を読み解く

ラストシーンが衝撃的なのは
エンティティがわざわざスカイの最後の場所を
復帰コンサートの舞台上にしたことなのではないでしょうか。

それは偶然などではなくエンティティの新たな野望
を実現する舞台でもありました。

前作までの感染のルールは
一人の感染者が目撃者を感染させるという
交代制でした。

しかし本作のラストではそのルールそのものを超越してしまいます。

スカイは数万人という観客と配信を見ていたかもしれない
大勢の人の前で自らの命を絶ちました。

そのショックはSNSやメディアで、スカイが消えた後にも
拡散されていく
ことになるでしょう。

言うまでもなくそれは”感染”の拡散を意味します。

これにより”感染”は個人的な規模から
世界中へと進化した
可能性が示唆されました。

エンティティはその影響力を最大限に高め
”感染”を世界中に広め、恐怖と絶望を拡散
するために
それを容易に行える大スターであるスカイを利用し、
最後に舞台上に立たせたのです。

よってラストは孤独な大スタースカイが
悲劇を遂げた悲しみを示したのではなく、
エンティティの感染がおりなす
真の恐怖と惨劇が始まった
という瞬間を示唆したものなのではないでしょうか。

『スマイル2』を見た感想

『スマイル2』は前作以上に現実と幻覚の境界線に
とまどう作品でした。

ジェマが幻覚だというのは何となく示唆されたものの、
モリスの存在はどう転ぶかで解釈も変わってくるのでは
ないでしょうか。

幻覚ならば突然消えるのは不自然ではないけれど、
もしも実在したとすればその謎はさらに深まります。

筆者的には助けようとしたが失敗した
という追い打ちの悲劇という解釈をしました。

しかしあるいはモリス自身が弟を殺したエンティティを憎んで
いたため、計画実行を目前に、迷いが生じたモリスが、
スカイの救済よりエンティティの根絶を優先した
という可能性も否めないでしょう。

そのためにスカイを目撃者なしで殺すこと
がモリスの目的になった可能性もあります。

そんな風にどれが現実でどれが幻覚だったのかという
答えを明確にしないラストは
鑑賞後も考えたり誰かと語りたい作品になっていると思いました。

本作の主人公・スカイは大スターでしたが
その裏に潜むのは罪悪感と孤独でした。

そんな隠された心情にも焦点をあてた物語故に、
スカイのラストの悲劇は怖さ以上に切なく胸が痛いものとなった気がします。

前作が面白いと思った人はもちろんのこと、
人が抱える苦悩や孤独といったものを描いた作品を好む人
にもおすすめな一作でした。

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